「賃貸併用住宅を建てたいけれど、フラット35は使えるの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。住宅ローンの中でも全期間固定金利で安心感が高いフラット35は、賃貸収入を得ながらマイホームを持ちたい方にとって魅力的な選択肢に見えます。しかし実際には、利用できる条件や借入対象額に細かいルールがあり、知らずに進めると思わぬトラブルになることもあります。この記事では、フラット35を賃貸併用住宅に使う際の条件、主要金融機関の金利比較、そして条件を満たせない場合の代替手段まで、初心者にもわかりやすく解説します。
フラット35を賃貸併用住宅に使う際の基本条件

まず押さえておきたいのは、フラット35はあくまで「自分が住む住宅」のためのローンだという点です。住宅金融支援機構の公式情報によると、フラット35は第三者に賃貸する目的の投資用物件には利用できません。もし目的外利用が判明した場合は、借入金の全額を一括返済するよう求められる可能性があります(住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html)。
では、賃貸併用住宅はどうなるのでしょうか。賃貸併用住宅とは、自分が住む部分と賃貸に出す部分が同じ建物に共存する住宅のことです。この場合、フラット35を利用するためには「住宅部分の床面積が建物全体の2分の1以上であること」という条件を満たす必要があります(住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/tech.html)。つまり、賃貸スペースが建物の半分を超えてしまうと、フラット35の対象外となってしまいます。
さらに重要なのは、借入対象額の範囲です。フラット35で借りられるのは住宅部分に相当するコストのみで、店舗や事務所、賃貸スペースなど非住宅部分の建設費や購入価額は借入対象外となります(住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html)。たとえば建物全体の建設費が5,000万円でも、賃貸部分が40%を占めるなら、フラット35で借りられるのは住宅部分に相当する金額のみになります。このルールを理解しておかないと、資金計画が大きく狂う可能性があるため、事前の確認が欠かせません。
主要金融機関のフラット35金利を比較する

フラット35の金利は、金融機関・借入期間・融資率・団信の種類によって異なります(住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html)。ここでは、2026年6月時点のデータをもとに、主要な取扱金融機関の金利を見ていきましょう。
ドコモ・ファイナンスの場合、最大引下げ適用後の金利は融資率や返済期間の条件によって異なります(ドコモ・ファイナンス https://finance.docomo.ne.jp/flat35/)。ただし、金利は時点によって変動するため、最新の金利情報については公式サイトで確認することをおすすめします。通常金利は初期手数料タイプで融資率90%以下・21〜35年が年3.21%、20年以下が年2.89%です。融資率が90%を超えて100%以下になると、21〜35年の通常金利は年3.32%に上がります(ドコモ・ファイナンス https://finance.docomo.ne.jp/flat35/product/purchase/)。
イオン銀行では、融資率90%以下・21年以上35年以下の場合、Aタイプ(定率手数料:融資額×1.87%)が年3.21%、Bタイプ(定額手数料:55,000円)が年3.41%となっています。融資率が90%超100%以内になると、Aタイプは年3.32%、Bタイプは年3.52%に上昇します(イオン銀行 https://www.aeonbank.co.jp/housing-loan/flat/rate/)。手数料の支払い方によって金利が変わる仕組みになっているため、総支払額を試算して比較することが大切です。
SBIアルヒでは、新規借り入れ・融資比率9割以下・21〜35年の場合、金利引き下げ期間中は年1.710%、引き下げ期間終了後は年2.710%という金利設定になっています。融資比率が9割超10割以下になると、引き下げ期間終了後は年2.820%に上がります(SBIアルヒ https://www.sbiaruhi.co.jp/rate/)。事務手数料は借入額の2.2%で最低220,000円となっており、初期費用も含めたトータルコストで比較することが重要です(SBIアルヒ https://www.sbiaruhi.co.jp/product/flat35/)。
団信の種類が金利に与える影響
フラット35を選ぶ際、見落としがちなのが団体信用生命保険(団信)の種類による金利の違いです。団信とは、借入者が死亡または高度障害状態になった場合に、残りのローンが保険で完済される仕組みのことです。
ドコモ・ファイナンスとSBIアルヒの情報によると、ペア連生団信(夫婦どちらかに万一のことがあった場合にローンが完済される保険)を選ぶと金利が年+0.18%上乗せされます。また、新3大疾病付機構団信を選ぶ場合は年+0.24%の上乗せとなります。一方、健康上の理由などで団信に加入しない場合は年-0.20%の引き下げが適用されます(ドコモ・ファイナンス https://finance.docomo.ne.jp/flat35/product/purchase/、SBIアルヒ https://www.sbiaruhi.co.jp/rate/)。
たとえば基準金利が年3.21%の場合、ペア連生団信を選ぶと年3.39%、3大疾病付団信を選ぶと年3.45%になります。一見小さな差に見えますが、3,000万円を35年で借りた場合、0.24%の差は総返済額で数十万円単位の違いになることもあります。賃貸併用住宅は長期保有を前提とするケースが多いため、団信の選択も慎重に検討することをおすすめします。
フラット35の条件を満たせない場合の代替手段
賃貸部分が建物の半分以上を占める計画や、より本格的な賃貸事業を目指す場合は、フラット35の条件を満たせないことがあります。そのような場合に検討できる代替手段として、住宅金融支援機構の賃貸住宅融資があります。
住宅金融支援機構の賃貸住宅融資では、35年固定金利の参考金利として、繰上返済制限制度利用ありで年3.94%、利用なしで年4.10%という水準が示されています(住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/files/topics/5378_ext_99_0.pdf)。さらに、長期優良住宅に適合する賃貸住宅は当初15年間年0.3%の金利引き下げ、機構の定めるZEH基準に適合する賃貸住宅や子育て配慮賃貸住宅は当初15年間年0.2%の金利引き下げを受けられる可能性があります(住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/files/topics/5378_ext_99_0.pdf)。
民間の不動産投資ローンも選択肢の一つです。ただし、金利水準はフラット35より高くなる傾向があります。専門メディアの比較情報(https://www.agent-hp.com/real-estate-investment-loan-comparison/)によると、オリックス銀行で2.6〜2.8%、スルガ銀行で2.25〜2.5%、静岡銀行で2.0〜3.6%といった水準が参考として挙げられています。ただし、これらの金利は属性や物件条件によって変動するため、あくまで参考値として捉え、実際には各金融機関への個別相談が必要です。
まとめ
フラット35を賃貸併用住宅に活用するためには、「住宅部分の床面積が全体の2分の1以上」という条件を満たすことが大前提です。この条件をクリアできれば、全期間固定金利という安心感のもとで長期的な資金計画を立てられます。一方、借入対象は住宅部分のコストのみに限られるため、賃貸部分の資金調達は別途検討が必要になります。
金融機関によって金利や手数料の体系が異なるため、表面的な金利だけでなく、融資手数料・団信の種類・総返済額を含めたトータルコストで比較することが大切です。賃貸部分が大きい計画の場合は、住宅金融支援機構の賃貸住宅融資や民間の不動産投資ローンも視野に入れながら、自分の計画に最適な資金調達方法を選んでいきましょう。まずは複数の金融機関に相談し、具体的な条件を確認することから始めてみてください。
参考文献・出典
- 住宅金融支援機構(フラット35)ご利用条件 – https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html
- 住宅金融支援機構 対象となる住宅・技術基準 – https://www.flat35.com/loan/tech.html
- ドコモ・ファイナンス フラット35公式ページ – https://finance.docomo.ne.jp/flat35/
- ドコモ・ファイナンス フラット35 買取型 商品詳細 – https://finance.docomo.ne.jp/flat35/product/purchase/
- イオン銀行 フラット35 融資実行金利情報 – https://www.aeonbank.co.jp/housing-loan/flat/rate/
- イオン銀行 フラット35 商品概要 – https://www.aeonbank.co.jp/housing-loan/flat/flat35/
- SBIアルヒ 住宅ローン金利一覧 – https://www.sbiaruhi.co.jp/rate/
- SBIアルヒ フラット35 商品詳細 – https://www.sbiaruhi.co.jp/product/flat35/
- 住宅金融支援機構 賃貸住宅融資(賃貸住宅を建設する場合) – https://www.jhf.go.jp/files/topics/5378_ext_99_0.pdf
- 主要14銀行の不動産投資ローン比較 – https://www.agent-hp.com/real-estate-investment-loan-comparison/