この記事の結論
- 買い替え融資は旧居の売却残債と新居購入資金をまとめて借りられる専用ローンです。
- りそな・みずほ・SMBCなど主要銀行で条件が異なるため、複数行への相談が不可欠です。
- 申込前に既存ローンの返済年数・残債額・売却見込み価格を整理しておくと審査がスムーズです。
住宅の買い替えを検討しているとき、「今の住宅ローンが残っているのに新居を買えるのか」と不安に感じる方は少なくありません。実は、こうした状況に対応するために、主要銀行は「買い替えローン(住み替えローン)」という専用の融資商品を用意しています。この記事では、りそな銀行・みずほ銀行・三井住友銀行(SMBC)・SBIアルヒの4つの商品を具体的な数字で比較しながら、銀行への相談前に押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。融資の仕組みから審査の注意点まで、順を追って確認していきましょう。
買い替えローンとはどんな融資か

まず押さえておきたいのは、買い替えローンが通常の住宅ローンとどう違うのかという点です。全国銀行協会は住み替えローンを「今のお住まいを手放し、新しく購入される住宅への買い替えをスムーズにするためのローン」と定義しています(全国銀行協会)。一般的な住宅ローンが新居の購入資金だけを対象とするのに対し、買い替えローンは旧居の売却代金でローンを完済できなかった場合の残債も含めて借りられる点が最大の特徴です。
具体的に言うと、たとえば旧居のローン残債が2,000万円あり、売却価格が1,500万円だった場合、差額の500万円が「オーバーローン」と呼ばれる状態になります。この500万円を新居の購入資金と合算して一本化できるのが買い替えローンの仕組みです。モゲチェックも「売却代金でローンが完済できなかった場合に、残債分と新居の購入代金をまとめて借りられる」と整理しています(モゲチェック)。
ただし、通常の住宅ローンよりも審査が厳しめになることは事前に理解しておく必要があります。SUUMOの情報によると、利用を検討したい銀行が見つかったら、実際に申し込む前に窓口などで相談してみることが推奨されています(SUUMO)。審査の厳しさは銀行ごとに異なるため、複数の金融機関に相談することが賢明です。
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主要3銀行の商品条件を比較する

各銀行の買い替えローンは、利用条件・借入額・金利タイプの面でそれぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、りそな銀行・みずほ銀行・三井住友銀行(SMBC)の3行を中心に比較します。
りそな銀行は「住みかえプラン」と「住みかえローン」の2種類を用意しており、状況に応じて使い分けられます(りそな銀行)。住みかえプランは、審査の際に旧居のローンを計算に含めず新居分だけで審査を行う代わりに、住み替え後1年以内に旧居を売却して旧居ローンを完済することが条件です。一方、住みかえローンは既存ローンを3年以上正常に返済していることが要件で、借入額は50万円以上3億円以内となっています(りそな銀行 商品概要説明書、2025年2月1日現在)。金利タイプは変動金利型と固定金利選択型(2・3・5・7・10・15・20年)から選べます。
みずほ銀行の買い替えローンは、新居取得資金と旧自宅の住宅ローン返済資金を対象とし、旧ローン返済だけの単独利用は不可という点がりそなと共通しています(みずほ銀行 商品概要説明書、2026年4月1日現在)。借入額は50万円以上3億円以内、借入期間は1年以上35年以内で、変動・固定金利選択・全期間固定の3タイプから選択できます。なお、借入時負担ゼロ型を選ぶ場合は変動または固定金利選択のみ利用可能です。
三井住友銀行(SMBC)のWEB申込専用住み替えローンは、既存住宅ローンが借入後4年以上経過し、直近1年間に返済遅延がないことが条件です(三井住友銀行)。借入額は100万円以上3億円以内と、他行より下限が高い点が特徴的です。借入期間は新規購入・建築分が最長39年11カ月、旧ローン返済分が最長35年と、用途によって異なります(三井住友銀行 商品概要説明書、2025年11月20日現在)。
手数料と金利の実態を知る
融資を選ぶ際、金利だけでなく手数料の違いが総返済額に大きく影響するため、必ずセットで確認してください。
りそな銀行の住みかえローンは、融資手数料型を選ぶと借入額の2.2%を借入時に一括支払いする必要があります。一方、金利上乗せ型を選べば借入時の手数料は不要ですが、金利が年0.3%上乗せされます(りそな銀行 商品概要説明書、2025年2月1日現在)。また、保証会社の事務取扱手数料として55,000円(消費税込)が別途必要です。なお、りそなは「住みかえローンだからといって金利が上乗せされることはない」と明記しており、通常の住宅ローンと同水準の金利が適用されます(りそな銀行)。
みずほ銀行も同様に、ローン取扱手数料型なら借入額の2.2%、借入時負担ゼロ型なら保証料が金利に含まれる仕組みです(みずほ銀行 商品概要説明書、2026年4月1日現在)。繰上返済の手数料はインターネット経由なら無料、店舗窓口では33,000円かかります。
三井住友銀行(SMBC)の2026年10月1日改定後の基準金利は、三井住友銀行によると、変動金利型が年3.375%、固定10年が年5.80%、20年超35年以内が年6.65%などとなっています(三井住友銀行 ローン金利ページ、2026年10月1日現在)。ただし、これは基準金利であり、実際の適用金利は審査結果による優遇幅によって大きく変わります。また、りそな・みずほ・SMBCいずれも、実際の借入金利は申込時ではなく借入日現在の金利が適用される点に注意が必要です。
SBIアルヒの「つなぎ融資」という選択肢
買い替えローンとは別に、売却が決まる前に新居を先に購入したい場合の選択肢として、SBIアルヒの短期つなぎ融資があります。これは通常の長期住宅ローンではなく、短期的な融資という位置づけです(SBIアルヒ)。
実行金利や融資上限については、SBIアルヒの商品条件に基づいて設定されています。事務手数料は、購入物件でSBIアルヒの住宅ローンを併用する場合は融資金額の1.1%、他行の住宅ローンを利用する場合は2.2%です。また、利用にあたってはSBIスマイル株式会社の買取保証価格が2,000万円以上であることなど、一定の基準を満たす必要があります。
このつなぎ融資は、売却先行ではなく購入先行で動きたい方に向いています。ただし、期間制限があるため、旧居の売却活動を並行して進める計画性が求められます。売却が長引くリスクを考慮したうえで利用を判断することが重要です。
銀行相談前に準備すべき5つのこと
銀行窓口やWEB相談を効果的に活用するためには、事前の準備が審査の通りやすさに直結します。相談前に以下の5点を整理しておくと、担当者との話がスムーズに進みます。
第一に、現在の住宅ローンの残債額と返済開始からの経過年数を確認しておくことです。りそなは3年以上、SMBCは4年以上の返済実績を条件としており、経過年数が短い場合は申込対象外になる可能性があります。第二に、旧居の売却見込み価格を不動産会社の査定で把握しておくことです。残債と売却価格の差額が融資額の目安になります。
第三に、新居の購入予算と物件の目途を立てておくことです。買い替えローンは新居購入資金と旧ローン残債をセットで借りる商品のため、新居の具体的な情報がないと審査が進みません。第四に、直近1〜2年の返済履歴に遅延がないかを確認することです。SMBCは直近1年の遅延なしを明示しており、他行でも返済履歴は審査の重要な判断材料となります。第五に、複数の銀行に相談することです。条件・金利・手数料は銀行ごとに異なるため、1行だけで判断せず比較検討することが、長期的な返済負担を抑えるうえで欠かせません。
まとめ
買い替え融資は、旧居のローン残債と新居の購入資金をまとめて借りられる便利な仕組みですが、通常の住宅ローンより審査が厳しく、銀行ごとに条件も大きく異なります。りそな・みずほ・SMBCはそれぞれ返済年数の要件や手数料体系が異なり、SBIアルヒのつなぎ融資は購入先行の方に向いた短期商品です。まずは現在のローン残債・売却見込み価格・新居の購入予算を整理し、複数の銀行窓口やWEB相談を活用して比較することが成功への近道です。焦らず情報を集め、自分の状況に合った融資を選んでください。
参考文献・出典
- 全国銀行協会「住宅ローン」 — https://www.zenginkyo.or.jp/article/keywords/5206/
- りそな銀行「住みかえプラン・住みかえローン」 — https://www.resonabank.co.jp/kojin/jutaku/sumikae/
- りそな銀行「住みかえローン 商品概要説明書」 — https://www.resonabank.co.jp/pdf/sumikae.pdf
- りそな銀行「住みかえローンの金利FAQ」 — https://www.resonabank.co.jp/kojin/jutaku/faq/faq_jutaku_0160.html
- りそな銀行「住宅ローンの手数料・諸費用」 — https://www.resonabank.co.jp/kojin/jutaku/fee/
- みずほ銀行「みずほ買い替えローン」 — https://www.mizuhobank.co.jp/loan_housing/lineup/kaikae/index.html
- みずほ銀行「みずほ買い替えローン 商品概要説明書」 — https://www.mizuhobank.co.jp/setsumeisho/pdf/replacement.pdf
- 三井住友銀行「WEB申込専用住み替えローン」 — https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/shouhin/web_sumikae/
- 三井住友銀行「WEB申込専用住み替えローン 商品概要説明書」 — https://www.smbc.co.jp/setsumeisho/pdf/jutakuloan011.pdf?version=231115
- 三井住友銀行「ローン金利」 — https://www2.smbc.co.jp/kojin/kinri/loan.html
- SBIアルヒ「住み替え実現ローン」 — https://www.sbiaruhi.co.jp/product/sumikae_jitsugen_loan/
- SUUMO「住み替えローンとは?」 — https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_money/sumikae_loan/
- モゲチェック「ダブルローンで住み替えたい」 — https://www.mogecheck.jp/articles/show/7ePRpdBM2Okn2oGvyAbz/