この記事の結論
- タワーマンションは専有70㎡換算で管理費が高くなります。
- 15〜19階と比べ、より高い階数では管理費が上がります。
- 管理費が上がる境目は20階前後、特に30階以上で差が開きます。
タワーマンションを買うとき、あるいは今お住まいのマンションの明細を見たとき、「管理費がこんなにかかるのか」と驚いた方は多いはずです。毎月の支払いですから、30年住めば大きな金額になります。とはいえ、その金額が高いのか妥当なのかは、比べる相手がないと判断できません。この記事では、1都3県の分譲マンション67,666棟を階数別に集計した当社のデータをもとに、タワーマンションの管理費が実際にいくらなのか、なぜ高くなるのか、何階から上がるのかを順に説明します。修繕積立金が足りているかを見るポイントにも触れます。
タワーマンションの管理費は月いくらか

まず金額からお答えします。30階以上のマンションでは、専有面積70㎡に換算した管理費が高くなります。修繕積立金と合わせるとさらに高額になります。
下の表は、1都3県の分譲マンション67,666棟を階数別に分け、管理費と修繕積立金の実額を専有70㎡で換算して並べたものです。出典は株式会社青山地所の自社データベース(集計2026年09月時点)です。
| 階数 | 棟数 | 管理費 月額 | 修繕積立金 月額 | 合計 月額 |
|---|---|---|---|---|
| 5階以下 | 23,820 | 15,100円 | 15,100円 | 30,100円 |
| 6〜10階 | 29,433 | 15,500円 | 15,400円 | 30,900円 |
| 11〜14階 | 11,745 | 15,400円 | 14,600円 | 30,000円 |
| 15〜19階 | 1,832 | 13,700円 | 13,200円 | 26,800円 |
| 20〜29階 | 511 | 16,500円 | 15,800円 | 32,200円 |
| 30階以上 | 325 | 20,800円 | 17,400円 | 38,200円 |
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)
ご自身がどの行に当てはまるかは、お住まいのマンションの階数で探してください。たとえば32階建てのタワーマンションにお住まいなら、一番下の「30階以上」の行です。25階建てなら「20〜29階」の行で、管理費は相応の金額が目安になります。
なお、この表は70㎡に換算した金額です。管理費はかかった費用を専有面積で割って分担する仕組みなので、面積が広い住戸ほど金額は大きくなります。90㎡のお住まいなら、表の金額よりも高くなると考えてください。
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何階建てから管理費が上がるのか

境目は20階前後にあります。階数が上がるにつれて、管理費は段階的に上昇する傾向が見られます。そして30階以上になるとさらに高くなります。
興味深いのは、5階以下から14階までの区分では管理費がほとんど変わらないことです。5階以下が15,100円、6〜10階が15,500円、11〜14階が15,400円と、いずれも1万5千円台に収まっています。つまり、単に階数が高いというだけでは管理費は上がりません。
一方、15〜19階の区分は13,700円と、かえって安くなっています。この集計では理由までは分かりません。ただ、この区分は棟数が1,832棟と少なめで、建物ごとの性格の違いが平均に出やすい点は頭に入れておいてください。
20階以上になると棟数はさらに減り、20〜29階が511棟、30階以上が325棟です。全体67,666棟のうち、いわゆるタワーマンションはごく一部だと分かります。数が少ないぶん、個々のマンションの事情が平均を動かしやすくなります。表の金額は目安として受け止め、最終的にはご自身のマンションの明細で確かめるのが確実です。
タワマンの管理費はなぜ高いのか
理由は、共用部分にかかる手間と設備の量が多いからです。管理費とは、建物の共用部分を維持するために毎月みんなで出し合うお金のことです。
国土交通省の資料によると、管理費は共用部分の清掃、光熱費や水道代、共用設備の保守点検費用、共用施設の運営費、管理員などの人件費、管理組合の運営費、管理会社への委託費などに使われます(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001982005.pdf)。つまり、共用部分が広く設備が多いほど、負担する総額は増えていきます。
タワーマンションが高くなりやすい理由としては、ラウンジやゲストルームといった共用施設、コンシェルジュサービス、24時間の有人警備、各フロアのゴミ置き場、エレベーターの台数、内廊下の照明やエアコンなどが挙げられます。人が常駐するサービスは、そのまま人件費として毎月の管理費に乗ってきます。
ここで大事なのは、高い管理費が必ずしも損というわけではない点です。コンシェルジュや警備は、その分の価値を受け取っているとも言えます。問題は金額の高さそのものではなく、払っている額に見合う中身があるかどうかです。管理費の内訳は管理組合の決算書で確認できますので、一度目を通してみてください。
タワマンの修繕積立金は足りているのか
ポイントは、今の金額ではなく積み立て方にあります。表を見ると、30階以上の修繕積立金は高めに設定されており、低層階より高くなっています。
修繕積立金とは、十数年に一度やってくる大規模な修繕工事に備えて、毎月ためておくお金です。外壁の補修や防水工事、設備の入れ替えなどに使われます。タワーマンションでは、特殊な足場を組むなど施工方法にコストがかかり、工事期間も長くなるため、工事の総額は高くなりやすいとされています。
積み立て方には、少しずつ値上げしていく段階増額積立方式と、はじめから一定額を積む均等積立方式があります。国土交通省は、将来にわたって安定的に積み立てられるとして均等積立方式をすすめています(国土交通省 https://www.mansion-info.mlit.go.jp/qa/mansion-management/repair-renovation/469/)。段階増額方式だと、築年数が経つほど値上げの合意を得るのが難しくなる傾向があるためです。
今が安いマンションほど、将来の値上げ幅が大きい可能性があります。購入を検討しているなら、長期修繕計画で今後いくらまで上がる予定かを必ず確認してください。なお、国土交通省のガイドラインに示された平均額はあくまで目安であり、その範囲に収まっていないからといって直ちに不適切と判断されるわけではありません(国土交通省 https://www.mansion-info.mlit.go.jp/qa/mansion-management/repair-renovation/472/)。
数字を鵜呑みにすると損をする場面
注意したいのは、表の金額はあくまで1都3県・70㎡換算の集計値だということです。同じ30階建てでも、マンションごとに金額は大きく変わります。
たとえば、機械式駐車場のように維持管理に多額の費用がかかる設備があると、負担は増えます。こうした場合、駐車場使用料会計などを独立した会計区分として設けることが望ましいとされています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/001080792.pdf)。会計が分かれていないと、駐車場の赤字が管理費全体を圧迫していても気づきにくくなります。
また、管理のルールは各マンションの管理規約で決まります。区分所有法は所有関係や管理方法の大枠を示しているだけで、具体的なルールは管理組合が自ら管理規約を定める必要があります(国土交通省 https://www.mansion-info.mlit.go.jp/management/)。ですから「タワマンだからこう」と一般化せず、ご自身のマンションの規約と決算書を見るのが結局は一番早い方法です。
もうひとつ、納めた管理費や修繕積立金は、引っ越しても返してもらえません。国土交通省の標準管理規約では、納入した管理費や修繕積立金の返還請求はできないと規定されています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001982005.pdf)。売却時に精算されるものではない点は、覚えておいてください。
よくある質問
Q. 30階建てと20階建てでは、毎月いくら違いますか。 階数によって管理費に差が出ます。詳しくは上記の表でご確認ください。修繕積立金も含めた合計では、階数が高いほど負担が大きくなります。
Q. 管理費が高いかどうかは、どこを見れば分かりますか。 まず管理組合の決算書を取り寄せ、費目ごとの金額を見てください。人件費、清掃費、点検費、管理委託費のどこが大きいかが分かります。そのうえで表の同じ階数帯の金額と比べます。
Q. 15〜19階が一番安いなら、そこを選ぶべきですか。 この集計だけでそう言い切ることはできません。15〜19階は1,832棟と数が少なく、平均が動きやすい区分です。個別のマンションの管理内容と長期修繕計画を見て判断してください。
Q. 管理費は将来下げられますか。 管理組合での合意が必要になるため、個人の希望だけでは変えられません。まずは総会に出席し、委託内容の見直しが議題に上がっているかを確認するところから始めてください。
まとめ
タワーマンションは、階数が高いほど管理費が高くなる傾向があります。管理費が上がる境目は20階前後で、それより下の階数帯では比較的安定しています。金額の高さより、払った分の中身と将来の値上がり見通しを確かめることが大切です。まずはお手元の決算書と長期修繕計画に目を通してみてください。数字の根拠が見えれば、判断はぐっと楽になります。
ご自身のマンションが今いくらなのかは、実際の成約データで見るのが早道です。
参考文献・出典
- 株式会社青山地所 自社データベース(集計 2026年09月 時点)
- 国土交通省「管理費」と「修繕積立金」 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001982005.pdf
- 国土交通省 マンション管理 – https://www.mansion-info.mlit.go.jp/management/
- 国土交通省 修繕積立金の積立方法について – https://www.mansion-info.mlit.go.jp/qa/mansion-management/repair-renovation/469/
- 国土交通省 修繕積立金ガイドラインの目安について – https://www.mansion-info.mlit.go.jp/qa/mansion-management/repair-renovation/472/
- 国土交通省 マンションの管理適正化に関する資料 – https://www.mlit.go.jp/common/001080792.pdf
- 国土交通省 住まいにはどんな費用がかかる?|住まリテ – https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/