不動産の税金

不動産投資の確定申告|必要書類と相談先を徹底解説

不動産投資を始めたばかりの方にとって、確定申告の準備は何から手をつければよいか迷うことが多いものです。「必要書類が多くて整理できない」「経費として認められるものがわからない」「税務署に相談したいけれど、何を持っていけばいいの?」といった疑問を抱えている方は少なくありません。この記事では、不動産所得の確定申告に必要な書類の一覧から、経費として計上できる項目、税務署や税理士への相談方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。申告期限を前に慌てないよう、ぜひ最後まで読んでみてください。

不動産所得の確定申告が必要になるケース

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まず押さえておきたいのは、どのような場合に確定申告が必要になるかという点です。不動産投資で家賃収入を得ている場合、その収益は「不動産所得」として申告の対象になります。

国税庁の情報(令和7年4月1日現在法令等)によると、不動産所得は「総収入金額から必要経費を差し引いた金額」として計算されます。家賃収入だけでなく、返還不要の敷金・保証金や、共益費名目で受け取った金額も収入に含まれる場合があるため、受け取ったお金の性質をきちんと確認しておくことが大切です。

給与所得者の場合、給与・退職所得以外の所得金額が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。不動産所得もこの判定対象に含まれるため、副業感覚で始めた不動産投資でも、収益が一定額を超えれば申告義務が生じます。また、申告の必要がない方であっても、不動産の貸付を行っている場合は帳簿を備え付けて取引を記録・保存する義務が所得税法で定められています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou07.pdf)。

なお、令和7年分の所得税等の確定申告の相談・受付期間は、令和8年2月16日から3月16日までとされています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm)。還付申告の場合は令和8年2月13日以前でも提出できるため、早めに準備を進めておくと安心です。

確定申告に必要な書類一覧

確定申告に必要な書類一覧のイメージ

不動産投資の確定申告で準備すべき書類は、大きく「申告書類」「収入・経費の証明書類」「本人確認書類」の3種類に分けて考えるとわかりやすくなります。

申告書類については、白色申告者は「収支内訳書(不動産所得用)」、青色申告者は「青色申告決算書(不動産所得用)」を使用します(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/1557_2.htm)。これらは確定申告書と合わせて提出する書類で、1年間の収入と経費をまとめたものです。どちらを使うかは申告方法によって異なるため、自分がどちらの申告者に該当するかを事前に確認しておきましょう。

本人確認書類については、書面で確定申告書を提出する際には原則としてマイナンバーの記載と本人確認書類の提示または写しの添付が必要です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/04/4_01.htm)。一方、源泉徴収票などの添付・提示は原則不要とされていますが、税務署で申告書を作成する場合は持参するよう案内されています。

収入・経費の証明書類としては、家賃の入金記録や振込明細、固定資産税の納税通知書、火災保険の保険料領収書、修繕工事の領収書などが代表的です。これらは申告書への添付が必須というわけではありませんが、税務調査や相談時に必要となる場合があるため、日頃から整理して保管しておくことが重要です。白色申告の場合、法定帳簿は7年、領収書などの書類は5年保存するのが原則とされています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou07.pdf)。

経費として計上できる項目と注意点

不動産投資の確定申告で多くの方が悩むのが、どの支出を経費として計上できるかという点です。国税庁では、不動産所得の主な必要経費として「固定資産税」「損害保険料」「減価償却費」「修繕費」を例示しています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm)。これらは基本的な経費項目として広く認められているものです。

ただし、借入金に関しては注意が必要です。不動産取得のためのローンについて、利子部分は経費として計上できますが、元本の返済部分は必要経費にはなりません(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/019.pdf)。この点を混同してしまうと、経費を過大に計上してしまうリスクがあるため、ローンの返済明細書を確認しながら正確に分けて記録することが大切です。

修繕費についても、判断が難しいケースがあります。建物の価値を高めたり使用可能期間を延長したりする支出は、修繕費ではなく「資本的支出」として扱われ、減価償却の対象となります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/019.pdf)。たとえば、壊れた設備を同等品に交換するのは修繕費、グレードアップした設備に交換するのは資本的支出と判断されることが一般的です。判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

個人事業主として不動産貸付を行っている場合も、経費の考え方は基本的に同じです。ただし、事業的規模かどうかによって青色申告特別控除の金額などに違いが生じる場合があります。この点については個別の事情によって判断が異なるため、詳細は税務署や税理士にご確認ください。

青色申告を選ぶメリットと手続きの流れ

不動産投資の確定申告では、白色申告と青色申告のどちらかを選択できます。青色申告には税制上の優遇措置があるため、要件を満たすなら積極的に検討する価値があります。

青色申告を選ぶためには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。新たに不動産の貸付けを始めた年から青色申告をしたい場合、原則として開業日から2か月以内(その年の1月15日以前に開業した場合は3月15日まで)に申請書を提出しなければなりません(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1399.htm)。この期限を過ぎてしまうと、その年は白色申告になってしまうため、不動産投資を始めたタイミングで早めに手続きを確認しておくことが重要です。

青色申告者は「青色申告決算書(不動産所得用)」を使用して申告を行います。白色申告と比べると記帳の手間は増えますが、帳簿を丁寧につけることで収支の状況を正確に把握できるという実務上のメリットもあります。青色申告制度の詳細については、国税庁のタックスアンサー(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)で確認できます。

申告方法については、自宅からe-Taxを使ってオンラインで申告することも可能です。スマートフォンまたはパソコンとマイナンバーカードがあれば、税務署に出向かずに申告を完結させることができます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm)。書類の郵送や窓口への持参が不要になるため、忙しい方にとって特に便利な方法です。

税務署・税理士への相談方法と活用のコツ

確定申告の準備を進める中で疑問が生じた場合、適切な相談先を選ぶことが解決への近道です。国税庁では、チャットボット・タックスアンサー・電話相談センター・税務署面接相談を使い分ける形で相談窓口が整備されています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/)。

電話で相談したい場合は、国税相談専用ダイヤル「0570-00-5901(ナビダイヤル)」を利用できます。書類の内容や個別の事実関係を確認したい場合は、税務署の面接相談を事前予約して利用するのが適しています。ただし、固定資産税や不動産取得税などの地方税に関する相談は国税庁ではなく、市区町村や都道府県税事務所が相談先となる点に注意が必要です。

税務署に相談に行く際は、事前の準備が欠かせません。不動産所得がある場合は、収支内訳書または青色申告決算書をあらかじめ自宅で作成し、収入や経費を集計・整理してから相談に臨むよう案内されています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/line.htm)。準備なしで窓口を訪れると、その場で対応できないことも多いため、領収書や通帳の記録などを整理した上で予約を取るようにしましょう。

より専門的なサポートを求める場合は、税理士への依頼も有力な選択肢です。税務相談や税務書類の作成を有償・無償を問わず行えるのは税理士等に限られており、無資格者に依頼するとトラブルになる恐れがあります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9204.htm)。税理士を探す際は、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイト(https://www.nichizeiren.or.jp/consultation/expart/)を利用するのが公式ルートです。

まとめ

不動産投資の確定申告は、必要書類の準備・経費の正確な把握・適切な相談先の活用という3つのポイントを押さえることで、スムーズに進めることができます。収支内訳書や青色申告決算書の作成、マイナンバーを含む本人確認書類の準備、領収書などの保管を日頃から習慣にしておくことが、申告期限直前の慌てを防ぐ最善策です。わからないことがあれば、国税相談専用ダイヤルや税務署の面接相談、税理士への相談を積極的に活用してください。正確な申告は、長期的な不動産投資の安定経営を支える土台になります。一歩ずつ丁寧に準備を進めていきましょう。

参考文献・出典

  • 国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得) — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
  • 国税庁 令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(申告書に添付・提示する書類) — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/04/4_01.htm
  • 国税庁 所得税及び復興特別所得税の申告等(よくある質問) — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm
  • 国税庁 A1-1 申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税) — https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/1557_2.htm
  • 国税庁 不動産所得者用 帳簿の記帳のしかた — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou07.pdf
  • 国税庁 令和7年分 収支内訳書(不動産所得用)の書き方 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/019.pdf
  • 国税庁 国税に関するご相談について — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/
  • 国税庁 No.1399 新たに不動産の貸付けを始めたときの届出など — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1399.htm
  • 国税庁 No.2070 青色申告制度 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
  • 国税庁 No.9204 にせ税理士にご注意 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9204.htm
  • 日本税理士会連合会 税理士に相談する — https://www.nichizeiren.or.jp/consultation/expart/

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