この記事の結論
- 東京都・神奈川県の成約データでは、家賃の中央値は月額で一定の水準にあります。
- 同じ1Kでも東京都と神奈川県では家賃に差があります。
- 東京都では間取りによって家賃に開きがあります。
今の家賃が高いのか安いのか、数字で確かめたい方は多いと思います。引っ越し先の予算を決めたい方も、お持ちの物件をいくらで貸せばいいか迷っている方も、判断の物差しがないと不安が残ります。この記事では、当社が東京都と神奈川県で実際に成約した賃貸データをもとに、都県別・間取り別の家賃をそのまま数字でお示しします。さらに、ご自身の家賃と表の数字を照らし合わせる手順まで、順を追って案内します。不動産の知識がなくても読み進められるよう、専門用語にはその都度かんたんな説明を添えます。
家賃相場は月98,000円が中央値

東京都と神奈川県で直近数年に成約した賃貸物件を集計すると、家賃の中央値は月98,000円でした。中央値とは、すべての家賃を安い順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る値のことです。平均値と違い、一部の非常に高い物件に引っぱられにくいという性質があります。
この数字には、はっきりした範囲があります。対象は東京都と神奈川県の2都県のみで、期間は直近数年です。さらに、募集時に出ていた希望金額ではなく、実際に契約が成立した家賃を集計しています。ですから、全国の相場でもなければ、他の地域に当てはまる数字でもありません。
ただし、98,000円という1つの数字だけでは判断材料として足りません。家賃は住む地域と間取りによって大きく変わるからです。次の表で、ご自身に当てはまる行を探してみてください。
都県と間取りごとに、成約件数・家賃・専有面積を集計した表です。
| 都県 | 間取り | 成約件数 | 家賃 (月額) | 専有面積 |
|---|---|---|---|---|
| 神奈川県 | ワンルーム | 107,678 | 60,000円 | 19.7㎡ |
| 神奈川県 | 1 K | 338,224 | 70,000円 | 21.9㎡ |
| 神奈川県 | 2 DK | 71,347 | 75,000円 | 41.3㎡ |
| 神奈川県 | 1 DK | 36,718 | 79,000円 | 29.9㎡ |
| 神奈川県 | 1 LDK | 114,116 | 108,000円 | 41.9㎡ |
| 神奈川県 | 2 LDK | 101,089 | 120,000円 | 56.4㎡ |
| 神奈川県 | 3 LDK | 43,688 | 143,000円 | 70.5㎡ |
| 東京都 | ワンルーム | 172,811 | 85,000円 | 21.0㎡ |
| 東京都 | 1 K | 419,155 | 98,000円 | 24.0㎡ |
| 東京都 | 2 DK | 41,740 | 125,000円 | 41.4㎡ |
| 東京都 | 1 DK | 94,406 | 125,000円 | 28.1㎡ |
| 東京都 | 1 LDK | 196,050 | 175,000円 | 40.9㎡ |
| 東京都 | 2 LDK | 100,429 | 240,000円 | 56.0㎡ |
| 東京都 | 3 LDK | 32,827 | 290,000円 | 74.5㎡ |
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)
表の読み方はかんたんです。横浜市で1Kにお住まいなら「神奈川県 / 1K」の70,000円の行、都内で2LDKを貸しているなら「東京都 / 2LDK」の240,000円の行が、ご自身の目安になります。まず住まいや所有物件がある都県を選び、次に間取りの行をたどるという2段階で見つけられます。
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)
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同じ間取りでも東京都と神奈川県で家賃はここまで違う

まず押さえておきたいのは、同じ間取りでも都県が変わるだけで家賃が大きく動くことです。1Kの中央値は東京都が98,000円、神奈川県が70,000円でした。その差は月28,000円です。1年間住み続ければ336,000円の違いになります。
この差は間取りが広くなるほど開きます。2LDKは東京都240,000円に対して神奈川県120,000円で、ちょうど2倍の開きです。3LDKも東京都290,000円、神奈川県143,000円と、やはり2倍前後の差があります。つまり、ファミリー向けの広い部屋ほど、住む都県による家賃の違いが大きくなります。
では、東京都の部屋がその分だけ広いのかというと、そうではありません。専有面積の中央値は東京都の1Kが24.0㎡、神奈川県の1Kが21.9㎡で、ほとんど変わりません。都県の差は広さではなく立地の需要の違いから生まれています。借りたい人が多い場所ほど、同じ広さでも家賃は高くなるということです。
一方で、この集計にはできないこともあります。同じ東京都でも、都心部と郊外、駅の近くと遠くでは家賃がかなり違います。しかし今回の集計は都県単位でまとめているため、区ごと・駅ごとの数字はこの記事では出せません。この点は、正直にお伝えしておきます。
間取りが1つ広がると家賃はいくら上がるか
間取りが1つ広がるごとに、家賃は階段のように上がっていきます。東京都で見ると、ワンルーム85,000円、1K98,000円、1LDK175,000円、2LDK240,000円、3LDK290,000円という並びになります。
このうち最も大きく跳ねるのが、1Kから1LDKへ移るところです。差額は77,000円で、ほかのどの段よりも大きくなっています。1Kは一人暮らし向けの部屋ですが、1LDKは居間と寝室を分けられるため、二人暮らしの候補になります。つまり、1Kから1LDKへの境目で家賃が最も大きく跳ねるのは、借りたい人の層が単身者から二人以上の世帯へ変わるからです。
神奈川県の上がり方は、これよりもゆるやかです。1K70,000円、1LDK108,000円、2LDK120,000円、3LDK143,000円と並びます。1Kから1LDKへの差は38,000円で、東京都の半分ほどにとどまります。広い部屋を探すときほど、神奈川県を候補に入れる意味が大きくなると言えます。
なお、部屋数が多いほど家賃が高いとは限りません。東京都の2DKと1DKは、どちらも125,000円で同じ金額でした。専有面積は2DKが41.4㎡、1DKが28.1㎡と13㎡ほど違います。それでも家賃が並ぶのは、居間と台所が一体になったLDKがあるかどうか、そして部屋の広さそのものが、家賃を左右しているためです。
家賃が決まる仕組みと相場が動く理由
家賃は、借りたい人の多さと、貸しに出ている部屋の数のつり合いで決まります。借りたい人が多く部屋が少ない地域では家賃が上がり、逆の地域では下がります。難しい計算があるわけではなく、この関係が土台にあります。
そのうえで、部屋ごとの条件が金額を動かします。主な条件は、専有面積(壁の内側の広さのこと)、駅からの歩く時間、建物が建ってからの年数、そして設備の有無です。今回の集計は都県と間取りだけで分けているため、これらの条件の違いは表の数字の中にまとめて入っています。同じ「東京都 / 1K」の行にも、駅前の新しい部屋と駅から遠い古い部屋の両方が含まれているということです。
公的な統計と比べると、対象の違いがよく分かります。総務省統計局の住宅・土地統計調査によると、2023年の借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は59,656円で、2018年と比べて7.1%の増加でした(総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf)。当社の98,000円とは大きく開きますが、これは数字が間違っているのではありません。公的統計は全国の「今住んでいる借家」が対象で、当社の集計は東京都・神奈川県で直近に成約した契約が対象という、そもそも見ているものの違いです。
もう一点、見落としやすい費用があります。国土交通省の住まリテでは、賃貸の場合は毎月の家賃のほかに管理費・共益費を納める必要があると案内しています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/)。表の家賃は管理費・共益費を含まない月額家賃です。毎月の支払総額はこれより増えると考えてください。
今の家賃が高いか安いかを確かめる3つの手順
ご自身の家賃が相場のどこにあるかは、3つの手順で確かめられます。都県と間取りの行を見つけ、専有面積を差し引いて比べるのが基本の流れです。
手順1は、表からご自身の都県と間取りの行を見つけ、月額家賃を比べることです。このとき、管理費や共益費は含めず、家賃だけの金額で比べてください。表の数字も管理費を含まない家賃だからです。
手順2は、専有面積を確認することです。賃貸借契約書や部屋の資料に㎡数が書かれています。東京都の1Kなら表の面積は24.0㎡ですから、ご自身の部屋がこれより狭ければ相場より安くて当然、広ければ高くて当然ということになります。面積差を差し引いてから比べると、判断を誤りにくくなります。
手順3は、築年数・駅からの距離・設備を思い浮かべることです。表の一般的な水準より条件が良ければ相場より高め、条件が悪ければ安めが妥当です。新しくて駅が近い部屋なら、中央値を上回っていても不自然ではありません。
ここで大切なのは、表の値があくまで中央値だという点です。中央値とは真ん中の値ですから、住まいの半分はこれより高い家賃です。中央値を上回っていても高すぎるとは限らないので、大きく外れているときだけ見直しを考えれば十分です。所有物件をお持ちの方は逆で、現在の家賃が相場をかなり下回っているなら、次の募集のときに見直す余地があります。そして、より確かな判断をしたいときは、都県単位ではなく駅や区まで絞った成約データで見ることをおすすめします。
よくある質問
Q. 東京都で一人暮らしをするなら、家賃はいくら見ておけばいいですか。
東京都のワンルームは85,000円、1Kは98,000円が中央値です。まずはこの金額を基準に予算を組んでください。ただし、これは家賃だけの金額です。実際の毎月の支払いには、管理費・共益費が別途上乗せされます。
Q. 神奈川県でファミリー向けの2LDKや3LDKの家賃はいくらですか。
神奈川県の2LDKは120,000円(専有面積56.4㎡)、3LDKは143,000円(同70.5㎡)が中央値です。東京都の同じ間取りは2LDKが240,000円、3LDKが290,000円ですから、神奈川県はおよそ半額前後という関係になります。広い部屋を探す方ほど、この差は大きく効いてきます。
Q. 自分の家賃が相場より2万円高い場合、どうすればいいですか。
まず、専有面積・築年数・駅からの距離で説明がつくかを確認してください。表の面積より広い、建物が新しい、駅に近いといった事情があれば、2万円の差は説明がつきます。それでも理由が見当たらないときは、契約更新のタイミングで管理会社に相談する方法があります。ただし、値下げの相談が必ず通るわけではありませんので、同じ条件の別の物件を探すことも並行して検討してください。
Q. この記事の家賃相場と、ポータルサイトの家賃相場はなぜ違うのですか。
対象と計算の方法が違うためです。本記事の数字は、東京都・神奈川県で実際に契約が成立した家賃の中央値です。一方、LIFULL HOME’Sは掲載中の賃貸住宅の賃料データから平均家賃を算出しており(LIFULL HOME’S https://www.homes.co.jp/chintai/price/)、CHINTAIも条件未指定のときは築20年以内・管理費や駐車場代を除く掲載中物件の平均として表示しています(CHINTAI https://www.chintai.net/rent/tokyo/area/1k/)。募集中の金額の平均か、成約した金額の中央値かという違いが、数字の差になって表れます。
まとめ
東京都・神奈川県で成約したデータを集計すると、家賃の中央値は月98,000円でした。同じ間取りでも都県によって差があり、1Kでは差が見られ、2LDKではより大きな開きがあります。ご自身の家賃を判断するときは、都県と間取りの行を見つけ、専有面積の違いを差し引いたうえで比べてください。
ご自身の物件や今の住まいの家賃が相場のどこにあるかは、駅や区まで絞った実際の成約データで見るのが早道です。
参考文献・出典
- 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)
- 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果 – https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
- 総務省統計局 統計FAQ 18A-Q19 借家の家賃 – https://www.stat.go.jp/library/faq/faq18/faq18a19.html
- 国土交通省 住まリテ 住まいにはどんな費用がかかる? – https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/
- 国土交通省 <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html
- 国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
- 国税庁 消費税のしくみ – https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm
- LIFULL HOME’S 家賃を調べる[目安・平均]なら家賃相場 – https://www.homes.co.jp/chintai/price/
- CHINTAI 東京都の1Kの家賃相場 – https://www.chintai.net/rent/tokyo/area/1k/