「家を売りたいけれど、何から始めればいいのかわからない」と感じている方は多いのではないでしょうか。不動産の売却は人生で何度も経験するものではないため、手順や費用、税金の仕組みがわからず不安になるのは当然のことです。この記事では、家を売るときに必ず知っておきたい基本の流れから、媒介契約の種類、売却にかかる費用、そして税金の特例まで、初心者の方でも理解しやすいように順を追って解説します。2026年9月現在の最新情報をもとにまとめていますので、ぜひ最後まで読んで、安心して売却活動をスタートさせてください。
売却前にまず相場を自分で調べる理由

家を売る第一歩は、不動産会社に連絡する前に自分で価格相場を把握することです。相場を知らないまま査定を受けると、不動産会社の説明が理解しにくく、提示された価格が適正かどうかを判断する基準がありません。一方、事前に相場を調べておけば、担当者との会話がより深まり、的確な質問もできるようになります。
相場を調べる方法としては、国土交通省が公開している不動産取引価格情報や、不動産ポータルサイトの売り出し事例を参考にするのが一般的です。同じエリアの似た条件の物件がどのくらいの価格で取引されているかを確認することで、自分の家のおおよその価値を把握できます。ただし、あくまでも参考値であり、実際の売却価格は物件の状態や市場の動向によって変わります。
また、国土交通省の告示(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001883957.pdf)によると、不動産会社は売買価額について意見を述べるとき、その根拠を明らかにしなければならないとされています。査定を受けた際には「なぜこの価格なのか」を必ず確認し、根拠のある説明を求めることが大切です。複数の会社に査定を依頼して比較することで、より客観的な相場感をつかむことができます。
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媒介契約の種類と選び方

売却活動を始めるには、不動産会社と「媒介契約」を結ぶ必要があります。媒介契約とは、不動産会社に売却の仲介を依頼するための契約のことで、アットホームの解説(https://www.athome.co.jp/contents/for-sellers/sellers-kiso/baikai-keiyaku/)によると、一般・専任・専属専任の3種類があります。それぞれ売却活動の自由度や不動産会社からの報告頻度が異なるため、自分の状況に合った契約を選ぶことが重要です。
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に依頼できる契約です。より多くの会社が動いてくれるため、幅広い買主候補にアプローチできる反面、各社の活動状況を自分で管理する手間がかかります。また、報告義務が任意のため、進捗が把握しにくいという面もあります。
専任媒介契約は、1社のみに依頼する契約ですが、自分で買主を見つけて直接売買することは認められています。国土交通省によると、契約から7日以内にレインズ(不動産流通標準情報システム)への登録が義務付けられており、2週間に1回以上の業務報告が受けられます。一方、さらに厳格な専属専任媒介契約では、レインズ登録が5日以内、報告は1週間に1回以上と定められており、不動産会社の活動を密に把握したい方に向いています。なお、専属専任では自分で見つけた買主との直接売買もできません。
どの契約を選ぶかは、売却を急いでいるか、複数社に競わせたいか、担当者との連携を重視するかによって変わります。初めて家を売る方は、報告頻度が高く進捗を把握しやすい専任媒介または専属専任媒介を選ぶケースが多い傾向にあります。
売却時にかかる費用を把握する
家を売るときは、売却代金がそのまま手元に入るわけではありません。SUUMO住まいの売却ガイド(https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/jitaku_baikyaku)によると、査定の依頼や媒介契約の締結には基本的にお金はかかりませんが、売買契約を結ぶ段階からさまざまな費用が発生します。
売買契約を締結する際には、買主から手付金が支払われます。同時に、契約書に貼付する印紙税の支払いが必要になります。また、不動産会社への仲介手数料は、売買契約時に半額、引き渡し時に残りの半額を支払うのが一般的です。仲介手数料の具体的な上限額については、宅地建物取引業法に定めがありますので、詳細は各不動産会社または国土交通省の公式サイトでご確認ください。
さらに、住宅ローンが残っている場合は、売却代金でローンを完済し、金融機関に抵当権を抹消してもらう手続きが必要です。抵当権抹消にかかる登録免許税や司法書士への報酬も費用として見込んでおく必要があります。売却前に「手元にいくら残るか」を試算しておくことが、次の住まい探しや資金計画を立てるうえで非常に重要です。
売却益にかかる税金と3,000万円特別控除
家を売って利益が出た場合は、譲渡所得税がかかります。国税庁の情報(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/fudousan.htm)によると、譲渡所得は「譲渡価額 −(取得費+譲渡費用)= 譲渡所得金額」という計算式で求めます。取得費とは購入時の価格や諸費用、譲渡費用とは仲介手数料や測量費など売却のために直接かかった費用のことです。
ただし、マイホームを売る場合は大きな税制優遇があります。国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)によると、マイホームを売ったときは、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。たとえば売却益が2,500万円であれば、この特例を使うことで課税対象がゼロになる計算です。多くのマイホーム売却では、この特例によって税負担が大幅に軽減されます。
さらに、売った年の1月1日時点で所有期間が10年を超えるマイホームの場合は、3,000万円特別控除を適用した後の課税長期譲渡所得に対して、軽減税率が適用される特例も用意されています(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm)。長く住んだ家を売る方にとっては、さらに有利な制度です。
ただし、これらの特例には適用条件があります。重要なのは、以前に住んでいた家屋は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件とされている点です(国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)。転居後に売却を検討している方は、この期限を意識して計画を立てることが大切です。適用条件の詳細は国税庁の公式サイトまたは税理士にご確認ください。
まとめ
家を売るときは、まず自分で相場を調べ、複数の不動産会社に査定を依頼することから始めましょう。媒介契約は一般・専任・専属専任の3種類があり、それぞれ報告頻度や活動の自由度が異なります。売却時には仲介手数料や印紙税などの費用が発生するため、手元に残る金額を事前に試算しておくことが重要です。また、マイホームの売却では最高3,000万円の特別控除という大きな税制優遇が使えますが、住まなくなってから一定期間内に売ることが条件となります。税金の特例は条件が細かいため、確定申告の際には税理士や国税庁の公式情報を必ず参照してください。正しい知識を持って臨めば、家を売るプロセスはきっとスムーズに進められます。
参考文献・出典
- SUUMO住まいの売却ガイド「自宅売却の方法と流れとは?」 – https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/jitaku_baikyaku
- アットホーム「不動産会社と結ぶ『媒介契約』の種類とは」 – https://www.athome.co.jp/contents/for-sellers/sellers-kiso/baikai-keiyaku/
- 国土交通省「価格査定マニュアルの改訂経緯(一部抜粋)」 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001883957.pdf
- 国税庁「不動産等を売却した方へ|令和7年分 確定申告特集」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/fudousan.htm
- 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
- 国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm