岐阜駅の北口が、いま大きく生まれ変わろうとしています。「再開発が進んでいると聞いたけれど、実際どんな計画なのだろう」「不動産投資に影響はあるのだろうか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。岐阜駅北口では、金華橋通りを挟む中央東地区と中央西地区の2つのエリアで、それぞれ市街地再開発事業が同時に進行しています。この記事では、岐阜市の公式情報をもとに、再開発の概要から現在の進捗、街への影響、不動産投資との関係までを、初心者にもわかりやすく整理して解説します。
岐阜駅北口再開発の全体像
まず押さえておきたいのは、今回の再開発がどのような規模と目的で行われているかという点です。岐阜駅北口の再開発は、金華橋通りを挟んで向かい合う「岐阜駅北中央東地区」と「岐阜駅北中央西地区」を対象とした、第一種市街地再開発事業として進められています(岐阜市公式ホームページ)。JR岐阜駅と名鉄岐阜駅という2つの主要駅に近接した、市の玄関口にあたる一等地での開発です。
第一種市街地再開発事業とは、老朽化した建物が集まる地区を一体的に整理し、権利者の土地や建物の権利を新しいビルの床に置き換える形で街を再構築する手法のことです。岐阜駅北口のこのエリアは、交通結節点として優れた立地条件を持ちながら、都市機能の更新が長年の課題とされてきました。そのポテンシャルを引き出すため、商業・業務・住宅・駐車場を複合的に備えた高層ビルを建設する計画が動いています。
住宅の供給規模も注目すべきポイントです。2022年の都市計画変更時点では、住宅の目標戸数は中央西地区で約250戸、中央東地区で約200戸とされていました(岐阜市公式ホームページ)。さらに参加組合員発表の段階では、東西2地区をあわせた共同住宅の規模が公表されています。駅前という好立地に、まとまった規模の住宅が新たに供給される計画だという点が特徴です。
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中央東地区の計画と最新の進捗
2つの地区のうち、事業が先行しているのが中央東地区です。最新の公表ベースでは、岐阜市の公表資料によると地上34階・地下1階・塔屋1階という岐阜市内でも有数の超高層ビルが計画されています。構造は鉄筋コンクリート造の一部を鉄骨造とした複合的なもので、主要用途は商業・業務・住宅・駐車場です。まさに駅前の顔となる大規模な開発だといえます。
進捗面では、大きな節目を迎えています。中央東地区は2026年2月に権利変換計画の認可を受け、現在は除却工事が進められている段階です(岐阜市公式ホームページ)。権利変換計画とは、再開発前の土地や建物の権利を、新しく建つビルの床の権利へ置き換えるための重要な手続きを指します。この認可が下りたことで、事業は構想段階から具体的な工事フェーズへと確実に前進しました。
岐阜市の市長定例記者会見によると、令和8年度(2026年度)中には地区全体の本格的な解体工事に着手される見通しが示されています。また、2026年度当初予算案では中央東地区に8億6,000万円が計上され、その中心は除却工事に充てられ、令和9年度以降に建築工事へ移行する計画とされています(岐阜市公式ホームページ)。予算の内訳からも、東地区が着実に建設段階へ近づいていることが読み取れます。
中央西地区の計画見直しと現状
一方、中央西地区は東地区とは異なる歩みをたどっています。見直し後の規模は「20階程度」とされ、用途は東地区と同じく商業・業務・住宅・駐車場の複合施設です(岐阜市公式ホームページ)。もともとは東地区と並ぶツインタワー構想でしたが、計画の見直しを経て現在の規模に落ち着いた経緯があります。
見直しの背景にあるのは、建設を取り巻く社会的な事情です。2025年2月の計画見直しでは、資材費や人件費の高騰が理由として明示されています(建設通信新聞Digital)。この見直しにより、完成目標は東地区が2029年度、西地区が2030年度へとそれぞれ後ろ倒しになりました。建設コストの上昇という全国的な課題が、地方都市の再開発にも影響を及ぼしている現実がここに表れています。
西地区は現在、事業を前進させるための調整段階にあります。2026年5月時点では、施工を担う新たなゼネコン候補との協議がすでに進められていることが、市長定例記者会見で説明されています(岐阜市公式ホームページ)。中央西地区の再開発組合の公式サイトによると、令和8年度以降に建築プランの決定・実施設計・権利変換を進め、令和12年度(2030年度)の完成を目標に掲げています。2026年度予算案でも西地区に4億2,180万円が計上され、建物や移転に伴う補償が中心的な内容とされています(岐阜市公式ホームページ)。
ただし、西地区については最終的な階数・高さ・延床面積・住戸数や、新たなゼネコンの正式契約時期、権利変換計画の認可時期など、まだ確定していない要素が残っています。今後の公表情報を継続的に確認していくことが欠かせません。
歩行者用デッキが変える駅前の回遊性
今回の再開発の大きな特徴は、ビルの建設だけにとどまらない点にあります。岐阜市は、駅と再開発ビルをつなぐ歩行者用デッキの整備を、再開発と歩調を合わせて進める方針を打ち出しています。市の提案説明によると、この歩行者用デッキの工事に着手する方針が2026年度の施策として示されました(岐阜市公式ホームページ)。
歩行者用デッキとは、地上から一段高い位置に設けられた通路のことです。車道と歩行者の動線を立体的に分離できるため、安全性が高まるうえ、駅からビルへの移動もスムーズになります。2026年5月時点では、地区全体の本格的な解体工事が始まる東地区側で、いよいよデッキの基礎工事に入る段階だと説明されています(岐阜市公式ホームページ)。工事はまず東地区側から具体的に動き出していく形です。
デッキが整備されれば、JR岐阜駅・名鉄岐阜駅・再開発ビルが立体的につながり、駅前エリア全体の回遊性が高まることが期待されます。買い物や通勤・通学の動線が改善されれば、駅前の賑わいも生まれやすくなるでしょう。なお、デッキの完成時期や延長、接続先の詳細については現時点で確定した情報が限られているため、最新情報は岐阜市の公式サイトで確認することをおすすめします。
再開発が街の機能にもたらす変化
今回の再開発は、単なる建物の建て替えではなく、岐阜駅北口エリアの都市機能そのものを再編する取り組みだといえます。東地区に地上34階の高層ビルが完成すれば、オフィスや商業施設が集積し、岐阜市の業務・商業の中心地としての性格が一段と強まります。企業の進出や雇用の創出につながる可能性もあり、街全体の活性化が期待できます。
同時に、両地区に住宅機能が備わることで、駅に近い都市型の居住ニーズにも応えられる複合的な街づくりが進みます。前述のとおり、東西あわせて数百戸規模の住宅供給が想定されており、通勤・通学に便利なライフスタイルを求める層にとって選択肢が広がります。商業・業務・住宅が一体となった街区が形成されることで、昼と夜、平日と休日を問わず人が集まる空間へと変わっていくことが見込まれます。
東地区が商業・業務の拠点として、西地区が住宅を含む複合機能を担いながら、駅前全体として多様な役割を分担していくイメージです。金華橋通りを挟んだ2つの地区が連携することで、岐阜市の玄関口にふさわしい都市空間が形づくられていくと考えられます。
不動産投資の観点から見た岐阜駅北口
岐阜駅北口の再開発は、不動産投資を検討している方にとっても見逃せない動きです。ポイントは、大規模な再開発が進むエリアでは、周辺の不動産価値や賃貸需要に変化が生じる可能性があるという点にあります。駅前の利便性が高まることで、居住需要や商業需要が押し上げられる傾向は、一般論として知られています。
岐阜駅北口の場合、地上34階の東地区ビルと20階程度の西地区ビルが完成し、歩行者用デッキで駅と直結する構想が描かれています。数百戸規模の住宅が新たに供給されることは、周辺の賃貸市場にも一定の影響を与える可能性があります。新築の駅直結物件が登場すれば、既存物件との競合や、エリア全体の家賃水準への波及も考えられます。
一方で、注意すべき点も少なくありません。すでに触れたように、西地区の最終的な規模やゼネコンの正式契約、テナント構成、デッキの完成時期など、確定していない要素が数多く残っています。完成時期も見直しを経て後ろ倒しになった経緯があり、今後さらに変動する可能性も否定できません。投資判断を行う際は、こうした不確実性を踏まえたうえで、岐阜市の公式ホームページや最新の報道を継続的に確認することが大切です。個別の物件の収益性や市場環境は事情によって大きく異なるため、必要に応じて専門家への相談も検討してみてください。
なお、より詳しく一次情報を追いたい場合、岐阜市は東西両地区の「施行地区及び設計の概要を表示する図書」の縦覧先を公式サイトに掲載しています。事業の詳細を確認したい方は、こうした公的な資料にあたることで、より正確な情報を得られます。
まとめ
岐阜駅北口では、金華橋通りを挟む中央東地区(地上34階・地下1階・塔屋1階)と中央西地区(20階程度)の2地区で、第一種市街地再開発事業が進んでいます。東地区は2026年2月に権利変換計画が認可され、除却工事から本格的な解体工事へと段階を進めています。西地区は資材費・人件費の高騰を受けて規模と完成時期が見直され、新たなゼネコンとの協議を経て2030年度の完成を目標に事業が動いています。さらに、駅と再開発ビルをつなぐ歩行者用デッキも2026年度に東地区側で基礎工事に入る予定です。商業・業務・住宅が複合した新しい駅前の姿が、着実に形になりつつあります。確定していない要素も残るため、岐阜市の公式情報を継続的にチェックしながら、街の将来像を見据えた判断をしていきましょう。
参考文献・出典
- 岐阜市公式ホームページ「岐阜駅北中央東地区」 — https://www.city.gifu.lg.jp/info/machizukuri/1007778/1007809/1007819.html
- 岐阜市公式ホームページ「岐阜駅北中央西地区」 — https://www.city.gifu.lg.jp/info/machizukuri/1007778/1007809/1007820.html
- 岐阜市公式ホームページ「再開発事業について」 — https://www.city.gifu.lg.jp/info/machizukuri/1007778/1007809/1007811.html
- 岐阜市公式ホームページ「都市計画変更について(概要パンフレット)」 — https://www.city.gifu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/474/pannfu_sigaichisaikaihatu.pdf
- 岐阜市公式ホームページ「令和8年3月定例会 市長提案説明」 — https://www.city.gifu.lg.jp/info/sichounoheya/1006437/1038594.html
- 岐阜市公式ホームページ「令和8年4月23日 市長定例記者会見」 — https://www.city.gifu.lg.jp/info/sichounoheya/1006213/1039028/1039511.html
- 岐阜市公式ホームページ「令和8年5月28日 市長定例記者会見」 — https://www.city.gifu.lg.jp/info/sichounoheya/1006213/1039028/1039992.html
- 岐阜市公式ホームページ「令和8年度 岐阜市当初予算(案)」 — https://www.city.gifu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/841/r8tousyoyosankisyahappyou.pdf
- 建設通信新聞Digital「JR岐阜駅北側再開発計画を見直し」 — https://www.kensetsunews.com/web-kan/1051361