管理費・修繕積立金

アパートの管理費は月3,300円、家賃の4.5%が目安 東京・神奈川の成約データ

この記事の結論

  • 東京・神奈川の賃貸アパートの管理費は、建物の種類や設備によって異なります。
  • 賃貸マンションや分譲賃貸と比べると、アパートは設備が少ない傾向にあります。
  • 家賃に対する割合が一般的な水準を大きく超えるなら、設備や戸数など理由を確認する価値があります。

毎月の家賃とは別に、管理費という名目でお金が引かれている。その金額が高いのか安いのか、判断する材料がなくて困っている方は少なくありません。この記事では、東京都・神奈川県で直近3年に成約した賃貸物件の実データから、建物の種類ごとの管理費の実額と、家賃に対する割合をお示しします。さらに管理費と共益費は何が違うのか、何に使われているお金なのか、そして管理費が高い物件をどう見分けるのかまで、順番に説明します。読み終えるころには、ご自身の物件の管理費が妥当かどうかを判断する物差しが手に入ります。

アパートの管理費は建物の種類によって異なります

アパートの管理費は建物の種類によって異なりますのイメージ

まず、建物の種類による管理費の違いについてお伝えします。東京都・神奈川県で直近3年に成約した賃貸物件を集計したところ、建物の種類によって管理費の水準が異なることが分かります。賃貸アパートに絞ると、管理費は家賃に対して一定の割合を占めています。

建物の種類別に、管理費と家賃を集計した表が次のものです。

建物の種類成約件数管理費 (月額)家賃 (月額)家賃に対する割合
賃貸マンション###,###7,000円113,000円6.2%
賃貸アパート415,2363,300円73,000円4.5%
分譲賃貸278,56310,000円105,000円9.5%
建物の種類別 賃貸の管理費 (共益費) と家賃 (直近3年の成約・東京都/神奈川県)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

ご自身がどの行にあてはまるかを確かめてください。木造や軽量鉄骨の2〜3階建てで、エレベーターのない建物にお住まいなら「賃貸アパート」の行です。エレベーター付きの鉄筋の建物なら「賃貸マンション」、分譲マンションの一室を借りているなら「分譲賃貸」の行を見てください。分譲賃貸とは、もともと売るために建てられたマンションの一室を、買った人が貸しに出している物件のことです。

ただし、この集計には範囲があります。対象は東京都と神奈川県、直近3年、しかも実際に成約した賃貸に限られます。地方の物件は含まれていませんし、築年数や広さ、駅からの距離による違いも分けていません。そこまでの分解はこのデータでは分かりません。あくまで「東京・神奈川の平均的な姿」としてお読みください。

それでも、建物の種類ごとの管理費の水準は、100万件を超える実際の成約から出た値です。ご自身の物件と見比べる出発点としては、十分に使えるはずです。

出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

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アパートとマンションで管理費が違う理由

アパートとマンションで管理費が違う理由のイメージ

同じ賃貸なのに、建物の種類で管理費に大きな開きがあります。建物の種類によって、管理費の水準が異なっていきます。なぜこうした差が生まれるのでしょうか。

理由は、建物が持っている設備の量にあります。国土交通省の住まリテによると、管理費は建物全体の管理にかかる費用、共益費は共用部の維持管理にかかる費用として整理されています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/)。共用部とは、外灯やエレベーター、共用廊下、ごみ集積所など、入居者が共同で使う部分のことです。この共用部が多いほど、そして設備が高度なほど、維持にお金がかかります。

具体的な例がエレベーターです。UR賃貸住宅の解説によれば、高層マンションでは非常用エレベーターの設置が義務付けられているなど、高層建築物ならではの設備が必要になり、維持費用が高くなる傾向にあるとされています(UR賃貸住宅 https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202003/000493.html)。一方でアパートの多くは2〜3階建てで、エレベーターがありません。点検も修理もいらないわけです。エレベーターがない分、アパートの管理費は低くなりやすいのは、こうした仕組みによるものです。

分譲賃貸が高い傾向にあるのも、同じ理屈で説明がつきます。もともと分譲マンションは購入者が長く住むことを前提に建てられるため、オートロックや宅配ボックスなど設備が充実している物件が多いのです。その維持費が、借りる人の管理費にも反映されます。

なお、当社の集計は建物の種類ごとの代表値であり、個々の建物にどんな設備があるかまでは分けていません。同じ「賃貸アパート」でも、設備によって金額は上下します。

管理費と共益費は何が違うのか、何に使われるお金なのか

ここで、多くの方が混同しやすい用語を整理しておきます。ポイントは、管理費と共益費は本来別の意味を持つ言葉だという点です。

国土交通省の住まリテでは、賃貸の場合は毎月の家賃の他に管理費・共益費を納める必要があるとされ、管理費はビル全体の管理に係る費用、共益費は共用部の維持管理にかかる費用と区別されています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/)。もっとも実務では、この二つをまとめて「管理費(共益費)」と一つの欄に書く物件が多いのが実情です。募集広告でどちらの名前が使われていても、中身はおおむね同じものだと考えて差し支えありません。

では、この費用は必ず払わなければならないのでしょうか。国土交通省の資料によると、共益費は賃貸物件の共用部分(外灯、エレベーター、共用廊下、ごみ集積所等)の維持・管理のために支払う費用であり、契約条件に示され合意していれば支払義務があるとされています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001493363.pdf)。つまり、契約書に書かれた管理費は、家賃と同じく支払う約束の一部です。

注意したいのが、「管理費ゼロ」と書かれた物件です。UR賃貸住宅の解説では、管理費や共益費の記載がない賃貸契約の場合、家賃に上乗せされていると考えて良いとされています(UR賃貸住宅 https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202003/000493.html)。管理費の記載がない物件は家賃に含まれていると見るべきで、管理費がないから得とは限りません。

税金の扱いにも触れておきます。国税庁の質疑応答によると、住宅を共同で利用するうえで居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を応分に負担させる性格のものであれば、共益費・管理費等その名称にかかわらず非課税となるとされています(国税庁 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/09/02.htm)。ただし細かな例外もあり得ますので、個別の判断は税務署や税理士にご確認ください。

管理費が高い物件の見分け方と確認したいポイント

管理費が高いかどうかを判断するとき、金額そのものを見るより、家賃に対する割合を物差しにするほうが確実です。

当社の集計では、建物の種類によって管理費の水準が異なります。ご自身の物件がこの割合を大きく上回っているなら、何か理由があるはずです。その理由を確かめる価値があります。

理由としてよくあるのが、戸数の少なさです。UR賃貸住宅の解説によれば、住戸数の少ない物件ですと、一戸あたりの管理費が高くなる傾向にあるとされています(UR賃貸住宅 https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202003/000493.html)。共用部の電気代も清掃費も、建物全体でかかる金額は戸数が少なくても大きくは変わりません。それを少ない世帯で分け合えば、一戸あたりの負担は当然重くなります。戸数が少ないほど一戸あたりの管理費は高くなるのは、こうした割り算の結果です。

設備の多さも理由になります。エレベーター、オートロック、宅配ボックスといった設備は、あるだけで点検費や電気代がかかるのが一般的です。ですから、管理費が高めの物件では、その金額に見合う設備があるか、共用廊下やごみ集積所がきちんと清掃されているかを、内見や現地で自分の目で確かめてください。設備も清掃も物足りないのに管理費だけ高いなら、そこは疑問を持ってよい点です。

そしてもう一つ、比べ方の基本があります。管理費だけでなく家賃との合計額で比べることです。家賃が安くても管理費が高い物件と、その逆の物件では、毎月の支出はほとんど変わらないこともあります。管理費だけを切り出して比べると、判断を誤りやすくなります。

数字を鵜呑みにすると損をする例外と注意点

これまでの数字には限界があります。当てはまらない場面を先にお伝えしておきます。

第一に、集計の範囲です。当社のデータは東京都と神奈川県、直近3年の成約に限られます。地方の物件にそのまま当てはめることはできません。また、築年数や広さ、駅からの距離による違いも、この集計では分けていないため分かりません。地方にお住まいの方や、築古・広めの物件をお持ちの方は、あくまで参考値としてお使いください。

第二に、管理費はあくまで代表値だという点です。同じアパートでも、戸数や設備によって金額は上下します。ご自身の物件がどのあたりに位置するかは、契約書の記載と、現地の共用部の状態を照らし合わせて判断するのが確実です。

第三に、金額に不満があっても取ってはいけない行動があります。先に触れたとおり、国土交通省の資料では合意した共益費には支払義務があるとされています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001493363.pdf)。不動産専門メディアの解説でも、共益費等の支払いを拒否した場合には、基本的には家賃の不払いが発生したときと同様の対応が取られるとされています。高いと感じても一方的に支払いを止めないことが大切です。まずは管理会社や貸主に内訳をたずねるのが筋道です。

最後に、内訳の決め方についてです。家賃と管理費をどう分けるかは、貸主側の設定次第で変わるのが一般的です。ですから同じ総額でも、管理費の割合が大きい物件と小さい物件が並んで存在します。この点からも、総額で比べる姿勢が大切になります。

よくある質問

賃貸の管理費・共益費はいくらが相場ですか。

当社が東京都・神奈川県の直近3年の成約物件を集計した結果では、建物の種類によって管理費の水準が異なります。建物の種類に合う数字をご覧ください。

管理費は家賃の何%くらいが普通ですか。

建物の種類によって管理費の水準が異なります。建物の種類によって物差しが変わりますので、同じ「何%」で一律に判断しないほうが正確です。

管理費が書かれていない物件は、本当にゼロですか。

UR賃貸住宅の解説のとおり、記載がない場合は家賃に含まれていると考えるのが一般的です(UR賃貸住宅 https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202003/000493.html)。他の物件と比べるときは、家賃と管理費を足した合計額で並べてみてください。

管理費が高すぎると感じたら、どうすればいいですか。

支払いを止めるのではなく、まず契約書の管理費の記載を確認してください。次に建物の戸数、エレベーターなどの設備の有無、共用廊下やごみ集積所の清掃状態を見ます。そのうえで、家賃を含めた総額が周辺の水準と合っているかで判断します。

まとめ

東京・神奈川の成約データでは、建物の種類によって管理費の水準が異なります。賃貸マンションや分譲賃貸はエレベーターなど設備がある分だけ高く、建物の種類によって物差しそのものが変わります。管理費が高いと感じたときは、支払いを止めるのではなく、戸数や設備、そして家賃を含めた総額で妥当性を確かめてください。判断の材料さえ持っていれば、管理費は不安の種ではなく、物件を選ぶときの手がかりになります。

お持ちのアパートの管理費や家賃が周辺の水準と合っているかは、実際の成約データで見るのが早道です。

参考文献・出典

  • 株式会社青山地所 自社データベース(集計 2026年09月 時点/東京都・神奈川県、直近3年の成約賃貸物件)
  • 国土交通省 住まリテ「住まいにはどんな費用がかかる?」 – https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/
  • 国土交通省「④家賃以外の費用支払い」 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001493363.pdf
  • UR賃貸住宅「賃貸住宅の管理費とは?共益費との違いや相場、安く抑えるポイント」 – https://www.ur-net.go.jp/chintai/sp/college/202003/000493.html
  • 国税庁「集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定」 – https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/09/02.htm
  • Lnote「共益費とは?管理費との違いや相場、家賃との関係をわかりやすく解説」 – https://www.livable.co.jp/l-note/question/s18134/

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