この記事の結論
- 台東区の土地相場データの一戸建て売却相場は、最新データをもとにSUUMO掲載ベースで約1億円前後が中央値です。
- エリアによって価格差が大きく、谷中・上野桜木は1.5〜2億円超、清川・日本堤は6,000万円台が中心です。
- 前年比で上昇傾向が続いていますが、駅距離・築年数・土地面積で個別の査定額は大きく変わります。
台東区の一戸建てを売ろうと考えたとき、「うちはいくらになるんだろう」という疑問が最初に浮かぶのは自然なことです。相続した実家、住み替え、離婚や資金の都合など、売却を考える理由はさまざまですが、どんな事情であっても「相場を正しく知ること」が判断の出発点になります。この記事では、2026年8月時点の最新データをもとに、台東区の一戸建て売却相場をエリア別・築年数別・駅距離別に整理します。さらに、売却にかかる費用や税金の目安まで、初めて売る方にも分かりやすく解説します。
台東区の一戸建て売却相場は今いくらか

台東区の一戸建て売却相場は、2026年に入ってから大きく上昇しています。まず全体の数字を把握しておきましょう。
SUUMO掲載データによると、台東区の中古一戸建て売却価格は約1億円前後が中央値の目安です。建物面積の中央値は89㎡、土地面積の中央値は52㎡、築年数の中央値は28年という条件です。複数のデータソースから、価格は上昇傾向が続いていることが確認されています。
一方、アットホームの掲載データでは、台東区の中古戸建て価格相場は複数の間取りで掲載されており、間取りによって差があります。また、LIFULL HOME’Sのモデル相場では、前年同時期比で上昇が確認されています。
実際の成約データを見ると、さらに高い水準が見えてきます。民間の不動産データベースの集計では、台東区全体の戸建て成約中央値は1.4億円程度とされており、複数のデータを合わせて見ることが大切です。掲載価格と成約価格には差があることも多いため、複数のデータを合わせて見ることが大切です。
ここまでのまとめ: 台東区の一戸建て売却相場は、掲載ベースで約1億円、成約ベースでは1.4億円が中央値の目安です。
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エリアによって相場は2倍以上違う

台東区は面積が小さい区ですが、エリアによって売却価格が大きく異なります。「同じ台東区なのに」と驚くほどの差があるため、自分の物件がどのエリアに属するかを確認することが重要です。
民間の不動産データベースの町名別成約中央値によると、台東(浅草橋周辺)が2.4億円、浅草橋が2.3億円、東上野が1.6億円と高い水準です。一方、清川は6,000万円、根岸は9,250万円と、同じ区内でも3〜4倍の開きがあります。
谷中エリアは、令和8年地価公示の鑑定評価書(国土交通省)でも「区内でも人気エリアで戸建住宅用地の供給数が少なく、需要は底堅い」と評価されており、標準地規模の土地で1.5〜2億円程度が中心とされています。同じく上野桜木エリアも、鑑定評価書(国土交通省)によると「居住環境が良好で住宅需要が強い一方で供給が少なく需給は引き締まっており」、土地総額で1.8億円程度が中心です。
ウチノカチの集計(2023〜2025年)では、エリア別の坪単価として、寿が1,020.2万円/坪、小島が1,016.6万円/坪と突出して高く、東上野が596.0万円/坪と続きます。反対に、日本堤は135.2万円/坪、清川は181.5万円/坪、下谷は187.6万円/坪と低い水準です。同じ台東区でも、エリアによって坪単価が約7倍の差になることがあるため、「台東区だから高い」と一概には言えません。
ここまでのまとめ: 谷中・上野桜木・浅草橋周辺は高値エリア、清川・日本堤・下谷周辺は相対的に低い水準です。
駅からの距離と築年数で価格はどう変わるか
エリアと並んで、売却価格に大きく影響するのが「駅からの距離」と「築年数」です。この2つを理解しておくと、自分の物件の価格帯をより正確に絞り込めます。
駅距離の影響は非常に大きいです。ウチノカチの集計(2023〜2025年)によると、駅からの距離によって坪単価に大きな差があり、駅が近いほど高くなる傾向があります。駅別では、田原町駅が1,019.3万円/坪、秋葉原駅が909.1万円/坪と高く、南千住駅は186.5万円/坪、三ノ輪駅は214.3万円/坪と低い傾向があります。
築年数については、LIFULL HOME’Sのモデル相場(2026年8月9日時点、延床70㎡の条件)で確認できます。築年数が増えるほど価格は下がりますが、台東区の場合は土地値が高いため、建物が古くなっても大幅な値崩れが起きにくい傾向があります。ウチノカチの坪単価データ(2023〜2025年)でも、築30年以上が303.9万円/坪と、築20〜30年の257.8万円/坪より高い数字が出ており、古い建物でも土地の価値が評価されているケースがあることが分かります。
土地面積も価格に影響します。ウチノカチの集計(2023〜2025年)では、20坪未満が281.1万円/坪、30〜40坪が359.2万円/坪、60坪以上が587.5万円/坪と、広い土地ほど単価が高くなる傾向があります。台東区は共同住宅が多く、令和5年時点で3階建て以上の共同住宅が住宅全体の81.9%を占めているとされており(台東区住宅マスタープラン資料)、一戸建ては希少な存在です。そのため、まとまった広さの土地は特に需要が高くなりやすいです。
ここまでのまとめ: 駅からの距離によって坪単価が大きく変わり、広い土地ほど高単価になる傾向があります。
台東区の土地売却相場と地価の動向
一戸建てを売る場合、建物が古ければ「実質的に土地として売る」ことになります。そのため、土地の相場も合わせて把握しておくことが大切です。
令和7年(2025年1月時点)の地価公示(国土交通省)によると、台東区の住宅地の公示地価は、池之端1-4-28が225.0万円/㎡、上野桜木1-1-5が104.0万円/㎡、谷中2-8-14が102.0万円/㎡、根岸4-10-10が71.9万円/㎡となっています。これは公的な評価額であり、実際の取引価格はこれを上回ることも多いです。なお、その後公表された令和8年地価公示では区内住宅地が平均で前年比約14%上昇しており、上野桜木1-1-5は118.0万円/㎡(前年比+13.46%)まで上昇しています。
根岸エリアについては、令和7年地価公示の鑑定評価書(国土交通省)で「住宅用地の需要の増加に対して供給が少ないため地価の上昇が続いており、需要の中心となる価格帯は土地で6千万円から1億5千万円程度」と記されています。また、ウチノカチの集計(2026年3月時点)では、台東区の中古一戸建て平均取引価格は坪単価434.0万円(131.3万円/㎡)で、前年比10.2%の上昇となっています。
築古の一戸建ては「建物の価値はほぼゼロ、土地値で売る」という考え方が基本になります。その場合、上記の地価公示や坪単価データが参考になります。ただし、再建築できるかどうか(前面道路の幅員や接道条件)によって土地の評価が大きく変わることがあります。個別の条件は不動産会社の査定で確認するのが確実です。
ここまでのまとめ: 台東区の土地相場は地域差が大きく、公示地価は71.9〜225.0万円/㎡の幅があります。
売却にかかる費用と税金の目安
売却価格が決まっても、手元に残る金額は「売却価格から費用と税金を引いた額」です。ここを把握しておかないと、資金計画が狂ってしまいます。
まず仲介手数料(不動産会社に払う成功報酬)について説明します。国税庁によると、売買契約書の印紙税は契約金額1,000万円なら1万円です。LIFULL HOME’Sの試算では、9,111万円で売れた場合の仲介手数料上限は3,072,630円(税込)、印紙代は30,000円となっています。つまり、約1億円で売れた場合、仲介手数料だけで300万円超がかかる計算です。
次に税金です。自宅として住んでいた物件を売る場合、「3,000万円特別控除」という特例が使えます。これは、売却益(譲渡所得)から最高3,000万円まで差し引ける制度で、所有期間に関係なく適用できます(国税庁)。さらに、所有期間が10年を超えている場合は軽減税率も使えます。3,000万円控除後の課税額が6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%、6,000万円を超える部分は所得税15%・住民税5%です(国税庁)。ただし、相続した物件や投資用物件など、自分が住んでいなかった場合は適用条件が異なります。詳細は税理士や国税庁の公式サイトでご確認ください。
売却にかかる費用は仲介手数料と印紙代だけではありません。登記費用(抵当権抹消など)、引越し費用、場合によっては解体費用なども発生します。これらを合計すると、売却価格の一定割合が諸費用になることが想定されます。手取り額を正確に把握するには、不動産会社と税理士の両方に相談することをおすすめします。
ここまでのまとめ: 約1億円の売却なら仲介手数料だけで300万円超かかり、自宅なら3,000万円特別控除が使える可能性があります。
まとめ
台東区の一戸建て売却相場は、最新データをもとにSUUMO掲載ベースで約1億円前後、成約ベースでは1.4億円が目安です。前年比で上昇傾向が続いており、売り手にとっては有利な市況が続いています。ただし、谷中・上野桜木のような人気エリアと、清川・日本堤のような相対的に低いエリアでは、同じ台東区でも価格が大きく異なります。駅からの距離、築年数、土地の広さによっても査定額は変わるため、「台東区だから〇千万円」と単純には言えません。
売却を検討するなら、まず複数の不動産会社に査定を依頼して、自分の物件の実際の価格帯を確認することが第一歩です。費用や税金の計算も含めて、手取り額を正確に把握してから判断することをおすすめします。
ご自身の物件がいくらになるかは、実際の成約データと照らし合わせて確かめるのが早道です。
参考文献・出典
- SUUMO(リクルート)「東京都台東区の一戸建て売却価格相場」 – https://suumo.jp/baikyaku/chukoikkodate/soba/tokyo/sc_taito/
- SUUMO(リクルート)「台東区(東京都)のSUUMO掲載の中古一戸建て価格相場情報」 – https://suumo.jp/chukoikkodate/soba/tokyo/sc_taito/
- アットホーム「台東区の中古住宅の価格相場を調べる」 – https://www.athome.co.jp/kodate/chuko/souba/tokyo/taito-city/
- LIFULL HOME’S「東京都台東区の一戸建て査定・売却価格相場情報」 – https://www.homes.co.jp/satei/kodate/tokyo/taito-city/
- Conone「台東区の戸建て売却相場【2026年最新】中央値1.4億円・298件の取引データ」 – https://conone.jp/market/tokyo/taito-ku/house
- ウチノカチ「台東区の中古一戸建て相場・取引価格と推移」 – https://utinokati.com/details/house/gakku/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD-%E5%8F%B0%E6%9D%B1%E5%8C%BA/
- 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html
- 台東区「台東区住宅マスタープラン(案)資料4」 – https://www.city.taito.lg.jp/kenchiku/jutaku/sumaikeikaku/keikaku/jyumasuikenkokankai.files/5shiryou4.pdf
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「鑑定評価書(令和8年地価公示)台東-5 谷中6-2-19」 – https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2026/13/2026131060005.html
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「鑑定評価書(令和8年地価公示)台東-4 上野桜木1-1-5」 – https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2026/13/2026131060004.html
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「鑑定評価書(令和7年地価公示)台東-2 根岸4-10-10」 – https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2025/13/2025131060002.html
- 国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html
- 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
- 国税庁「土地や建物を売ったとき」 – https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm
- 国税庁「No.7108 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm
一橋大学大学院MBA修了。大手デベロッパー法人部門、買取再販会社を経て現職。区分リノベ再販・都心事業用物件の買取再販を手がけ、業界7年の知見で記事を監修。
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