アパートローンを検討しているとき、「どの銀行が一番お得なのか」「金利が少し違うだけで返済総額はどれくらい変わるのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。実は、金利がわずか1%違うだけでも、長期間の返済では数百万円単位の差が生まれることがあります。この記事では、アパートローンの金利相場を金融機関別に整理したうえで、エクセルを使った無料シミュレーションの活用方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。借入前に必ず押さえておきたい知識を、一通りお伝えします。
アパートローンの金利相場を知っておこう

まず理解しておきたいのは、アパートローンの金利は住宅ローンと比べて高めに設定されているという点です。住宅ローンは自分が住む物件への融資であるため、金融機関にとってリスクが低く、低金利が実現しやすい構造になっています。一方、アパートローンは賃貸経営という事業への融資であるため、空室リスクや家賃下落リスクを金融機関が考慮し、金利が高くなる傾向があります。
金融機関の種類によって、金利の水準には大きな差があります。金融機関の種類によって、都市銀行(メガバンク)、地方銀行、信用金庫・信用組合など、金利水準が異なる傾向があります。ただしこれはあくまで参考値であり、申込者の属性や物件の条件によって実際の金利は大きく変わります。
また、アパートローンでは変動金利が主流で、固定金利を選べる金融機関は限られているという市場傾向があります(manabu不動産投資)。変動金利は金利上昇リスクを伴いますが、現時点では低い金利水準から始められるメリットがあります。固定金利は将来の返済額が確定するため計画を立てやすい反面、変動金利より高めに設定されることが一般的です。どちらが自分に合っているかを判断するためにも、シミュレーションによる比較が欠かせません。
主要金融機関の金利・条件を比較する

実際にアパートローンを提供している金融機関の条件を見ていきましょう。各社の公式情報をもとに整理すると、選択肢の幅がよくわかります。
オリックス銀行(https://www.orixbank.co.jp/personal/property/)は、変動金利が年2.425%〜年4.425%で、借入金額は2,000万円以上2億円以内、借入期間は最長35年です。対象エリアは首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市に限られており、全国対応ではない点に注意が必要です。取扱事務手数料は借入金額の2.20%以内で、無料の返済シミュレーションサービスも提供しており、最長50年間のキャッシュフロー試算が可能です。
三井住友銀行(https://www.smbc.co.jp/kojin/apartment/)の直担アパートローンは、融資金額200万円以上で変動金利は短期プライムレート連動型です。具体的な金利は窓口照会方式となっており、公式サイトでは公開されていません。固定金利特約期間中は繰上返済が原則できない点は、資金計画を立てる際に重要なポイントです。
住宅金融支援機構(https://www.jhf.go.jp/kinri/chintai.html)の賃貸住宅融資は、35年固定と15年固定の2タイプが基本です。申込月から約2か月後に金利が決定するという仕組みで、2026年8月申込分であれば2026年10月下旬に金利が確定します。長期優良住宅やZEH基準を満たす物件では当初15年間の金利引下げ制度もあり、省エネ性能の高い物件を建設する場合は特に注目に値します(住宅金融支援機構)。
地方の金融機関も選択肢に入ります。もみじ銀行(https://www.momijibank.co.jp/personal/borrow/house/lease/pdf/manual.pdf)は100万円以上5,000万円以内が基本で、木造は最長25年、軽量鉄骨・木造省令準耐火構造は最長30年と構造別に融資期間が異なります。伊達信用金庫(https://www.shinkin.co.jp/dateshin/)は固定金利を公開しており、3年型2.650%、5年型2.850%、10年型3.450%となっています。
エクセルで無料シミュレーションを作る方法
エクセルを使えば、複数の金融機関の条件を自分で比較するシミュレーション表を無料で作成できます。基本的な構造はシンプルで、「借入金額」「金利」「返済期間」の3つを入力すれば、月々の返済額と総返済額を自動計算できます。
エクセルで月々の返済額を計算するには、PMT関数を使います。書式は「=PMT(金利/12, 返済回数, 借入金額)」です。たとえば借入金額5,000万円、年利3.0%、返済期間35年(420回)の場合、「=PMT(0.03/12, 420, -50000000)」と入力すると月々の返済額が算出されます。この数式を複数行に並べ、金利の部分だけを変えることで、各金融機関の条件を横並びで比較できます。
さらに便利なのは、金利上昇シナリオを加えた比較表を作ることです。変動金利の場合、将来的に金利が上昇する可能性があります。現在の金利に加えて、「+0.5%」「+1.0%」「+2.0%」といった複数のシナリオを列に並べると、金利が上がったときの返済額の変化を一目で確認できます。このような保守的なシミュレーションを事前に行うことで、想定外の金利上昇にも慌てずに対応できる資金計画が立てられます。
なお、オリックス銀行では最長50年間のキャッシュフロー試算ができる無料シミュレーションサービスを提供しています(https://www.orixbank.co.jp/personal/property/)。自分でエクセルを作る前に、まずこうした金融機関の公式ツールを活用してみるのも効率的な方法です。
シミュレーションで見落としがちなコストとは
月々の返済額だけを比較していると、実際のコストを見誤ることがあります。アパートローンには金利以外にも、諸費用や手数料が発生するため、総コストで比較することが重要です。
取扱事務手数料は金融機関によって大きく異なります。オリックス銀行は借入金額の2.20%以内、SBIエステートファイナンス(https://www.sbi-efinance.co.jp/)は2.20%〜2.75%(税込)です。仮に借入金額が5,000万円であれば、2.20%の手数料だけで110万円になります。この初期費用をシミュレーションに含めないと、実質的なコスト比較ができません。
保証料も見落とせない費用です。もみじ銀行の場合、保証料は一括0.20%で、借入1,000万円・35年返済の例示では428,091円、別途保証手数料55,000円が発生します(もみじ銀行商品概要説明書)。借入金額が大きくなるほど保証料も比例して増えるため、エクセルのシミュレーション表に「初期費用合計」の行を設けて管理するとよいでしょう。
団体信用生命保険(団信)の扱いも金融機関によって異なります。オリックス銀行は保険料を銀行側が負担しますが、選択する団信の種類によっては金利上乗せがあります。伊達信用金庫では団信加入は任意で、希望する場合は金利に0.30%が上乗せされます。団信の有無は万が一の際の保障に直結するため、金利の安さだけで判断せず、総合的に検討することが大切です。
金融機関を選ぶときの実践的なポイント
シミュレーションで数字を比較したあとは、自分の状況に合った金融機関を絞り込む作業が必要です。いくつかの実践的な視点を持っておくと、選択がスムーズになります。
まず確認したいのは、対象エリアの制限です。オリックス銀行は首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市に限定されており、北洋銀行は申込人の居住地・勤務地・物件所在地の全てが北海道内であることが条件です(各行公式サイト)。どれだけ金利条件が良くても、自分の物件所在地が対象外であれば申し込めません。シミュレーションを始める前に、まず対象エリアを確認しておきましょう。
次に重要なのは、繰上返済の条件です。三井住友銀行の直担アパートローンでは、固定金利特約期間中の繰上返済は原則不可とされています。手元に余裕資金ができたときに早期返済を検討したい場合は、繰上返済の自由度が高い金融機関を選ぶことが有利に働きます。また、オリックス銀行では変動金利期間中の繰上返済解約金として経過期間に応じて0.50%〜2.00%が発生します。こうした条件の違いも、エクセルの比較表に項目として加えておくと便利です。
複数の金融機関に並行して相談することも有効な戦略です。公式サイトに金利を公開していない金融機関も多く、実際の条件は窓口や担当者に確認しなければわかりません。シミュレーションはあくまで検討の出発点であり、最終的な条件は個別の審査結果によって変わります。エクセルで作った比較表を持参して金融機関に相談すると、担当者との話し合いもスムーズに進みます。
まとめ
アパートローンの金利は金融機関によって大きく異なり、変動金利・固定金利の選択や諸費用まで含めた総コストで比較することが成功への近道です。エクセルのPMT関数を使えば無料で返済シミュレーションを作成でき、複数の金融機関を横並びで比較することができます。金利上昇シナリオも加えた保守的な計画を立てることで、将来のリスクにも備えられます。まずは本記事で紹介した各金融機関の公式サイトや無料シミュレーションツールを活用し、自分の条件に合った借入先を探すところから始めてみてください。一歩ずつ丁寧に情報を集めることが、長期的に安定した不動産投資につながります。
参考文献・出典
- オリックス銀行 不動産投資ローン — https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
- オリックス銀行 不動産投資ローン 商品説明書 — https://www.orixbank.co.jp/personal/property/account.html
- 三井住友銀行 アパートローン — https://www.smbc.co.jp/kojin/apartment/
- 三井住友銀行 直担アパートローン 商品説明書 — https://www.smbc.co.jp/setsumeisho/pdf/sonotaloan013.pdf
- 北洋銀行 アパートローン — https://www.hokuyobank.co.jp/person/loan/house/j_fudousanloan.html
- もみじ銀行 商品概要説明書(アパートローン) — https://www.momijibank.co.jp/personal/borrow/house/lease/pdf/manual.pdf
- 伊達信用金庫 アパートローン — https://www.shinkin.co.jp/dateshin/common/asset/data/pdf/business_loan02_260504.pdf
- SBIエステートファイナンス 貸付条件表 — https://www.sbi-efinance.co.jp/developer/wp-content/themes/sbi/pdf/loan-conditions.pdf
- 楽天銀行 不動産担保ローン 金利 — https://www.rakuten-bank.co.jp/smartphone/application/interest/mortgage-collateral.html
- 住宅金融支援機構 賃貸住宅融資金利 — https://www.jhf.go.jp/kinri/chintai.html
- 住宅金融支援機構 子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資 — https://www.jhf.go.jp/kanri/syoenechintai/jouken.html
- manabu不動産投資 不動産投資ローンの金利相場 — https://manabu.orixbank.co.jp/archives/369
- Wealth Agent オリックス銀行の不動産投資ローン — https://www.agent-hp.com/orix-bank/
- Wealth Agent スルガ銀行の不動産投資ローン — https://www.agent-hp.com/suruga-bank/