この記事の結論
- 西宮市の中古マンション実取引平均は、近年上昇傾向にあります。
- 売却価格は駅・築年数・徒歩分数で大きく変わり、駅からの距離によって価格差が生じます。
- 査定は複数社に依頼する売主が多く、複数社への相見積もりが一般的な行動です。
「うちのマンション、いくらで売れるんだろう」と気になっている方は多いと思います。特に相続・住み替え・離婚・ローンの残債など、生活の事情が重なっているときは、相場を正確に把握することが判断の出発点になります。この記事では、西宮市のマンション売却相場を実際の取引データをもとに解説します。駅別・築年数別・徒歩分数別の価格差まで具体的に紹介しますので、「自分の物件はどのくらいの価格帯なのか」をイメージしながら読み進めてください。
西宮市のマンション売却相場、まず全体像を把握しよう

西宮市の中古マンション市場は、兵庫県内でも活発な部類に入ります。まず大きな数字から確認しておきましょう。
実際の取引データをまとめたサイト(utinokati.com)によると、近年の西宮市における中古マンションの取引平均は上昇傾向を示しています。前年との比較でも上昇が確認されており、西宮市のマンション価格は上昇傾向が続いています。
一方、売り出し価格(まだ成約していない掲載中の価格)ベースでは、SUUMO掲載データで中央値2,980万円(専有面積中央値76㎡・築年数中央値31年)、マンションレビューの集計では70㎡換算で2,494万円という数字が出ています。ただし、これらは「売り出し価格」であり、実際に売れた価格(成約価格)とは異なる点に注意が必要です。SUUMOも「相場価格は成約価格を表すものではありません」と明記しています。
成約価格の参考として、近畿レインズ(不動産流通機構)の2026年7月の西宮市データでは、21件の成約で平均価格2,636万円、専有面積83.56㎡、築年数33.09年という数字が確認できます。売り出し価格より低い水準になることが多いのは、価格交渉が入るためです。
ここまでのまとめ: 西宮市の実取引は上昇傾向にありますが、売り出し価格と成約価格には差があります。
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駅によってこれだけ違う、エリア別の価格差

西宮市は阪急・阪神・JRの3路線が走り、駅によって価格帯が大きく異なります。どの駅の近くに物件があるかで、査定額が数百万円単位で変わることも珍しくありません。
実取引データ(utinokati.com、2023〜2025年集計)で駅別の㎡単価を見ると、最も高いのは西宮北口駅の60.3万円/㎡(337件)です。次いで門戸厄神駅56.7万円/㎡(158件)、夙川駅53.5万円/㎡(191件)、さくら夙川駅52.1万円/㎡(56件)と続きます。西宮北口・夙川エリアは市内でも特に高値で取引される傾向があります。
一方、同じ西宮市内でも武庫川団地前駅は19.2万円/㎡、西宮名塩駅は19.3万円/㎡、生瀬駅は20.2万円/㎡と、高値エリアの3分の1以下の水準です。山間部や郊外エリアは、利便性の差がそのまま価格差に反映されています。
売り出し価格ベースのLIFULL HOME’S(2026年9月時点)でも、駅別の平均価格は西宮駅2,716万円、さくら夙川駅2,677万円、夙川駅2,519万円、西宮北口駅2,301万円、甲子園口駅1,880万円という順になっています。実取引データと売り出し価格データで順位に多少の差はありますが、夙川・西宮・さくら夙川エリアが市内上位に位置することは共通しています。
また、マンションレビューの集計では、阪神本線・西宮駅エリアは70㎡換算で3,071万円(坪単価145.1万円)と、2026年7月時点で前年比+8.38%という大幅な上昇を記録しています。
ここまでのまとめ: 西宮北口・夙川・さくら夙川エリアが市内最高値圏で、郊外・山間部エリアとは㎡単価で3倍近い差があります。
築年数と駅徒歩分数が価格を決める2大要因
駅の場所と同じくらい価格に影響するのが、築年数と駅からの徒歩分数です。この2つを組み合わせると、自分の物件の価格帯がかなり絞り込めます。
築年数別の実取引平均(utinokati.com、2023〜2025年集計)を見ると、築10年以内は68.2万円/㎡、築10〜20年は59.5万円/㎡、築20〜30年は46.7万円/㎡、築30年以上になると25.5万円/㎡まで下がります。築10年以内と築30年以上では、同じ広さでも2倍以上の価格差が生じる計算です。たとえば70㎡の物件なら、築10年以内で約4,774万円、築30年以上で約1,785万円という試算になります。
駅からの徒歩分数も大きな要因です。同じ集計によると、徒歩5分以内の物件は52.8万円/㎡(703件)であるのに対し、徒歩16分以上では32.5万円/㎡(382件)にとどまります。つまり、駅から徒歩分数によって、1㎡あたりの価格に差があります。70㎡の物件で換算すると、約1,400万円の差になります。
LIFULL HOME’Sの築年数別データ(70㎡想定、2026年9月時点)でも同様の傾向が確認できます。築5〜10年で3,925万円、築15〜20年で4,326万円、築20年以上で2,072万円という数字が出ています。なお、築15〜20年が築5〜10年より高い点は、物件の立地や広さなど他の条件が影響している可能性があります。
専有面積については、70〜100㎡が46.7万円/㎡(2,104件)と最も取引が多く、市場の厚みがあります。50〜70㎡は43.4万円/㎡(657件)、30〜50㎡は39.0万円/㎡(75件)という順です。
ここまでのまとめ: 築年数と駅徒歩分数は価格を大きく左右し、条件次第で同じ広さでも1,000万円以上の差が出ます。
実際の売却事例と、査定を依頼するときの注意点
数字だけでなく、実際にどんな価格で売れているかを知ることも大切です。直近の売却実績例(SUUMO掲載、2026年)をいくつか見てみましょう。
阪神本線・打出駅エリアの弓場町(3LDK)は2026年9月に3,500万円台、阪急今津線・甲東園駅エリアの甲東園1丁目(4LDK)は2026年6月に5,800万円台、阪神本線・西宮駅エリアの東町1丁目(4LDK)は2026年5月に4,700万円台で売却されています。また、甲子園口エリアの松山町(3LDK)は4,400万円台、甲子園エリアの甲子園七番町(2LDK)は1,800万円台という事例もあります。同じ西宮市内でも、間取り・エリア・築年数によってこれだけ幅があります。
査定を依頼する際に知っておきたいのが、西宮市の売主の行動パターンです。LIFULL HOME’Sの利用データによると、西宮市でマンション査定を依頼した人のうち、複数社に依頼する割合が高いことが分かっています。これは、複数社に査定を依頼して比較することが、西宮市では一般的な行動になっていることを示しています。
なぜ複数社への査定が重要かというと、同じ物件でも不動産会社によって査定額が数百万円異なることがあるからです。査定額が高いからといって必ずしもその価格で売れるわけではありませんが、相場感を把握するためにも複数の意見を聞くことが判断の精度を上げます。
また、相場を自分で調べる際には、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices/)が役立ちます。実際の成約価格をもとにしたデータが四半期ごとに公表されており、一次情報として信頼性が高いです。
ここまでのまとめ: 実際の売却価格はエリアや間取りで大きく異なり、査定は複数社に依頼して比較するのが西宮市では一般的です。
売却前に確認しておきたい費用と手取り額の目安
相場を把握したら、次は「手元にいくら残るか」を計算しておきましょう。売却価格がそのまま手取りになるわけではないからです。
売却時にかかる主な費用は、仲介手数料・登記費用・譲渡所得税の3つです。仲介手数料は一般的に「売却価格×3%+6万円(税別)」が上限とされています。たとえば3,000万円で売れた場合、仲介手数料は約96万円(税別)になります。登記費用(抵当権抹消など)は数万円程度が目安ですが、司法書士への依頼費用も含めると変わります。
譲渡所得税は、売却価格から取得費用・諸費用を差し引いた利益(譲渡所得)に対してかかります。マイホームとして住んでいた物件には、一定の要件を満たせば3,000万円の特別控除が適用される場合があります。ただし、適用条件や計算方法は個別の事情によって異なりますので、税理士や税務署への確認をおすすめします。
また、売却にかかる期間についても把握しておくことが大切です。一般的には、査定依頼から売却完了まで数か月かかることが多いとされています。住み替えや相続など、タイミングが重要な場合は早めに動き始めることが安心につながります。
西宮市は推計人口48万608人(2026年9月1日現在、西宮市ホームページ)を抱える大規模都市で、居住需要は安定しています。市場の厚みがある分、適正価格で売り出せば買い手が見つかりやすい環境といえます。
ここまでのまとめ: 手取り額は売却価格から仲介手数料・登記費用・税金を差し引いた金額で、事前にシミュレーションしておくと安心です。
まとめ
西宮市のマンション売却相場は、近年上昇傾向にあります。ただし、西宮北口・夙川エリアと郊外エリアでは3倍近い価格差があり、築年数や駅徒歩分数によっても大きく変わります。「市内の平均」だけを見ても、自分の物件の価格は分かりません。駅・築年数・徒歩分数の3つを組み合わせて、自分の物件に近い条件で相場を確認することが大切です。
査定は複数社に依頼して比較することが、西宮市では一般的な行動です。売り出し価格と成約価格の違いも意識しながら、実際の取引データをもとに判断することをおすすめします。
ご自身の物件がいくらになるかは、実際の成約データで見るのが早道です。
参考文献・出典
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices/
- SUUMO 兵庫県西宮市のマンション売却価格相場 — https://suumo.jp/baikyaku/ms/chuko/soba/hyogo/sc_nishinomiya/
- LIFULL HOME’S 西宮市の中古マンション価格相場 — https://www.homes.co.jp/mansion/chuko/hyogo/nishinomiya-city/price/
- LIFULL HOME’S 兵庫県西宮市のマンション売却価格相場・査定経験者データ — https://www.homes.co.jp/satei/mansion/hyogo/nishinomiya-city/
- マンションレビュー 西宮市の中古マンションランキング — https://www.mansion-review.jp/mansion/city/1296.html
- マンションレビュー 西宮駅のマンションの売却相場 — https://www.mansion-review.jp/baikyaku/station/3500117/souba.html
- utinokati.com 西宮市の中古マンション相場・㎡単価と価格推移 — https://utinokati.com/details/mansion/place/28204/
- 西宮市ホームページ 推計人口・住民基本台帳人口 — https://www.nishi.or.jp/shisei/tokei/jinko/jinko.html
- 近畿レインズ 近畿圏市況レポート(月報)No.164 2026年8月号 — https://www.kinkireins.or.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2026/08/monthlyreport_164.pdf
- 近畿レインズ マンスリーレポートバックナンバー — https://www.kinkireins.or.jp/monthlyreport/
一橋大学大学院MBA修了。大手デベロッパー法人部門、買取再販会社を経て現職。区分リノベ再販・都心事業用物件の買取再販を手がけ、業界7年の知見で記事を監修。
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