管理費・修繕積立金

マンション管理費の相場は月15,300円

この記事の結論

  • 1都3県の分譲マンションで、専有70㎡なら管理費は月15,300円が中央値です。
  • 総戸数によって管理費に差が出ます。
  • 管理費は日々の維持費、修繕積立金は十数年先の工事費で別物です。

マンションの管理費が高いのか安いのか、判断する材料がないまま毎月払い続けている方は少なくありません。当社が保有する1都3県の分譲マンション73,385棟の管理費データを集計したところ、専有70㎡に換算した管理費の中央値は月15,300円でした。この記事では、その金額がどんな理由で上下するのかを、総戸数別・築年代別の実額とあわせて説明します。あわせて、管理費と修繕積立金の違い、管理費が高くなりやすいマンションの特徴もお伝えします。読み終えるころには、ご自身の管理費が平均的な水準なのかどうかを、数字で確かめられるようになります。

1都3県の管理費は専有70㎡で月15,300円

1都3県の管理費は専有70㎡で月15,300円のイメージ

まず結論からお伝えすると、専有70㎡に換算した管理費の中央値は月15,300円です。1㎡あたりでは219円になります。これは1都3県の分譲マンション73,385棟を、2026年9月時点で当社が集計した結果です(出典: 株式会社青山地所 自社データベース)。

中央値というのは、金額の低い順に並べたときのちょうど真ん中の値です。平均値と違い、一部の極端に高い物件に引っ張られにくいという特徴があります。つまり「ごく普通のマンションはこのあたり」という感覚に近い数字だと考えてください。

ただし、真ん中の値だけを見ても幅が分かりません。同じ集計で、下から4分の1にあたる水準と上から4分の1にあたる水準には一定の幅がありました。言い換えると、多くのマンションは一定の範囲に収まるということです。ご自身の管理費がこの範囲に入っていれば、極端に高いわけでも安いわけでもありません。

なお、この集計は1都3県に限ったものです。地方のマンションには当てはまらない可能性があります。また、管理費の「法定の相場」というものは存在しません。国土交通省が所管する「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」は、管理組合の運営や管理の適正化を定めた法律であり、管理費の額そのものを決める制度ではないためです(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC1000000149?occasion_date=20310604)。

お持ちのマンションは、いま売るといくらか 無料のAI査定で確かめる

総戸数が多いほど管理費は安くなる

総戸数が多いほど管理費は安くなるのイメージ

管理費を左右する最大の要素は、実はマンションの規模です。総戸数が多いほど、1戸あたりの負担は軽くなります。次の表は、1都3県の分譲マンションを総戸数別に分け、管理費を専有70㎡で換算した実額です。

総戸数棟数管理費 1㎡あたり70㎡なら月額
30戸未満25,896254円17,800円
30〜49戸21,517226円15,800円
50〜99戸16,362197円13,800円
100〜199戸6,053170円11,900円
200戸以上3,557160円11,200円
総戸数別 管理費の実額 (1都3県・専有70㎡で換算)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

ご自身のマンションの総戸数を思い浮かべて、当てはまる行を探してみてください。たとえば40戸のマンションにお住まいで専有面積が70㎡なら、上から2番目の「30〜49戸」の行、月15,800円が目安になります。100戸を超える大規模マンションにお住まいなら、月11,900円前後が標準的です。

総戸数の規模によって、月額で数千円の開きが生まれます。年間にすると数万円の差です。この差が生まれる理由は、管理にかかる費用の多くが「戸数に比例しない」からです。

具体的に見てみましょう。管理員さんの人件費は、30戸のマンションでも150戸のマンションでも、勤務時間が同じならほぼ同額です。エレベーターの保守点検費も、1基あたりの料金は建物の規模で大きくは変わりません。エントランスの清掃、消防設備の点検、管理組合の会計処理なども同様です。これらの固定的な費用を戸数で頭割りするため、戸数が少ないほど1戸の負担が重くなります。

築年代で見ると新しいほど高い傾向

築年数と管理費の関係は、多くの方の予想と逆かもしれません。古いマンションほど管理費が高いと思われがちですが、当社の集計では新しいマンションのほうが管理費は高いという結果でした。次の表は築年代別の実額です。

築年代棟数管理費 月額
1960年代1,65112,600円
1970年代9,58313,200円
1980年代16,18715,800円
1990年代17,51215,400円
2000年代16,78514,400円
2010年代8,94817,000円
2020年代2,70319,300円
築年代別 管理費の実額 (1都3県・専有70㎡で換算)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

2020年代に建てられたマンションは70㎡換算で月19,300円、1970年代のマンションは月13,200円です。差は月6,100円あります。築30年のマンションをお持ちなら1990年代の行、月15,400円あたりが目安になります。

なぜ新しいほうが高いのか。この集計だけでは断定できませんが、近年のマンションには設備が増えていることが関係していると考えられます。宅配ボックス、オートロック、防犯カメラ、共用のラウンジや来客用の部屋といった設備は、どれも維持や点検に費用がかかります。設備が充実するほど、それを保つためのお金も必要になるということです。

一方で1980年代の月15,800円のように、古い年代でも高い水準の年代があります。築年代だけで管理費が決まるわけではなく、戸数や設備、管理の内容が組み合わさって金額が決まります。表の数字は、あくまで年代ごとの真ん中の姿だと受け止めてください。

管理費と修繕積立金は使い道がまったく違う

ここで、混同されやすい2つのお金を整理しておきます。ポイントは、管理費が「今月使うお金」、修繕積立金が「将来のためにためるお金」だということです。

管理費とは、マンションを日々きちんと保つために毎月使われるお金です。管理員さんへの報酬、共用部分の電気代や水道代、エレベーターや給水ポンプの保守点検、廊下や階段の清掃、損害保険料などに充てられます。使い切ることを前提としたお金で、毎月ほぼ出ていきます。

これに対して修繕積立金は、十数年に一度めぐってくる大きな工事に備えて、毎月ためておくお金です。外壁の塗り替え、屋上の防水工事、給排水管の交換といった工事は、一度に数千万円から億単位の費用がかかります。そのときに一括で集めるのは現実的でないため、長い時間をかけて少しずつ積み立てておくわけです。

この積み立てが足りているかどうかは、マンションの将来を大きく左右します。国土交通省が公表した令和5年度マンション総合調査では、計画上の積立額に対して現状が不足しているマンションが36.6%ありました(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000210.html)。また、25年以上の長期修繕計画に基づいて積立金の額を決めているマンションは59.8%でした。つまり3棟に1棟以上は、計画どおりに積み立てられていない状況です。

なお、この総合調査は国土交通省が5年に一度実施しているもので、令和5年度の調査では管理組合向けの有効回収数が1,589件でした(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000022.html)。全国の管理組合すべてを調べたものではない点にはご注意ください。

管理費が高いマンションに共通する特徴

管理費が相場より高いとき、まず疑うべきは戸数と設備です。前の章で見たとおり、この2つが金額を大きく動かします。

戸数の少ないマンションは、固定費を分け合う人数が少ないため、どうしても割高になります。小規模マンションの水準は、大規模マンションと比べて高い計算です。これは管理が悪いからではなく、規模による構造的な差です。

設備の多さも同じです。24時間有人の管理体制、機械式の駐車場、共用施設が豊富なマンションは、それだけ維持に人と費用がかかります。機械式駐車場は特に点検や部品交換の負担が重く、利用者が減ると収支が悪化しやすい設備として知られています。

ただし、高いこと自体が悪いわけではありません。大切なのは金額そのものより、支払いに見合う管理がされているかです。国土交通省は管理計画認定制度を案内しており、適切な長期修繕計画を持ち、修繕積立金の額を適切に設定して維持することの重要性を示しています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/keikakunintei.html)。管理費を下げることばかり考えて必要な点検を削れば、結果として建物の傷みが早まります。

なお、マンション関係の法律は2026年時点で改正の移行期にあります。令和7年のマンション関係法改正が公布され、国土交通省のページでは一部を除き令和8年4月1日施行と案内されています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansionlaw.html)。制度の詳しい内容は、公式サイトで最新の案内をご確認ください。

よくある質問

管理費が月2万円を超えています。高すぎますか。

1都3県の集計では、70㎡換算で上から4分の1にあたる水準が一定の金額でした。月2万円は高めではありますが、極端な水準ではありません。総戸数が少ないマンションなら、なおさら珍しくない金額です。まずは管理組合の総会資料で、何にいくら使われているかを確認してください。

管理費は自分で下げられますか。

ひとりでは下げられません。管理費の額は管理組合の総会で決まるためです。下げたい場合は、管理会社の委託内容を見直す議案を総会にかける必要があります。ただし清掃回数や点検項目を削ると建物の傷みにつながるため、慎重な検討が必要です。

管理費が安いマンションを選べば得ですか。

一概には言えません。安い理由が大規模による効率なら問題ありませんが、必要な管理を削っている場合は将来の出費が増えます。購入を検討するなら、管理費の額よりも修繕積立金の残高と長期修繕計画の有無を先に確認してください。

新築なのに管理費が高いのはなぜですか。

当社の集計では2020年代のマンションが70㎡換算で月19,300円と、最も高い水準でした。設備が充実している分、維持費もかかると考えられます。設備の内容と金額が見合っているかを見てください。

まとめ

1都3県の分譲マンション73,385棟の集計では、専有70㎡換算の管理費は月15,300円が中央値でした。金額を最も大きく動かすのは総戸数で、規模による差が生まれます。管理費は日々の維持に使うお金、修繕積立金は将来の工事に備えるお金であり、後者の不足は建物の価値に直結します。ご自身の管理費が相場の範囲に入っているかを確かめたうえで、支払いに見合った管理が行われているかを総会資料で見直してみてください。

ご自身のマンションが今いくらなのかは、実際の成約データで見るのが早道です。

参考文献・出典

  • 株式会社青山地所 自社データベース(集計 2026年09月 時点、1都3県の分譲マンション73,385棟)
  • 国土交通省(令和5年度マンション総合調査結果発表) – https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000210.html
  • 国土交通省(マンション総合調査) – https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000022.html
  • 国土交通省(マンション関係法令) – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansionlaw.html
  • 国土交通省(マンション管理計画認定制度) – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/keikakunintei.html
  • 国土交通省(マンションに関する統計・データ等) – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html
  • e-Gov法令検索(マンションの管理の適正化の推進に関する法律) – https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC1000000149?occasion_date=20310604
詳しいガイド管理費と積立金の合計を確かめる基準管理費の相場が月15,300円とわかると、自分の部屋の管理費が修繕積立金と合わせて重い側に入っていないか気になってくる。その合計から手残りへの影響を確かめられる。売却ガイド一覧を見る →

関連記事

TOP
不動産売買なら青山地所