不動産投資を始めたいと思っても、「どの銀行に融資を申し込めばいいのか」「金利はどれくらいかかるのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。銀行によって金利や融資条件が大きく異なるため、何も知らずに申し込むと損をしてしまうこともあります。この記事では、初心者の方が不動産投資の融資を検討する際に知っておくべき基礎知識から、2026年8月時点の実際の金利情報、地方銀行・政策金融機関との比較まで、わかりやすく解説します。銀行選びで失敗しないための判断軸を身につけて、投資の第一歩を踏み出しましょう。
不動産投資ローンの基本的な仕組みを理解する

まず押さえておきたいのは、不動産投資ローンは住宅ローンとは別物だという点です。住宅ローンは自分が住む家を購入するためのものですが、不動産投資ローンは賃貸収入を得ることを目的とした物件を購入するためのものです。金融機関は「その物件が安定した収益を生み出せるか」を重視して審査を行うため、審査基準や金利水準が住宅ローンとは異なります。
不動産投資ローンの審査では、申込者の年収や勤続年数、信用情報といった個人属性に加えて、購入予定物件の収益性や担保価値も重要な評価ポイントになります。つまり、物件そのものの「稼ぐ力」が審査に大きく影響するということです。初心者の方は自分の属性だけを気にしがちですが、物件選びと融資申し込みは切り離せない関係にあることを覚えておきましょう。
融資を受ける際には、金利のほかに諸費用も発生します。事務手数料、保証料、登記費用などが代表的なコストです。たとえばオリックス銀行の不動産投資ローンでは、取扱事務手数料が借入金の2.20%以内(税込)と設定されており、保証料と団体信用生命保険料は不要とされています(オリックス銀行 https://www.orixbank.co.jp/personal/property/charges.html)。一方で、保証料が金利に含まれている商品や、団信加入が必須の商品もあるため、表面上の金利だけで比較するのは危険です。総コストで比較する視点を持つことが、賢い銀行選びの第一歩です。
2026年8月時点の主要銀行の金利を比較する

実際にどの銀行がどのような金利を提示しているのか、2026年8月時点の公開情報をもとに確認してみましょう。金利は申込者の属性や物件条件によって変わるため、あくまで参考値として捉えてください。
オリックス銀行の不動産投資ローンは、2026年8月3日時点で変動金利が年2.425%〜年4.425%と公開されています(オリックス銀行 https://www.orixbank.co.jp/personal/property/)。借入額は2,000万円以上2億円以下、借入期間は最長35年(完済時85歳未満)という条件です。都市部の区分マンション投資を検討している方にとって、比較的利用しやすい商品設計といえます。
日本生命のニッセイアパートローンは、変動金利(短期貸付基準金利連動型)の基本金利が公開されています(日本生命 https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/loan/apart/kinri.html)。固定金利では固定期間によって金利が異なり、固定期間が長くなるほど金利が上がる構造です。なお、この基本金利には保証料が含まれていますが、団体信用生命保険特約保証料は含まれていない点に注意が必要です。また、ニッセイアパートローンは土地を持つ18歳以上の方が対象で、団体信用生命保険への加入は原則不要とされています(日本生命 https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/loan/apart/joken.html)。
北見信用金庫のアパートローンでは、変動金利が公開されており、団体信用生命保険に加入する場合は金利が上乗せされます(北見信用金庫 https://www.shinkin.co.jp/kitami/borrow/ichiran.html)。信用金庫は地域密着型の融資を行うため、地元での事業実績や人間関係が審査に影響することもあります。このように、金融機関の種類によって金利水準だけでなく審査の考え方も異なるため、複数の機関に相談することが重要です。
地方銀行の融資条件と初心者が注目すべきポイント
地方銀行は、都市部の大手銀行とは異なる特徴を持っています。一般的に地方銀行は営業エリア内の物件や顧客を対象とすることが多く、地域の不動産市場に精通した担当者が対応してくれる点がメリットです。初心者にとっては、担当者との関係を築きやすく、相談しやすい環境が整っていることも魅力といえます。
横浜銀行のアパートローンは、変動金利を年2回(4月1日・10月1日)に見直す仕組みで、短期プライムレート連動長期貸出標準金利を基準としています(横浜銀行 https://www.boy.co.jp/kojin/apart-loan/gaiyou_apartment.html)。取扱手数料は購入資金の場合121,000円と定額で、全額繰上返済の手数料は借入後7年超であれば無料になります。定額の手数料は借入金額が大きいほど割安になるため、まとまった金額を借り入れる場合に有利です。
常陽銀行のアパートローンは、融資額が最高3億円、返済期間は35年以内と設定されています(常陽銀行 https://www.joyobank.co.jp/personal/loan/apartment/)。木造物件については原則30年以内ですが、住宅性能表示制度における劣化対策等級2以上に相当する場合は35年以内まで延長できます。銀行事務取扱手数料は借入金額の1.1%(消費税込)です。物件の構造や性能によって融資条件が変わる点は、物件選びの段階から意識しておく必要があります。
琉球銀行のアパートローンは、建築資金(土地取得含む)から購入資金、他金融機関からの借換え、諸費用まで幅広く対象としており、返済期間は最長35年です(琉球銀行 https://www.ryugin.co.jp/kariru/apartloan/)。金利は変動金利または固定金利(固定期間2年以上5年以内)から選択でき、融資対象となる土地・建物に借入金額の120%を根抵当権として設定する仕組みです。地方銀行ごとに対象エリアや条件が異なるため、投資予定エリアの地方銀行に直接問い合わせることをおすすめします。
政策金融機関という選択肢も知っておこう
銀行以外の融資先として、政策金融機関も初心者には知っておいてほしい選択肢です。住宅金融支援機構や日本政策金融公庫は、民間銀行とは異なる目的で融資を行っており、特定の条件を満たす場合に有利な金利が適用されることがあります。
住宅金融支援機構の賃貸住宅融資は、2026年8月申込分の金利が2026年10月下旬に決定される予定で、現在公開されているのは参考金利です(住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/kinri/chintai.html)。さらに同機構では、子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資という制度があり、長期優良住宅の場合は当初15年間に融資金利から年0.3%の引下げ、機構の定めるZEH基準に適合する場合は年0.2%の引下げが受けられます(住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/kanri/syoenechintai/jouken.html)。省エネ性能の高い賃貸住宅を建設する計画がある方は、こうした優遇制度の活用を検討する価値があります。
日本政策金融公庫の企業活力強化資金では、不動産賃貸業を一定要件で対象に含みますが、融資限度額は7億2千万円と案内されています。返済期間は設備資金20年以内(据置期間2年以内)、運転資金10年以内(据置期間2年以内)です(日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/14_syougyousikin_m.html)。また、国民生活事業の金利情報によると、2026年8月3日時点で有担保の基準利率は2.60%〜4.90%となっています(日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html)。政策金融機関は民間銀行で融資を断られた場合の受け皿になることもあるため、選択肢の一つとして把握しておきましょう。
初心者が融資審査を通過するために準備すること
融資審査を有利に進めるためには、事前の準備が非常に重要です。金融機関は申込者の「返済能力」と「物件の収益性」を総合的に判断するため、どちらの面でも準備を怠らないことが求められます。
まず自己資金の準備から始めましょう。一般的には物件価格の一定割合を頭金として用意することが求められますが、金融機関によって求める比率は異なります。頭金を多く用意できると、借入額が減り月々の返済負担が軽くなるだけでなく、金融機関からの信頼度も高まります。また、頭金とは別に諸費用分の資金も手元に残しておくことが大切です。
次に、自分の信用情報を整えることも欠かせません。クレジットカードの延滞や他のローンの残高は審査に影響するため、申し込み前に確認しておきましょう。さらに、確定申告書や源泉徴収票など収入を証明する書類を整備しておくと、審査がスムーズに進みます。会社員の方は安定した収入が評価されやすい傾向がありますが、自営業の方は複数年分の申告書を求められることが多いため、早めに準備しておくことをおすすめします。
物件選びの段階から金融機関に相談することも有効な戦略です。「この物件で融資を受けられるか」を事前に確認することで、購入後に融資が下りないというリスクを避けられます。複数の金融機関に相談することで、条件の比較もでき、より有利な融資を引き出せる可能性が高まります。
まとめ
不動産投資における銀行融資は、金利・諸費用・融資条件を総合的に比較することが成功の鍵です。2026年8月時点では、オリックス銀行の変動金利が年2.425%〜4.425%と公開されており、金融機関によって条件は大きく異なります。地方銀行は地域密着の審査が特徴で、政策金融機関には省エネ賃貸住宅向けの金利優遇制度も存在します。初心者の方はまず複数の金融機関に相談し、自分の属性と投資計画に合った融資先を見つけることから始めてみてください。焦らず情報を集め、着実に準備を進めることが、不動産投資成功への近道です。
参考文献・出典
- オリックス銀行 不動産投資ローン — https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
- オリックス銀行 借り入れに必要な諸費用 — https://www.orixbank.co.jp/personal/property/charges.html
- 日本生命保険相互会社 ニッセイアパートローン 金利情報 — https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/loan/apart/kinri.html
- 日本生命保険相互会社 ニッセイアパートローン ご利用条件 — https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/loan/apart/joken.html
- 横浜銀行 商品概要説明書(アパートローン) — https://www.boy.co.jp/kojin/apart-loan/gaiyou_apartment.html
- 常陽銀行 アパートローン — https://www.joyobank.co.jp/personal/loan/apartment/
- 琉球銀行 アパートローン — https://www.ryugin.co.jp/kariru/apartloan/
- 北見信用金庫 融資のご案内 個人ローン一覧表 — https://www.shinkin.co.jp/kitami/borrow/ichiran.html
- 住宅金融支援機構 賃貸住宅融資金利 — https://www.jhf.go.jp/kinri/chintai.html
- 住宅金融支援機構 子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資 — https://www.jhf.go.jp/kanri/syoenechintai/jouken.html
- 日本政策金融公庫 企業活力強化資金 — https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/14_syougyousikin_m.html
- 日本政策金融公庫 金利情報(国民生活事業) — https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html