豊島区に空き家を持っているけれど、どう活用すればいいか分からない——そんな悩みを抱えるオーナーは少なくありません。また、住まい探しに困っている方にとっても、地域の空き家活用制度は大きな助けになる可能性があります。この記事では、豊島区が運営する「としま居住支援バンク」や地域貢献型の空き家利活用事業など、2026年6月時点で利用できる制度を分かりやすく解説します。制度の仕組みから相談窓口まで、初めての方でも理解できるよう丁寧にまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
豊島区の空き家問題と居住支援の取り組み

豊島区では、空き家の増加という社会課題に対して、早くから積極的な対策を進めてきました。区は平成24年度に「豊島区居住支援協議会」を設立し、NPO法人と連携しながら空き家・空き室を住宅確保要配慮者の入居支援に活用する取り組みをスタートさせています(豊島区公式ホームページ https://www.city.toshima.lg.jp/508/jutaku/akiya/2108051605.html)。
住宅確保要配慮者とは、高齢者や障害者、低所得者、子育て世帯など、一般的な賃貸市場では入居を断られやすい方々のことを指します。こうした方々が安心して住まいを確保できるよう、区が仲介役となって空き家オーナーと入居希望者をつなぐ仕組みが整えられてきました。
豊島区の取り組みが注目される理由のひとつは、単に空き家を減らすだけでなく、地域の福祉や住まいのセーフティネットとして空き家を積極的に活用しようとしている点にあります。空き家問題と住宅困窮問題を同時に解決しようとするこのアプローチは、全国的にも先進的な事例として評価されています。
としま居住支援バンクの仕組みとは

豊島区の空き家活用制度の中核を担うのが「としま居住支援バンク」です。これは、住まいの確保にお困りの方と、空き家・空き室をお持ちのオーナーをつなぐマッチング制度で、豊島区居住支援協議会が運営しています(豊島区居住支援協議会 https://kyoju-shien-toshima.com/%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E5%B1%85%E4%BD%8F%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF/)。
登録された物件は、居住支援協議会が運営する専用ホームページと豊島区福祉総務課の窓口で紹介されます。一般的な不動産ポータルサイトとは異なり、住まい探しに困っている方を対象とした専門的なマッチングの場として機能しているのが特徴です。
オーナー側にとっては、長期間空き家のままにしておくよりも、地域の役に立てながら物件を有効活用できるというメリットがあります。また、居住支援協議会がサポートに入るため、入居者とのトラブルリスクを軽減できる点も安心材料のひとつです。住まいを必要としている方と空き家オーナーの双方にとって、メリットのある制度といえるでしょう。
なお、としま居住支援バンクへの登録手順や審査の詳細、現在の登録物件数については、豊島区福祉総務課または居住支援協議会に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。最新の受付状況は状況によって変わる場合があるため、公式窓口での確認が確実です。
地域貢献型空き家利活用事業の補助制度
空き家を地域のために役立てたいと考えるオーナーに向けて、豊島区はさらに踏み込んだ支援制度を用意しています。それが「地域貢献型空き家利活用事業」です。この制度では、戸建て空き家を地域貢献のために提供したいオーナーと、その建物で地域貢献活動を展開したいNPO法人や社会福祉法人などの団体を、区が仲介役となってマッチングします(豊島区公式ホームページ https://www.city.toshima.lg.jp/310/2012241623.html)。
この制度の大きな魅力は、改修費用への補助金です。地域貢献活動に必要な建物の改修費の3分の2、上限200万円を区が補助します。補助の対象となる工事は幅広く、バリアフリー化(手すりの設置や段差解消など)、キッチン・トイレ・浴室などの水回りのリフォーム、空調・電気・給排水設備の整備、防災・防犯対策、耐震工事などが含まれます。設計費も対象に含まれるため、実質的な費用負担をかなり抑えられる可能性があります。
ただし、この制度を利用するにはいくつかの要件を満たす必要があります。オーナー側は、住民税・固定資産税・都市計画税を滞納していないことが求められます。また、改修工事の完了日から少なくとも10年間、空き家を地域貢献のために自ら使用するか、事業者に提供する意思を持っていることも条件となっています。
活用する団体側にも要件があります。NPO法人や社会福祉法人等であること、営利・政治・宗教的な目的を持たない団体であることなどが求められます。さらに、事業を継続できる見込みがあることも重要な条件です。制度の趣旨に沿った、真に地域に貢献できる活用を想定した要件設計となっています。
空き家売却時に使える税制上の特例
空き家を活用するのではなく、売却を検討しているオーナーにとっても、知っておきたい制度があります。それが、相続した空き家の譲渡所得に対する特別控除です。この特例を利用する際には、市区町村長が確認事項を記載した「被相続人居住用家屋等確認書」が必要になります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm)。
豊島区では、この確認書を交付する窓口が設けられています。ただし、豊島区が確認書を交付できるのは、対象となる家屋およびその敷地等が豊島区内に所在するものに限られます(豊島区公式ホームページ https://www.city.toshima.lg.jp/315/1912170857.html)。区外の物件については、それぞれの所在地の市区町村に問い合わせる必要があります。
税制上の特例は、適用条件や手続きが複雑な場合があります。実際に利用を検討する際は、税理士や豊島区の担当窓口に相談しながら進めることをおすすめします。制度の詳細や最新情報は、国税庁の公式サイトや豊島区の公式ホームページでご確認ください。
空き家の相談窓口と活用の第一歩
空き家に関する悩みや疑問は、豊島区の専門窓口に相談することが最も確実な第一歩です。豊島区では、住宅・マンション課空き家対策グループが空き家対策全般や空き家の利活用に関する相談を担当しており、「空き家活用専門員」が相談対応にあたっています(豊島区公式ホームページ https://www.city.toshima.lg.jp/508/jutaku/akiya/2108051028.html)。
専門員が対応してくれるため、「どの制度が自分に合っているか分からない」「空き家をどう活用すればいいか見当もつかない」という初歩的な段階からでも相談できます。としま居住支援バンクへの登録を検討している場合も、地域貢献型の利活用を考えている場合も、まずはこの窓口に問い合わせることで、自分の状況に合った選択肢を整理してもらえるでしょう。
また、国土交通省が推進する「住宅セーフティネット制度」も、空き家活用の選択肢のひとつです。この制度は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録する仕組みで、豊島区の取り組みとも連携しています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html)。空き家を賃貸として活用しながら地域貢献につなげたいオーナーにとって、検討する価値のある制度といえます。
まとめ
豊島区の空き家活用制度は、「としま居住支援バンク」によるマッチング支援から、地域貢献型の改修補助(上限200万円)、売却時の税制特例まで、オーナーの状況に応じた多様な選択肢が用意されています。空き家をそのまま放置することは、管理コストや近隣への影響といったリスクを生むだけでなく、地域の資産を眠らせることにもなります。一方で、適切な制度を活用すれば、空き家は地域の役に立つ資源へと生まれ変わります。まずは豊島区の空き家活用専門員に相談し、自分に合った活用方法を探してみてください。一歩踏み出すことが、空き家問題解決への最短ルートです。
参考文献・出典
- 豊島区公式ホームページ「豊島区の空き家問題の概略」 — https://www.city.toshima.lg.jp/508/jutaku/akiya/2108051605.html
- 豊島区公式ホームページ「空き家・空き室を『住まい探しにお困りの方』に貸したい」 — https://www.city.toshima.lg.jp/310/jutaku/akiya/2108051429.html
- 豊島区公式ホームページ「地域貢献型空き家利活用事業」 — https://www.city.toshima.lg.jp/310/2012241623.html
- 豊島区公式ホームページ「空き家に関する相談支援・セミナー」 — https://www.city.toshima.lg.jp/508/jutaku/akiya/2108051028.html
- 豊島区公式ホームページ「空き家の譲渡所得に対する特別控除(被相続人居住用家屋等確認書の交付)」 — https://www.city.toshima.lg.jp/315/1912170857.html
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
- 国土交通省「住宅セーフティネット制度 ~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html
- 豊島区居住支援協議会「としま居住支援バンク」 — https://kyoju-shien-toshima.com/%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E5%B1%85%E4%BD%8F%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF/
- 豊島区「豊島区住まいのガイド」 — https://www.city.toshima.lg.jp/documents/55125/20260226110634.pdf