マンション買取相場は市場価格の何割?仲介との違いと高く売るコツ
マンションを売却しようと考えたとき、「買取と仲介、どちらが得なのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。特に「買取だと安くなる」という話を聞いて、実際にどのくらい安くなるのか気になっている方も少なくないはずです。この記事では、マンション買取の相場が市場価格の何割程度になるのか、なぜその価格になるのか、そして少しでも高く売るためのポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。データや具体的な数字を交えながら説明しますので、売却を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。
買取相場は市場価格の7〜8割が目安

まず押さえておきたいのは、マンションの買取価格は一般的に市場価格(仲介で売れる価格)の7〜8割程度が目安とされているという点です。SUUMO・HOME’S・ノムコムといった大手不動産ポータルサイトの解説でも、いずれも「7〜8割」という水準が共通して示されています。
実際の成約データを見ると、この目安はおおむね実態に即していることがわかります。ある調査によると、買取価格と仲介相場の比率は平均77.34%、中央値は81.61%という結果が出ています(ieuri.com調べ)。つまり、平均的には仲介価格の約8割弱で成約しているということです。ただし、これはあくまで平均値であり、物件の状態や価格帯によって大きく変わります。
物件の価格帯によっても比率は異なります。同じ調査では、仲介相場が1,000万円未満の低価格帯の物件では平均65.47%と大きく下がる一方、3,000万円台では平均86.43%、4,000万円台では平均86.95%と、高価格帯ほど仲介相場に近い買取価格が付きやすい傾向があります。これは、高価格帯の物件ほど買取後の転売市場が安定しており、不動産会社がリスクを取りやすいためと考えられます。
また、スター・マイカの解説では、物件の状態によっては仲介価格の5割程度まで下がるケースもあると説明されています。一方で、状態の良い物件であれば9割近い価格が付くこともあります。つまり、「7〜8割」はあくまで目安であり、実際の価格は物件ごとに大きく異なることを理解しておくことが大切です。
買取価格が安くなる理由

買取価格が市場価格より低くなるのには、明確な理由があります。不動産会社は買い取った物件をリフォームして転売することで利益を得るビジネスモデルを持っており、その利益分と費用分が買取価格から差し引かれるからです。
スター・マイカの説明によると、不動産会社は転売時に一定の売却益を見込んで買取価格を設定します。さらに、物件をリフォームするための費用がかかるとされています。これらを合計すると、仲介価格から一定程度が差し引かれる計算になり、結果として買取価格が7〜8割になるという仕組みです。
物件の状態によって買取価格の水準が変わるのも、このリフォーム費用の差が大きく影響しています。スター・マイカの解説では、フルリフォームや取り壊しが必要な物件は仲介相場の5〜6割、床やクロスの張り替えといった簡易なリフォームで済む物件は8割、ほぼそのままの状態で転売できる物件は9割という目安が示されています。つまり、物件の状態が良ければ良いほど、買取価格は市場価格に近づくということです。
一方で、買取には売主にとってのメリットもあります。東急リバブルの説明によると、買取の場合はクリーニングやリフォームが不要で現状のまま売却でき、仲介手数料もかかりません。仲介で売却する場合、売買価格が400万円を超えると「成約価格×3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限となります(国土交通省)。この手数料がかからない点は、買取の大きなメリットの一つです。
地域・築年数・間取りで変わる買取価格の実態
買取価格は物件の状態だけでなく、立地や築年数、間取りによっても大きく変わります。HOME’Sの試算(REINSの成約データをもとにした推計)では、地域ごとの仲介相場と買取試算額の差が明確に示されています。
地域別に見ると、東京都では仲介平均7,221万円に対し買取試算が5,054.7万〜5,776.8万円、神奈川県では仲介平均4,137万円に対し2,895.9万〜3,309.6万円、大阪府では仲介平均3,567万円に対し2,496.9万〜2,853.6万円という水準です(HOME’S調べ、2024年9月時点)。都市部ほど仲介相場自体が高いため、買取価格の絶対額も大きくなりますが、割合としては同様に7〜8割程度の範囲に収まっています。
築年数による差も無視できません。同じ試算では、東京都の築5年以内の物件は仲介平均11,381万円に対し買取試算が7,966.7万〜9,104.8万円、築30年超の物件は仲介平均3,784万円に対し2,648.8万〜3,027.2万円という結果が出ています。新築に近い物件ほど買取価格の絶対額は高くなりますが、築年数が古い物件はリフォーム費用が増えるため、比率として見ると低くなる傾向があります。
間取りについては、首都圏の2DK・2LDKが最も高く、仲介平均5,773万円に対し買取試算4,041.1万〜4,618.4万円という水準です(HOME’S調べ)。ファミリー向けの間取りは需要が安定しているため、買取後の転売もしやすく、比較的高い買取価格が期待できます。
なお、現在のマンション市場は全体的に高い水準にあります。国土交通省の不動産価格指数(令和7年9月分)によると、全国のマンション(区分所有)の価格指数は2010年平均を100とした場合に222.2、東京都では233.5となっており、市況が高い局面にあることがわかります。市場全体が高い水準にある今は、買取価格の絶対額も高くなりやすい時期といえます。
仲介と買取、どちらを選ぶべきか
実は、仲介と買取のどちらが適しているかは、売主の状況や優先事項によって異なります。価格を最大化したいなら仲介、スピードや手間を重視するなら買取という整理が基本です。
仲介の場合、販売活動に1〜3か月、契約から現金化まで2〜4か月を要するのが一般的です(東急リバブル)。一方、買取であれば最短1日〜1か月ほどで売却が可能とされており(ノムコム)、HOME4Uの解説では短くて1週間程度で売却できるケースもあるとされています。離婚や相続、転勤など、早急に現金化が必要な場面では、買取の迅速さが大きな強みになります。
また、物件の状態が悪い場合や、賃借人が入居中の場合なども、買取が向いているケースがあります。仲介では買い手が見つかりにくい物件でも、不動産会社が直接買い取ってくれるため、売却できないリスクを回避できます。ただし、その分価格は低くなることを念頭に置いておく必要があります。
一方で、時間的な余裕があり、少しでも高く売りたいという方には仲介が適しています。仲介では市場価格に近い価格での売却が期待でき、複数の買い手候補が競合すれば価格が上がることもあります。まずは仲介で売り出してみて、一定期間内に売れなければ買取に切り替えるという「買取保証」の仕組みを活用する方法もあります。
少しでも高く買い取ってもらうためのポイント
買取を選ぶ場合でも、工夫次第で価格を少し上げられる可能性があります。最も重要なのは、複数の不動産会社に査定を依頼することです。
買取価格は不動産会社によって異なります。同じ物件でも、各社のビジネスモデルや在庫状況、得意とするエリアによって査定額が変わるため、1社だけに依頼するのは損になる可能性があります。複数社に査定を依頼して比較することで、より高い価格を引き出せる可能性が高まります。一括査定サービスを活用すると、手間なく複数社の査定を受けられるので便利です。
また、物件の状態を整えることも効果的です。大規模なリフォームは不要ですが、不用品の処分や簡単な清掃を行うだけで、査定担当者の印象が変わることがあります。管理費や修繕積立金の滞納がないか、管理組合の書類が揃っているかなども事前に確認しておくと、スムーズに査定が進みます。
さらに、相場を事前に把握しておくことも大切です。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)では、中古マンションの成約価格情報を地域・時期・条件を絞って検索・確認できます。自分の物件の仲介相場をある程度把握した上で交渉に臨むことで、極端に低い価格での買取を避けられます。
まとめ
マンションの買取相場は、一般的に市場価格の7〜8割程度が目安とされています。ただし、物件の状態や価格帯、立地、築年数によって5割から9割まで幅があり、一律ではありません。買取価格が低くなる理由は、不動産会社が転売益とリフォーム費用を差し引いて価格を設定するためです。
買取を選ぶ最大のメリットはスピードと手間のなさであり、仲介を選ぶ最大のメリットは価格の高さです。どちらが正解かは状況次第ですが、まずは複数社に査定を依頼して相場を把握することが、損しない売却への第一歩となります。国土交通省の不動産情報ライブラリなどの公的データも活用しながら、自分に合った売却方法を選んでください。
参考文献・出典
- 国土交通省 不動産価格指数(令和7年9月分・令和7年第3四半期分) — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001975622.pdf
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
- 国土交通省 住まいにはどんな費用がかかる? — https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/
- HOME’S マンション買取相場は市場価格の何割?売却価格の調べ方も解説 — https://www.homes.co.jp/satei/media/entry/cont/sale_00162
- スター・マイカ 不動産買取価格は仲介での売却価格の何割が相場?買取相場の調べ方 — https://www.starmica.co.jp/sell/urilabo/real-estate-purchase-market-price/
- SUUMO マンション買取に向いている物件は?仲介と買取の違いは? — https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/manshon_kaitori
- ノムコム 不動産買取をわかりやすく解説!デメリット・注意点を把握して利用 — https://www.nomu.com/seller/column/20241107_2.html
- HOME4U マンションの買取相場は市場価格の7〜8割!詳しい相場の調べ方と高く売るコツ — https://www.home4u.jp/sell/juku/course/basic-40-16106
- 東急リバブル マンション・不動産の買取なら — https://www.livable.co.jp/baikyaku/kaitori/lp_01/
- ieuri.com マンション買取価格は仲介相場の77.34%|実際の買取成約データと高く売るコツを解説 — https://www.ieuri.com/bible/mansion/10354/