横浜市旧市庁舎の跡地再開発が進む中、「関内駅前のマンションは今いくらなのか」「再開発の影響で相場はどう動いているのか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。実は、旧市庁舎周辺といっても最寄り駅によって価格帯が大きく異なり、同じ徒歩圏内でも70㎡換算で5,000万円台から1億円超まで幅があります。この記事では、最新データをもとに、馬車道・日本大通り・関内という3駅ごとの相場の違いを整理し、再開発が価格に与える影響や物件選びの注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
旧市庁舎周辺とはどのエリアを指すのか

まず押さえておきたいのは、「旧市庁舎周辺」という言葉が指す範囲です。横浜市旧市庁舎行政棟の所在地は中区港町1丁目1番地1ほかで(横浜市公式サイト)、JR関内駅の真正面に位置しています。そのため、旧市庁舎周辺のマンション相場を調べる際は、関内駅だけでなく、みなとみらい線の馬車道駅・日本大通り駅も含めた3駅圏を合わせて見ることが現実的です。
この3駅はいずれも徒歩数分圏内で旧市庁舎跡地にアクセスできますが、駅ごとに街の性格が異なります。馬車道駅周辺はみなとみらい線沿線の高級マンションが集積するエリアで、日本大通り駅は官公庁や歴史的建造物が立ち並ぶ落ち着いた雰囲気のエリアです。一方、関内駅はJR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れる交通の要衝で、ビジネス利用者にも人気があります。こうした街の個性の違いが、そのままマンション価格の差に反映されています。
旧市庁舎跡地は現在、「BASEGATE横浜関内」として再生が進んでいます(東急株式会社プレスリリース)。JR関内駅前の大規模ミクストユース型プロジェクトとして整備されており、商業・業務・居住機能が複合的に集まる街区として注目を集めています。この再開発が周辺の利便性や回遊性を高めることで、マンション相場の下支え要因になっていると考えられます。
3駅別で見る70㎡の価格帯の違い

旧市庁舎周辺の相場を理解するうえで最も重要なのは、駅ごとの価格差です。複数の不動産情報サイトの集計によると、横浜市中区の駅別70㎡売出相場は、馬車道駅が最も高く、日本大通り駅と関内駅がこれに続く傾向が見られています。馬車道駅が他の2駅と比べて突出して高く、同じ旧市庁舎徒歩圏でも数千万円の差が生じていることがわかります。
売出相場ベースで見ると、さらに差は鮮明です。マンションレビューの集計では、馬車道駅圏の70㎡換算売出相場は約1億2,068万円(前年比+13.43%)、日本大通り駅圏は約8,051万円(前年比+7.33%)、関内駅圏は約5,698万円(前年比+1.47%)となっています(いずれも2026年6〜7月時点)。馬車道駅圏の上昇率が特に高く、旧市庁舎周辺の中でも最も価格上昇の勢いが強いエリアといえます。
具体的な物件で見ると、馬車道駅徒歩1分の「ルネ横浜馬車道」の推定相場価格は約1億989万円、徒歩2分の「プロスタイル横浜馬車道」は約1億566万円です。一方、馬車道駅徒歩4分の「ライオンズステージ関内メダリオン」は約9,105万円、関内駅徒歩5分の「クリオ横浜関内壱番館」は約7,877万円となっており、駅距離が少し離れるだけで価格が大きく変わることがわかります(マンションレビュー調べ)。旧市庁舎周辺の70㎡相場は、概ね7,800万円から1億1,000万円程度の幅で見ておくのが現実的です。
本町アドレスの実取引から読み解く相場の実態
旧市庁舎に最も近い住所の一つが「中区本町」です。不動産相場情報サイトの集計によると、本町の中古マンション平均単価は高単価帯に属しています。
興味深いのは、同じ本町アドレスでも最寄り駅によって単価が異なる点です。馬車道駅徒歩0〜4分の物件と日本大通り駅徒歩2〜4分の物件では単価に差が見られており、これは物件の眺望や希少性、標本数の差など複数の要因が考えられます。
実際の成約事例を見ると、2024年第3四半期に馬車道駅徒歩4分・55㎡・2LDK・2004年築の物件が8,600万円で成約しています。また、2023年第3四半期には日本大通り駅徒歩2分・50㎡・1LDK・1998年築・改装済みの物件が4,800万円で成約した事例もあります(いずれもland-create.co.jp調べ)。60㎡に満たないコンパクトな物件でも8,000万円台に乗る一方、50㎡前後の1LDKなら4,000万円台後半から検討できるケースもあることがわかります。
なお、本町の実取引平均は4,504万円という数字もありますが、これは平均専有面積40㎡・取引件数5件という小標本に基づくものです。ファミリー向け70㎡の相場としてそのまま参考にするのは危険で、あくまで小型物件の参考値として捉えるべきでしょう。
再開発が相場に与える影響と今後の見通し
旧市庁舎周辺のマンション相場が上昇を続けている背景には、再開発への期待感があります。横浜市が公表した地価公示のあらましによると、「関内駅周辺では、駅前再開発への期待感や上層階の共同住宅としての需要から、継続して強い上昇傾向が見られた」とされています(横浜市公式サイト)。また、国土交通省の鑑定評価書でも「関内・関外地区の開発等の影響も相まって収益性の向上が見込まれる」と評価されており、公的機関も周辺エリアの価値上昇を認める形になっています。
さらに、旧市庁舎街区の隣接エリアでも再開発が継続中です。横浜市の公式情報によると、関内駅前港町地区の市街地再開発組合の設立が2025年4月に認可され、北口地区の組合設立も同年6月に認可されました。そして2026年3月には両地区の権利変換計画が認可されており、周辺の街並みや供給構成はなお変化の途中にあります(横浜市公式サイト)。
新築物件の価格水準も参考になります。馬車道駅徒歩2分に位置する「ブランズタワー横浜北仲」の販売価格は約6,645万円から約2億2,759万円という幅があり(東急不動産公式サイト)、旧市庁舎周辺の新築・大規模・駅近物件は中古相場よりもかなり高い水準にあることがわかります。再開発が進むほど新築供給の価格水準が上がり、それが中古相場の底上げにもつながる構図が続いています。
再開発エリアの物件を買うときに確認したいこと
再開発エリアの物件は価格上昇の恩恵を受けやすい一方で、注意すべき点もあります。まず確認したいのは、再開発計画の進捗状況です。関内駅前では現在も複数の再開発事業が進行中であり、工事期間中は騒音や日照の変化が生じる可能性があります。購入前に横浜市の公式サイトで最新の事業認可状況を確認しておくことが大切です。
次に重要なのは、物件の個別スペックと価格のバランスです。旧市庁舎周辺は同じ徒歩圏でも築年数・階数・専有面積・リフォームの有無によって価格が大きく異なります。たとえば、同じ本町アドレスでも2004年築と1998年築では価格帯が変わりますし、改装済みかどうかでも数百万円の差が生じることがあります。相場の平均値だけを見て判断するのではなく、比較したい物件と条件が近い成約事例を複数確認することをおすすめします。
また、管理費・修繕積立金を含めた総保有コストも忘れずに確認してください。駅近の大規模マンションは共用施設が充実している分、毎月の管理費が高めに設定されているケースがあります。購入価格だけでなく、月々のランニングコストまで含めて資金計画を立てることが、長期的に安心して住み続けるための基本です。個別の物件状況によって大きく異なるため、最新の管理費・修繕積立金の明細は必ず売主または管理組合に確認するようにしましょう。
まとめ
横浜市旧市庁舎周辺のマンション相場は、複数の不動産情報サイトの集計によると馬車道駅圏が最も高く、70㎡換算の売出相場は1億2,000万円前後まで上昇しています。日本大通り駅圏は約8,000万円、関内駅圏は約5,700万円と、同じ旧市庁舎徒歩圏でも駅によって価格帯が大きく異なります。BASEGATE横浜関内の開業や関内駅前の複数の再開発事業が進む中、横浜市の地価公示でも「継続して強い上昇傾向」と評価されており、相場への上昇圧力はしばらく続くと考えられます。物件を検討する際は、駅距離・築年数・専有面積・管理コストを総合的に比較し、公的機関の最新情報も合わせて確認しながら慎重に判断することが大切です。
参考文献・出典
- 横浜市 旧横浜市庁舎行政棟 — https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/design/ikasu/rekishi/kyuushichousya.html
- 横浜市 広報よこはま 2026年3月号 — https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/koho/insatsubutsu/koyoko/shiban/2026/202603.files/202603-02-03.pdf
- 横浜市 令和8年 地価公示のあらまし(横浜市分・抜粋) — https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/sogotyousei/chika/aramashi.files/0093_20260421.pdf
- 横浜市 関内駅前地区第一種市街地再開発事業 — https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/toshin/genshichoshagaikutou/kannaiekimae.html
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ 鑑定評価書(横浜中5-9) — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2025/14/2025141040509.html
- 東急株式会社 BASEGATE横浜関内 街区名称決定プレスリリース — https://www.tokyu.co.jp/company/news/detail/54926.html
- LIFULL HOME’S 神奈川県横浜市中区のマンション売却価格相場 — https://www.homes.co.jp/satei/mansion/kanagawa/yokohama_naka-city/
- マンションレビュー 馬車道駅の中古マンションランキング — https://www.mansion-review.jp/mansion/station/9931004.html
- マンションレビュー 日本大通り駅の中古マンションランキング — https://www.mansion-review.jp/mansion/station/9931005.html
- マンションレビュー 関内駅のマンション売却相場 — https://www.mansion-review.jp/baikyaku/station/9931616/souba.html
- マンションレビュー 横浜市中区本町の中古マンションランキング — https://www.mansion-review.jp/mansion/town/40011.html
- 全国不動産相場公開サイト 横浜市中区本町の不動産相場 — https://fudosan-souba.jp/kanagawa/%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%B8%82%E4%B8%AD%E5%8C%BA/%E6%9C%AC%E7%94%BA/mansion/
- land-create.co.jp 横浜市中区本町の中古マンション価格相場 — https://www.land-create.co.jp/land_price/trading_list2.php?cd=m_14104+_2310005
- 東急不動産 ブランズタワー横浜北仲 物件詳細 — https://sumai.tokyu-land.co.jp/bukken/detail/index/id/BTYHKTNK