この記事の結論
- 東京都北区の土地売却相場について、複数のデータソースから情報を収集する必要があります。
- 町名によって価格差が大きいため、駅近エリアと外縁部では相場が異なります。
- 公示地価は「目安」であり、実際の売却価格は個別事情で大きく変わるため複数データの確認が必要です。
東京都北区の土地を売ろうと考えたとき、「いったいいくらで売れるのか」という疑問は誰もが最初に感じることです。相続した実家、住み替えのタイミング、離婚や資金整理など、売却を考える事情はさまざまです。しかし「相場」と一口に言っても、公示地価・実勢価格・掲載価格と複数の数字が存在し、どれを信じればよいか迷ってしまいます。この記事では、最新データをもとに、北区の土地売却相場をわかりやすく整理します。町名ごとの価格差や、相場を正しく読むコツまで順を追って説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
北区の土地相場、まず「3種類の数字」を知っておく

土地の相場を調べると、異なる数字がいくつも出てきます。これは「何を測っているか」がそれぞれ違うからです。まずこの3種類を整理しておくと、情報に振り回されなくなります。
1つ目は「公示地価」です。国が毎年1月1日時点で調査・公表する土地の基準価格で、取引の目安として広く使われます。国土交通省の地価公示によると、公示地価は毎年1月1日時点の標準地価格を示すもので、北区の住宅地・商業地の平均値については、地価公示は標準地ごとの価格であり、区平均は別途集計が必要です(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00324.html)。ただし、北区公式サイトも「これらの値は特定の土地の取引価格を示すものではありません」と明記しています(東京都北区 https://www.city.kita.lg.jp/dev-environment/planning/1009686/1009692/1009695.html)。あくまで「目安の物差し」として使うものです。
2つ目は「実勢価格(成約価格)」です。実際に売買が成立した価格のことで、これが最も現実に近い数字です。不動産情報サービスCononeの集計によると、北区土地相場は中央値5,400万円・㎡単価65.2万円で、直近2年間に273件の取引がありました(Conone https://conone.jp/market/tokyo/kita-ku/land)。直近の期間における上昇傾向が続いています。
3つ目は「掲載価格(売り出し価格)」です。不動産ポータルサイトに載っている価格で、売主の希望額です。SUUMO掲載ベースでは北区土地相場は6,390万円・㎡単価87.7万円となっていますが、SUUMOも「相場価格は成約価格を表すものではありません」と明示しています(SUUMO https://suumo.jp/baikyaku/tochi/soba/tokyo/sc_kita/)。売り出し価格と実際の成約価格には差があることを覚えておいてください。
ここまでのまとめ: 公示地価は「目安」、実勢価格が「現実」、掲載価格は「希望額」と使い分けて読むことが大切です。
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町名別で見ると価格差は2倍以上になる

北区は南北に細長い区で、JR各線の駅が点在しています。同じ北区でも、町名によって㎡単価が2倍以上異なることがあります。これを知らずに「北区の相場は○○万円」と思い込むと、実際の査定額とのギャップに驚くことになります。
Cononeの2026年Q1データでは、田端の中央値は8,100万円・㎡単価106.2万円、西ケ原は7,900万円・㎡単価79.3万円、上十条は5,050万円・㎡単価81.5万円、中十条は3,500万円・㎡単価61.8万円となっています(Conone https://conone.jp/market/tokyo/kita-ku/land)。田端と中十条を比べると、㎡単価だけで約1.7倍の差があります。
実際の成約事例を見ると、価格の幅がさらに実感できます。同じ2026年Q1のデータでは、赤羽西の170〜180㎡の土地が1.1億円前後、滝野川の280〜290㎡が2億円前後、西ケ原の110〜120㎡が1.1億円前後、中十条の110〜120㎡が6,800万円台で成約しています(Conone https://conone.jp/market/tokyo/kita-ku/land)。同じ「北区の土地」でも、場所と広さによってこれだけ差が出るのです。
また、Landticのデータによると、駅近エリアと外縁部では坪単価に大きな差があり、同じ30坪の土地でも数千万円の価格差が生じる場合があります(Landtic https://landtic.com/ja/jp/land/tokyo/kita/tabata/、https://landtic.com/ja/jp/land/tokyo/kita/ukima/)。駅近エリアと外縁部では、同じ面積でも大きな価格差が生じる計算になります。
ここまでのまとめ: 北区内でも町名によって坪単価が大きく異なるため、「北区の平均」だけで自分の土地を判断しないことが重要です。
公示地価の個別地点データで「駅距離」の影響を確認する

公示地価は平均値だけでなく、個別地点のデータも公開されています。これを見ると、駅からの距離や用途地域(住宅地か商業地かなど)が価格にどう影響するかがよくわかります。
令和7年(2025年)の北区公示地価一覧表によると、赤羽西1丁目の駅前商業地域(赤羽駅の中古マンション相場データ前広場接面)では2,520,000円/㎡という価格が示されています(東京都北区 https://www.city.kita.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/009/695/07tikakouzikakaku.pdf)。同じ赤羽エリアでも、赤羽岩淵駅から140mの商業地域では2,050,000円/㎡です。また、王子駅から280mの商業地域では2,440,000円/㎡となっています。これらはいずれも商業地域の数字ですが、駅からの距離が近いほど価格が高くなる傾向は住宅地でも同様に働きます。
国土交通省の地価公示によると、公示地価は毎年1月1日時点の標準地価格を示します。北区の住宅地公示地価についても、国土交通省が公表するのは標準地ごとの価格であり、区全体の統一的な平均値は国交省が単独で発表しているものではありません。区市町村別の平均価格は東京都財務局などが別途集計・公表しています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html)。北区全体として地価の動向を確認することが重要です。
ただし、公示地価はあくまで「標準的な土地」を前提にした数字です。再建築不可(建て替えができない土地)、道路への接道が狭い、隣地との境界が未確定、古い建物が残っているといった個別の事情があると、実際の売却価格は公示地価より大幅に下がることもあります。逆に、角地や整形地など条件の良い土地は、公示地価を上回る価格で売れることもあります。
ここまでのまとめ: 公示地価の個別地点データは「駅距離と用途地域の影響」を確認するのに役立ちますが、自分の土地への直接適用には注意が必要です。
相場データを正しく読むための3つの確認手順

相場データを見るとき、数字だけを見て「うちの土地はこのくらい」と判断するのは危険です。データには必ず「前提条件」があり、それを確認しないと見当違いの期待をしてしまいます。
まず確認したいのは「サンプル数」です。たとえば赤羽南のデータは、Landticの集計で取引件数がわずか3件しかありません(Landtic https://landtic.com/ja/jp/land/tokyo/kita/akabane-minami/)。そのうち2件は290㎡で5億円超の大型案件で、1件は85㎡で1,000万円という小規模案件です。件数が少ない町の「中央値」は、たった1〜2件の特殊な取引で大きく動いてしまいます。件数が少ない町の相場データは参考程度にとどめることが賢明です。
次に確認したいのは「住宅用地かどうか」です。LandticやCononeのデータには、住宅用地だけでなく商業用地や事業用地の取引も含まれている場合があります。自分が売ろうとしている土地が住宅地なのか商業地なのかによって、比較すべきデータが変わります。LIFULL HOME’Sのデータでは、北区の土地の平均価格が掲載されていますが、これも掲載物件全体の平均です(LIFULL HOME’S https://www.homes.co.jp/tochi/tokyo/kita-city/price/)。
3つ目は「データの鮮度」です。不動産市場は半年・1年で大きく変わることがあります。北区の土地相場は近年上昇傾向を示しています(SUUMO https://suumo.jp/baikyaku/tochi/soba/tokyo/sc_kita/)。2〜3年前のデータをそのまま使うと、現在の相場を大きく下回る見積もりになってしまいます。できるだけ直近のデータを使うようにしましょう。
ここまでのまとめ: 相場データを読むときは「件数・用途・鮮度」の3点を必ず確認してから判断してください。
まとめ
東京都北区の土地売却相場は、複数のデータソースから情報を収集する必要があります。町名によって価格差は2倍以上になります。駅近エリアは相対的に高く、外縁部は相対的に低い傾向があります。公示地価は「目安の物差し」であり、実際の売却価格とは異なります。相場データを読む際は、件数・用途・鮮度の3点を確認することが大切です。
また、再建築不可や古家の有無、接道条件、境界の確定状況など、個別の事情が価格に大きく影響します。これらは公開されている相場データには反映されていないため、最終的には実際の成約データと専門家の査定を組み合わせて判断することをおすすめします。
ご自身の物件がいくらになるかは、実際の成約データで見るのが早道です。
参考文献・出典
- 国土交通省 地価公示 — https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00324.html
- 国土交通省 地価公示について — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html
- 東京都北区 令和7年 北区公示地価一覧表 — https://www.city.kita.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/009/695/07tikakouzikakaku.pdf
- 東京都北区 地価公示価格・基準地価格等 — https://www.city.kita.lg.jp/dev-environment/planning/1009686/1009692/1009695.html
- Conone 北区の土地売却相場【2026年最新】 — https://conone.jp/market/tokyo/kita-ku/land
- SUUMO 東京都北区の土地売却価格相場 — https://suumo.jp/baikyaku/tochi/soba/tokyo/sc_kita/
- LIFULL HOME’S 東京都北区の土地価格相場情報 — https://www.homes.co.jp/tochi/tokyo/kita-city/price/
- Landtic 東京都北区田端の土地価格・坪単価 — https://landtic.com/ja/jp/land/tokyo/kita/tabata/
- Landtic 東京都北区赤羽南の土地価格・坪単価 — https://landtic.com/ja/jp/land/tokyo/kita/akabane-minami/
- Landtic 東京都北区浮間の土地価格・坪単価 — https://landtic.com/ja/jp/land/tokyo/kita/ukima/