「札幌の地価は今後も上がり続けるのだろうか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。不動産投資を検討している方や、マイホームの購入を考えている方にとって、地価の動向は非常に重要な判断材料になります。この記事では、2026年3月に発表された最新の地価公示データをもとに、札幌市の地価の現状と今後の見通しをわかりやすく解説します。区ごとの上昇・下落の違いや、再開発の影響なども含めて整理しますので、ぜひ最後までお読みください。
2026年の札幌地価、最新データが示す現状

まず押さえておきたいのは、2026年の地価公示で札幌市全体がどのような動きを見せたかという点です。令和8年1月1日を基準日とし、令和8年3月18日に発表された地価公示(札幌市公表)によると、札幌市全体の平均変動率は住宅地が1.1%上昇、商業地が4.6%上昇、全用途平均では2.4%の上昇となりました。
注目すべきは、商業地の上昇率が住宅地を大きく上回っている点です。これは都心部への投資需要や観光・インバウンド需要の回復が、商業エリアの地価を押し上げていることを示しています。一方で、住宅地の上昇率は前年(2.9%上昇)と比べるとやや鈍化しており、全体的な過熱感は落ち着いてきているとも読み取れます。
また、住宅地で最も高い標準地は中央区南1条西26丁目で、1㎡あたり83万円という水準でした(札幌市公表の令和8年地価公示資料より)。都心部の住宅地がいかに高い水準にあるかがわかります。このように、札幌市全体としては依然として上昇基調を維持しているものの、エリアや用途によって温度差が生まれ始めているのが2026年の特徴といえます。
中央区が牽引する都心部の強さ

区別のデータを見ると、上昇の中心となっているのは中央区です。令和8年地価公示(札幌市公表)によれば、中央区の変動率は住宅地2.5%、商業地8.0%、全用途5.6%と、市内で最も高い上昇率を記録しています。特に商業地の8.0%という数字は、他の区と比べても際立った強さを示しています。
その象徴的な例が、中央区南6条西4丁目の商業地標準地です。札幌市の令和8年地価公示資料によれば、同地点の地価は1㎡あたり325万円で、前年比10.2%の上昇を記録しました。この地点は繁華街・すすきのエリアに近く、飲食店やホテルなどの需要が集中する場所です。インバウンド需要の回復や、都心部への投資マネーの流入がこうした上昇を生み出していると考えられます。
中央区の強さは、単なる一時的な現象ではなく、再開発や交通インフラの整備といった構造的な要因に支えられています。都心部に近い物件を検討している方にとっては、価格の高さと将来性のバランスをどう評価するかが重要な判断ポイントになるでしょう。
清田区に見る地域格差という現実
一方で、すべての区が上昇しているわけではありません。実は、清田区では住宅地が前年から下落に転じており、令和8年地価公示(札幌市公表)では住宅地の変動率がマイナス0.3%となっています。同じ札幌市内でも、エリアによって地価の動きが大きく異なるという現実が浮き彫りになっています。
清田区は札幌市の南東部に位置し、都心部へのアクセスが他の区と比べてやや不便なエリアです。人口動態や利便性の差が、地価の動きに反映されていると考えられます。不動産投資や住宅購入を検討する際には、「札幌市全体が上昇している」という大まかな情報だけでなく、区ごとの細かいデータを確認することが非常に重要です。
このような地域格差は、今後さらに広がる可能性もあります。再開発や交通インフラの整備が進むエリアとそうでないエリアでは、需要の差が生まれやすくなるためです。投資目的で物件を探す場合は、エリアの将来性を個別に見極める視点が欠かせません。
再開発と新幹線延伸が地価に与える影響
札幌の地価を語るうえで、再開発プロジェクトの動向は避けて通れません。札幌駅前の北5西1・西2地区では、2025年9月に本体除却工事に着手しており(札幌市公表)、再開発は着実に進行しています。また、JR北海道が発表した情報によれば、札幌駅のリニューアル工事では2027年度末にエキナカ商業施設の全面開業、2029年度第1四半期ごろの工事完了が見込まれています。こうした大規模な開発が完了すれば、駅周辺エリアの地価をさらに押し上げる可能性があります。
一方で、北海道新幹線の札幌延伸については、報道ベースでは2038年度末以降にずれ込む見通しとされています(UHBニュース報道)。当初期待されていたよりも開業時期が大幅に後ろ倒しになっており、新幹線効果による地価上昇の恩恵を受けるまでには、まだ長い時間がかかる見込みです。ただし、将来的な需要への期待感そのものは残っており、駅前エリアへの関心が完全に冷めているわけではありません。
再開発の効果は、完成後に一気に現れるのではなく、工事の進捗に合わせて段階的に地価に織り込まれていくのが一般的です。そのため、現時点での価格が「再開発前の割安な水準」なのか、「すでに期待値が織り込まれた水準」なのかを慎重に見極めることが大切です。
今後の地価動向を読むための視点
今後の札幌の地価を考えるうえで、いくつかの重要な視点があります。まず、都心部の商業地は引き続き強い需要に支えられる可能性が高い一方で、住宅地は上昇ペースが鈍化傾向にあることを念頭に置く必要があります。金利動向や人口動態が地価に与える影響については、公的な根拠に基づく確定的な予測は難しく、最新情報を継続的に確認することが重要です。
エリア選びの観点では、再開発が進む都心部や交通利便性の高いエリアは引き続き注目されやすい傾向があります。しかし、価格がすでに高水準にある場合は、利回りの観点から投資効率が下がるリスクも考慮が必要です。一方で、清田区のように下落に転じているエリアは、割安感がある反面、需要の回復が見込めるかどうかを慎重に判断する必要があります。
不動産投資や住宅購入を検討する際は、地価の動向だけでなく、賃貸需要・空室率・周辺の開発計画なども合わせて調べることをおすすめします。地価は一つの指標に過ぎず、実際の収益性や生活のしやすさは、複数の要素を総合的に判断して初めて見えてくるものです。最新の公示地価データは、札幌市の公式サイト(https://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/)で確認できますので、定期的にチェックする習慣をつけておくとよいでしょう。
まとめ
2026年の地価公示データが示すように、札幌市の地価は全体として上昇基調を維持しています。しかし、中央区の商業地が上昇する一方で、清田区の住宅地が下落に転じるなど、エリアごとの格差は明確に広がっています。再開発や新幹線延伸といった将来の材料も、時期や規模の不確実性を踏まえたうえで冷静に評価することが大切です。「札幌は全体的に上がっている」という大まかな情報だけで判断するのではなく、区ごと・用途ごとのデータを丁寧に読み解く姿勢が、不動産投資や住宅購入の成功につながります。まずは公式データを確認し、信頼できる専門家にも相談しながら、一歩ずつ判断を進めていきましょう。
参考文献・出典
- 札幌市 地価情報(地価公示・地価調査)— https://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/
- 札幌市 令和8年地価公示概要資料 — https://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/documents/r8koujigaiyou.pdf
- 札幌市 北5西1・西2地区(再開発情報)— https://www.city.sapporo.jp/toshi/saikaihatsu/n5-w1w2.html
- 札幌市 都市再開発方針(2026)概要版 — https://www.city.sapporo.jp/keikaku/minaoshi/documents/08_bukai9_houshin_gaiyou_1.pdf
- JR北海道 札幌駅リニューアル計画の概要について — https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20260520_KO_sapporostation_renewal.pdf
- JR北海道 札幌延伸に向けた取り組み・札幌駅部の新幹線工事・札幌駅周辺開発 — https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/shinkansen/stretching.html
- UHBニュース 札幌再開発の現在地は?札幌延伸は2038年度末以降に遅延の見通し — https://www.uhb.jp/news/single.html?id=58163