マンションを売却しようと考えたとき、「仲介と買取、どちらを選べばいいのか」と迷う方は少なくありません。それぞれに異なるメリットとデメリットがあり、状況によって最適な選択肢は大きく変わります。価格を少しでも高く売りたい方もいれば、とにかく早く現金化したい方もいるでしょう。この記事では、仲介と買取の基本的な違いから、それぞれに向いているケース、さらに「買取保証」という第三の選択肢まで、初心者にもわかりやすく解説します。自分の状況に合った売却方法を選ぶための判断基準を、ぜひここで身につけてください。
仲介と買取の基本的な違いを理解する

まず押さえておきたいのは、仲介と買取では「誰が買い手になるか」という点が根本的に異なるということです。この違いが、価格・スピード・手間のすべてに影響を与えます。
仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に立ち、マンションの売却活動を代行する方法です。買い手は一般の個人や法人で、不動産会社はその仲介役として成功報酬(仲介手数料)を受け取ります。売却価格は市場の需給によって決まるため、条件が良ければ高値での売却が期待できます。一方、買い手が見つかるまでに時間がかかるという不確実性があり、大京穴吹不動産の比較ページでも「買主さまが見つからなければ売却が進まない」と明示されています。
買取とは、不動産会社が直接マンションを買い取る方法です。買い手が最初から決まっているため、売却活動が不要で、スピーディーに手続きが完了します。大京穴吹不動産の即時買取サービスでは「最短1週間」での買い取りを打ち出しており、急いで売却したい方には大きな魅力です。ただし、不動産会社はその後リフォームして転売することを前提に買い取るため、価格は仲介より低くなる傾向があります。東急リバブルの説明によると、買取価格は仲介より低い価格が一般的とされています。
仲介手数料についても理解しておく必要があります。仲介の場合、国土交通省が定める法定上限があり、たとえば売買価格1,000万円(税別)の場合、上限は39.6万円(税込)です(国土交通省)。買取の場合は不動産会社が直接買い手になるため、原則として仲介手数料はかかりません。ただし、サービスの仕組みによっては手数料が発生するケースもあるため、契約前に必ず確認することが大切です。
仲介が向いているケースとそのメリット

売却価格の高さを最優先に考えるなら、仲介が有力な選択肢です。仲介では市場価格に近い金額での売却が期待でき、条件の良い物件であれば複数の買い手候補が現れることもあります。東急リバブルも「売却価格の高さを重視するなら仲介」と整理しており、価格面での優位性は明確です。
首都圏の中古マンション市場を見ると、公益財団法人東日本不動産流通機構(レインズ)のデータによれば、近年の成約価格は市場の実勢を反映した水準となっています。これは仲介市場での実勢価格であり、買取価格との差を考えると、仲介で売れた場合の手取り額は大きく変わる可能性があります。また、同データによると、レインズ登録から成約までの平均日数は一定の期間を要するものとなっており、「数日で売れる」という前提は実態とズレがあることを念頭に置いておく必要があります。
仲介が特に向いているのは、売却を急いでいない方、物件の状態が良く市場での競争力がある方、そして少しでも高い価格で売りたいと考えている方です。また、住み替えのタイミングに余裕がある場合や、売却後に確定申告で「マイホームを売ったときの3,000万円特別控除」を活用したい方にも、仲介で高値売却を目指すことが合理的な判断になります(国税庁)。
一方で、仲介にはデメリットもあります。売却活動中は内見対応が必要で、生活を整えておく手間がかかります。また、売れるまでの期間が読めないため、次の住まいの計画が立てにくいという側面もあります。さらに、売却が長引けばその分だけマンションの管理費や修繕積立金の負担が続くことも忘れてはなりません。
買取が向いているケースとそのメリット
スピードと確実性を重視するなら、買取は非常に有力な選択肢です。大京穴吹不動産の即時買取サービスでは、仲介手数料不要・室内は現状のままでOK・クリーニング不要・近所に知られにくい・内見不要という点が明示されており、売却に伴う手間や精神的な負担を大幅に軽減できます。
買取が特に向いているのは、離婚や相続、転勤など、事情があって早急に売却を完了させたい方です。また、物件が築古であったり、リフォームが必要な状態であったりする場合、仲介では買い手が見つかりにくいことがあります。そのような物件でも、買取なら現状のまま売却できるため、リフォーム費用をかけずに済むというメリットがあります。さらに、大京穴吹不動産が指摘するように「すぐ買い取り決済となるのでマンション管理費などの負担が軽減できます」という点も、長期間の維持費を避けたい方には大きな利点です。
ただし、買取の最大のデメリットは価格です。前述のとおり、買取価格は仲介より低くなるのが一般的です(東急リバブル)。たとえば仲介で5,000万円で売れる物件が、買取ではそれより低い金額になる可能性があります。この差額が許容できるかどうかが、買取を選ぶ際の最大の判断基準となります。
また、買取を検討する際には、まず仲介査定を受けて市場価格を把握しておくことが重要です。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では実際の取引価格情報が四半期ごとに公表されており、自分のマンションの相場を事前に確認するのに役立ちます(国土交通省)。相場を知らずに買取価格だけを見ると、適正かどうかの判断ができないため、必ず比較の視点を持つようにしましょう。
「買取保証」という第三の選択肢
仲介と買取の二択で迷っている方に知っておいてほしいのが、「買取保証」というサービスです。これは、まず仲介で売り出しを行い、一定期間内に売れなかった場合に不動産会社が事前に合意した価格で買い取るという仕組みです。
大京穴吹不動産の買い取り保証サービスでは、「ご希望に沿った売り出し価格で、仲介での売い出しから始めます」とあり、仲介で高値売却を目指しながら、万が一売れなかった場合の保険として買取保証が機能します。また、「事前に売却価格(買い取り保証額)が確定できる」ため、資金計画を立てやすいという利点もあります。自社買取に切り替わった場合は仲介手数料も不要です。
野村不動産ソリューションズの買換サポートも同様の仕組みで、「最低でもいくらで売れるか」を先に確定できる点が特徴です。さらに、売却代金の受領前に購入代金の支払いが来る場合に備えた「つなぎ融資サービス」も案内されており、住み替えを検討している方には特に心強いサービスといえます。
ただし、買取保証を利用する際には条件があることも理解しておく必要があります。野村不動産ソリューションズの説明では、マンションの場合、新耐震基準を満たしていること、専有面積(登記簿)が30平方メートル以上であること、建築基準法に適合していること、一般的な住宅ローンの通常利用が可能であることなどが適用基準の例として挙げられています。また、三菱地所の住まいリレーの買取サポートサービスのように、サービスによっては成約時に仲介手数料が発生するケースもあるため、契約内容を事前にしっかり確認することが大切です。
売却方法を選ぶ前に確認すべきこと
どちらの方法を選ぶにしても、事前に確認しておくべき重要なポイントがあります。まず、自分のマンションの市場価格を把握することが出発点です。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で近隣の取引事例を調べ、複数の不動産会社に査定を依頼することで、相場感をつかむことができます。
次に、売却後の税金についても考慮が必要です。マイホームを売却した場合、国税庁によると所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。この特例を活用できるかどうかによって、手取り額が大きく変わるため、仲介と買取のどちらが有利かを単純に売却価格だけで比較するのは危険です。税理士や不動産会社に相談しながら、税引き後の手取り額で比較することをおすすめします。
また、契約不適合責任についても理解しておく必要があります。東京都住宅政策本部の「不動産取引の手引き」によると、売主が不具合を知りながら買主に告げなかった場合は、免責の特約があっても責任を免れることはできません。仲介で売却する場合は特に、物件の状態を正確に開示することが重要です。買取の場合は現状渡しが基本となるため、この点での負担は比較的軽くなります。
まとめ
仲介と買取のどちらが正解かは、売主の状況や優先事項によって異なります。価格を最大化したいなら仲介、スピードと確実性を重視するなら買取、そしてその両方のバランスを取りたいなら買取保証という選択肢があります。重要なのは、まず市場価格を把握したうえで、自分の状況に合った方法を選ぶことです。複数の不動産会社に相談し、査定価格やサービス内容を比較検討することが、後悔しないマンション売却への第一歩となります。焦らず情報を集め、納得のいく判断をしてください。
参考文献・出典
- 国土交通省「不動産取引に関するお知らせ(消費者の皆様向け)」 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html
- 公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」 – https://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_2025.pdf
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」 – https://www.reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices/
- 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
- 東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」 – https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/fudosan/torihiki/tebiki/490p36-38
- 東急リバブル「不動産の仲介と買取の違いとは?メリット・デメリットを比較」 – https://www.livable.co.jp/l-note/question/s10064/
- 大京穴吹不動産「即時買い取りサービス」 – https://www.daikyo-anabuki.co.jp/sell/purchase/fast/
- 大京穴吹不動産「買い取り保証サービス」 – https://www.daikyo-anabuki.co.jp/sell/purchase/security/
- 野村不動産ソリューションズ「不動産をお買いかえのお客様へ(ノムコム)」 – https://www.nomu.com/seller/replacement.html
- 三菱地所の住まいリレー「買取サポートサービス」 – https://www.mec-h.com/anshin_service/purchase