広島市での不動産投資を検討しているものの、「本当に需要があるのか」「どのエリアを選べばいいのか」と迷っている方は多いのではないでしょうか。政令指定都市として中国・四国地方の中心に位置する広島市は、人口規模や交通インフラの面で一定の安定感がありますが、エリアによって空き家率や賃貸需要に大きな差があります。この記事では、広島市の最新データをもとに、不動産投資を始める前に知っておくべき市場の実態と、収益を安定させるための考え方を丁寧に解説します。
広島市の人口・世帯動向から読む賃貸需要

不動産投資の根幹は「借り手がいるかどうか」です。その意味で、広島市の人口・世帯データは投資判断の出発点となります。
広島市の公式統計によると、令和7年9月30日現在の人口は1,168,848人、世帯数は587,314世帯です(広島市公式ウェブサイト)。政令指定都市として中国・四国地方最大の都市規模を維持しており、単身世帯や共働き世帯の増加を背景に、賃貸住宅への一定の需要が継続しています。世帯数が人口の約半数に達していることは、1世帯あたりの人数が少ない、つまり単身・少人数世帯が多いことを示しており、ワンルームや1LDKといった小型物件の需要を支える構造になっています。
また、JR西日本の市内駅では相応の乗降客数を記録しており、広島駅は主要駅として多くの通勤・通学者が利用しています(広島市公式ウェブサイト)。駅周辺の利便性が高い地域では、通勤・通学者を中心とした安定した入居需要が見込めます。交通アクセスの良さは空室リスクを下げる重要な要素であり、路線や駅からの距離は物件選びの際に必ず確認すべきポイントです。
一方で、人口が安定しているからといって、すべてのエリアで賃貸需要が均一なわけではありません。広島市は8つの区で構成されており、区ごとに人口構成や生活環境が大きく異なります。投資を検討する際は、市全体のデータだけでなく、対象エリアの特性を個別に調べることが欠かせません。
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エリア別の空き家率が示す投資リスクの差

広島市の不動産投資を考えるうえで、空き家率のデータは見逃せない指標です。令和5年の住宅・土地統計調査によると、広島市全体の住宅総数は62万8,800戸で、5年前から1万6,700戸(2.7%)増加しました(広島市公式ウェブサイト)。住宅供給が増え続けている一方で、空き家数も7万3,700戸に上り、空き家率は11.7%となっています。
注目すべきは区ごとの差です。空き家率が最も高いのは中区の14.6%、最も低いのは安佐南区の7.4%と、同じ広島市内でも約2倍の開きがあります(広島市公式ウェブサイト)。中区は都心部に位置し新築マンションの供給が多い反面、既存の古い物件が空き家になりやすい構造があると考えられます。一方、安佐南区は住宅地として人気が高く、ファミリー層を中心とした実需が空き家率を低く保っていると見られます。
さらに重要なのは、空き家の内訳です。広島市の公式資料によると、空き家で最も多いのは「賃貸用の住宅」で、46,400戸・63.0%です(広島市公式ウェブサイト)。これは、賃貸物件として市場に出ているにもかかわらず入居者が決まっていない物件が多いことを意味します。空き家の6割超が賃貸用という事実は、物件の選び方と管理の質が収益を直接左右することを示しています。競合物件との差別化や適切なリノベーション、管理会社の選定が、投資成否を分ける鍵になります。
収益物件の市場動向と利回りの現実

広島市の収益不動産市場は、近年どのような状況にあるのでしょうか。国土交通省のレポートによると、広島市の旧市内(中区・南区・東区・西区)を中心に新築賃貸マンションの供給が進んでいます。マンション賃料は概ね横ばいで推移している一方、収益物件に対する取得需要は強い状態が続いており、取引利回りは低下傾向にあるとされています(国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告」)。
利回りの低下は、物件価格が上昇していることを意味します。つまり、同じ家賃収入を得るために、以前より高い価格を支払わなければならない状況が続いています。これは投資家にとって、購入タイミングと価格交渉の重要性が増していることを示しています。焦って高値で購入すると、想定していたキャッシュフローが得られないリスクがあります。
また、賃料が横ばいという点も冷静に受け止める必要があります。新築物件の供給増加により、既存物件の賃料を大幅に引き上げることは難しい環境です。収益計画を立てる際は、賃料上昇を前提とせず、現状の賃料水準で収支が成立するかどうかを確認することが基本です。保守的なシミュレーションを行い、空室率や修繕費を十分に織り込んだうえで判断することが、長期的な安定経営につながります。
融資と資金計画の基本的な考え方

不動産投資では、自己資金だけでなく金融機関からの融資を活用するのが一般的です。広島市内で不動産投資を行う場合、地元の金融機関を活用する選択肢があります。たとえば広島銀行では、不動産活用ローン(不動産購入口)として融資金額100万円以上3億円以下、融資期間3年以上35年以内の変動金利型ローンを提供しています(広島銀行公式ウェブサイト)。ただし、申込対象は広島県・岡山県・愛媛県・山口県に居住地・勤務先・担保不動産がある方に限られています。
融資を受ける際に重要なのは、返済比率を適切に管理することです。一般的には、家賃収入に対する返済額の割合(返済比率)を50%以下に抑えることが望ましいとされています。返済比率が高すぎると、空室や修繕費が発生した際に手元資金が不足し、経営が苦しくなります。また、変動金利を選ぶ場合は、将来的な金利上昇リスクも考慮したシミュレーションを行うことが大切です。
自己資金については、一定程度の自己資金を用意できると、融資審査が通りやすくなるとされています。さらに、購入時には物件価格以外にも仲介手数料・登記費用・火災保険料などの諸費用が発生します。これらは物件価格の5〜10%程度になることが多く、事前に資金計画に組み込んでおく必要があります。なお、具体的な費用や税制については個別の状況によって異なるため、税理士や不動産専門家への相談をおすすめします。
広島市で不動産投資を成功させるための実践ポイント
広島市での不動産投資を成功させるには、市場データの理解に加えて、実践的な判断基準を持つことが重要です。まず物件選びでは、駅からの距離と生活利便性を最優先に考えましょう。広島駅や横川駅など乗降客数の多い駅の周辺は、入居者が集まりやすい傾向があります。徒歩10分以内の物件は、特に単身者や学生からの需要が安定しやすいとされています。
次に、管理会社の選定も収益に直結する重要な要素です。空き家率の高い賃貸用物件が多い広島市では、入居者募集力と管理品質の高い会社を選ぶことが空室リスクの低減につながります。管理委託料の相場は家賃の5%前後が一般的ですが、サービス内容と実績を比較したうえで選ぶことが大切です。
また、物件の築年数と修繕計画も見落とせません。築年数が古い物件は購入価格が低い反面、大規模修繕が必要になるリスクがあります。購入前に建物の状態を専門家に調査してもらうインスペクション(建物状況調査)を活用することで、予期せぬ出費を防ぐことができます。長期的な収益を確保するためには、購入時の価格だけでなく、保有期間中のトータルコストを見据えた判断が欠かせません。
まとめ
広島市は人口116万人超・世帯数58万超を維持する安定した都市であり、賃貸需要の基盤は整っています。しかし、空き家率11.7%・賃貸用空き家が全体の63%を占めるという現実は、エリア選びと物件管理の重要性を示しています。収益物件への取得需要が強く利回りが低下傾向にある現在、高値づかみを避けるためにも、保守的な収支シミュレーションと慎重な物件選定が求められます。まずは市場データを正確に把握し、信頼できる専門家や金融機関と連携しながら、一歩ずつ着実に進めていきましょう。
参考文献・出典
- 広島市公式ウェブサイト「統計プロフィール」 — https://www.city.hiroshima.lg.jp/shisei/toukei/1006109/1014431.html
- 広島市公式ウェブサイト「令和5年住宅・土地統計調査結果(概要)」 — https://www.city.hiroshima.lg.jp/shisei/toukei/1027865/1027870/1031223.html
- 広島市公式ウェブサイト「地価の動向」 — https://www.city.hiroshima.lg.jp/business/toshiseibi/1021708/1017741.html
- 国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告(R7.4.1〜R7.7.1)」 — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001907044.pdf
- 広島銀行「不動産活用ローン(①不動産購入口・②フリー口)」 — https://www.hirogin.co.jp/service/loan/realestate-utilization/