不動産の税金

不動産投資の確定申告は自分でできますか?初心者向け完全ガイド

「不動産投資を始めたけれど、確定申告は自分でできるのだろうか」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。税理士に頼むとコストがかかるし、かといって自分でやって間違えるのも怖い、という悩みはよく聞かれます。実は、国税庁が提供する無料ツールを使えば、初心者でも自分で申告書を作成・提出できる環境が整っています。この記事では、不動産所得がある方を中心に、確定申告の基本的な仕組みから自分で申告するための具体的な手順、注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。最後まで読めば、「自分でもできそう」という手ごたえをきっと感じていただけるはずです。

確定申告は自分でできますか?まず仕組みを知ろう

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不動産投資をしている方にとって、確定申告は毎年避けて通れない手続きです。まず押さえておきたいのは、確定申告とは1年間の所得と税額を自分で計算して国に申告する制度だという点です。

給与所得者の場合、会社が年末調整をしてくれるため、多くの方は確定申告を経験したことがないかもしれません。しかし不動産所得がある場合は、原則として自分で申告する必要があります。国税庁の情報によると、給与収入が2,000万円以下で1か所から給与を受け取り年末調整が済んでいる方でも、給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円を超えると確定申告が必要になります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm)。家賃収入がある方は、この「20万円超」に該当するケースが多いため、注意が必要です。

申告期間についても確認しておきましょう。国税庁によると、令和7年分の所得税等の確定申告の受付期間は令和8年2月16日から3月16日までとされています(国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm)。還付申告の場合はそれ以前でも提出できるため、早めに準備を始めるほど余裕をもって対応できます。

申告しなかった場合や期限を過ぎた場合は、加算税や延滞税が課される可能性があります(国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm)。「面倒だから後回し」にすることが、結果的に余計なコストを生むことになりかねません。

国税庁の無料ツールで申告書を自分で作れる

国税庁の無料ツールで申告書を自分で作れるのイメージ

自分で確定申告をする際の強い味方が、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」です。このツールを使えば、確定申告書だけでなく、収支内訳書や青色申告決算書も画面の案内に沿って自動計算で作成でき、e-Taxによる送信まで一括して行えます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/02/2_03.htm)。専門知識がなくても、質問に答えていくだけで書類が完成する仕組みになっているため、初心者にも取り組みやすい設計です。

ただし、申告内容によっては確定申告書等作成コーナーが利用できない場合もあります。その場合でも、所得税や消費税については「e-Taxソフト」を使って申告書を作成・送信することが可能です(e-Tax https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin.html)。複雑な取引がある場合は、まず作成コーナーで対応できるか確認し、難しければe-Taxソフトに切り替えるという流れで進めるとよいでしょう。

e-Taxで自宅から申告するメリットは、手間の削減だけではありません。税務署の窓口に申告書を提出する場合は、提出のたびにマイナンバーの記載と本人確認書類の提示または写しの添付が必要になります。一方、自宅からe-Taxで申告する場合は、本人確認書類の提示や写しの添付が不要になります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm)。マイナンバーカードを持っている方は、ぜひe-Taxの活用を検討してみてください。

不動産所得の収入と経費の正しい記録方法

自分で申告を進めるうえで欠かせないのが、日頃からの帳簿管理です。国税庁の情報によると、不動産所得がある方は申告が不要な年であっても、帳簿を備え付けて取引を記録し、一定期間保存することが所得税法で義務付けられています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou07.pdf)。白色申告の場合、法定帳簿は7年、任意帳簿は5年、領収書などの書類は5年の保存が基本とされています。

収入の計上タイミングにも注意が必要です。家賃・地代・共益費は、原則として契約で定められた支払日に収入として計上します。支払日が定められていない場合は、実際に受領した日が計上日となります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1376.htm)。また、礼金や権利金は物件の引渡日または契約の効力発生日に収入計上し、敷金や保証金は原則として預り金として扱い、返還不要が確定した時点で初めて収入に計上します。

必要経費として計上できるのは、総収入を得るために直接要した費用や、その年に生じた業務上の費用です。重要なのは、年内に債務が確定していない支出はその年の経費にできないという点です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm)。管理費、固定資産税、修繕費、火災保険料などが代表的な経費ですが、業務用資産の購入のための借入金利息も必要経費に含まれます。ただし、土地取得のための借入金の利子については、不動産所得が赤字のとき、その利子相当部分を他の所得と損益通算できないというルールがあるため注意が必要です。

青色申告と白色申告、どちらを選ぶべきか

不動産所得の申告方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。青色申告を選ぶ最大のメリットは、青色申告特別控除として所得金額から一定額を差し引けることです。国税庁によると、控除額は55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円で、期限内申告などの要件を満たす必要があります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm)。さらに65万円の控除を受けるには、e-Taxでの期限内提出または電子帳簿保存という追加要件があります。

青色申告を利用するには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。原則として、青色申告を始めたい年の3月15日までに提出しなければなりません。1月16日以後に新たに不動産の貸付けを始めた場合は、開始日から2か月以内が提出期限となります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm)。「来年から青色申告にしよう」と思ったときには、この申請期限を忘れずに確認してください。

一方、白色申告は帳簿の形式が比較的シンプルで、初年度から取り組みやすいという面があります。しかし、青色申告特別控除という大きな節税メリットを考えると、長期的には青色申告に切り替えることを検討する価値は十分にあります。どちらが自分に合っているかは、物件数や取引の複雑さ、管理にかけられる時間などによって異なるため、まずは自分の状況を整理してみることをおすすめします。

不動産売却や住宅ローン控除も自分で申告できる

不動産投資では、物件を売却したときや住宅ローン控除を初めて受けるときにも確定申告が必要になります。土地や建物を売却して利益が出た場合は、原則として確定申告が必要です。譲渡所得の計算式は「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得金額」となります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/fudousan.htm)。売却で損失が出た場合は、原則として他の所得との損益通算はできませんが、マイホームの売却については一定の要件を満たす場合に損失を控除できる特例があります。

住宅ローン控除については、給与所得者であっても初年度は必ず自分で確定申告をする必要があります。2年目以降は年末調整で受けられるようになりますが、最初の年だけは申告が必須です(国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_1.htm)。初年度の申告には、計算明細書、年末残高等証明書、家屋の登記事項証明書、工事請負契約書または売買契約書の写しなどが必要になります。また、入居した年やその前後の一定期間内に3,000万円特別控除などの譲渡所得の課税特例を使うと、住宅ローン控除を受けられなくなる点にも注意が必要です。

わからないことが出てきたときは、国税庁の国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)を活用しましょう。所得税に関する相談は「1」、譲渡所得・相続税・贈与税に関する相談は「3」を選ぶと案内を受けられます。受付時間は平日8時30分から17時00分です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm)。専門家に頼む前に、まずこの無料相談窓口を利用してみることをおすすめします。

まとめ

不動産投資の確定申告は、国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxを活用すれば、初心者でも自分で取り組める環境が整っています。大切なのは、日頃から収入と経費をきちんと記録しておくこと、そして申告期限を意識して早めに準備を始めることです。青色申告の特別控除という節税メリットを活かすためには、事前の承認申請も忘れずに行いましょう。複雑な取引や不明点があれば、国税相談専用ダイヤルや税務署の窓口相談を積極的に利用してください。自分で申告する経験を積むことで、不動産投資の収支をより深く理解できるようになり、長期的な資産形成にも役立てることができます。

参考文献・出典

  • 国税庁「申告書の提出方法」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/02/2_03.htm
  • 国税庁「申告と納税」 – https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm
  • 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm
  • 国税庁「マイホームを持ったとき」 – https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_1.htm
  • 国税庁「不動産等を売却した方へ|令和7年分 確定申告特集」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/fudousan.htm
  • 国税庁「不動産所得者用 帳簿の記帳のしかた」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou07.pdf
  • 国税庁「No.1376 不動産所得の収入計上時期」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1376.htm
  • 国税庁「No.2210 必要経費の知識」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
  • 国税庁「国税に関するご相談について」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm
  • 国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」 – https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
  • 国税庁「所得税及び復興特別所得税の申告等 Q&A」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm
  • e-Tax「個人でご利用の方」 – https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin.html
  • 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

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