不動産の税金

不動産登記費用はいくらかかる?2026年の税率と実費を試算

この記事の結論

  • 登記費用は「登録免許税」と「専門家報酬」の合計で、物件価格や種類によって大きく変わります。
  • 土地売買の登録免許税は、登録免許税法上の原則税率は2.0%です。軽減措置については租税特別措置法で別途定められていますが、具体的な適用期限については最新の法令を確認する必要があります。
  • 3,000万円の中古一戸建て購入では、登記関連の総額はおおよそ30万円前後が目安になります。

不動産を購入するとき、「登記費用っていったいいくらかかるの?」と不安に感じる方は多いはずです。物件価格や仲介手数料に目が向きがちですが、登記費用も決して小さな金額ではありません。場合によっては数十万円に上ることもあり、資金計画に組み込んでおかないと購入直前に慌てることになります。この記事では、登記費用の内訳・計算方法・軽減税率の条件・専門家報酬の相場まで、初心者にも分かりやすく解説します。実際の試算例も交えながら説明しますので、最後まで読めば「自分の場合はいくらになるか」をおおよそ把握できるようになります。

登記費用の内訳を理解する

登記費用の内訳を理解するのイメージ

登記費用は大きく「登録免許税」と「専門家報酬・実費」の2種類に分かれます。この2つを混同すると費用の見積もりが大きくずれてしまうため、まず構造を整理しておきましょう。

登録免許税とは、不動産の登記を申請する際に国に納める税金です。国税庁の情報(No.7190)によると、登録免許税の納税義務者は「登記を受ける側」、つまり買主や借入者が原則として負担します。税額は物件の固定資産税評価額(市町村の固定資産課税台帳に登録された価格)に税率をかけて計算するため、売買価格とは異なる点に注意が必要です。

専門家報酬は、登記手続きを代理してもらう司法書士や土地家屋調査士に支払う費用です。法務局の案内では、所有権移転や抵当権設定などの「権利に関する登記」は司法書士が、建物新築時の表題登記など「表示に関する登記」は土地家屋調査士が担当すると説明されています。それぞれの専門家に支払う報酬は、登録免許税とは別に発生します。

さらに、登記申請に必要な添付書類の取得費用(住民票・印鑑証明書など)や、登記事項証明書の取得費用も実費として加わります。法務局の手数料一覧(令和8年4月1日以降)によると、登記事項証明書の手数料は書面請求で1通600円、オンライン請求・送付で520円です。これらの実費は1件あたり数千円程度ですが、複数の書類が必要になるケースでは積み上がることもあります。

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登録免許税の税率と計算方法

登録免許税の税率と計算方法のイメージ

登録免許税の税率は登記の種類によって異なります。国税庁の税額表(No.7191、令和8年4月1日現在)をもとに、主な登記の税率を整理します。

まず、登録免許税法上、土地の売買による所有権移転登記の原則税率は2.0%です。軽減措置については租税特別措置法で別途定められていますが、具体的な適用期限については最新の法令を確認してください。固定資産税評価額が2,000万円の土地であれば、原則税率では40万円となる計算です。次に、相続による所有権移転登記の税率は0.4%と低く設定されています。建物の所有権保存登記(新築時に初めて登記する場合)は原則0.4%です。

住宅ローンを組む際に設定する抵当権設定登記の税率は原則0.4%ですが、一定の住宅取得資金の貸付けに係る場合は0.1%の軽減税率が使えます。住宅ローン3,000万円で抵当権設定登記をする場合、原則税率では12万円、軽減税率が使えれば3万円と、9万円もの差が生じることになります。

一定要件を満たす住宅用家屋については、さらに有利な軽減税率が用意されています。所有権保存登記は0.15%、所有権移転登記は0.3%まで引き下げられます。課税価格1,000万円の新築建物の所有権保存登記であれば、軽減税率を使うと税額は1万5,000円になります。ただし、この軽減を受けるには床面積50㎡以上・新築または取得後1年以内の登記などの要件を満たす必要があり、登記申請時に市町村等の証明書を添付しなければなりません。国税庁は「登記した後で証明書を提出しても軽減税率の適用を受けられません」と明記しているため、証明書の準備は登記申請前に必ず済ませることが絶対条件です。

司法書士・土地家屋調査士の報酬相場

登録免許税と並んで気になるのが、専門家への報酬です。日本司法書士会連合会の説明によると、司法書士報酬は各事務所が自由に定めるものであり、額や算定方法・諸費用を明示したうえで依頼者との合意によって決まります。つまり、事務所によって金額が異なるため、複数の事務所に見積もりを取ることが賢明です。

日本司法書士会連合会が2024年(令和6年)3月に実施した報酬アンケートの結果によると、固定資産評価額合計1,000万円の土地1筆・建物1棟の売買による所有権移転登記報酬の平均は56,678円でした。課税価格1,000万円の新築建物の所有権保存登記報酬の平均は29,060円、債権額1,000万円・土地1筆建物1棟の抵当権設定登記報酬の平均は42,699円となっています。これらはあくまで平均値であり、物件の状況や案件の複雑さによって変わります。

たとえば、売主が登記識別情報や登記済証を提出できず、司法書士が本人確認情報を作成するケースでは、同アンケートの所有権移転登記報酬平均は94,887円まで上がっています。通常の取引と比べて報酬が大幅に増える場合があることも、頭に入れておきましょう。

建物を新築した際に必要な建物表題登記については、土地家屋調査士に依頼します。日本土地家屋調査士会連合会の令和4年度調査では、建物表題登記(その1)の全国平均報酬額は85,174円でした。また、SUUMO住まいの売却ガイドの監修記事(2026年6月23日)では、新築の建物表題登記を土地家屋調査士に依頼する費用相場を10〜15万円程度、既存の未登記建物では20〜30万円程度としています。なお、日本土地家屋調査士会連合会は「依頼される現場の状況等によって費用が異なりますので、あくまでも目安としてご利用ください」と明記しており、現地の状況によって変動することを念頭に置いてください。

実際の費用を試算してみる

具体的な数字で確認すると、費用感がより明確になります。LIFULL HOME’Sの2026年8月更新記事では、物件価格3,000万円の中古一戸建て(土地の固定資産税評価額1,200万円・建物の固定資産税評価額800万円・住宅ローン借入額2,500万円)を試算条件として、登録免許税の合計を22万9,000円と算出しています。これに司法書士報酬と実費を加えると、登記関連の総額はおおよそ30万円前後というイメージになります。

一方、同記事では軽減税率の適用を受けられない場合の試算も示しています。建物が軽減要件を満たさず本則税率(2.0%)が適用されると、建物分だけで16万円となり、総額は40万円台に跳ね上がるとされています。軽減税率を使えるかどうかで、10万円以上の差が生まれることもあるわけです。

費用負担の慣習についても理解しておくと役立ちます。LIFULL HOME’Sの実務解説によると、買主に権利を移すための費用(所有権移転・保存登記、抵当権設定登記)は買主が、売主側の抵当権抹消登記や住所変更登記の費用は売主が負担するのが一般的とされています。これは法律で定められたルールではなく慣習ですが、売買契約の際に確認しておくと安心です。

なお、不動産売買契約書に貼る印紙税は登記費用そのものではありませんが、諸費用として一緒に把握しておくと便利です。国税庁の令和7年5月資料によると、軽減措置下で契約金額1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円、5,000万円超1億円以下の場合は3万円です(令和9年3月31日まで)。

まとめ

登記費用は「登録免許税」と「専門家報酬・実費」の合計で決まり、物件の種類・評価額・軽減税率の適用可否によって大きく変わります。3,000万円クラスの中古一戸建てであれば、登記関連の総額は30万円前後が一つの目安です。軽減税率を受けるには証明書の事前準備が必須であり、申請後の後出しは認められないため注意が必要です。司法書士報酬は事務所ごとに異なるため、複数の見積もりを比較することをおすすめします。登記費用を事前にしっかり把握して資金計画に組み込むことが、不動産購入を成功させる第一歩です。最新の税率や制度の詳細は、国税庁や法務局の公式サイトで必ず確認してください。

参考文献・出典

  • 国税庁 No.7190 登録免許税のあらまし — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7190.htm
  • 国税庁 No.7191 登録免許税の税額表 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
  • 法務局 不動産登記申請手続 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/touki1.html
  • 法務局 主な手数料一覧【令和8年4月1日〜】 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001460398.pdf
  • 国税庁 印紙税の手引(抜粋・印紙税額一覧表) — https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/1504.pdf
  • 日本司法書士会連合会 司法書士の報酬 — https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/remuneration/
  • 日本司法書士会連合会 報酬アンケート結果(2024年3月実施) — https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/11/2a2e2c594bc4cd9ff2ca0f6d916db85e.pdf
  • 日本土地家屋調査士会連合会 業務報酬統計資料 — https://www.chosashi.or.jp/association/disclosure/reward/
  • LIFULL HOME’S 不動産登記の費用はいくら? — https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00338/
  • SUUMO住まいの売却ガイド 表題登記とは? — https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20260623/001
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