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再建築不可物件の売買契約書と特約の注意点

再建築不可物件の購入を検討しているものの、「売買契約書にどんな特約を入れればいいのか」「何に気をつければいいのか」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。再建築不可物件は価格が割安な反面、通常の物件とは異なる法的制限があるため、契約書の内容を正しく理解しないまま署名してしまうと、後から取り返しのつかないトラブルに発展することがあります。この記事では、再建築不可物件の基本的な仕組みから、売買契約書に盛り込むべき特約のポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

再建築不可物件とは何か

再建築不可物件とは何かのイメージ

まず押さえておきたいのは、「再建築不可物件」という言葉の意味です。再建築不可物件とは、現在建物が建っていても、その建物を取り壊した後に新たな建物を建てることができない土地のことを指します。不動産投資や住宅購入の場面で目にする機会が増えていますが、その仕組みを正確に理解している方はまだ少ないのが現状です。

なぜ再建築ができないのかというと、建物を建てるためには敷地が建築基準法上の道路に幅2メートル以上接していなければならないというルールがあるからです(国土交通省 https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202205_05.pdf)。この「接道義務」を満たしていない土地では、既存の建物が残っている間は住み続けることができますが、建て替えや大規模な改築を行うことは原則としてできません。

また、建築基準法42条2項に定められた「2項道路」と呼ばれる幅員4メートル未満の道路に接している場合は、道路の中心線から一定の距離を後退させる「セットバック」が必要になります。セットバックを行うと実質的な敷地面積が減少するため、建物の規模にも影響が出ることがあります。こうした複雑な制限があるからこそ、再建築不可物件の売買では通常以上に慎重な確認が求められるのです。

重要事項説明で確認すべきこと

重要事項説明で確認すべきことのイメージ

不動産取引において、買主が契約を結ぶかどうかを判断するうえで大きな影響を与える情報は、事前に「重要事項説明」として説明を受ける権利があります。国土交通省の資料によると、この重要事項説明は宅地建物取引業法に基づく制度であり、購入者に不測の損害が生じることを防ぐために設けられています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_fr3_000074.html)。

再建築不可物件の場合、重要事項説明書には単に「再建築不可」と記載するだけでは不十分です。重要事項説明書には、再建築が不可であることに加えて、建て替えが認められた場合の建物規模に関する制限事項についても、明確に記載・説明されることが望ましいとされています。つまり、建て替えができないという事実だけでなく、仮に何らかの方法で再建築が認められたとしても、現在と同じ規模の建物は建てられないという点まで、きちんと説明を受けることが重要です。

さらに、都市計画法や建築基準法などの法令に基づく制限の概要も、重要事項説明書に記載される項目のひとつです(国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202205_05.pdf)。説明を受ける際は、オンラインでも対応可能な場合がありますが、現地の状況は画像だけでは分からないこともあるため、できる限り実際に足を運んで確認することをおすすめします(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html)。

売買契約書の特約とはどういうものか

実は、売買契約書には法律で定められた基本的な条件に加えて、売主と買主が合意した独自の条件を「特約」として盛り込むことができます。特約とは、当事者同士の合意によって設定される追加条件のことで、再建築不可物件のような特殊な物件を取引する際には特に重要な役割を果たします。

ただし、特約を設ける際には注意が必要です。三井住友トラスト不動産の解説によると、特約の内容が公序良俗や強行法規に違反する場合は、その特約が無効になる可能性があります(三井住友トラスト不動産 https://smtrc.jp/useful/qa/baibaikeiyaku/qa-baibaikeiyaku_16.html)。たとえ売主と買主が合意していたとしても、法律に反する内容は認められないということです。そのため、特約を設定する際は不動産の専門家や弁護士に相談しながら内容を慎重に検討することが大切です。

また、同じ資料によると、売買契約書に署名・捺印した場合には、原則としてその契約書に書かれている内容について売主と買主が合意したものと判断されます。つまり、「内容をよく読んでいなかった」「説明を受けていなかった」という言い訳は通りにくくなります。署名する前に不明な点をすべて解消しておくことが、トラブルを防ぐための基本姿勢です。

再建築不可物件で検討したい特約の種類

再建築不可物件の売買では、いくつかの特約を検討することが実務上有効とされています。代表的なものとして、「確認申請が下りなかった場合の白紙解除特約」があります。弁護士法人の解説によると、確認申請が必要な工事に該当するかどうかを建築士に相談し、場合によっては確認申請を事前に行ったうえで売買契約を締結する方法が望ましいとされています。あるいは、確認申請が下りなかった場合に売買契約を白紙解除できるという特約を定めておく方法も有効です(弁護士法人 立川・及川・野竹法律事務所 https://www.tachilaw.com/faq/9225/)。

また、売買契約では「停止条件」と「解除条件」という2種類の条件設定が可能です。三井住友トラスト不動産の資料によると、たとえば銀行の融資を受けられなかった場合に売買契約の効力が消滅するという合意は、「解除条件」の例として扱われます(三井住友トラスト不動産 https://smtrc.jp/useful/qa/baibaikeiyaku/qa-baibaikeiyaku_16.html)。再建築不可物件は金融機関からの融資が難しいケースも多いため、こうした融資特約(ローン特約)を盛り込んでおくことで、融資が通らなかった場合のリスクを軽減できます。

さらに、再建築不可物件では将来的にどの程度のリフォームが可能かという点も重要な確認事項です。確認申請が不要な範囲のリフォームであれば実施できる場合がありますが、その判断は物件ごとに異なります。契約前に建築士などの専門家に相談し、どの範囲の工事が可能かを明確にしたうえで、必要であれば契約書にその内容を特約として盛り込むことを検討してみてください。

まとめ

再建築不可物件の売買契約書と特約について、基本的な仕組みから実務的なポイントまでをご説明しました。重要なのは、重要事項説明の段階で「再建築不可」という事実だけでなく、建て替えが認められた場合の建物規模に関する制限についても正確に理解することです。そのうえで、確認申請の結果に応じた白紙解除特約や融資特約など、自分の状況に合った特約を契約書に盛り込むことがリスク管理の基本となります。特約の内容は公序良俗や強行法規に反しないよう、不動産会社や弁護士などの専門家と相談しながら慎重に検討してください。再建築不可物件は価格面での魅力がある一方、法的な制限も多い物件です。正しい知識を持って契約に臨むことが、安心できる不動産取引への第一歩となります。

参考文献・出典

  • 国民生活センター「第5回 重要事項説明書(その1)」 — https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202205_05.pdf
  • 国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」 — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html
  • 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の改正について」 — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_fr3_000074.html
  • 弁護士法人 立川・及川・野竹法律事務所「よくある質問」 — https://www.tachilaw.com/faq/9225/
  • 三井住友トラスト不動産「特約|不動産売買契約Q&A」 — https://smtrc.jp/useful/qa/baibaikeiyaku/qa-baibaikeiyaku_16.html
  • 国民生活センター「相談事例 №3『売買契約において、再建築の際に同規模の建物が建てられないこと』」 — https://www.otc.or.jp/page/mmg/pdf/no3.pdf

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