「品川駅の再開発って、結局いつまで続くの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。ニュースや街の変化を見ていると、品川駅周辺が大きく変わりつつあることは感じるものの、どの工事がいつ完了するのか全体像がつかみにくいですよね。実は品川駅の再開発は一つの工事ではなく、北側エリア・西口・駅構内・鉄道工事など複数の事業が並行して進んでいます。それぞれ完了時期が異なり、なかには2040年代以降まで続く計画もあります。この記事では東京都の公式フェーズをもとに、各地区のスケジュールを整理しながら2026年7月現在の最新進捗をわかりやすく解説します。不動産投資や住まい選びの参考にもなる情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
品川駅の再開発は「4つのフェーズ」で進む
品川駅周辺の再開発を理解するうえで大切なのは、「一つの大きな工事」ではなく「複数の事業が段階的に進む長期的なまちづくり」だという視点です。北側エリア、西口エリア、駅構内の改良、鉄道工事など、それぞれ事業主体も完了時期も異なります。そのため「品川駅の再開発はいつまで?」という問いに対する答えは、地区によって2020年代後半から2040年代まで大きく幅があります。
この幅を整理するうえで役立つのが、東京都が公表している公式のフェーズ区分です。東京都都市整備局の資料によると、品川駅周辺のまちづくりは大きく4つのフェーズに分けて整理されています(東京都都市整備局)。まずPhase1は「〜2027年度」で、JR北口改札の供用開始、北口交通広場の開放、TAKANAWA GATEWAY CITY(1〜4街区)の開業などがこの時期に含まれます。続くPhase2は「2028〜2030年度」で、京急線の地平化、西口A地区・C地区、JR品川駅北口の駅改良と駅ビル開業がこの帯に置かれています。
さらにPhase3は「2031〜2030年代半ば」にあたり、東京メトロ南北線の延伸、駅街区地区(北街区)の開業、西口B-1地区の開業が予定されています。そしてPhase4は「2030年代半ば〜2040年代」で、駅街区地区(南街区)の開業が入る一方、西口B-2地区・高輪四丁目地区・リニア中央新幹線については「時期未定」とされています。ただし東京都はこの公式フェーズ表のなかで、関係者協議や現地状況によりスケジュールが前後する可能性を明記しています。つまり、あくまで現時点での目安として捉えることが大切です。
まずはこの「4フェーズ・複数時期」という全体像を頭に入れたうえで、各エリアの詳細を順番に見ていきましょう。
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北側エリアは2026年3月に大きな節目を迎えた
品川駅の再開発の中で、最も早く形になってきているのが北側エリアです。ここは高輪ゲートウェイ駅と品川駅の間に広がる旧国鉄車両基地跡地を活用した大規模開発で、「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」として整備が進められてきました。JR東日本の資料によると、先行するTHE LINKPILLAR 1が2025年3月27日にまちびらきを迎え、続いてTHE LINKPILLAR 2・MoN Takanawa・RESIDENCEが2026年春に開業する計画とされています(JR東日本)。
そしてこのエリアの本格始動を象徴するのが、グランドオープンの日です。JR東日本の発表によると、TAKANAWA GATEWAY CITYのグランドオープンは2026年3月28日とされており、北側エリアはこの日に大きな節目を迎えました(JR東日本)。オフィス・商業・文化施設・住宅など多様な用途が集まる複合エリアが、いよいよ街として動き出したことになります。
ただし、北側エリアの再開発がこれですべて完了したわけではありません。重要なのは、駅そのものの改良や駅街区地区の開発が2030年度前後まで続くという点です。JR東日本の投資家向け資料によると、品川駅北口の駅改良と駅ビル整備は竣工が2030年度で、延床面積は約50,700㎡とされています(JR東日本)。北側エリアは「街びらきという第一の節目」を越えた段階であり、駅前の姿が完全に整うのはもう少し先だと理解しておくとよいでしょう。
駅街区地区は北街区と南街区で完了時期が大きく違う
品川駅のまさに正面にあたる駅街区地区も、再開発の中心的な事業のひとつです。ここでポイントになるのは、同じ駅街区でも「北街区」と「南街区」で完了時期が大きく異なることです。JR東日本の投資家向け資料によると、品川駅街区地区開発計画のうち北街区の工事期間は2025年度〜2030年度で、延床面積は約165,000㎡とされています(JR東日本)。北街区はPhase3にあたる2030年代前半に姿を現す見込みです。
一方、南街区の工程はさらに長く続きます。品川駅街区地区の計画概要によると、南街区のうち南-aの工期は2025年度〜2036年度、南-bは2030年度〜2032年度とされています(JR東日本)。つまり駅街区地区全体で見ると、南-aの完成は2036年度と、北街区より6年ほど遅れる計算になります。UR都市機構の地区ページでも、駅街区地区の北棟開業は2030〜31年予定、南棟開業は2036〜37年予定と整理されており、複数の資料が同じ方向を示しています(UR都市機構)。
このように駅前の一等地であっても、完成のタイミングには10年近い開きがあります。品川駅の再開発を「一括りの完了時期」で語れないのは、まさにこうした事情によるものです。
品川駅西口の再開発はいつまで続くのか
西口エリアは、北側エリアよりも完了時期が遅く、2020年代後半から2030年代にかけて段階的に進みます。西口は複数の地区に分かれており、それぞれ竣工予定が異なる点を押さえておくことが大切です。京急電鉄の開発ページによると、西口A地区の新築計画は事務所・商業・ホテル・MICE施設からなり、竣工予定は2029年とされています(京急電鉄)。共同プロジェクトサイトの資料では、西口C地区(C-1地区)は延床約186,900㎡で2026年度着工・2028年度竣工予定、西口D地区は2026年度着工・2030年度竣工予定、西口B-1地区は延床約268,000㎡で2028年度着工・2032年度竣工予定と整理されています。
ただし、ここで注意したいのが「建物の竣工」と「地区全体の完了」は別物だという点です。東京都の案件一覧によると、西口A・C地区は個別建物の開業時期とは別に、地区全体の建築物等の完了と歩行者基盤整備がともに令和11年度(2031年度)へ変更されています(東京都都市整備局)。個々のビルが建ち上がったあとも、広場や歩行者動線などの基盤整備が続くため、街として完成するのはさらに先になるわけです。
さらに長期的な視点で見ると、西口の全体像が固まるのはかなり先になります。UR都市機構の認可資料によると、品川駅西口土地区画整理事業の事業期間は令和5年度〜令和32年度(2050年度、清算期間を含む)で、施行地区面積は約11.9ha、事業費は630億円とされています(UR都市機構)。土地の区画を整えて権利者に割り当て直す「換地処分」の予定も2045〜46年頃とされており、西口の再開発は世代をまたぐ長期プロジェクトだといえます。目に見えるビルの完成と、事業としての最終的な完了時期には大きな差があることを理解しておきましょう。
今、品川駅で見える工事は鉄道の大改造
再開発は建物だけでなく、鉄道そのものの大改造も同時に進んでいます。実は今、品川駅周辺で目にする工事の多くは、京急線と地下鉄の工事です。京急電鉄の資料によると、泉岳寺駅〜新馬場駅間の約1.7kmを対象とした連続立体交差事業が進められており、3か所の踏切を除却する計画です(京急電鉄)。踏切をなくして線路を高架化することで、交通の円滑化と安全性の向上をねらった大規模な事業です。
この工事は現在も継続中です。京急電鉄の進捗ページでは、2026年6月時点で第1工区の仮下り線の軌道設置状況が公表されており、鉄道工事が着実に進んでいることがわかります(京急電鉄)。さらに京急電鉄の2026年度設備投資計画によると、2026年度には泉岳寺〜品川駅間の仮南行線への切替、品川駅の大屋根の撤去、北品川駅部の本設高架橋の構築を進めるとされています。品川駅で見かける大がかりな工事は、こうした線路の切り替えや構造物の撤去にあたるものが多いのです。
もうひとつの大きな鉄道事業が、東京メトロ南北線の延伸です。東京メトロの公式サイトによると、品川・白金高輪間の2.5kmを結ぶ延伸事業で、総建設費は約1,310億円、開業目標は2030年代半ばとされています(東京メトロ)。この事業は2024年11月5日に工事へ着手したと明記されており、東京メトロの2026年4月の進捗資料では、品川工区で各種調査と道路施設物の撤去・移設を進め、杭打ちを開始した段階にあると報告されています。南北線が品川まで延びれば、都心へのアクセスがさらに広がることになります。
これらの鉄道工事は道路にも影響しています。国土交通省関東地方整備局の西口基盤整備ページによると、2026年1月15日時点で品川駅西口基盤整備および地下鉄南北線延伸工事に伴う車線規制が行われていると案内されています(国土交通省関東地方整備局)。この西口基盤整備は2019年3月に事業計画を策定し、同年4月に事業化、さらに令和6年度から準備工事に着手したと説明されています。国道15号沿いで感じる渋滞や規制は、こうした基盤整備と鉄道工事が重なって進んでいることが背景にあります。
不動産投資への影響と長期的な視点
品川駅周辺の再開発は、不動産市場にも大きな影響を与えています。重要なのは、完了時期が地区によって大きく異なるため、投資判断でも「どのエリアを、いつ買うか」という視点が欠かせない点です。北側エリアはすでにグランドオープンを迎えており、周辺の不動産価値はある程度織り込まれている段階といえます。一方、西口エリアや駅街区の南街区はこれから段階的に完成していくため、開発の恩恵が価格に反映されるのはこれからという見方もできます。
品川駅は新幹線・在来線・京急線が乗り入れる巨大ターミナルであり、東京国際空港へのアクセスも良好です。南北線の延伸が実現すれば交通利便性はさらに高まり、国際ビジネスの拠点としての需要も見込まれます。こうした背景から、品川駅周辺は長期的に見て賃貸需要が安定しやすいエリアとして評価されています。開発が2040年代まで続くということは、街の成長余地がそれだけ長く残されているとも解釈できます。
ただし、不動産投資においては再開発の期待だけで判断するのは危険です。実際の物件価格、利回り、融資条件などを総合的に検討することが欠かせません。また、これから10年以上にわたって鉄道工事や基盤整備が続く地区もあるため、工事期間中の騒音や交通規制が生活環境に影響する可能性も考慮すべきです。現地確認を怠らず、最新の開発スケジュールを各公的機関の公式サイトで確認することをおすすめします。
まとめ
品川駅の再開発は、北側エリア・西口エリア・駅街区地区・鉄道工事など複数の事業が並行して進む大規模なまちづくりです。東京都の公式フェーズによれば、Phase1が〜2027年度、Phase2が2028〜2030年度、Phase3が2031〜2030年代半ば、Phase4が2030年代半ば〜2040年代と整理されています。北側のTAKANAWA GATEWAY CITYは2026年3月28日にグランドオープンを迎え、一つの節目を越えました。一方で、駅街区の南街区は2036年度、西口の土地区画整理事業は清算期間を含めて2050年度まで続く計画です。
つまり「品川駅の再開発はいつまで?」という問いに対しては、「地区によって2020年代後半から2040年代まで段階的に進む」というのが正確な答えになります。今まさに目にしている京急線の切り替えや南北線延伸の工事は、その長い工程の途中経過にあたります。街の変化を楽しみながら、最新情報を各公的機関の公式サイトでこまめに確認することが、投資判断や住まい選びの精度を高める第一歩です。ぜひ長期的な視点で、品川駅周辺の可能性を探ってみてください。
参考文献・出典
- 東京都都市整備局「品川駅周辺まちづくりの目標について」 — https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/2025-12-17-181611-877
- 東京都都市整備局「事業中の案件一覧(再開発等促進区を定める地区計画)」 — https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/machizukuri/kozo_seibi/jujitsu/new_ctiy/sai_tiku/list_saikaihatu/list_zigyotyu
- JR東日本「広域品川圏の共創まちづくり 2026年3月28日 本格始動!」 — https://www.jreast.co.jp/press/2025/20260219_ho03.pdf
- JR東日本「2025年3月期決算および2026年3月期経営戦略 説明資料」 — https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202503guide3.pdf
- JR東日本「品川駅街区地区における開発計画について」 — https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230829_ho01.pdf
- 京急電鉄「京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間)連続立体交差事業 工事の進捗状況」 — https://www.keikyu.co.jp/shinagawarittaikousa/progress.html
- 京急電鉄「2026年度 鉄道事業設備投資計画」 — https://www.keikyu.co.jp/company/news/2026/20260511HP_26017TE.html
- 東京メトロ「南北線延伸について」 — https://www.tokyometro-newline.jp/namboku/
- 国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所「品川駅西口基盤整備」 — https://www.ktr.mlit.go.jp/toukoku/toukoku_index021.html
- UR都市機構「品川駅周辺地区」 — https://www.ur-net.go.jp/produce/case/case037.html
- UR都市機構「品川駅西口土地区画整理事業(UR施行)の認可のお知らせ」 — https://www.ur-net.go.jp/toshisaisei/press/jni4dd00000050pw-att/20230601_shinagawanisi.pdf
一橋大学大学院MBA修了。大手デベロッパー法人部門、買取再販会社を経て現職。区分リノベ再販・都心事業用物件の買取再販を手がけ、業界7年の知見で記事を監修。
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