不動産の税金

不動産投資の利回り計算に使える無料エクセルテンプレート完全ガイド

不動産投資を始めようとしたとき、「利回りってどうやって計算するの?」「エクセルで管理したいけど、自分で作るのは難しそう」と感じる方は多いのではないでしょうか。実は、無料でダウンロードできる高品質なエクセルテンプレートがいくつも公開されており、初心者でも簡単に収支シミュレーションを始められる環境が整っています。この記事では、利回りの基本的な計算方法から、おすすめの無料テンプレートの特徴、さらに使いこなすうえで押さえておきたい税務の知識まで、わかりやすく解説します。

利回りの基本計算式をまず理解しよう

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不動産投資の利回り計算には、大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。この2つの違いを理解することが、正確なシミュレーションの出発点です。

表面利回りは、もっともシンプルな計算式で求められます。SUUMOの住宅用語大辞典によると、「年間家賃収入÷物件価格×100」で算出されます(SUUMO住宅用語大辞典 https://suumo.jp/yougo/r/rimawari/)。たとえば、物件価格2,000万円の物件から年間120万円の家賃収入が得られる場合、表面利回りは6%となります。計算が簡単なため、物件を比較する際の目安として広く使われています。

一方、実質利回りはより現実に近い収益性を示す指標です。同じくSUUMOの定義では、「(年間家賃収入-諸経費)÷(物件価格+購入諸費用)×100」で計算します(SUUMO住宅用語大辞典 https://suumo.jp/yougo/r/rimawari/)。管理費や修繕費、固定資産税などの経費、さらに購入時の仲介手数料や登記費用なども含めて計算するため、表面利回りよりも数値は低くなります。しかし、実際の手残りを把握するうえでは実質利回りの方がはるかに重要です。

アットホームの公式シミュレーターでは、物件価格・想定賃料・想定入居率・管理費・修繕積立費・その他費用を入力する設計になっており(アットホーム https://www.athome.co.jp/contents/shikin/user_toushi/)、これらの項目がエクセルテンプレートでも最低限必要な入力項目の目安となります。初心者の方はまずこの6項目を意識しながら、テンプレートを選ぶとよいでしょう。

無料エクセルテンプレートの主な選択肢と特徴

無料エクセルテンプレートの主な選択肢と特徴のイメージ

不動産投資の利回り計算に使える無料エクセルテンプレートは、提供元によって機能や使いやすさが大きく異なります。自分の投資スタイルや知識レベルに合ったものを選ぶことが大切です。

まず注目したいのが、マネーフォワードが提供する「不動産賃貸 収支シミュレーション」です。このテンプレートはExcel形式で、購入後35年分のキャッシュフロー・売上・経費・所得を確認できる設計になっています(マネーフォワード https://biz.moneyforward.com/establish/topics/7702/)。表面利回り・実質利回り・税引後キャッシュフロー・CCR(自己資金配当率)の確認に加え、空室率や家賃下落率の設定、元利均等返済と元金均等返済の返済計画まで対応しているため、長期的な収支を俯瞰したい方に向いています。ただし、URL直打ちで即ダウンロードできるわけではなく、無料登録後にダウンロードする方式となっている点は事前に把握しておきましょう。

BF Consultingが提供するテンプレートは、表面利回り・実質利回り(FCR)・ROI(自己資金回収率)・IRR(内部収益率)・損益分岐点・税引前キャッシュフローまで自動算出できる点が特徴です(BF Consulting https://bf-consulting.jp/real-estate-investment-simulation/)。さらに、空室率の変動や賃料の下落シナリオ、金利上昇リスクに対する返済負担の変化、DSCR(借入返済余裕率)まで反映できるとされており、より高度な分析を求める方に適しています。

エスリードが紹介するテンプレートは、借入条件・売却条件・空室率・空室期間・家賃下落率を設定して試算でき、複数パターンのシミュレーションや40年の長期確認にも対応しています(エスリード https://www.eslead.co.jp/media/real-estate-investment-basics/useful-for-calculating-real-estate-investment-yields-and-cash-flow/)。楽観的なシナリオと悲観的なシナリオを並べて比較したい場合に使いやすい構成です。また、rei-fp.comでは、ファイナンシャルプランナーが作成したExcel形式の収益シミュレーションソフトを無料配布しており(rei-fp.com https://rei-fp.com/simulation/)、シンプルな操作感を求める初心者にも向いています。

テンプレートを選ぶときの注意点

無料テンプレートを選ぶ際には、機能の豊富さだけでなく、使い勝手や信頼性も確認することが重要です。見落としがちなポイントをいくつか押さえておきましょう。

まず気をつけたいのが、マクロの有無です。一部のテンプレートにはマクロが組み込まれており、編集が難しかったり、古い金利や空室率の想定数値がそのまま残っていたりするケースがあります。現状の市況に対応できるよう、関数ベースでカスタマイズ可能なテンプレートを選び、指標や試算条件を定期的に見直すことが推奨されています(BF Consulting https://bf-consulting.jp/real-estate-investment-simulation/)。自分で数値を書き換えられるかどうかを、ダウンロード前に確認しておくと安心です。

次に、入力できる項目の範囲も重要な選定基準です。たとえば、投資僧が提供するテンプレートはNOI・NET利回り・金利後利回り・年次キャッシュフローを確認できる一方、空室率や空室期間の細かい設定には対応していないという制約があります(エスリード比較記事 https://www.eslead.co.jp/media/real-estate-investment-basics/useful-for-calculating-real-estate-investment-yields-and-cash-flow/)。また、同テンプレートの家賃下落率は「6年目まで100%、7〜16年目97%、17年目以降90%」という固定前提で設定されているため、自分の物件の状況と合わない場合は別のテンプレートを選ぶか、数値を調整できるものを探す必要があります。

さらに、テンプレートに入力する前提数値の「裏取り」も欠かせません。楽待のアプリは、利回り・空室率・賃料・取引事例・駅乗降客数・ハザードマップなどを地図上で確認できるため、テンプレートに入力する数値の根拠を確かめるツールとして活用できます(エスリード比較記事 https://www.eslead.co.jp/media/real-estate-investment-basics/useful-for-calculating-real-estate-investment-yields-and-cash-flow/)。根拠のある数値を入力してこそ、シミュレーションの精度が上がります。

税務の基礎知識をテンプレートに反映させる

エクセルテンプレートで収支を正確に把握するためには、税務の基本的な仕組みを理解しておくことが不可欠です。特に減価償却と必要経費の扱いは、手残り額に大きく影響します。

国税庁によると、不動産所得の金額は「総収入金額から必要経費を差し引いて計算する」とされています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm)。そして、固定資産税・登録免許税・不動産取得税は、業務用資産に係るものとして必要経費に算入できます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2215.htm)。これらをテンプレートの経費欄に正しく反映させることで、より実態に近い税引後キャッシュフローを把握できます。

減価償却については、建物は減価償却資産ですが、土地は減価償却の対象外です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm)。そのため、取得価格を土地と建物に分けて入力できるテンプレートを選ぶことが望ましいといえます。中古物件の場合、耐用年数の算定には簡便法が使えます。国税庁の定めによると、法定耐用年数を全部経過した資産は法定耐用年数の20%、一部経過した資産は「残年数+経過年数の20%」で耐用年数を算定します(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm)。

また、土地取得のための借入利息については注意が必要です。不動産所得が赤字になった場合、土地取得に要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外となります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm)。つまり、「借入利息はすべて節税になる」と単純に考えるのは危険で、テンプレートの税務パートでもこの点を意識した設計のものを選ぶと、より正確なシミュレーションが可能です。

融資条件の入力値はどう設定するか

エクセルテンプレートで収支シミュレーションを行う際、融資条件の入力値をどう設定するかは悩みどころです。金利の参考値として、公的機関のデータを活用するのが一つの方法です。

金利情報は金融機関によって異なり、定期的に変更されます。テンプレートに入力する際は、複数の金融機関の現在の金利情報を確認したうえで、「あくまで参考値」として扱い、複数の金利シナリオで試算することをおすすめします。

また、住宅金融支援機構の賃貸住宅建設融資では、子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資の例として、35年固定で3.94%〜4.10%、15年固定で3.19%〜3.64%、返済期間最長40年という条件が示されています(住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/files/topics/5378_ext_99_0.pdf)。民間金融機関のアパートローンや不動産投資ローンの金利は各行によって異なるため、実際の融資条件は必ず金融機関に直接確認するようにしてください。テンプレートのシミュレーションはあくまで「検討の出発点」であり、最終的な判断は専門家や金融機関との相談を経て行うことが大切です。

まとめ

不動産投資の利回り計算には、表面利回りと実質利回りの違いを理解したうえで、自分の目的に合った無料エクセルテンプレートを活用することが第一歩です。マネーフォワードやBF Consulting、エスリードなど、それぞれ特徴の異なるテンプレートが無料で提供されており、初心者から中級者まで幅広く活用できます。テンプレートを選ぶ際は、カスタマイズのしやすさや入力項目の充実度を確認し、税務の基本知識も踏まえて正確な収支を把握しましょう。シミュレーションはあくまで判断材料の一つです。数値の根拠をしっかり確認しながら、焦らず着実に不動産投資の知識を積み上げていきましょう。

参考文献・出典

  • マネーフォワード クラウド「不動産賃貸 収支シミュレーション」 – https://biz.moneyforward.com/establish/topics/7702/
  • BF Consulting「不動産投資シミュレーションのエクセルテンプレート」 – https://bf-consulting.jp/real-estate-investment-simulation/
  • rei-fp.com「不動産投資収益シミュレーションソフトダウンロードページ」 – https://rei-fp.com/simulation/
  • エスリード「不動産投資の利回り・収支計算に使える無料Excelテンプレート・アプリ7選」 – https://www.eslead.co.jp/media/real-estate-investment-basics/useful-for-calculating-real-estate-investment-yields-and-cash-flow/
  • アットホーム「賃貸用不動産の投資利回りを試算」 – https://www.athome.co.jp/contents/shikin/user_toushi/
  • SUUMO住宅用語大辞典「利回り」 – https://suumo.jp/yougo/r/rimawari/
  • 国税庁「No.2215 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2215.htm
  • 国税庁「No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm
  • 国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
  • 国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm
  • 日本政策金融公庫「金利情報 中小企業の方」 – https://www.jfc.go.jp/n/rate/base.html
  • 日本政策金融公庫「国民生活事業のご案内2024」 – https://www.jfc.go.jp/n/company/national/pdf/goannai_2024.pdf
  • 住宅金融支援機構「賃貸住宅を建設する場合」 – https://www.jhf.go.jp/files/topics/5378_ext_99_0.pdf

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