「ワンルーム投資より高利回りを狙いたい」「空室リスクを分散したい」——そんな投資家から注目を集めているのがシェアハウス収益物件です。一つの建物で複数の賃貸契約を結べるため、同じ面積でも総家賃収入を1.5〜2倍に引き上げられる可能性があります。
本記事では、シェアハウス投資のメリット・デメリットから、物件タイプ別の戦略、購入手順、融資・税務対策、運営ノウハウまでを網羅的に解説します。初心者の方でも実践できるよう、具体的な数値や手順を交えてお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
シェアハウス収益物件とは|高利回りを生む仕組み

シェアハウス収益物件とは、一つの建物を複数人でシェアする賃貸形式で運営する投資用不動産のことです。入居者は個室を持ちながらキッチンやリビングなどの共用部を共有するため、通常の賃貸住宅よりも家賃を抑えられます。オーナーにとっては「ベッド数×家賃」で総収入を計算できる点が最大の特徴です。
例えば、築30年の木造戸建て(延床面積100㎡)を5室のシェアハウスに改修した場合を比較してみましょう。
| 運営形式 | 月額収入 | 年間収入 |
|---|---|---|
| 一軒家賃貸 | 12万円 | 144万円 |
| シェアハウス(4万円×5室) | 20万円 | 240万円 |
このように、同じ物件でも年間96万円(約1.67倍)の収入増を実現できます。国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」によると、都市部のシェアハウス平均稼働率は92%に達し、ワンルームマンション(86%)を6ポイント上回る結果となりました。賃料下落や空室に強いビジネスモデルといえます。
シェアハウス投資のメリット・デメリット

シェアハウス投資を検討する際は、メリットとデメリットを正確に把握しておくことが重要です。それぞれを整理して解説します。
メリット|空室リスク分散と高利回りの両立
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 空室リスクの分散 | 8室中1室空室でも87.5%の収入を確保でき、収益が安定します |
| 高利回り実現 | 表面利回り10〜20%、実質利回り7〜12%を達成しやすい点が魅力です |
| 少額投資可能 | 築古戸建て活用なら自己資金300万〜500万円でスタートできます |
| 多様なターゲット層 | 若者・外国人・留学生・単身赴任者など幅広い需要を取り込めます |
| 差別化による付加価値 | 「女性専用」「ITフリーランス向け」など特化型で家賃5〜15%アップも可能です |
アパートやマンションの利回りが10%に満たないことが多い一方、シェアハウスの利回り平均は10〜15%といわれています。複数契約による収入増加と空室リスク低減が両立できる点が、高利回りを支える要因です。
デメリット|運営負担と法規制への対応
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| 運営負担の増加 | 管理会社への委託(家賃収入の10〜20%)で負担を軽減 |
| 入居者トラブル | 明確なハウスルールと入居審査基準の設定で予防 |
| 法規制への対応 | 購入前に建築士による建築基準法・消防法の適合性チェックが必須 |
| 維持費の増加 | 共用部清掃費・光熱費など年間維持費が1.3〜1.5倍になる点を収支計画に反映 |
法規制への対応は特に重要です。シェアハウスは建築基準法上「寄宿舎」に該当する場合があり、個室面積7㎡以上、採光・換気基準の遵守などが求められます。違反すると行政指導や営業停止のリスクがあるため、購入前に専門家へ相談しましょう。
また、2018年の「かぼちゃの馬車」事件では、サブリース契約の甘い収支見通しや融資審査の問題が露呈しました。この教訓から、サブリース契約に頼りすぎず、自身で収支シミュレーションを行うことが重要です。
物件タイプ別の投資戦略
シェアハウス投資は物件タイプによって収益モデルが異なります。自身の資金力やリスク許容度に合わせて戦略を選びましょう。
| 物件タイプ | 初期投資目安 | 想定利回り | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 築古戸建て改装 | 1,000万〜1,500万円 | 12〜18% | 低コストで高利回りを狙える。立地選定が重要 |
| 既存アパート転用 | 2,000万〜3,500万円 | 10〜14% | 室数確保が容易。共用部の改装費用がかさむ場合も |
| 新築シェアハウス | 4,000万〜8,000万円 | 8〜12% | 設計段階から最適化可能。初期費用は高いが長期安定運営向き |
初心者には築古戸建ての改装がおすすめです。総投資額1,500万円前後から始められ、リノベーションのノウハウを蓄積しながら規模を拡大できます。
購入から運営開始までの流れ
シェアハウス収益物件の購入から運営開始までは、以下の6ステップで進めます。
- コンセプト決定:ターゲット層(女性専用・外国人向けなど)を明確化します
- 物件選定:駅徒歩10分以内、20〜30代人口が多いエリアを優先します
- 収支計画・融資審査:購入価格+リノベ費用+諸費用を算出し、融資を申請します
- 物件購入・契約:売買契約を締結し、所有権を取得します
- リフォーム・法令対応工事:建築基準法・消防法の基準をクリアする工事を実施します
- 入居者募集・運営開始:専門ポータルサイトやSNSで集客を開始します
物件選定では、大学・専門学校やオフィス街の近隣が有利です。若年層や単身赴任者の需要が見込め、年間平均入退去回数を抑えられます。
初期費用の目安と資金計画
シェアハウス投資の初期費用は総額1,200万〜2,000万円が目安です。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 物件購入価格 | 800万〜1,200万円 |
| リノベーション費用 | 200万〜450万円 |
| 家具・家電購入費 | 50万〜100万円 |
| 諸費用(登記・仲介手数料等) | 50万〜100万円 |
東京都豊島区など自治体の空き家改修補助金(最大300万円)を併用すれば、初期費用を大幅に削減できます。補助金の申請期限や条件は自治体によって異なるため、早めに確認しましょう。
融資・税制優遇を最大活用する方法
日本政策金融公庫の活用
日本政策金融公庫の「ソーシャル住宅融資」は、コミュニティ性の高い賃貸住宅を対象としており、シェアハウスは要件を満たしやすいと公庫も明言しています。最大7,200万円・最長20年、金利1.1〜1.3%台で利用可能です。
審査通過の目安は以下のとおりです。
- 自己資金比率:20〜30%
- 勤続年数:3年以上
- 年収:400万円以上
青色申告特別控除と減価償却の活用
青色申告特別控除(最大65万円)を受けるには、複式簿記による帳簿記帳とe-Taxでの申告が必要です。開業届と青色申告承認申請書は事業開始後2か月以内に税務署へ提出しましょう。
木造建物の法定耐用年数22年を基準に減価償却費を計上することで、課税所得を圧縮できます。建物価格1,000万円の木造戸建てなら、年間約45万円の減価償却費を経費計上可能です。
5棟10室基準による事業的規模認定
国税庁の所得税通達では、貸家5棟または貸室10室以上を保有すると「事業的規模」と認定されます。事業的規模になると、青色申告特別控除の満額適用や事業専従者給与の計上が可能になります。シェアハウス5室以上を運営する場合は税理士に相談し、最大限の節税効果を得られるよう計画しましょう。
運営ノウハウ|高稼働率を維持する秘訣
シェアハウス運営で最も重要なのは安定した入居者確保とコミュニティ形成です。
効果的な集客方法
- 専門ポータルサイト:ひつじ不動産、シェアハウス180°などへの掲載(月額3万〜10万円)
- SNS活用:InstagramやTwitterで物件の魅力や入居者の声を発信
- コンセプト明確化:「女性専用」「語学交流」「クリエイター向け」など差別化で家賃プレミアムを確保
管理運営のポイント
運営の手間を削減するには管理会社への委託がおすすめです。管理費用は家賃収入の10〜20%程度かかりますが、入居者募集・トラブル対応・清掃手配などの負担を大幅に軽減できます。
入居者同士のトラブルを防ぐため、以下の点を明文化したハウスルールを作成しましょう。
- 共用部の利用時間と清掃当番
- 騒音・来客に関するルール
- ゴミ出しや共用備品の使用ルール
入居時に書面で同意を得ることで、トラブル発生時の対応がスムーズになります。また、月1回程度の交流イベント開催は入居者の満足度向上と長期入居につながります。
よくある質問(FAQ)
シェアハウス投資は本当に儲かりますか?
適切な立地選定と運営管理を行えば、表面利回り10〜20%、実質利回り7〜12%を達成できます。ただし、空室リスクや運営コストを考慮した収支シミュレーションが必須です。サブリース契約に頼りすぎず、自身で収支を管理することが成功の鍵となります。
違法シェアハウスにならないためには?
建築基準法上「寄宿舎」に該当する場合、個室面積7㎡以上、採光・換気基準、消防設備の設置が求められます。購入前に建築士や行政窓口で確認し、必要な改修工事を行いましょう。
初心者でもシェアハウス投資は可能ですか?
可能です。自己資金300万〜500万円、年収400万円以上が目安で、日本政策金融公庫のソーシャル住宅融資などを活用すれば少額から始められます。運営は管理会社への委託を活用し、徐々にノウハウを蓄積していくことをおすすめします。
まとめ|シェアハウス投資成功の3つのポイント
シェアハウス収益物件は、空室リスク分散・高利回り・少額投資という3つの魅力を持つ一方、運営負担や法規制への対応が求められます。成功のポイントは以下の3つです。
- 立地と法令チェックの徹底:駅徒歩10分以内で建築基準法・消防法を事前確認
- 資金計画の精密化:自治体補助金と日本政策金融公庫融資を最大活用
- 運営戦略の構築:コンセプト明確化と専門ポータル・SNS活用で高稼働率を維持
2025年度は自治体の補助金制度や税制優遇も充実しており、シェアハウス投資を始める好機です。まずは投資エリアの市場調査と物件探しから始めてみてください。専門家への相談を通じて、あなたに最適な収益物件を見つけましょう。