この記事の結論
- 練馬区の土地相場データには無料の「空き家なんでも相談会」があり、売却・相続登記・境界確定をまとめて相談できます。
- 相続した空き家を売ると、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
- 売却前に区の相談窓口・税務相談・不動産取引相談の3つを順番に活用するのが最短ルートです。
練馬区に空き家を持っていて、「売りたいけど何から始めればいいかわからない」と感じている方は多いのではないでしょうか。相続した実家をそのままにしている、住み替えで古い家が残っている、そういった事情を抱えながら、手続きの複雑さに踏み出せずにいるケースは少なくありません。この記事では、練馬区が用意している無料相談の仕組みや、売却時に使える税の特例、そして売却までの大まかな流れを、不動産の知識がなくても理解できるよう順を追って説明します。
まず「どうしたいか」を決めることが出発点

空き家をどうするかは、大きく3つの選択肢に分かれます。「このまま住み続ける」「誰かに貸す」「売る」の3つです。この記事は「売る」ことを検討している方に向けて書いていますが、迷っている段階でも相談窓口は使えます。
売ることを選ぶ理由はさまざまです。固定資産税や管理の手間が続くのが負担、相続人が複数いて維持が難しい、老朽化が進んでいる、といった事情が多いようです。いずれにせよ、「売る」と決める前に一度専門家に相談することで、思わぬ選択肢が見つかることがあります。練馬区にはそのための窓口が整っています。
売却を進める前に確認しておきたいのは、物件の名義です。相続した家の場合、まだ亡くなった方の名義のままになっていることがあります。名義変更(相続登記)が済んでいないと売却手続きが進められないため、この点は早めに確認しておきましょう。
ここまでのまとめ: 売る前に名義確認と専門家への相談を先に済ませると、その後の手続きがスムーズになります。
お持ちのマンションは、いま売るといくらか 無料のAI査定で確かめる
練馬区の無料相談窓口を活用する

練馬区には、空き家の売却を考えている方が無料で使える相談の場が複数あります。それぞれ対応できる内容が異なるため、自分の状況に合った窓口を選ぶことが大切です。
まず知っておきたいのが、「空き家なんでも相談会」です。練馬区が空き家対策に関して協定を締結している専門家団体と連携して定期開催しており、売買・賃貸・相続登記・境界確定などについてワンストップで相談できます(練馬区公式サイト)。予約不要・先着順で、相談時間は約20分です。費用は無料なので、「何を聞けばいいかもわからない」という段階でも気軽に足を運べます。
次に、練馬区の区民相談には「不動産取引事前相談」があります。これは、不動産の売買や賃貸に関する紛争や事故を未然に防ぐための相談で、宅地建物取引士(宅建士)が対応します。宅建士とは、不動産取引の専門資格を持つ国家資格者のことです。売却の流れや契約上の注意点など、具体的な疑問を持ち込むのに適した窓口です(練馬区公式サイト)。
さらに、売却後の税金が心配な方には「税務相談」も用意されています。相続税・贈与税・譲渡所得(売却で得た利益にかかる税)など、国税に関する相談ができます(練馬区公式サイト)。売却前に税負担の見通しを立てておくことで、売り時や価格設定の判断がしやすくなります。
ここまでのまとめ: 練馬区には無料の相談窓口が3種類あり、状況に応じて使い分けることができます。
相続した空き家を売るときの税の特例
相続した空き家を売る場合、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります(国税庁)。譲渡所得とは、売却価格から取得費や諸費用を引いた「売却益」のことです。この特例を使えば、税負担を大きく減らせる可能性があります。
国税庁の案内によると、相続または遺贈(遺言による財産の引き渡し)で取得した被相続人(亡くなった方)の居住用家屋または敷地を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売り、一定の要件を満たす場合に適用されます。ただし、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上いる場合は、控除額が2,000万円までとなる点に注意が必要です(国税庁)。
また、空き地や使われていない土地・建物(低未利用土地等)を売る場合には、別の特例もあります。国税庁によると、令和2年7月1日から令和7年12月31日までの間に、都市計画区域内の一定の低未利用土地等を500万円以下(一定の場合は800万円以下)で売った場合、長期譲渡所得から100万円を控除できる制度があります。この特例を受けるには、確定申告書に適用を受ける旨を記載し、一定の書類を添付する必要があります(国税庁)。
練馬区では、この低未利用土地等の特例を受けるために必要な「低未利用土地等確認書」を交付しています。申請には売買契約書の写しのほか、現況が空き家・空き地・空き店舗であることが記載された不動産広告、または電気・ガス・水道の使用中止日がわかる書類などが必要です(練馬区公式サイト)。
ここまでのまとめ: 相続した空き家の売却には税の特例が使える場合があり、区の窓口で確認書の交付も受けられます。
売却前に確認しておきたい「境界」の問題
空き家の売却で意外と時間がかかるのが、土地の境界確認です。境界とは、自分の土地と隣の土地の境目のことで、これが明確でないと売却がスムーズに進まないことがあります。
東京都行政書士会の空き家相談ガイドによると、境界が不明な場合は、隣接するすべての土地の所有者の立会いのもとで測量士が測量を行い、全員が署名押印した「境界確認書」を互いに保管するという手順が示されています。この作業には時間と費用がかかることがあるため、売却を決めたら早めに確認しておくことをおすすめします。
また、同ガイドでは、不動産取引は専門性を要するため、安全・円満・円滑な取引のためには信頼できる宅建業者(不動産会社)を活用することが勧められています。売却の流れや価格の妥当性など、専門家のサポートを受けながら進めることが、トラブルを防ぐうえで重要です。
練馬区の「空き家なんでも相談会」では、境界確定についても相談できます。境界の問題を抱えている場合は、この窓口を最初の一歩として活用するのが現実的です。
ここまでのまとめ: 境界が不明な土地は売却前に確認が必要で、区の相談会でも対応してもらえます。
売却の大まかな流れと注意点
空き家の売却は、大きく「準備」「査定・媒介契約」「売却活動・契約」「引渡し」という流れで進みます。それぞれの段階で確認すべきことを押さえておくと、手続きが迷いなく進められます。
準備の段階では、名義確認・境界確認・税の特例の確認を済ませておくことが重要です。名義が亡くなった方のままであれば、相続登記を先に行う必要があります。相続登記とは、不動産の名義を相続人に変更する手続きのことです。法務局の案内によると、相続登記が未了であっても売買契約の成立は可能ですが、売却を円滑に進めるためには事前に登記を済ませておくことが望ましいとされています。
査定とは、不動産会社が物件の価格を見積もることです。複数の会社に査定を依頼して比較することで、適正な価格の目安がつかめます。媒介契約とは、不動産会社に売却活動を依頼する契約のことで、契約の種類によって活動内容や条件が異なります。どの種類を選ぶかは、不動産取引事前相談などで確認しておくと安心です。
売却活動が始まると、買いたい人が物件を見に来る「内見」が行われます。内見とは、買いたい人が実際に家の中を見に来ることです。内見後に価格交渉が行われ、合意すれば売買契約を結びます。その後、代金の受け取りと鍵の引渡しで取引が完了します。
売却後は確定申告が必要になる場合があります。特例を使う場合も申告が必要なため、売却が完了したら税務相談窓口や税理士に相談することをおすすめします。
ここまでのまとめ: 売却は準備・査定・契約・引渡しの順で進み、完了後の確定申告まで見越して動くことが大切です。
まとめ
練馬区の空き家売却相談では、無料の「空き家なんでも相談会」を入口として、不動産取引事前相談・税務相談と組み合わせて活用することが、最もスムーズな進め方です。相続した空き家には譲渡所得の控除特例が使える場合があり、区が発行する確認書も活用できます。境界の問題や名義変更など、売却前に確認すべき点は複数ありますが、いずれも区の窓口で相談できる体制が整っています。
まず「空き家なんでも相談会」に足を運ぶことで、自分の状況に合った次のステップが見えてきます。一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら進めることが、安全で納得のいく売却への近道です。
ご自身の物件がいくらになるかは、実際の成約データで見るのが早道です。
参考文献・出典
- 練馬区公式ホームページ「無料空き家なんでも相談会を開催します!(令和8年度下半期日程)」 — https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/sumai/akiya/akiyanandemosoudan.html
- 練馬区公式ホームページ「区民相談」 — https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/iken/kakushusodan/kuminsodan/index.html
- 練馬区公式ホームページ「低未利用土地等確認書の交付について」 — https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/sumai/akiya/teimiriyouti.html
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
- 国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3226.htm
- 東京都行政書士会「空き家等対策に関するガイドブック2024」 — https://www.tokyo-gyosei.or.jp/conference/akiya-support/guidebook2024.pdf