不動産の税金

底地売却にかかる税金2026年・計算の仕組みと節税のポイント

この記事の結論

  • 底地を売ると「譲渡所得税」がかかり、所有期間5年超なら税率は約20%、5年以下なら約39%です。
  • 取得費が不明な場合は売却額の5%を概算取得費として使えます(国税庁)。
  • 相続で取得した底地は、相続税の一部を取得費に加算できる特例があります(国税庁)。

底地を売ろうと考えたとき、「税金がいくらかかるのか」が一番気になるところではないでしょうか。底地(そこち)とは、借地権が設定されたまま他人に貸している土地のことです。普通の土地と違い、借地人(土地を借りている人)がいる分、売却の仕組みが少し複雑に感じられます。この記事では、底地を売ったときにかかる税金の種類・計算の流れ・節税のポイントを、税務の知識がなくても理解できるよう順を追って説明します。相続で引き継いだ方も、ご自身で購入された方も、まずここで全体像をつかんでください。

底地を売ると、どんな税金がかかるのか

底地を売ると、どんな税金がかかるのかのイメージ

底地を売ったときに主にかかる税金は「譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)」です。譲渡所得税とは、土地や建物を売って利益が出たときにかかる税金のことです。給与や年金とは別に計算される「分離課税」という仕組みが使われます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm)。

税額の計算式はシンプルです。「売った金額」から「取得費(買ったときの費用)」と「譲渡費用(売るためにかかった費用)」を引いた残りが「課税譲渡所得」になり、そこに税率をかけます。利益がゼロ以下であれば、原則として税金はかかりません。

また、売買契約書を作成するときには「印紙税(いんしぜい)」もかかります。印紙税は契約書に貼る収入印紙の費用で、売却金額によって金額が変わります。国税庁によると、2027年3月31日までに作成される不動産譲渡契約書には軽減措置が適用されており、たとえば契約金額が1,000万円超5,000万円以下なら1万円、5,000万円超1億円以下なら3万円です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm)。なお、土地の売却には消費税はかかりません(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6931.htm)。

ここまでのまとめ: 底地売却では「譲渡所得税」と「印紙税」が主な税金で、消費税は土地には非課税です。

税率は「5年超か以下か」で大きく変わる

税率は「5年超か以下か」で大きく変わるのイメージ

所有期間が5年を超えるかどうかで、税率が約2倍も違います。これが底地売却の税金で最も重要なポイントです。

所有期間の判定は「売った年の1月1日現在」で行います(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm)。たとえば2026年に売る場合、2020年12月31日以前に取得した底地は「長期譲渡所得」、2021年1月1日以後に取得した底地は「短期譲渡所得」になります(国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm)。

長期譲渡所得の税率は所得税15%・住民税5%の合計20%が基本です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm)。一方、短期譲渡所得の税率は所得税30%・住民税9%の合計39%になります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm)。どちらの場合も、2026年現在は復興特別所得税(所得税額の2.1%)が別途加算されます。

具体的なイメージで考えてみましょう。課税譲渡所得が1,000万円だった場合、長期なら税額は約200万円、短期なら約390万円です。190万円もの差が生まれます。売却のタイミングを少し調整するだけで、手元に残るお金が大きく変わることを覚えておいてください。

ここまでのまとめ: 5年超保有なら税率約20%、5年以下なら約39%で、判定は「売った年の1月1日現在」で行います。

「取得費」と「譲渡費用」を正しく把握する

税金を少なくするには、取得費と譲渡費用をできるだけ正確に把握することが大切です。これらを多く計上できるほど、課税される利益が小さくなります。

取得費には、土地の購入代金・購入時の仲介手数料・設備費・改良費などが含まれます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm)。底地は土地だけの売却になるため、建物の減価償却を考える必要はありません。購入時の売買契約書や領収書が残っていれば、それをもとに実額で計算します。

取得費が分からない場合や、実際の取得費が売却額の5%を下回る場合は、売却額の5%を「概算取得費」として使うことができます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm)。先祖代々の土地や、昔すぎて書類が残っていないケースでよく使われます。ただし、5%は最低限の数字なので、実際の取得費が証明できるなら実額を使うほうが有利です。

譲渡費用として計上できる典型例は、売却時の仲介手数料・売主負担の印紙税・借地人に立ち退いてもらうための立退料・建物の取壊し費用などです(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm)。一方、固定資産税や修繕費は「土地を維持するための費用」なので、譲渡費用にはなりません。また、売買代金とは別に買主から受け取る固定資産税の清算金は、譲渡価額に含めて計算する必要があります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm)。

ここまでのまとめ: 取得費・譲渡費用を正確に把握するほど税金が減り、書類が残っていない場合は売却額の5%を使えます。

相続で引き継いだ底地には特別なルールがある

相続や贈与で取得した底地を売る場合、取得費の計算方法が少し異なります。被相続人(亡くなった方)が購入したときの金額と時期を引き継いで計算します(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3270.htm)。つまり、親が30年前に買った土地を相続した場合、所有期間は「親が買った日から」カウントされます。

さらに重要なのが「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」です。相続で底地を取得し、相続税を支払った場合、一定の期間内に売却すれば、支払った相続税の一部を取得費に上乗せできます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm)。これにより課税譲渡所得を減らせるため、相続税の負担が重かった方ほど節税効果が大きくなります。

この特例を使うには、確定申告のときに「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」と「譲渡所得の内訳書」を一緒に提出する必要があります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm)。申告を忘れると特例が使えなくなるため、相続で取得した底地を売る予定がある方は、早めに税理士や税務署に相談することをおすすめします。

なお、マイホームを売ったときに使える「3,000万円特別控除」は、居住用の不動産向けの制度です。通常の賃貸中の底地には適用されませんので、混同しないよう注意してください(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)。

ここまでのまとめ: 相続取得の底地は被相続人の取得費・時期を引き継ぎ、相続税の一部を取得費に加算できる特例もあります。

申告の流れと準備しておくべき書類

底地を売った翌年の2月16日から3月15日の間に、確定申告を行う必要があります(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm)。給与所得者でも、不動産を売った年は別途申告が必要です。申告を忘れると延滞税や加算税がかかることがあるため、売却が決まったら早めに準備を始めましょう。

申告に必要な書類は、確定申告書・申告書第三表(分離課税用)・譲渡所得の内訳書(土地・建物用)の3点が基本です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm)。これらは国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。

事前に手元に用意しておくと便利な書類は、売買契約書の写し(売ったときと買ったとき両方)・取得費や譲渡費用の領収書の写しです(東京国税局 https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/topics/check/r06/pdf/12.pdf)。古い書類が見つからない場合でも、登記簿謄本や当時の固定資産税の通知書が手がかりになることがあります。不安な場合は、所轄の税務署に面接相談を申し込むか、国税局の電話相談センターに問い合わせることができます(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/)。

ここまでのまとめ: 申告期限は売却翌年の2月16日〜3月15日で、売買契約書と領収書を事前に整理しておくとスムーズです。

まとめ

底地を売ったときの税金の仕組みを整理すると、次のようになります。まず、利益(課税譲渡所得)に対して譲渡所得税がかかります。税率は所有期間5年超なら約20%、5年以下なら約39%と大きく異なります。取得費と譲渡費用をしっかり計上することで課税額を抑えられ、書類が残っていない場合は売却額の5%を概算取得費として使えます。相続で取得した底地には、被相続人の取得費・時期を引き継ぐルールと、相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。申告は売却翌年の確定申告期間中に行い、必要書類を早めに準備しておくことが大切です。税金の計算は個別の事情によって変わるため、具体的な金額は税理士や税務署に確認することをおすすめします。

ご自身の底地がいくらで売れるかは、実際の成約データで確かめるのが最も確実な近道です。

参考文献・出典

  • 国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
  • 国税庁 No.3252 取得費となるもの — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm
  • 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm
  • 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
  • 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
  • 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm
  • 国税庁 No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3270.htm
  • 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
  • 国税庁 No.3102 譲渡所得の申告期限 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm
  • 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm
  • 国税庁 No.6931 消費税等と譲渡所得 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6931.htm
  • 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
  • 国税庁 土地や建物を売ったとき — https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm
  • 国税庁 申告書添付書類一覧 — https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joto/annai/1647_01_01.htm
  • 国税庁 国税に関するご相談について — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/
  • 東京国税局 土地建物等を譲渡した場合に確認していただきたい一般的な事項 — https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/topics/check/r06/pdf/12.pdf

関連記事

TOP
不動産売買なら青山地所