この記事の結論
- 旧岐阜県庁舎は2013年に閉庁し、南側の歴史的建物を保存しつつ残りは解体済みです。
- 2026年2月に岐阜県とワールドヘリテージミュージアム共同事業体が基本協定を締結しました。
- 令和11年4月(2029年4月)を目標に、ホテル・ミュージアム・カフェへの転用が予定されています。
「旧岐阜県庁舎の跡地は今どうなっているの?」「解体は終わったの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。大正13年に建てられた歴史ある建物が、長年にわたって岐阜県政の中心を担ってきただけに、その行方を追いかけている市民の方も少なくないはずです。この記事では、旧岐阜県庁舎がなぜ移転したのか、現在の状況はどうなっているのか、そして今後どのような施設に生まれ変わる予定なのかを、岐阜県の公式発表をもとに整理してお伝えします。周辺の不動産相場への影響についても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。
旧岐阜県庁舎はなぜ移転したのか

旧岐阜県庁舎は、岐阜市司町に大正13年(1924年)に建設されました。建設から100年以上が経過した歴史的建造物であり、長年にわたって岐阜県政の中枢として機能してきた場所です。しかし、建物の老朽化が進むにつれて、行政機能を維持するうえでの課題が積み重なっていきました。
平成25年3月31日をもって旧岐阜県庁舎は閉庁し、県庁機能は新たな施設へと移転しました(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/page/9873.html)。移転の背景には、建物の老朽化だけでなく、現代の行政ニーズに対応した執務環境の整備という目的もあったと考えられます。閉庁後、建築当時の状態が良く保存されていた建物の南側部分については保存が決定され、残りの部分は解体されました。
この「南側保存・その他解体」という判断は、歴史的価値と現実的な安全管理のバランスを取った結果です。100年以上前の建物をすべて維持するには膨大なコストと技術が必要になります。一方で、歴史的価値の高い部分を完全に失うことは地域の文化的損失にもつながります。そのため、保存価値の高い南側を残しながら、老朽化が進んだ部分を解体するという選択が取られたのです。
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現在の旧岐阜県庁舎跡地の状況

2026年10月時点で、旧岐阜県庁舎は安全性の確保のため立入禁止となっています(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/page/9873.html)。解体工事は完了しており、現在は保存が決定した南側部分の建物が残っている状態です。一般の方が自由に見学できる状況ではないため、外観を遠目に眺めることはできても、内部への立ち入りはできません。
岐阜県はこの跡地の活用に向けて、民間事業者の意向を確認するサウンディング型市場調査を実施しました。サウンディング型市場調査とは、行政が民間事業者と対話しながら、事業の実現可能性や市場ニーズを探る手法のことです。この調査の結果、民間主導による利活用の可能性が確認できたとして、岐阜県は事業者選定に向けた公募の準備を進めることを決定しました(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/451262.html)。
公募にあたっては、歴史的建造物としての価値を守るための条件が明確に定められました。具体的には、外観(南側)・正面玄関・中央階段ホール・旧正庁・旧知事室・ステンドグラスを原則として保存することが求められました。さらに、地域の賑わい創出に資すること、安全対策やバリアフリー対策を講じることも条件として盛り込まれています(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/452396.html)。
利活用の条件と事業者選定のプロセス

公募条件の中で特に注目すべきは、土地と建物の提供条件です。対象用地は無償貸付、対象建物は無償譲渡という条件が設定されました(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/452396.html)。貸付期間は10年以上30年以下で、事業者が提案する形式となっており、協議によって更新も可能とされています。
無償貸付・無償譲渡という条件は、一見すると事業者にとって非常に有利に見えます。しかし実際には、歴史的建造物の保存・維持にかかるコストは相当なものになります。100年以上前の建物を現代の安全基準に適合させながら、かつ歴史的価値を損なわずに改修するには、通常の建物改修とは比べものにならない専門的な技術と費用が必要です。つまり、無償という条件は、その負担を民間事業者が引き受けることへの対価とも言えます。
岐阜県はプロポーザル評価会議の結果を踏まえ、優先交渉権者を選定しました(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/470382.html)。選定されたのはワールドヘリテージミュージアム共同企業体で、提案内容は「Heritage Hotel & Craft Museum」というコンセプトでした。歴史的建造物の価値を活かしながら、ホテルとミュージアムを融合させた施設として再生させるという提案が評価されたのです。
2029年開業予定のHeritage Hotel & Craft Museum

ワールドヘリテージミュージアム共同企業体の提案では、各フロアに異なる機能が配置される計画です。1階にはミュージアム・企画展示場・カフェが設けられ、2階にはジム・ガーデンテラス・ホテルが配置されます。そして3階にはホテル・レストラン・バンケット・バーが入る予定とされています(岐阜県政記者クラブ向け資料 https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/479167.pdf)。
この計画の特徴は、歴史的建造物の魅力を最大限に活かした施設構成にあります。旧知事室や旧正庁、ステンドグラスといった保存が義務付けられた空間は、ホテルやレストランとしての利用において唯一無二の雰囲気を生み出す資産になります。大正時代の建築様式と現代のホスピタリティが融合した施設は、岐阜市の新たな観光スポットとして機能することが期待されます。
供用開始の目標年月は今後の実施設計や工事の進捗によって変更される可能性があります(同上)。ただし、この日程はあくまでも現時点での予定であり、実施設計や工事の進捗によって変更される可能性があります。岐阜県はワールドヘリテージミュージアム共同事業体と基本協定を締結しており、事業は着実に前進しています(岐阜県公式ホームページ https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/480586.html)。今後の実施設計・工事着手の具体的な時期については、2026年10月時点では公表されていません。
周辺の不動産相場への影響を考える
旧岐阜県庁舎跡地の再開発が、周辺エリアの不動産市場にどのような影響を与えるかは、多くの方が関心を持つテーマです。一般的に、歴史的建造物を活用したホテルやミュージアムの開業は、周辺エリアへの集客力を高め、地域全体の価値向上につながるとされています。
岐阜市司町周辺は、もともと岐阜市の中心部に位置するエリアです。県庁機能が移転した後、このエリアの求心力をどう維持するかが課題となっていましたが、観光・宿泊・文化機能を持つ施設の誕生は、エリアへの人の流れを新たに生み出す可能性があります。ホテルや飲食施設が集まることで、周辺の商業施設や飲食店にも波及効果が生まれることが期待されます。
ただし、不動産相場への具体的な影響は、施設の集客実績や周辺環境の整備状況など、多くの要因によって変わります。再開発が周辺の地価や賃料にどの程度影響するかは、開業後の実績を見ながら判断する必要があります。投資目的でこのエリアに注目している方は、開業後の動向を継続的に確認しながら、慎重に判断することをおすすめします。
まとめ
旧岐阜県庁舎は平成25年(2013年)に閉庁し、歴史的価値の高い南側部分を保存しながら残りは解体されました。現在は立入禁止の状態ですが、岐阜県とワールドヘリテージミュージアム共同事業体が基本協定を締結し、「Heritage Hotel & Craft Museum」として生まれ変わる計画が進んでいます。大正時代の建築美を活かしたホテル・ミュージアム・カフェの複合施設は、岐阜市の新たな魅力となることが期待されます。今後の進捗については、岐阜県の公式ホームページで最新情報をご確認ください。
参考文献・出典
- 岐阜県公式ホームページ(管財課)旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)について — https://www.pref.gifu.lg.jp/page/9873.html
- 岐阜県公式ホームページ(管財課)旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)の利活用に向けて公募の準備を進めます — https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/451262.html
- 岐阜県公式ホームページ(管財課)旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)の利活用事業者を募集します — https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/452396.html
- 岐阜県公式ホームページ(管財課)旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)の利活用事業に関する優先交渉権者を選定しました — https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/470382.html
- 岐阜県公式ホームページ(管財課)旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)利活用事業の実施に関する基本協定を締結しました — https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/480586.html
- 岐阜県政記者クラブ向け資料(優先交渉権者の概要) — https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/479167.pdf
- 岐阜新聞デジタル 旧岐阜県庁舎、ミュージアムやホテルに 利活用の優先交渉権者決まる — https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/647551