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賃貸のIH故障、修理費は誰が負担する?

賃貸物件に住んでいると、ある日突然IH調理器が動かなくなった、という経験をする方は少なくありません。「修理費は自分が払うの?」「大家さんに言えば直してもらえる?」と不安になる気持ちはよく分かります。実は、賃貸のIH故障における費用負担は、故障の原因によって明確に異なります。この記事では、負担の基本的な考え方から、故障に気づいたときの正しい対処法まで、初心者にも分かりやすく解説します。知っておくだけでトラブルを防げる内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

IH調理器は賃貸の「設備」として扱われる

IH調理器は賃貸の「設備」として扱われるのイメージ

まず押さえておきたいのは、賃貸物件に備え付けられたIH調理器は「設備」として位置づけられているという点です。国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf)でも、IH調理器はガスコンロや電気コンロと同様に住戸の設備として明記されています。つまり、最初から物件に付いていたIHは、エアコンや給湯器と同じように「貸主が管理すべき設備」として考えるのが基本です。

この考え方の根拠となるのが民法の規定です。e-Gov法令検索で確認できる民法(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/20220401_430AC0000000059)には、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定められています。つまり、貸主は借主が物件を普通に使えるよう維持する義務を持っており、設備の修繕もその範囲に含まれます。

ただし、これはあくまで「設備として備え付けられたIH」の話です。入居後に借主が自分で購入・設置したIHは当然ながら借主の所有物であり、故障しても貸主に修繕義務はありません。まず自分の物件のIHが「最初から備え付けられていたものか」を確認することが、判断の出発点になります。

費用負担の分かれ目は「故障の原因」にある

費用負担の分かれ目は「故障の原因」にあるのイメージ

重要なのは、IHが故障したとき、その原因が「誰の責任か」によって費用負担が変わるという点です。国土交通省のガイドラインや一般的な賃貸借の考え方では、通常の経年劣化や設備の自然な損耗は貸主負担、借主の故意や過失による損傷は借主負担とされています(SUUMO https://www.suumo.jp/kasu/knowhow/loan/03.html)。

貸主負担になりやすいケースとしては、長年の使用による自然な劣化でIHが動かなくなった場合や、製品自体の不具合・故障が挙げられます。設備は使い続ければいつか寿命を迎えるものであり、その交換費用は本来、物件の所有者である貸主が負うべきものと考えられています。

一方、借主負担になりやすいのは、IHの天板を強くぶつけてひびを入れてしまった、誤った使い方を続けて内部を損傷させた、といった故意や過失による場合です。また、水をこぼしたまま放置して内部に浸水させるなど、通常の使い方とは言えない状況で壊れた場合も、借主が費用を負担することになりやすいです。このように、故障の状況を客観的に振り返ることが、費用負担を判断する上で大切なステップとなります。

故障に気づいたら「すぐ連絡」が鉄則

IHの不具合に気づいたとき、最初にすべきことは管理会社または大家さんへの速やかな連絡です。CHINTAI情報局の記事(https://www.chintai.net/news/118362/)でも指摘されているように、故障していることを知りながら放置して状況が悪化した場合、本来は貸主負担であったはずの修理費が借主負担になってしまう可能性があります。「少し様子を見よう」と先延ばしにすることが、思わぬ出費につながるリスクがあるのです。

連絡する際は、いつから・どのような症状が出ているかを具体的に伝えると、対応がスムーズになります。たとえば「3日前から電源が入らなくなった」「特定の口だけ反応しない」といった情報を整理しておくと、管理会社側も状況を把握しやすくなります。また、連絡した日時や担当者名をメモしておくと、後々のトラブル防止にも役立ちます。

さらに注意したいのは、自己判断で修理業者を手配することです。同じくCHINTAI情報局の情報によれば、貸主に連絡せず勝手に修理した場合、後から費用を請求しても認められないケースがあります。どれだけ緊急に感じても、まず貸主や管理会社に相談し、許可を得てから動くことが原則です。

「古いから交換したい」は借主負担になりやすい

実は、故障と交換要望は明確に区別して考える必要があります。UR賃貸住宅の公式サイト「くらしのカレッジ」(https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202304/001052.html)では、エアコンを例に「省エネ性能の高い機種に替えたい」「古いから新しくしたい」といった借主都合の交換は、経年劣化による故障ではないため借主負担になる場合がほとんどと説明されています。IH調理器についても、同じ考え方が当てはまります。

つまり、「壊れてはいないけれど古くて使いにくい」「最新機種のほうが便利そう」という理由での交換は、貸主に義務はなく、借主が費用を負担するか、そのまま使い続けるかを選ぶことになります。一方で、実際に加熱しない・エラーが頻発するなど明らかな機能不全がある場合は、設備の故障として貸主に修繕を求める正当な理由になります。

この区別を理解しておくと、貸主や管理会社との交渉もスムーズになります。「壊れた」という事実を伝えるときは、具体的な症状を明確に説明することで、単なる交換要望と混同されるリスクを減らせます。また、契約書に設備の修繕に関する特約が記載されている場合もあるため、入居時の契約内容を改めて確認しておくことも大切です。

まとめ

賃貸のIH故障における費用負担は、「経年劣化・設備不良なら貸主負担」「故意・過失なら借主負担」という原則が基本です。国土交通省のガイドラインでもIHは設備として位置づけられており、民法上も貸主には修繕義務があります。ただし、放置による悪化や無断修理は借主負担になるリスクがあるため、不具合に気づいたらすぐに管理会社や大家さんへ連絡することが何より重要です。また、「古いから替えたい」という要望は故障とは別物として扱われる点も覚えておきましょう。正しい知識を持って冷静に対応することが、トラブルを防ぎ、スムーズな解決への近道になります。

参考文献・出典

  • 民法 | e-Gov 法令検索 — https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/20220401_430AC0000000059
  • 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
  • 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(PDF)- 国土交通省 — https://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf
  • 賃貸物件のエアコンは交換できる?交換する前に確認したいこと|くらしのカレッジ|UR賃貸住宅 — https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202304/001052.html
  • 〖賃貸経営とお金〗敷金返還に備える「原状回復ガイドライン」 | SUUMO — https://www.suumo.jp/kasu/knowhow/loan/03.html
  • 賃貸の設備故障!壊れたときの連絡先や修理費用の負担はどうなる? | CHINTAI情報局 — https://www.chintai.net/news/118362/

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