札幌・ススキノのランドマークとして長年親しまれてきた「ススキノラフィラ」が閉店したことを、今でも惜しむ声は少なくありません。「なぜ突然閉店したのか」「跡地はどうなっているのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、ススキノラフィラが閉店に至った背景と理由を丁寧に解説し、閉店後の跡地がどのように生まれ変わったかまでをわかりやすくお伝えします。閉店の経緯を知ることで、都市再開発の仕組みや、商業施設が抱える課題についても理解が深まるはずです。
ススキノラフィラとはどんな施設だったか

まず押さえておきたいのは、ススキノラフィラがどれほど地域に根ざした存在だったかという点です。札幌市中央区のすすきの駅前という好立地に構え、長年にわたってすすきのエリアのランドマークとして機能してきた商業施設でした。
ファッションや飲食、エンターテインメントなど多彩なテナントを抱え、地元の人々はもちろん観光客にとっても欠かせない存在でした。すすきのという繁華街の玄関口に位置することから、その存在感は単なるショッピングセンターの枠を超えていたといえます。
しかし、どれほど愛されていた施設であっても、建物そのものが抱える問題は避けられません。長い歴史を持つ施設ゆえに、時代の変化とともに様々な課題が積み重なっていったのです。そうした背景が、最終的に閉店という決断につながっていきました。
閉店の最大の理由は建物の老朽化だった

ススキノラフィラが閉店した最大の理由は、建物の深刻な老朽化です。報道によると、建物は築45年が経過しており、さらに未耐震の状態にあったことが明らかになっています(hre-net.com)。これは現代の建築基準から見ると、安全面で大きなリスクを抱えた状態であったことを意味します。
耐震性の問題は、商業施設にとって非常に重大な課題です。多くの来客が日々訪れる施設において、万が一の地震に備えた安全確保は最優先事項となります。特に北海道は2018年の胆振東部地震を経験しており、建物の耐震性に対する意識は一層高まっていました。
また、築45年という年数は、設備面でも様々な問題が生じやすい時期です。電気・給排水・空調といった建物の基幹設備は、一定の年数が経過すると大規模な更新が必要になります。こうした設備の老朽化は、テナントの営業環境にも影響を与えるため、施設全体の競争力低下にもつながっていきます。
竹中工務店やイトーヨーカ堂など複数の地権者が協議を重ねた結果、部分的な改修ではなく建物の解体・建て替えという方針が決定されました(hre-net.com)。これは老朽化の程度が、修繕では対応しきれないほど深刻だったことを示しています。
閉店はいつ?地権者6者による建て替え決断の経緯
ススキノラフィラの営業終了日は2020年5月17日です(東急不動産株式会社)。長年すすきのの顔として親しまれてきた施設が、この日をもって静かにその幕を閉じました。
閉店の背景には、複数の地権者が関わる複雑な意思決定プロセスがありました。竹中工務店やイトーヨーカ堂を含む地権者6者が協議を行い、建物の解体と新ビル建設を進めることで合意に至ったとされています(hre-net.com)。複数の権利者が関わる再開発では、全員の合意形成に時間がかかることも多く、この決断に至るまでには相当の議論があったと考えられます。
閉店後の動きは迅速でした。営業終了からわずか約1か月後の2020年6月25日には、既存建物の解体工事が始まっています(東急不動産株式会社)。これほど早いスケジュールで解体が開始されたことからも、地権者間での計画が事前にしっかりと準備されていたことがうかがえます。
一方で、閉店前のテナント数や施設の具体的な営業規模については、公式な一次資料による確定的な情報は現時点では確認できていません。ただ、長年にわたってすすきのの中心的な商業施設として機能してきたことは、多くの記録が示すところです。
跡地はどう生まれ変わったか
ススキノラフィラの跡地は、単なる商業施設の建て替えにとどまらない、大規模な複合開発へと生まれ変わりました。計画施設はホテル、シネマコンプレックス、商業店舗などからなる複合施設として構想されており、すすきのエリアに新たな賑わいをもたらすことが期待されていました(東急不動産株式会社)。
ホテルとシネマコンプレックスを組み合わせた複合施設という構成は、観光客と地元住民の双方を取り込む戦略として注目されました。すすきのという立地の特性を最大限に活かしながら、昼夜を問わず多くの人が集まる場所を目指した設計といえます。
そして2023年11月30日、新施設は「COCONO SUSUKINO(ココノ ススキノ)」として1stオープンを迎えました(東急不動産株式会社)。ススキノラフィラが閉店してから約3年半、地域の人々が待ち望んでいた新しいランドマークがついに誕生したのです。
COCONO SUSUKINOは、旧ラフィラが持っていた「すすきのの玄関口」という役割を引き継ぎながら、より現代的なニーズに応える施設として生まれ変わりました。映画館や多彩な商業テナントが集まるこの施設は、すすきのエリアの新たな顔として地域に定着しつつあります。
都市の商業施設が直面する老朽化と再開発の課題
ススキノラフィラの閉店と再開発は、日本全国の商業施設が抱える普遍的な課題を映し出しています。高度経済成長期からバブル期にかけて建設された商業施設の多くは、現在ちょうど建て替えの時期を迎えています。こうした施設では、老朽化・耐震性・設備更新という三つの問題が同時に押し寄せてくることが少なくありません。
特に複数の地権者が関わる施設では、建て替えの意思決定が難しくなる傾向があります。それぞれの権利者が異なる利害関係を持つため、全員が納得できる計画をまとめるには長い時間と丁寧な交渉が必要です。ススキノラフィラのケースでは、6者の地権者が合意に至り、スムーズに解体・再開発へと移行できたことは、一つの成功事例として参考になります。
また、再開発の方向性として「ホテル+シネマ+商業」という複合施設を選んだことも注目に値します。単一用途の施設よりも、複数の機能を組み合わせることで集客の幅が広がり、経済的なリスクを分散できるという考え方は、現代の都市開発における主流のアプローチとなっています。
さらに、観光都市・札幌という特性を踏まえたホテル機能の導入は、インバウンド需要を見据えた戦略的な判断でもあります。地域の商業施設が時代の変化に対応しながら進化していく姿は、他の都市の再開発にとっても示唆に富んでいます。
まとめ
ススキノラフィラが閉店した理由は、築45年という建物の老朽化と未耐震という安全上の問題が核心にありました。竹中工務店やイトーヨーカ堂を含む地権者6者が協議の末に建て替えを決断し、2020年5月17日に長年の歴史に幕を下ろしました。その後、同年6月25日から解体工事が始まり、跡地にはホテル・シネマコンプレックス・商業店舗からなる複合施設「COCONO SUSUKINO」が誕生。2023年11月30日のオープンをもって、すすきのの新たなランドマークとして生まれ変わりました。閉店を惜しむ声がある一方で、安全で現代的な施設へと進化したこの再開発は、都市の持続的な発展を考えるうえで一つのモデルケースといえるでしょう。
参考文献・出典
- 東急不動産株式会社「~「ススキノラフィラ」跡地に新たな複合施設を開発~「(仮称)札幌すすきの駅前複合開発計画」の着手について」 — https://www.tokyu-land.co.jp/news/2020/001124.html
- hre-net.com「「ラフィラ」建て替え新ビルにシネコン、ホテルと商業機能も」 — https://hre-net.com/real_estate/42680/
- 東急不動産株式会社「ススキノラフィラ跡地「(仮称)札幌すすきの駅前複合開発計画」施設名称を『COCONO SUSUKINO』に決定 ~2023年秋の開業に向け、各階業態・大型店舗を公開~」 — https://www.tokyu-land.co.jp/news/2023/000864.html
- 東急不動産株式会社「昼も眠らない街ススキノへ『COCONO SUSUKINO』2023年11月30日オープン決定 ~商業施設・北海道初出店店舗を含む主要店舗を公開~」 — https://www.tokyu-land.co.jp/news/2023/001017.html