不動産の税金

不動産売却の税金はいつ払う?支払い時期を徹底解説

不動産を売却したとき、「税金はいつ、どうやって払えばいいのだろう?」と不安に感じる方は少なくありません。売買契約が成立した瞬間に税金が発生するわけではなく、種類によって支払いのタイミングがまったく異なるため、事前に全体像を把握しておくことがとても大切です。この記事では、不動産売却にかかる主な税金の種類から、それぞれの支払い時期、さらに初心者が見落としがちな注意点まで、わかりやすく解説します。売却後に慌てないよう、ぜひ最後まで読んでみてください。

不動産売却でかかる税金の全体像

不動産売却でかかる税金の全体像のイメージ

まず押さえておきたいのは、不動産売却に関わる税金は「売買契約時」「売却後の確定申告時」「翌年の住民税」と、大きく3つのタイミングに分かれているという点です。それぞれの税金の性質を理解することが、支払い計画を立てる第一歩になります。

不動産売却に関係する主な税金は、印紙税・所得税(譲渡所得税)・復興特別所得税・住民税・登録免許税・固定資産税の6種類です。このうち印紙税は売買契約書を作成した時点で、所得税・復興特別所得税は翌年の確定申告時に、住民税はさらにその後に納付するという流れになっています。一度に大きな税負担がのしかかるわけではありませんが、時期ごとに準備が必要なため、スケジュール管理が重要です。

また、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合にのみ所得税・住民税が課税されます。国税庁によると、譲渡所得金額は「譲渡価額 −(取得費+譲渡費用)」で計算し、この結果がプラスになる場合は原則として確定申告が必要です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/fudousan.htm)。逆に売却損が出た場合は、基本的に申告義務は生じませんが、損失を他の所得と通算できる特例を活用するために申告するケースもあります。

売買契約時に払う印紙税のタイミング

売買契約時に払う印紙税のタイミングのイメージ

売買契約書を作成した時点で、最初に発生する税金が印紙税です。これは契約書という「課税文書」を作成したことに対してかかる税金で、売買契約書に収入印紙を貼り付けて消印することで納付します。

国税庁の案内によると、印紙税は「課税文書の作成の時まで」に納付しなければならないとされています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm)。もし納付を怠った場合は、本来の税額の3倍に相当する過怠税が徴収される可能性があるため、契約書を作成する前に必ず準備しておきましょう。

税額については、国税庁の情報によると、記載金額が10万円を超える不動産売買契約書には軽減措置が適用されており、2027年3月31日までに作成されるものが対象です(国税庁 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm)。軽減後の税額の例として、契約金額が1,000万円超5,000万円以下なら1万円、5,000万円超1億円以下なら3万円となっています。なお、この印紙代は後述する譲渡所得の計算において「譲渡費用」として差し引くことができます。

所得税・復興特別所得税の支払い時期

不動産売却で最も注意が必要な税金が、譲渡所得にかかる所得税と復興特別所得税です。これらは売却した年の翌年に確定申告を行い、申告と同時に納付する形になります。

国税庁によると、確定申告の相談・申告書受付は年によって異なります。令和7年分の所得税等の確定申告については、令和8年2月16日から3月16日までと案内されており、申告期限は土日等の関係で年によって前後することがあります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm)。たとえば2026年中に不動産を売却した場合、確定申告と納税の期限は翌年の申告期間内となります。申告書の提出後に税務署から納付書が自動的に送られてくるわけではないため、自分で納付手続きを行う必要がある点に注意が必要です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/10.htm)。

税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって異なります。所有期間の長短に応じて、所得税と住民税の税率が異なる仕組みになっており、短期と長期では税率が大きく異なるため、売却のタイミングを検討する際には所有期間の確認が欠かせません。

また、復興特別所得税は平成25年から令和19年までの各年分について、所得税と併せて申告・納付することが義務付けられています。税額は基準所得税額に2.1%を掛けて計算します(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1000.htm)。

一度に税金を払えない場合でも、法定納期限までに納付すべき税額の2分の1以上を支払えば、残額の納付を5月31日まで延長できる「延納制度」が利用できます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/10.htm)。資金繰りが厳しい場合はこの制度の活用も検討してみてください。

住民税と固定資産税の支払い時期

所得税の確定申告が終わると、次に住民税の支払いが待っています。住民税は確定申告の内容をもとに市区町村が税額を計算し、売却した翌年の6月以降に納付通知書が届く流れが一般的です。

横浜市の案内によると、普通徴収の場合は6月初旬に通知書が届き、6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて納付します(横浜市 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/y-shizei/kojin-shiminzei-kenminzei/kojin-shiminzei-shosai/shinkokunouzei.html)。ただし、納期の具体的な日付は市区町村によって異なるため、お住まいの自治体に確認することをおすすめします。給与所得者の場合、不動産売却分の住民税が給与からの特別徴収に組み込まれるかどうかは、自治体の運用によって差があります。

固定資産税については、少し仕組みが異なります。広島市の案内によると、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対してその年度分が課税されます(広島市 https://www.city.hiroshima.lg.jp/faq/zei/1002293/1028149/1028150/1006296.html)。つまり、年の途中で売却しても、その年度の固定資産税は売主に課税されます。実務上は、売却日以降の分を日割り計算して買主から受け取る「精算」が行われることが多いですが、国税庁によるとこの精算金は譲渡価額(収入金額)に算入されるため、譲渡所得の計算に影響します(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3214.htm)。

マイホーム売却の3,000万円特別控除と申告の注意点

自宅(マイホーム)を売却する場合は、税負担を大きく軽減できる「3,000万円特別控除」という特例があります。国税庁によると、この特例を使えば所有期間の長短に関わらず、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)。

重要なのは、この特例を使って税額がゼロになる場合でも、確定申告は必ず行わなければならないという点です。申告の際は、通常の確定申告書に加えて「分離課税用の申告書第三表」と「譲渡所得の内訳書(土地・建物用)」を作成・添付する必要があります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm)。書類の準備を怠ると特例が適用されないため、早めに準備を始めることが大切です。

また、売買契約日の前日時点で住民票の住所と物件の所在地が異なる場合は、戸籍の附票の写しなどの追加書類も必要になります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)。申告書類の不備は特例の適用漏れにつながるため、税務署や税理士に相談しながら慎重に進めることをおすすめします。

まとめ

不動産売却にかかる税金は、種類によって支払い時期がまったく異なります。印紙税は売買契約書の作成時、所得税・復興特別所得税は翌年の確定申告期間に、住民税は翌年6月以降と、段階的に支払いが発生します。それぞれのタイミングを事前に把握し、資金を準備しておくことが安心につながります。マイホームの売却では3,000万円特別控除などの有利な特例もありますが、申告手続きを正しく行わないと適用されないため注意が必要です。税金の計算や申告に不安がある場合は、国税庁の電話相談センター(譲渡所得は案内番号3)や税理士への相談も積極的に活用してみてください(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/)。

参考文献・出典

  • 国税庁 No.1000 所得税のしくみ — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1000.htm
  • 国税庁 申告と納税 — https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm
  • 国税庁 No.3102 譲渡所得の申告期限 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm
  • 国税庁 不動産等を売却した方へ|令和7年分 確定申告特集 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/fudousan.htm
  • 国税庁 土地や建物を売ったとき — https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm
  • 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
  • 国税庁 No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3214.htm
  • 国税庁 税金の納付 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/10.htm
  • 国税庁 No.7131 印紙税を納めなかったとき — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm
  • 国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 — https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
  • 法務局 抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税 — https://houmukyoku.moj.go.jp/tsu/content/000135754.pdf
  • 横浜市 納税の方法 — https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/y-shizei/kojin-shiminzei-kenminzei/kojin-shiminzei-shosai/shinkokunouzei.html
  • 広島市 個人の市民税・県民税(住民税)が給与から差し引かれる仕組み(特別徴収)について — https://www.city.hiroshima.lg.jp/faq/zei/1002291/1028115/1028118/1006250.html
  • 広島市 年の中途で土地や家屋を売ったとき、固定資産税はどうなりますか — https://www.city.hiroshima.lg.jp/faq/zei/1002293/1028149/1028150/1006296.html
  • 国税庁 国税に関するご相談について — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/

関連記事

TOP
不動産売買なら青山地所