不動産投資を検討している方の中には、「築20年のワンルームマンションって、実際どうなの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。新築物件に比べて価格が手頃な一方で、修繕費用や空室リスクが心配になるのは当然です。実は、築20年のワンルームマンションは、適切な知識と戦略があれば、初心者にとって非常に魅力的な投資対象になります。この記事では、築20年ワンルームマンション投資のメリット・デメリットから、成功するための物件選びのポイント、資金計画、そして実際の運用方法まで、プロの視点から詳しく解説していきます。
築20年ワンルームマンションが投資対象として注目される理由

不動産投資市場において、築20年前後のワンルームマンションは「スイートスポット」と呼ばれることがあります。これは、価格と収益性のバランスが最も優れている時期だからです。
新築マンションの価格には、広告費や販売経費などが上乗せされており、購入直後から2〜3割程度の価値下落が起こります。一方、築20年を経過した物件は、こうした初期の急激な価格下落がすでに終わっており、価格が比較的安定している状態です。国土交通省の「不動産価格指数」によると、マンションの価格下落は築15〜20年で緩やかになり、その後は立地条件次第で価格を維持する傾向が見られます。
さらに重要なのは、築20年という時期が建物の状態と投資効率の両面で優れている点です。適切に管理されたマンションであれば、築20年でもまだ十分な耐用年数が残っています。鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年ですから、築20年の物件にはまだ27年の耐用年数があることになります。つまり、建物としての寿命は半分以上残っているのに、価格は新築の半額程度になっているケースも珍しくありません。
実際の投資効果を見ても、築20年ワンルームマンションの魅力は明らかです。都心部の築20年ワンルームマンションの表面利回りは、平均して5〜7%程度となっており、新築物件の3〜4%と比較すると大きな差があります。初期投資を抑えながら、より高い収益率を狙えるのが築20年物件の最大の強みといえるでしょう。
築20年ワンルームマンション投資のメリットを徹底解説

築20年のワンルームマンションには、投資対象として多くのメリットがあります。まず押さえておきたいのは、圧倒的な価格優位性です。
同じエリア、同じ広さの物件でも、新築と築20年では価格に大きな開きがあります。例えば、東京23区内の駅徒歩5分圏内にあるワンルームマンション(25㎡程度)の場合、新築なら3000万円前後するところ、築20年なら1500〜2000万円程度で購入できるケースが多く見られます。この価格差は、投資の初期費用を大幅に抑えられることを意味します。
高利回りを実現しやすい点も見逃せません。購入価格が抑えられる一方で、賃料は新築物件と比べてそれほど大きく下がらないため、投資効率が高くなります。都心部の好立地であれば、築20年でも月7〜9万円程度の賃料を維持できることが多く、1500万円で購入した物件から月8万円の賃料収入があれば、表面利回りは6.4%になります。これは新築物件では実現困難な数字です。
融資面でのメリットも存在します。築20年の物件は実績のある中古物件として、金融機関の評価が確立されています。新築物件の場合、完成前の購入では実際の資産価値が不透明ですが、築20年の物件は既に市場での取引実績があり、適正価格が明確です。このため、金融機関も融資判断がしやすく、条件次第では有利な融資を引き出せる可能性があります。
さらに、物件の実態を確認できる安心感があります。新築物件では入居者の属性や管理組合の運営状況が未知数ですが、築20年の物件なら過去の入居履歴や修繕履歴、管理組合の財務状況などを確認できます。これにより、投資判断に必要な情報を十分に集めた上で購入を決定できるのです。
知っておくべきデメリットとリスク管理の方法
築20年ワンルームマンション投資には、当然ながらデメリットやリスクも存在します。重要なのは、これらを正しく理解し、適切に対処することです。
最も大きな懸念材料は、今後の修繕費用です。築20年を経過すると、給排水管の交換や外壁の大規模修繕など、まとまった費用が必要になる時期に差し掛かります。一般的に、マンションの大規模修繕は12〜15年周期で行われるため、築20年の物件は2回目の大規模修繕を控えている、または終えたばかりの状態です。修繕積立金の残高や今後の修繕計画を購入前に必ず確認し、想定外の出費に備える必要があります。
設備の老朽化も避けられない課題です。エアコン、給湯器、キッチン設備などは、築20年経過していれば交換時期を迎えている可能性が高くなります。これらの設備交換には、1回あたり10〜30万円程度の費用がかかります。ただし、これは計画的に対処できるコストです。購入時に設備の状態を確認し、交換が必要なものは購入価格の交渉材料にするか、購入後すぐに交換して入居者募集時のアピールポイントにする戦略も有効です。
融資期間の制約も考慮すべき点です。金融機関は一般的に「法定耐用年数-築年数」を融資期間の上限とすることが多く、築20年の物件では最長でも27年程度の融資期間になります。新築物件なら35年ローンを組めるところ、築20年では期間が短くなるため、月々の返済額が増える可能性があります。これに対しては、頭金を多めに用意する、収益性の高い物件を選んで返済負担を相対的に軽くするなどの対策が考えられます。
空室リスクについても、新築物件より慎重な検討が必要です。築20年の物件は、新築のような「新しさ」という武器がありません。しかし、立地の良さ、適切なリフォーム、相場に合った賃料設定によって、このリスクは十分にコントロールできます。実際、都心部の好立地にある築20年ワンルームマンションの空室率は、適切に管理されていれば5%以下に抑えられているケースが多く見られます。
失敗しない物件選びの5つのチェックポイント
築20年ワンルームマンションで成功するかどうかは、物件選びで8割が決まると言っても過言ではありません。ここでは、プロが実践している具体的なチェックポイントを紹介します。
第一に確認すべきは立地条件です。築20年という築年数をカバーできるのは、何よりも立地の良さです。具体的には、主要駅から徒歩10分以内、できれば5分以内の物件を選ぶことが重要です。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、駅徒歩5分以内の物件と10分超の物件では、空室率に2倍以上の差が出ています。また、周辺環境も重要で、コンビニ、スーパー、病院などの生活利便施設が揃っているエリアは、長期的に賃貸需要が安定します。
管理状態の確認は絶対に欠かせません。エントランスや共用廊下が清潔に保たれているか、掲示板の情報が更新されているか、自転車置き場が整理されているかなど、細かい点をチェックしましょう。これらは管理組合と管理会社がしっかり機能している証拠です。さらに、修繕積立金の残高と滞納状況を確認します。修繕積立金が不足していると、将来的に一時金の徴収や修繕積立金の大幅値上げが発生する可能性があります。理想的には、戸数×築年数×1万円程度の積立金があることが望ましいとされています。
建物の構造と耐震性も重要なチェックポイントです。1981年6月以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の物件を選ぶことが基本です。築20年の物件であれば、ほとんどが新耐震基準を満たしていますが、念のため確認しましょう。また、鉄筋コンクリート造(RC造)か鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)であることを確認します。これらの構造は耐久性が高く、遮音性にも優れているため、入居者の満足度が高くなります。
室内の状態と設備のグレードも見逃せません。購入前に必ず室内を見学し、床、壁、天井の状態を確認します。特に水回りの劣化状況は重要で、キッチン、浴室、トイレに水漏れやカビの痕跡がないかチェックしましょう。設備については、最新のものである必要はありませんが、入居者が不便を感じないレベルは維持したいところです。エアコン、給湯器、インターホンなどの動作確認も忘れずに行います。
最後に、賃料相場と利回りの妥当性を検証します。周辺の類似物件の賃料を複数の不動産ポータルサイトで調査し、想定賃料が相場から大きく外れていないか確認しましょう。売主や仲介業者が提示する想定賃料は、やや高めに設定されていることがあります。実際に募集する際の賃料は、相場の中央値かやや下程度に設定するのが現実的です。その賃料で計算した実質利回り(諸経費を差し引いた利回り)が4%以上あれば、投資対象として検討する価値があると言えるでしょう。
築20年ワンルームマンション投資の資金計画と収支シミュレーション
成功する不動産投資には、綿密な資金計画が不可欠です。築20年ワンルームマンションの場合、具体的にどのような資金が必要で、どのような収支になるのか見ていきましょう。
初期費用として必要なのは、物件価格だけではありません。まず自己資金として、物件価格の20〜30%を用意することが理想的です。例えば、1500万円の物件なら300〜450万円程度です。これに加えて、諸費用として物件価格の7〜10%程度が必要になります。具体的には、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)、登記費用(10〜20万円)、不動産取得税(固定資産税評価額の3%)、火災保険料(年間1〜2万円)、融資手数料(融資額の1〜2%程度)などです。1500万円の物件なら、諸費用は100〜150万円程度になります。
さらに、購入後すぐに必要になる可能性がある費用も考慮しましょう。室内のクリーニングやリフォームで20〜50万円、設備交換が必要なら追加で10〜30万円程度を見込んでおきます。また、空室期間中の管理費・修繕積立金の支払いや、入居者募集のための広告費(賃料の1〜2ヶ月分)も必要です。これらを合わせると、1500万円の物件を購入する場合、総額で450〜700万円程度の初期資金が必要になる計算です。
月々の収支シミュレーションも重要です。1500万円の物件を1200万円のローン(金利2%、期間25年)で購入し、月8万円の賃料収入がある場合を例に考えてみましょう。月々の収入は賃料8万円、支出はローン返済約5万円、管理費・修繕積立金1.5万円、管理委託費(賃料の5%)4000円、固定資産税・都市計画税(年間6万円として月割)5000円となります。これらを差し引くと、月々のキャッシュフローは約5000円のプラスになります。
ただし、これは満室時の計算です。空室率を10%と想定すると、年間の賃料収入は86.4万円(8万円×12ヶ月×0.9)となり、年間の実質収支は約1万円のプラス程度になります。さらに、5年に1回程度の設備交換費用(30万円)や、退去時の原状回復費用(10〜20万円)なども考慮すると、実際のキャッシュフローはさらに厳しくなる可能性があります。
しかし、これは悲観的なシナリオです。立地の良い物件を選び、適切に管理すれば空室率は5%以下に抑えられますし、ローンの返済が進めば元本部分が資産として蓄積されていきます。また、減価償却による節税効果も考慮すると、トータルでの投資効果は十分に期待できます。重要なのは、楽観的な想定だけでなく、厳しい条件でもある程度耐えられる物件を選ぶことです。
購入後の運用で差がつく管理とリフォームの戦略
物件を購入した後の運用方法によって、投資の成否は大きく変わります。特に築20年の物件では、適切な管理とタイミングの良いリフォームが重要です。
管理会社の選定は、投資成功の鍵を握ります。自主管理という選択肢もありますが、特に初心者の場合は、信頼できる管理会社に委託することをお勧めします。管理会社を選ぶ際は、管理戸数の実績、入居率、対応の速さ、管理委託料の妥当性などを総合的に判断しましょう。複数の管理会社に相談し、提案内容を比較することが大切です。管理委託料は賃料の5%程度が相場ですが、安さだけで選ぶと質の低いサービスになる可能性があるため注意が必要です。
入居者募集の戦略も重要です。築20年の物件は新築のような「新しさ」で勝負できないため、他の魅力をアピールする必要があります。立地の良さ、周辺環境の便利さ、リフォーム済みの設備などを前面に出しましょう。また、賃料設定は相場を意識しつつ、やや低めに設定して早期の入居を優先する戦略も有効です。空室期間が長引くと、その分の収入が失われるだけでなく、物件の印象も悪くなります。
リフォームのタイミングと内容も慎重に検討しましょう。購入直後に全面リフォームする必要はありませんが、最低限のクリーニングと小規模な修繕は行うべきです。特に効果的なのは、費用対効果の高い「プチリフォーム」です。例えば、壁紙の張り替え(5〜10万円)、照明器具の交換(2〜3万円)、水栓金具の交換(1〜2万円)などは、比較的少ない投資で室内の印象を大きく変えられます。
一方、大規模なリフォームは慎重に判断します。キッチンや浴室の全面交換は50〜100万円以上かかることもあり、その費用を賃料に転嫁するのは難しいケースが多いためです。ただし、長期的に保有する予定で、周辺の競合物件との差別化が必要な場合は、思い切った投資も検討する価値があります。重要なのは、リフォーム費用が何年で回収できるかを計算し、投資判断することです。
定期的なメンテナンスも忘れてはいけません。エアコンのフィルター清掃、排水管の洗浄、給湯器の点検など、小さなメンテナンスを怠ると、後で大きな修繕費用が発生する可能性があります。管理会社と連携して、年に1〜2回は物件の状態を確認し、必要なメンテナンスを実施しましょう。予防的なメンテナンスは、長期的には大きなコスト削減につながります。
まとめ
築20年ワンルームマンション投資は、適切な知識と戦略があれば、初心者でも成功できる魅力的な投資手法です。価格と収益性のバランスが良く、実績のある物件を選べるという点で、新築物件にはない優位性があります。
成功のポイントは、立地の良い物件を選び、管理状態を十分に確認し、現実的な収支計画を立てることです。修繕費用や設備交換などのコストを織り込んだ上で、それでも収益が見込める物件を選びましょう。また、購入後の運用では、信頼できる管理会社との連携と、適切なタイミングでのリフォームが重要になります。
不動産投資は長期的な視点が必要な投資です。短期的な利益を追うのではなく、10年、20年先を見据えた計画を立てることが大切です。築20年ワンルームマンションは、そうした長期投資の第一歩として、非常に適した選択肢と言えるでしょう。この記事で紹介した知識を活かして、あなたも不動産投資の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考文献・出典
- 国土交通省 不動産価格指数 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
- 総務省統計局 住宅・土地統計調査 – https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html
- 国土交通省 マンション管理について – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000001.html
- 公益財団法人 東日本不動産流通機構(レインズ)市場動向 – https://www.reins.or.jp/trend/
- 一般社団法人 不動産流通経営協会 不動産市場動向 – https://www.frk.or.jp/
- 国税庁 タックスアンサー(不動産所得) – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- 一般社団法人 マンション管理業協会 – https://www.kanrikyo.or.jp/