この記事の結論
- 1都3県の中古マンションは築20〜25年で㎡単価750,000円、70㎡なら5,300万円です。
- 価格が大きく落ちるのは築25年からで、水準は築5年以内の49%まで下がります。
- 築30年を過ぎると下げ止まり、築40年超でも70㎡で2,700万円で取引されています。
中古マンションの価格は、築年数が上がるほど下がります。ただ、その下がり方は一定ではありません。ゆるやかに下がる時期と、一気に落ちる時期が分かれています。ご自身のマンションが今どのあたりにいるのかが分かれば、売るかどうかの判断もしやすくなります。この記事では、実際の取引価格を集計したデータをもとに、築年数ごとの1㎡あたりの価格と、70㎡に換算した金額をお見せします。あわせて、なぜその年数で価格が動くのか、築古でも価格が落ちにくい物件はどんなものかまで説明します。不動産の知識がない方でも読み進められるように、専門用語には一つずつ説明を付けています。
築年数別の㎡単価はいくらか

まず実際の数字をご覧ください。国土交通省が公表している実際の取引価格のうち、1都3県の中古マンションを築年数別に集計したものです。
| 築年数 | 取引件数 | 1㎡あたりの価格 | 70㎡ならいくらか | 築5年以内を100とした水準 |
|---|---|---|---|---|
| 築5年以内 | 13,831 | 1,187,000円 | 8,300万円 | 100% |
| 築5〜10年 | 26,746 | 1,040,000円 | 7,300万円 | 88% |
| 築10〜15年 | 22,526 | 973,000円 | 6,800万円 | 82% |
| 築15〜20年 | 28,628 | 833,000円 | 5,800万円 | 70% |
| 築20〜25年 | 27,934 | 750,000円 | 5,300万円 | 63% |
| 築25〜30年 | 23,672 | 583,000円 | 4,100万円 | 49% |
| 築30〜40年 | 33,815 | 400,000円 | 2,800万円 | 34% |
| 築40年超 | 44,449 | 380,000円 | 2,700万円 | 32% |
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)
表の見方は簡単です。ご自身のマンションの築年数の行を探し、「1㎡あたりの価格」を見てください。たとえば築22年で70㎡のお住まいなら、「築20〜25年」の行が当てはまります。1㎡あたり750,000円ですから、70㎡なら5,300万円が目安です。60㎡なら約4,500万円、80㎡なら約6,000万円と、広さに応じて計算できます。
一番右の列は、築5年以内の価格を100としたときの水準です。築20〜25年で63%、築25〜30年で49%と、この5年間で14ポイントも下がっています。これが「築25年の壁」と呼ばれるものの正体です。
なお、この集計は1都3県に限ったものです。同じ築年数でも、東京都心と郊外では金額がまったく違います。表の数字は1都3県をまとめた平均だとご理解ください。ご自身の物件が平均より上か下かは、立地によって変わります。
お持ちのマンションは、いま売るといくらか 無料のAI査定で確かめる
価格が落ちるのは築何年からか

答えは築25年です。そこまでは比較的ゆるやかに下がり、築25年を境に落ち方が急になります。
築5年以内から築20〜25年までの20年間で、水準は100%から63%まで下がります。単純に計算すると、1年あたり2%弱のペースです。この間は毎年少しずつ下がっていく感覚に近いでしょう。
ところが築25〜30年になると49%、築30〜40年では34%まで落ちます。築25年以降、価格が大きく下落する傾向が見られます。1㎡あたりで見ると、750,000円だったものが400,000円になる計算です。70㎡なら5,300万円が2,800万円ですから、その差は2,500万円にもなります。
もう一つ大事なのは、そこから先です。築30〜40年が1㎡あたり400,000円、築40年超が380,000円と、ほとんど変わりません。一定の築年数を超えると価格の下落が緩和される傾向が見られます。建物そのものの価値がほぼゼロになり、残るのは土地の持ち分の価値だからです。マンションの所有者は、建物の部屋だけでなく、その土地の一部も共有で持っています。この土地の価値は築年数では減りません。
ですから「築古だから売れない」は誤解です。築40年超でも44,449件の取引がありました。これは8つの区分のなかで最も多い件数です。実際、参考にした東日本不動産流通機構の2025年データでも、首都圏の成約物件のうち築20年超が60.3%、築41年以上が23.5%を占めています。築古は市場のなかで確かな地位を持っています。
なぜ築25年で価格が変わるのか
理由は一つではありませんが、建物と設備の節目が重なることが大きく影響します。
マンションは十数年に一度、外壁や屋上防水などをまとめて直します。これを大規模修繕といいます。この費用は、区分所有者が毎月払う修繕積立金からまかなわれます。修繕積立金とは、将来の大がかりな工事に備えて毎月ためておくお金のことです。アットホームの解説によれば、大規模修繕が最初に行われるのは築15年頃とされています。つまり築25年から30年のマンションは、2回目の修繕を控えているか、終えたばかりの時期にあたります。
設備の寿命も重なります。同じくアットホームによると、築10年から20年で給湯器やガスコンロなどが寿命を迎えやすいとされています。買う側から見れば、これらの交換費用を見込んで価格を判断することになります。
住宅ローンも影響します。金融機関によっては、築年数が古い物件への融資に慎重な姿勢を取ることがあります。みずほ銀行は商品概要のなかで、容積率や建ぺい率などが建築基準法に違反する物件はローンの申込を遠慮すると明記しています。買いたい人がローンを組みにくければ、その分だけ買い手が減り、価格にも表れます。
ただし、この集計だけでは「築25年で価格が落ちる理由」を数字として証明することはできません。集計にあるのは取引価格と築年数だけで、修繕の履歴や設備の状態までは含まれていないからです。ここで挙げた理由は、一般的にそう言われているという範囲の説明とお受け取りください。
築古でも価格が落ちにくい条件
同じ築年数でも、価格の残り方には差があります。分かりやすいのは立地です。
長谷工の仲介がまとめた首都圏のデータでは、2025年4月から6月の成約価格で、築31年以上のマンションが東京都は3,562万円、神奈川県は1,916万円、埼玉県は1,467万円、千葉県は1,409万円でした。同じ築31年以上でも、東京都と千葉県では2倍以上の開きがあります。東京カンテイの集計でも、2024年の首都圏平均が前年比マイナス1.1%だった一方、東京都だけはプラス5.0%と上昇しました。
建物の管理状態も効きます。大規模修繕をきちんと行い、修繕積立金が十分にたまっているマンションは、買う側から見て安心材料になります。逆に積立金が不足していると、買った後に一時金を求められる心配があり、その分を値引きで求められることがあります。
耐震性も判断材料です。耐震基準は1981年6月に大きく変わり、昭和56年以前に建てられた建物は旧耐震基準によるものが多いとされています。国土交通省は、古くても耐震性を満たす中古住宅について、税制上の築後経過年数要件を撤廃すると整理しています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html)。築年数そのものより、耐震性を満たしているかどうかが問われます。
自分のマンションは今いくらで売れるのか
表の数字は出発点にはなりますが、そのまま売値になるわけではありません。理由をお伝えします。
この集計は1都3県の平均です。平均ということは、同じ築20年でも、それより高い物件と安い物件が両方含まれているということです。駅からの距離、階数、向き、部屋の状態、そのマンションの管理状態で、実際の金額は上下します。表の金額から1割2割ずれることは珍しくありません。
ご自身で調べる方法もあります。国土交通省の不動産取引価格情報提供制度では、中古マンションの取引価格、建築年、最寄駅などが公開されています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html)。ご自身の最寄駅と築年数の近い物件を探せば、実際にいくらで取引されたかを見ることができます。
売り時を考えるうえでは、表の水準の列が参考になります。築20〜25年の63%から築25〜30年の49%へ落ちる手前にいるなら、そのタイミングは意識してよいでしょう。一方、すでに築40年を超えているなら、あわてる必要はありません。そこから先は価格の下落が緩和されているからです。
よくある質問
築20年のマンションの㎡単価はいくらですか。
築20〜25年で1㎡あたり750,000円です。70㎡なら5,300万円になります。築15〜20年なら833,000円で、70㎡で5,800万円です。ご自身の広さを掛けて計算してみてください。
築25年を過ぎたらすぐ売ったほうがいいですか。
一概には言えません。表では築20〜25年が63%、築25〜30年が49%ですから、この区間で水準が14ポイント下がるのは事実です。ただしこれは1都3県全体の平均です。ご自身の物件が当てはまるかは、まず国土交通省の取引価格情報で近隣の実例を確認してから判断してください。
築40年のマンションでも売れますか。
売れます。この集計では築40年超の取引が44,449件あり、8つの区分で最も多い件数でした。1㎡あたり380,000円、70㎡で2,700万円が目安です。
住宅ローンの金利は今どれくらいですか。
買う側が使う金利の目安として、住宅金融支援機構のフラット35は2026年9月資金受取分で、借入期間21〜35年・融資率9割以下の場合、年3.460%から年5.690%と公表されています(住宅金融支援機構 https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top)。銀行の変動金利は三菱UFJ銀行が2026年9月借入で年1.195%としています。金利が上がれば買える金額が下がるため、価格にも影響します。
まとめ
築20〜25年なら1㎡あたり750,000円、70㎡で5,300万円が1都3県の目安です。価格が大きく落ちるのは築25年からで、築40年を過ぎると下げ止まります。表の数字は平均ですから、立地と管理状態でここから上下します。
ご自身のマンションが今いくらなのかは、平均ではなく実際の成約データで確かめるのが早道です。
参考文献・出典
- 株式会社青山地所 自社データベース(集計 2026年09月時点、国土交通省 不動産取引価格情報より1都3県を集計)
- 国土交通省 不動産取引価格情報提供制度 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html
- 住宅金融支援機構 最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】 – https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top
- 東日本不動産流通機構 REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年) – https://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202502.pdf
- 東京カンテイ 2024年・年間平均中古マンション価格 – https://www.kantei.ne.jp/wp-content/uploads/2025/02/c2024.pdf
- 長谷工の仲介 マンション売却相場に築年数は影響する? – https://www.haseko-chukai.com/column/sell/apartment-age.html
- アットホーム 中古マンションを買うなら築何年? – https://www.athome.co.jp/contents/for-buyers/baibai-keiyaku/used-mansion-building-age/
- LIFULL HOME’S 中古マンションの築年数、買い時はどのくらい? – https://www.homes.co.jp/cont/buy_mansion/buy_mansion_00708/
- みずほ銀行 みずほ住宅ローン商品概要 – https://www.mizuhobank.co.jp/loan_housing/lineup/housingloan_lineup/index.html
- 三菱UFJ銀行 住宅ローン金利 – https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html