不動産投資を始めると、物件の権利関係や抵当権の有無を確認するために「登記事項証明書」が必要になる場面が何度も訪れます。しかし、どこでどうやって取得すればいいのか、費用はいくらかかるのか、初めての方にはわかりにくいことが多いのではないでしょうか。この記事では、登記事項証明書の基本的な仕組みから、窓口・郵送・オンラインの3つの取得方法、さらに2026年4月1日以降に改定された最新の手数料まで、初心者にもわかりやすく解説します。物件調査や融資審査の場面で迷わないよう、ぜひ最後まで読んでみてください。
登記事項証明書とは何か、誰でも取得できるのか

まず押さえておきたいのは、登記事項証明書が「誰でも請求できる公的書類」だという点です。不動産登記法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123)によると、「何人も、登記官に対し、手数料を納付して」請求できると定められており、所有者本人でなくても取得が可能です。投資家が購入検討中の物件を調べる際にも、自由に利用できます。
登記事項証明書には、土地や建物の所在・面積・構造といった「表題部」の情報と、所有権や抵当権などの権利関係を示す「権利部」の情報が記載されています。不動産投資においては、売主が本当の所有者かどうか、金融機関の抵当権が設定されているかどうかを確認するために欠かせない書類です。また、融資を受ける際に金融機関から提出を求められることも多く、取得方法を知っておくことは実務上とても重要です。
なお、登記事項証明書と似た書類に「登記事項要約書」がありますが、これは別物です。法務局の案内(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html)によると、登記事項要約書はオンラインや郵送では請求できず、管轄登記所の窓口でのみ取得できます。証明文や公印が付かないため、公的な証明書として提出を求められる場面では使えません。用途に応じて正しい書類を選ぶことが大切です。
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取得前に必ず確認する「地番・家屋番号」の調べ方

登記事項証明書を請求する際に多くの初心者がつまずくのが、物件の特定方法です。重要なのは、住居表示番号ではなく、登記に用いられる地番・家屋番号が必要という点です。法務局の案内(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130851.pdf)にも「地番・家屋番号は、住居表示番号(○番○号)とはちがいます」と明記されており、地番が分からないと証明書は発行できません(松山地方法務局 https://houmukyoku.moj.go.jp/matsuyama/page000001_00390.html)。
地番や家屋番号を調べる方法はいくつかあります。まず、固定資産税の納税通知書や権利証(登記識別情報)に記載されていることが多いため、売主や仲介業者に確認するのが最も手軽です。また、法務局の窓口に備え付けられた地図(公図)を閲覧することでも確認できます。さらに、法務省が提供する「登記情報提供サービス」を使えばインターネット上で地番を調べることも可能ですが、こちらは証明書ではなく内容確認用のサービスです(法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00003.html)。
もう一つ便利なのが「不動産番号」の活用です。法務局の資料(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001369111.pdf)によると、不動産番号とは一筆の土地または一個の建物ごとに付された13桁の番号で、請求書に記入することで地番・家屋番号の代わりに物件を特定できます。売買契約書や登記識別情報通知書に記載されていることが多いため、手元にある場合は積極的に活用しましょう。
3つの取得方法の特徴と使い分け

法務局の案内(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html)によると、登記事項証明書の取得方法は「オンラインによる請求のほか、請求書を郵送する方法や登記所の窓口」への提出の3つが基本です。それぞれに特徴があるため、状況に応じて使い分けることが大切です。
窓口での取得は、最もシンプルで確実な方法です。管轄の登記所だけでなく、最寄りの登記所でも受け取れる制度があります(法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji103.html)。また、法務局証明サービスセンターでもその場で取得できますが、コンピュータ化されている記録に限られます(法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00039.html)。なお、コンビニや市役所では原則として取得できないため注意が必要です(福岡法務局 https://houmukyoku.moj.go.jp/fukuoka/page000001_00822.html)。
郵送での取得は、遠方の物件を調べる際に便利です。法務局の案内(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001450602.pdf)によると、必要事項を記入した請求書に手数料相当の収入印紙を貼り、返信用切手を同封して管轄登記所へ郵送します。書類が届くまでに数日かかるため、急ぎの場合には向きません。
オンラインでの請求は、手数料が最も安く、自宅から手続きできる点が魅力です。ただし、一点注意が必要です。オンライン請求は「請求」をオンライン化するものであり、電子的な証明書がオンラインで交付されるわけではありません(法務局 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html)。請求後、郵送で受け取るか、指定した登記所や法務局証明サービスセンターの窓口で受け取る形になります(法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00026.html)。また、共同担保目録の一部指定や登記事項数が500を超える現在事項証明書はオンライン請求できない場合があるため、複雑な物件では窓口請求が確実です。
2026年4月1日以降の最新手数料
手数料については、法務局が公表した手数料一覧(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001460398.pdf)に基づき、2026年4月1日以降の金額を確認しておきましょう。取得方法によって手数料が異なるため、コストを抑えたい場合は方法の選択が重要です。
書面請求(窓口・郵送)の場合は1通600円です。一方、オンライン請求で郵送により受け取る場合は1通520円、オンライン請求で窓口受け取りを選ぶ場合は1通490円となっています。つまり、オンライン請求の窓口受け取りが最も安く、書面請求より110円安い計算です。複数の物件を調査する投資家にとっては、積み重なると無視できない差になります。
また、1通の枚数が50枚を超える場合には、以後50枚ごとに100円が加算されます。権利関係が複雑な物件や、長期間にわたって所有者が変わってきた物件では枚数が増えることがあるため、あらかじめ念頭に置いておくとよいでしょう。なお、手数料の改定は今後も行われる可能性があるため、最新情報は法務局の公式サイトでご確認ください。
内容確認だけなら「登記情報提供サービス」も活用できる

登記事項証明書の取得とは別に、物件の内容をざっと確認したいだけであれば「登記情報提供サービス」を活用する方法もあります。このサービスはインターネット上で登記情報を閲覧できる便利なツールですが、重要な点があります。法務省の案内(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00003.html)によると、「証明書と異なり、証明文や公印等は付加されません」とされており、公的な証明書の代替にはなりません。
つまり、金融機関への提出や法的な手続きには使えませんが、投資判断の初期段階で物件の権利関係を素早く確認したい場合には非常に役立ちます。たとえば、複数の候補物件を比較検討する段階では、まず登記情報提供サービスで概要を確認し、購入意向が固まった段階で正式な登記事項証明書を取得するという流れが効率的です。このように、目的に応じてツールを使い分けることで、調査コストと時間を節約できます。
まとめ
登記事項証明書は、不動産投資において物件の権利関係を確認するための基本的かつ重要な書類です。取得方法は窓口・郵送・オンラインの3つがあり、2026年4月1日以降の手数料は書面請求600円、オンライン請求は郵送受け取り520円・窓口受け取り490円となっています。コストを抑えたい場合はオンライン請求の窓口受け取りが最もお得です。また、請求の際には住居表示ではなく地番・家屋番号が必要な点を忘れずに確認しましょう。まずは法務局の公式サイトで最新情報を確認し、自分の状況に合った方法で取得してみてください。正確な情報を手元に置くことが、安全な不動産投資の第一歩です。
参考文献・出典
- 不動産登記法 | e-Gov 法令検索 — https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
- 各種証明書請求手続:法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html
- 主な手数料一覧【令和8年4月1日〜】:法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001460398.pdf
- 郵送で登記事項証明書の交付を請求するには:法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001450602.pdf
- 不動産用 登記事項証明書 交付請求書:法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130851.pdf
- 不動産登記に関するよくある質問:松山地方法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/matsuyama/page000001_00390.html
- 不動産番号を記載した場合の記載例:法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001369111.pdf
- 不動産登記情報交換サービスについて:法務省 — https://www.moj.go.jp/MINJI/minji103.html
- 法務局証明サービスセンターについて:法務省 — https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00030.html
- 法務局証明サービスセンターにおける取扱証明書一覧:法務省 — https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00039.html
- オンラインにより請求した登記事項証明書等を法務局証明サービスセンターの窓口で受け取る方法:法務省 — https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00026.html
- 登記・供託に関するオンライン申請等の活用について:法務省 — https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00003.html
- 法務局以外のコンビニや市役所では取得できないの?:福岡法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/fukuoka/page000001_00822.html
- 登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です:法務局 — https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html