「年収600万円でアパート経営を始めたいけれど、いったいいくら融資を受けられるのだろう?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。年収600万円は決して低い水準ではありませんが、不動産投資ローンの世界では金融機関ごとに審査基準が大きく異なるため、自分がどのくらいの物件を狙えるのか把握しにくいのが実情です。この記事では、年収600万円の方が融資を受けられる目安の金額から、実際に利用しやすい金融機関の特徴、審査を通りやすくするためのポイントまでを順を追って解説します。最後まで読むことで、アパート経営への第一歩を踏み出すための具体的なイメージが持てるようになるはずです。
年収600万円で融資を受けられる目安の金額

まず押さえておきたいのは、不動産投資ローンにおける融資可能額の一般的な目安です。不動産投資の情報を扱うRENOSYマガジン(https://www.renosy.com/magazine/entries/5451)によると、金融機関から受けられる融資額の目安は一般的に年収の数倍程度とされており、年収600万円の場合でも相応の融資を受けられる可能性があります。
この水準は、都心部のワンルームマンションや地方の小規模アパートを購入するには十分な金額です。同資料では「年収600万円あれば4,000万円以上の融資を受けられる可能性があり、都心部のワンルームマンションなどを購入して資産形成を始められる」とも整理されています。つまり、年収600万円という条件は、アパート経営の入口として決して不利ではないといえます。
ただし、この融資額の目安はあくまで参考値であり、実際の融資額は金融機関の審査方針、物件の収益性、申込者の属性(勤続年数・他の借入残高など)によって大きく変わります。特に既存の住宅ローンや自動車ローンがある場合は、返済比率の観点から融資可能額が圧縮されることがあるため、事前に自分の借入状況を整理しておくことが重要です。
また、融資額の目安として複数の計算方法を用いる金融機関があるとされています(Wealth Agent https://www.agent-hp.com/orix-bank/)。金融機関によって異なる計算式を適用することで、年収600万円の申込者でも物件の家賃収入次第でさらに大きな融資枠を引き出せる可能性があることがわかります。
年収600万円で利用しやすい金融機関の特徴

実際にアパート経営の融資を検討する際、どの金融機関が年収600万円の方にとって現実的な選択肢になるかを知っておくことは非常に大切です。金融機関によって最低年収要件や金利水準が異なるため、自分の条件に合った候補を絞り込む必要があります。
オリックス銀行は、年収600万円の方にとって比較的利用しやすい金融機関の一つです。Wealth Agentの情報(https://www.agent-hp.com/orix-bank/)によると、同行の不動産投資ローンは年収500万円以上を個人属性の目安としており、融資期間は最大35年、LTV(物件価格に対する融資比率)は80〜100%という条件が示されています。オリックス銀行の公式サイト(https://www.orixbank.co.jp/personal/property/)によれば、2026年7月1日現在の変動金利型の店頭表示金利は年2.425%〜4.425%です。また、保証料は不要で、取扱事務手数料は借入金の2.20%以内とされており、初期コストの見通しが立てやすい点も魅力です(https://www.orixbank.co.jp/personal/property/charges.html)。
一方、スルガ銀行については注意が必要です。スルガ銀行の公式商品概要説明書(https://www.surugabank.co.jp/surugabank/prod/pdf/real_estate.pdf)では、対象者として「一定の資産背景を有している方」という条件が示されています。さらにWealthAgentの情報(https://www.agent-hp.com/suruga-bank/)では、年収700万円以上かつ融資後に1,000万円以上の金融資産残高が必要とされているため、年収600万円の方には条件面でハードルが高い可能性があります。
静岡銀行についても、Wealth Agentの情報(https://www.agent-hp.com/shizuoka-bank/)では対象年収が700万円以上とされており、年収600万円単独では基準外となる可能性が高いとされています。SMBC信託銀行に至っては、公式の商品説明書(https://www.smbctb.co.jp/loan/products/pdf/housing_loan02.pdf)で前年度年収1,000万円以上という条件が明記されており、年収600万円の方には原則として対象外です。
このように、金融機関によって年収要件は大きく異なります。年収600万円の方は、まずオリックス銀行のように年収500万円以上を条件とする金融機関を中心に検討を進めるのが現実的な戦略といえるでしょう。
金利と諸費用を正しく把握する重要性
融資を受ける際に見落としがちなのが、金利以外のコストです。金利水準だけを比較して金融機関を選んでしまうと、諸費用の差によって総コストが大きく変わることがあります。
オリックス銀行の場合、団体信用生命保険(団信)への加入が必須ですが、一般団信であれば金利の上乗せはありません(https://www.orixbank.co.jp/personal/property/group-credit-life-insurance.html)。生活習慣病団信を選択すると金利に年0.10%が上乗せされ、ワイド団信では年0.30%の上乗せとなります。団信の加入上限は1億円とされており、これを超える融資額の場合は別途リスク管理を検討する必要があります。
また、UI銀行では近年、投資用不動産ローンの基準金利の改定が行われたことが公表されています。このように、変動金利環境は全体として上昇傾向にあります。融資を受ける際は、現在の金利水準だけでなく、将来的な金利上昇リスクも織り込んだ収支シミュレーションを行うことが不可欠です。
AGビジネスサポートのように、法人や個人事業主、新規参入者を対象に100万円〜5億円・固定金利2.49%〜7.99%という条件を公表している金融機関もあります(https://www.aiful-bf.co.jp/products/mortgage_loan/investment.html)。金利帯が幅広いため、審査結果によって実際の適用金利が大きく異なる点には注意が必要です。一方、L&Fアセットファイナンスは年収制限なしで全国対応という特徴がありますが、金利は高めに設定されており、LTVは原則70%とされています(https://www.agent-hp.com/lf-asset-financ/)。
融資審査を有利に進めるための準備
融資審査を有利に進めるためには、事前の準備が審査結果を大きく左右します。金融機関が重視するポイントを理解したうえで、自分の状況を整えておくことが大切です。
重要なのは、自己資金の準備です。一般的に、物件価格の20〜30%程度の自己資金を用意できると、融資審査において有利に働くとされています。自己資金が多いほどLTVが下がり、金融機関にとってのリスクが低減されるため、金利条件が改善されたり審査が通りやすくなったりする効果が期待できます。また、予期せぬ修繕費や空室期間に備えた手元資金も別途確保しておくと、長期的な経営の安定につながります。
次に、既存の借入を整理することも大切です。住宅ローンや自動車ローン、カードローンなどの残高は、返済比率(年間返済額÷年収)の計算に影響します。返済比率が高いと融資可能額が圧縮されるため、不要な借入は事前に完済しておくことが望ましいでしょう。
さらに、物件の収益性を丁寧に説明できる準備も欠かせません。アパート経営の融資では、物件そのものの収益力が審査の重要な判断材料になります。想定家賃収入、稼働率の見通し、周辺の賃貸需要などを具体的に示せると、金融機関の担当者に対して説得力のある説明ができます。複数の金融機関に相談し、条件を比較検討することも、より良い融資条件を引き出すための有効な手段です。
まとめ
年収600万円でアパート経営の融資を検討する場合、金融機関の審査方針や物件の収益性、申込者の属性によって融資額は変わります。オリックス銀行のように年収500万円以上を条件とする金融機関から検討を始め、複数の候補を比較することが現実的なアプローチです。また、金利の上昇傾向を踏まえた保守的な収支シミュレーションと、十分な自己資金の準備が成功への鍵となります。まずは自分の財務状況を整理し、信頼できる不動産投資の専門家や金融機関の担当者に相談することから始めてみてください。
参考文献・出典
- RENOSYマガジン「年収600万円で不動産投資は始められる? 融資目安や物件の種類も解説」 – https://www.renosy.com/magazine/entries/5451
- オリックス銀行「不動産投資ローン」 – https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
- オリックス銀行「借り入れに必要な諸費用」 – https://www.orixbank.co.jp/personal/property/charges.html
- オリックス銀行「団体信用生命保険」 – https://www.orixbank.co.jp/personal/property/group-credit-life-insurance.html
- スルガ銀行「投資用不動産ローン 商品概要説明書」 – https://www.surugabank.co.jp/surugabank/prod/pdf/real_estate.pdf
- SMBC信託銀行「不動産投資ローン(固定金利型)商品説明書」 – https://www.smbctb.co.jp/loan/products/pdf/housing_loan02.pdf
- AGビジネスサポート「不動産投資ローン」 – https://www.aiful-bf.co.jp/products/mortgage_loan/investment.html
- UI銀行「投資用不動産ローン基準金利改定のお知らせ」 – https://www.uibank.co.jp/cms_source/data/news/2026/001949.html
- Wealth Agent「オリックス銀行の不動産投資ローン|金利・審査基準・融資条件」 – https://www.agent-hp.com/orix-bank/
- Wealth Agent「スルガ銀行の不動産投資ローン|金利・審査基準・融資条件」 – https://www.agent-hp.com/suruga-bank/
- Wealth Agent「静岡銀行の不動産投資ローン|融資条件・金利・審査基準」 – https://www.agent-hp.com/shizuoka-bank/
- L&Fアセットファイナンス「不動産投資ローン|融資条件・金利・審査基準」 – https://www.agent-hp.com/lf-asset-financ/
- 日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方〔国民生活事業〕」 – https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html