この記事の結論
- 更新料の目安は家賃1か月分程度だが、地域差が大きく不要な地域も多い。
- 更新時には更新料のほか、更新手数料・保証料・火災保険料がかかる場合がある。
- 費用の有無と金額は契約書に記載があるかどうかで決まり、記載がなければ支払い義務はない。
賃貸物件に住んでいると、2年に一度ほどのタイミングで「契約更新」の案内が届きます。「更新料って結局いくらかかるの?」「更新料以外にも費用が発生するの?」と不安に感じる方は少なくありません。実は更新時の費用は更新料だけでなく、更新手数料・保証料・火災保険料など複数の項目が重なることがあり、合計すると想定以上の出費になるケースもあります。この記事では、契約更新時にかかる費用の種類と目安、地域による違い、そして費用を正しく確認する方法をわかりやすく解説します。
更新料の相場と地域による大きな違い

まず押さえておきたいのは、更新料には法令上の根拠規定がないという点です。国土交通省の資料によると、更新料は「法令上根拠となる規定がなく、必ずしも全国的な慣習でもない」とされており、国土交通省の賃貸住宅標準契約書にも記載がありません(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001399558.pdf)。つまり、更新料は「慣習」や「契約上の取り決め」によって発生するものであり、全国一律ではないのです。
一般的には家賃1か月分程度が目安として案内されることが多く、関東圏では新家賃の1〜2か月分と説明されるケースもあります。一方で、北海道や大阪府など更新料の慣習がほとんどない地域も存在します。調査によると、地域によって更新料の水準に大きな差があり、関東圏が高い傾向にある一方、北海道や大阪府は非常に低い水準であることが報告されています。
重要なのは、契約書に更新料の取り決めがなければ、借主は更新料を支払う義務がないという点です。東京都の消費生活総合センターも「契約時に説明がなく契約書に更新料の取り決めがなければ支払う必要はありません」と明示しています(東京都消費生活総合センター https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/faq/main/137.html)。更新の案内が届いたら、まず手元の契約書で更新料の記載を確認することが最初のステップです。
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更新手数料とは何か、誰に払うのか

更新料とよく混同されるのが「更新手数料」です。更新料が貸主(大家さん)に支払うものであるのに対し、更新手数料は不動産管理会社などの業者に支払う事務代行費用です。この2つは別物であり、場合によっては両方請求されることもあります。
更新手数料についても、宅地建物取引業法に規定がないため、法的な根拠は薄いとされています。東京都消費生活総合センターの解説では、「不動産業者が貸主から更新手続きを頼まれて契約書の書き換えをする場合には、不動産業者は事務代行を依頼した貸主に手数料を請求するのが筋」という考え方も示されています(東京都消費生活総合センター https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/faq/main/138.html)。
金額の目安としては、国土交通省の住宅市場動向調査によると、更新手数料がある世帯は44.7%で、手数料を取る場合は「1か月ちょうど」が61.5%で最も多いという結果が出ています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)。一方、管理会社によっては定額制を採用しているところもあり、たとえばユーミーネットでは税込11,000円としている例があります(ユーミーネット https://you.you-me.co.jp/faq/operation_011)。更新手数料は契約書に記載がない場合、支払い義務があるか慎重に確認する必要があります。
保証料と火災保険料も忘れずに確認
更新時の費用として見落としがちなのが、保証会社への更新保証料と火災保険料です。近年は連帯保証人の代わりに保証会社を利用する物件が増えており、その場合は毎年または2年ごとに保証料の更新が必要になります。
保証料の相場は、保証会社や契約内容によって異なるとされています。複数の保証会社では年間1万円程度の事例が報告されており、賃料に応じた比率で設定する会社もあります。保証会社や契約内容によって金額は異なるため、自分の契約書で確認することが大切です。
火災保険についても、賃貸借契約期間と火災保険の契約期間が同じ場合には、更新時に火災保険も更新または加入し直す必要が生じやすいとされています(アットホーム https://www.athome.co.jp/contents/manual/beginner/contractrenewal/point-of-rent/)。火災保険料の目安として、補償内容によって価格差が大きいため、更新のタイミングで複数の保険を比較検討してみるのもよいでしょう。
更新月に必要な費用の合計イメージ
実際に更新月を迎えると、複数の費用が重なって請求されることがあります。たとえば家賃8万円の物件で更新料1か月分・更新手数料1万円・保証料1万円・火災保険料がすべて発生した場合、更新月の出費は通常の家賃に加えて相応の金額になる計算です。さらに、更新時の費用には毎月の家賃は含まれていないため、通常どおりの家賃支払いも別途必要になります(エイブル https://www.able.co.jp/tenant/contract/)。
ただし、これはあくまで複数の費用が重なった場合の一例です。更新料がない地域や物件、保証会社を使っていないケース、火災保険の契約期間が賃貸契約と異なるケースでは、費用は大幅に少なくなります。重要なのは、更新の案内が届いたら早めに契約書を確認し、何にいくらかかるかを把握しておくことです。費用の内訳が不明な場合は、管理会社や不動産会社に書面で確認を求めることをおすすめします。
なお、更新費用を根本的に避けたい方には、UR賃貸住宅という選択肢もあります。UR賃貸住宅は更新料・更新手数料・保証料がすべて不要で、火災保険料の支払いも任意となっています(UR都市機構 https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202002/000469.html)。入居条件や物件の立地など別の検討事項はありますが、更新費用の負担を避けたい方にとっては有力な選択肢のひとつです。
また、普通借家契約と定期借家契約では更新の仕組みが異なる点にも注意が必要です。定期借家(定期建物賃貸借)は更新という概念がなく、期間満了後に住み続けるには「再契約」が必要になります(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/teishaku/tc01-010.html)。自分の契約がどちらの形式かを確認しておくことも大切です。
まとめ
賃貸の契約更新時にかかる費用は、更新料・更新手数料・保証料・火災保険料の4種類が主なものです。更新料の目安は家賃1か月分程度とされることが多いですが、地域によって大きな差があり、そもそも更新料の慣習がない地域も存在します。また、更新料には法令上の根拠がなく、契約書に記載がなければ支払い義務はありません。
更新の案内が届いたら、まず契約書を確認して費用の有無と金額を把握することが最優先です。不明な点は管理会社に書面で確認し、納得したうえで手続きを進めましょう。更新のタイミングは火災保険の見直しや、場合によっては引越しを検討するよい機会でもあります。費用の全体像を正しく理解して、賢く対応してください。
参考文献・出典
- 国土交通省「賃貸住宅の入居・退去に係る留意点 Q&A(更新料)」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001399558.pdf
- 東京都消費生活総合センター「賃貸アパートの更新に、更新料が必要か。」 — https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/faq/main/137.html
- 東京都消費生活総合センター「アパートの更新をするが、更新料のほかに更新手数料を払う必要があるか。」 — https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/faq/main/138.html
- 国土交通省「住宅市場動向調査(民間賃貸住宅に関する結果)」 — https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf
- 国土交通省「定期賃貸住宅契約に付いての説明(借地借家法第38条第2項関係)」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/teishaku/tc01-010.html
- UR都市機構「賃貸物件にかかる費用。初期費用・更新費用の内訳と安く抑える方法」 — https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202002/000469.html
- アットホーム「更新料の注意点と契約時に押さえておきたいポイント」 — https://www.athome.co.jp/contents/manual/beginner/contractrenewal/point-of-rent/