「転職したばかりだけど、住宅ローンを組みたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。勤続年数が短いと審査に通らないのでは、と不安を感じるのは自然なことです。実際、国土交通省の調査(令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 正誤表)によると、住宅ローン審査で勤続年数を考慮する金融機関は933機関・構成比93.9%にのぼります。しかし、勤続1年未満だからといって必ずしも審査に落ちるわけではありません。この記事では、勤続1年未満でも申込を受け付けている銀行の具体例や、審査を通過するためのポイントをわかりやすく解説します。転職直後でもマイホームの夢を諦めないために、ぜひ最後まで読んでみてください。
勤続年数が審査に与える影響とは

住宅ローンの審査において、勤続年数は「安定した収入が続くかどうか」を測る重要な指標として扱われています。金融機関にとって、長期にわたる返済を確実に受け取れるかどうかが最大の関心事であるため、勤続年数が短い申込者は収入の安定性という面でやや不利な立場に置かれやすいのです。
国土交通省の令和7年度調査によると、審査項目として勤続年数を考慮する金融機関は933機関・構成比93.9%にのぼります。さらに具体的な基準を見ると、「1年以上」を条件とする機関が612件と最多で、「2年以上」が53件、「3年以上」が128件と続きます。つまり、業界全体の標準的なラインは「勤続1年以上」に設定されていることがわかります。
ただし、これはあくまでも「考慮する」という話であり、勤続1年未満を一律に拒否するという意味ではありません。実際には、勤続年数が短くても申込自体を受け付けている銀行は複数存在します。重要なのは、勤続年数以外の要素、たとえば年収の水準、職種の安定性、他の借入状況なども総合的に評価されるという点です。
勤続1年未満の方が審査を受ける際は、自分の状況に合った銀行を選ぶことが最初の大切なステップになります。次のセクションでは、実際に勤続1年未満でも申込可能な銀行を具体的に紹介していきます。
勤続1年未満でも申込できる銀行の具体例

実は、大手銀行やネット銀行の中には、勤続1年未満でも住宅ローンの申込を受け付けているところが複数あります。ここでは、公式情報として確認できた銀行を紹介します。
まずみずほ銀行は、「勤続年数が1年未満でも住宅ローンのお申し込みは可能です」と公式FAQで明記しています(みずほ銀行 住宅ローンのよくあるご質問)。この場合、年収や給与収入は「見込額」で申告する運用となっています。転職直後で前年の源泉徴収票が現職のものでない場合でも、現在の給与をもとに申告できる点は大きなメリットです。
三井住友銀行も、転職直後でも住宅ローンの申込自体は可能としています(三井住友銀行 FAQ)。ただし、転職直後の申込では転職後3ヵ月分の給与明細の提出が必要です。つまり、転職してすぐではなく、少なくとも3ヵ月分の給与実績を積んでから申し込む必要がある点に注意しましょう。
ソニー銀行も「勤続年数1年未満のかたは、見込年収をご入力ください」と案内しており(ソニー銀行 住宅ローン申込手順説明書)、見込年収は「直近の固定基本給与×12+賞与」で計算するか、勤務先発行のオファーレター(雇用契約書)に記載の金額を使うことができます。SBI新生銀行やPayPay銀行も転職直後の申込を受け付けており、現職の年収がわかる会社発行の収入証明書を本審査時に提出する形となっています。
このように、勤続1年未満でも申込できる銀行は確かに存在します。ただし、申込できることと審査に通ることは別の話です。次のセクションでは、審査通過の可能性を高めるための具体的なポイントを解説します。
審査通過の可能性を高めるための準備
勤続1年未満で住宅ローン審査に臨む場合、通常よりも念入りな準備が必要です。金融機関は勤続年数の短さを補う材料を求めているため、自分の「強み」をしっかりアピールできる状態を整えることが重要になります。
まず押さえておきたいのは、年収と返済比率のバランスです。フラット35の商品概要(住宅金融支援機構)によると、年収400万円未満の場合は返済比率30%以下、400万円以上の場合は35%以下が基準とされています。この基準を大きく下回るような返済計画を立てることで、収入の安定性への不安を数字でカバーできます。借入額を抑えたり、頭金を多めに用意したりすることが有効な対策です。
次に、必要書類の準備を丁寧に行うことが大切です。auじぶん銀行では、現勤務先の勤続年数が1年未満の場合に職歴書の提出を求めています(auじぶん銀行 必要書類)。また、ソニー銀行では勤務先発行のオファーレターが見込年収の証明として活用できます。このような書類を事前にしっかり揃えておくことで、審査担当者に安心感を与えることができます。
さらに、他の借入やクレジットカードの利用状況も審査に影響します。カーローンや消費者金融からの借入がある場合は、可能な範囲で返済を進めておくことが望ましいです。信用情報に傷がないかどうかも事前に確認しておくと安心です。転職の理由が「キャリアアップ」や「同業種への移動」であれば、収入の継続性を説明しやすく、審査担当者にポジティブな印象を与えやすいという側面もあります。
フラット35という選択肢も検討しよう
民間銀行の審査が難しいと感じた場合、フラット35という選択肢も視野に入れておくと良いでしょう。フラット35は住宅金融支援機構が提供する長期固定金利型の住宅ローンで、民間銀行とは異なる審査基準が設けられています。
楽天銀行の住宅ローンお申込ガイドによると、フラット35は「安定した収入が見込めるかたであれば、勤務年数が短いかたや、派遣・契約社員のかたでもお申込できます」と案内されています。つまり、勤続年数の短さよりも「将来にわたって安定した収入が見込めるか」という観点で審査が行われる傾向があります。
フラット35の借入期間は15年以上35年以内が基本で(住宅金融支援機構 商品概要)、返済比率の基準は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。また、楽天銀行のガイドでは保証料が0円である点も紹介されており、初期費用を抑えたい方にとってメリットになる場合があります。
ただし、フラット35は固定金利型であるため、変動金利型と比べて当初の金利が高めに設定されることが一般的です。また、物件が一定の技術基準を満たしている必要があるなど、利用条件がある点も覚えておきましょう。民間銀行とフラット35のどちらが自分に合っているかは、個別の状況によって異なりますので、複数の選択肢を比較検討することをおすすめします。
銀行ごとの手数料・条件の違いを比較する
勤続1年未満で住宅ローンを検討する際は、金利だけでなく諸費用の違いも重要な比較ポイントです。銀行によって事務手数料の体系が異なるため、総支払額に大きな差が生じることがあります。
事務手数料について見ると、みずほ銀行・auじぶん銀行・PayPay銀行・SBI新生銀行はいずれも借入金額の2.20%(税込)を手数料として設定しています。一方、ソニー銀行は変動セレクト・固定セレクト住宅ローンが借入金額の2.2%(税込)、通常の住宅ローンは44,000円(税込)の定額制となっており、借入金額が少ない場合は定額制の方が有利になることもあります。
金利については、各銀行の最新情報を直接確認することが不可欠です。たとえばauじぶん銀行では、固定10年・当初期間引下げプランの金利が公表されています(auじぶん銀行 住宅ローンの金利)。また、auじぶん銀行では物件価格の80%超の借入で年0.045%の上乗せ、借入期間を35年1ヵ月以上とする場合は年0.1%の上乗せが発生する点も把握しておく必要があります。
借入期間の上限にも銀行ごとの違いがあります。PayPay銀行は最長50年以内(1ヵ月単位)、SBI新生銀行のパワースマート住宅ローンは変動金利(半年型)で新規購入・建設資金なら最長50年以内、ソニー銀行は最長35年以下となっています(各行公式資料より)。返済期間を長く取ることで月々の返済額を抑えられますが、総支払利息が増える点とのバランスを慎重に考えることが大切です。
まとめ
勤続1年未満でも住宅ローンの審査に挑戦できる銀行は、みずほ銀行・三井住友銀行・ソニー銀行・auじぶん銀行・PayPay銀行・SBI新生銀行など複数存在します。ただし、申込できることと審査通過は別物であり、年収水準・返済比率・他の借入状況・必要書類の準備といった要素が総合的に評価されます。民間銀行の審査が難しい場合は、勤続年数の短い方でも申込しやすいフラット35という選択肢も検討する価値があります。
大切なのは、自分の状況に合った銀行を選び、必要書類を丁寧に揃えて審査に臨むことです。転職直後であっても、収入の安定性や将来性を数字と書類でしっかり示すことができれば、審査通過の可能性は十分あります。まずは複数の銀行に相談し、最新の条件を確認することから始めてみましょう。
参考文献・出典
- 国土交通省 令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 正誤表 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002004971.pdf
- 住宅金融支援機構 フラット35 商品概要(買取型) — https://www.jhf.go.jp/files/a/public/jhf/300189194.pdf
- みずほ銀行 住宅ローンのよくあるご質問 — https://www.mizuhobank.co.jp/loan_housing/faq/index.html
- みずほ銀行 住宅ローンの金利一覧 — https://www.mizuhobank.co.jp/loan_housing/housingloancost/index.html
- 三井住友銀行 転職をしたばかりでも住宅ローンの申込はできますか? — https://qa.smbc.co.jp/faq/show/10417?site_domain=default
- auじぶん銀行 住宅ローンの金利(新規お借り入れ) — https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/interest/
- auじぶん銀行 必要書類 — https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/formalities/documents/?lang=ja
- auじぶん銀行 仮審査のお申込みにあたって — https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/mypage/annual_income/
- PayPay銀行 転職が決まっている・転職をしたばかりでも申し込みできますか。 — https://www.paypay-bank.co.jp/faq/show/727?category_id=227&site_domain=customer
- PayPay銀行 商品要項 — https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/detail/index.html
- PayPay銀行 手数料 — https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/fee/index.html
- ソニー銀行 住宅ローン申込手順説明書 — https://sonybank.jp/products/pdf/hl/common/01.pdf
- SBI新生銀行 転職したばかりですが、住宅ローンの申し込みは可能か教えてください。 — https://faq.sbishinseibank.co.jp/faq_detail.html?id=557&page=1
- SBI新生銀行 パワースマート住宅ローン — https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/pdf/loan_gosetsumei.pdf
- 楽天銀行 住宅ローンお申込ガイド — https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/application/pdf/home-loan-gidebook-150801.pdf