この記事の結論
- 更新料の相場は家賃1か月分が目安だが、地域によって異なる。
- 更新料は法令上の義務ではなく、契約書に記載がある場合のみ支払いが必要になる。
- 更新時は更新料だけでなく、保証料・火災保険料も重なるため総額で把握することが重要。
賃貸物件の契約更新が近づいてくると、「更新料っていくら払えばいいの?」「そもそも払わなければいけないの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。更新料は物件や地域によって金額が大きく異なるため、事前に相場を知っておくことが家計管理の第一歩になります。この記事では、更新料の基本的な仕組みから地域別の相場、さらに更新時にかかる費用の全体像まで、初心者にもわかりやすく解説します。契約書の確認ポイントも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
更新料とは何か、払う義務はあるのか

まず押さえておきたいのは、更新料は法律で定められた義務ではないという点です。国土交通省の資料によると、「更新料は法令上の義務ではありませんが、慣行として存在する地域もあり、それを契約書で規定している場合は原則有効なものとして扱われます」とされています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000026.html)。つまり、契約書に更新料の記載があれば支払い義務が生じますが、記載がなければ原則として支払う必要はありません。
また、国土交通省が公表している賃貸住宅標準契約書には、そもそも更新料の記載がありません(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001399558.pdf)。これは更新料が全国一律の制度ではなく、地域の慣習や個々の契約によって異なるものだからです。入居前に契約書をしっかり確認することが、トラブルを防ぐ最大の対策といえます。
なお、過去の裁判例の整理では、更新料条項は「高額に過ぎるなどの特段の事情」がない限り有効とされています。一般的な家賃1か月分程度の更新料であれば、法的に問題になることはほとんどないと考えられています。ただし、あくまで契約書の内容が前提ですので、署名前に必ず確認するようにしましょう。
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更新料の地域別相場を知っておこう

更新料の相場は、住む地域によって大きく変わります。アットホームが公表しているデータによると、地域によって異なる相場が設定されており、首都圏では比較的更新料が発生する物件が多い傾向にあります。一方、大阪では更新料が0円、つまり更新料なしが一般的とされています(アットホーム https://www.athome.co.jp/contents/manual/beginner/contractrenewal/point-of-rent/)。
また、東急住宅リースとダイヤモンドメディアが2018年に実施した全国の賃貸マンション募集データの分析では、更新料の設定状況が地域によって異なることが明らかになっています。同調査では、更新料あり物件の割合が高い都道府県として首都圏の複数県が上位に並んでいます。
首都圏と京都では更新料が発生する物件が多く、大阪・名古屋圏では更新料なしが主流という傾向があります。引っ越し先の地域が変わる場合は、その地域の慣習を事前に調べておくことが大切です。実務上は「家賃の1か月分前後」が一つの目安として説明されることが多いですが、あくまで目安であり、物件ごとに異なる点を忘れないようにしましょう。
更新料と更新手数料の違いに注意
意外と混同されやすいのが、「更新料」と「更新手数料」の違いです。更新料は賃貸借契約に基づき、契約更新の際に借主が貸主(大家さん)に支払う金銭です。一方、更新手数料は契約更新の事務処理にかかる費用として、管理会社などに支払うものです(アットホーム不動産用語集 https://www.athome.co.jp/contents/words/term_3257/)。
不動産適正取引推進機構によると、「一般には、管理業者は貸主から委託を受けて更新事務を行うものですから、その手数料は貸主が負担すべきものです」とされています(不動産適正取引推進機構 https://www.retio.or.jp/info/qa/qa12/)。つまり、本来は更新手数料を借主が負担する必要はないケースも多いのです。しかし実際には、契約内容によって借主が負担するよう定められている場合もあります。
契約書を確認する際は、「更新料」と「更新手数料(更新事務手数料)」が別々に記載されていないかをチェックすることが重要です。両方が記載されている場合は、合計額が実際の負担になるため、どちらか一方だけを見て安心しないようにしましょう。疑問があれば、契約前に不動産会社や管理会社に確認することをおすすめします。
更新時にかかる費用は更新料だけではない
更新のタイミングで見落としがちなのが、更新料以外にかかる費用です。賃貸契約の更新と同時に、火災保険や家賃保証会社との保証契約も更新されることが多く、それぞれに費用が発生します(SUUMO https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_room/jukatsu-955/)。更新料だけを計算して「大丈夫」と思っていたら、実際の出費がずっと多かったというケースは珍しくありません。
家賃保証会社の更新保証料については、国土交通省の資料によると「初回時月額賃料の50%、以後一年ごとに1万円と設定している事業者が多い」とされています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/001154373.pdf)。たとえば株式会社Casaでは「ご契約から一年ごとに、年間保証料として一万円をお支払いただきます」と明示しています(Casa https://casa-inc.co.jp/service/user/guarantee/)。更新料がゼロの物件でも、保証料の更新費用が発生する場合があるため注意が必要です。
火災保険についても同様です。東京海上ミレア少額短期保険の重要事項説明書では、保険期間を「1年または2年」とし、満了時に更新案内を送るとしています(東京海上ミレア少額短期保険 https://www.tmssi.co.jp/pdf/shinoheya_jyu.pdf)。火災保険の保険料は商品によって異なりますが、日新火災の賃貸入居者向け保険では年間保険料3,500円プラン(家財保険金額50万円)も提供されています(日新火災 https://www.nisshinfire.co.jp/news_release/pdf/news231220.pdf)。更新時の総支出を正確に把握するには、更新料・保証料・火災保険料の3つを合算して確認する習慣をつけることが大切です。
更新料がかからない選択肢も知っておこう
更新料の負担を避けたい場合、最初から更新料なしの物件を選ぶという方法があります。代表的な例として、UR賃貸住宅は「更新料もいただきません」と明示しており、入居後は1年ごとに自動更新されるため更新手続きも不要です(UR賃貸住宅 https://www.ur-net.go.jp/chintai/faq/)。また、JKK東京(東京都住宅供給公社)も「全物件が礼金・仲介手数料・更新料一切なし」としています(JKK東京 https://www.to-kousya.or.jp/chintai/shitteru/charm/index.html)。
公的な住宅供給機関の物件は、更新料なしで長期間安定して住める点が大きなメリットです。一方で、入居条件や物件の立地・設備などに制約がある場合もあるため、ライフスタイルに合うかどうかを総合的に判断することが必要です。
また、定期借家契約の物件は「更新」という概念がそもそも存在しません。国土交通省によると、定期建物賃貸借は「契約で定めた期間が満了することにより、更新されることなく、確定的に賃貸借契約が終了する制度」です(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000059.html)。定期借家では更新料は発生しませんが、期間満了後に住み続けるには再契約が必要になるため、普通借家とは異なる点を理解しておきましょう。
まとめ
更新料の相場は、地域によって大きく異なりますが、首都圏では家賃の1か月分前後が目安とされている傾向があります。一方、大阪のように更新料なしが一般的な地域もあります。重要なのは、更新料はあくまで契約書に記載がある場合にのみ支払い義務が生じるという点です。契約前に必ず確認し、不明な点は遠慮なく不動産会社に質問しましょう。
また、更新時の実際の出費は更新料だけでなく、保証会社の更新保証料や火災保険料も加わることを忘れないでください。これらを合算して事前に把握しておくことで、急な出費に慌てることなく対応できます。更新料なしの物件を選ぶという選択肢も視野に入れながら、自分に合った賃貸生活を長く続けていただければ幸いです。
参考文献・出典
- 国土交通省「賃貸住宅の入居・退去に係る留意点」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000026.html
- 国土交通省「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001399558.pdf
- 国土交通省「家賃債務保証サービスの概要」 — https://www.mlit.go.jp/common/001154373.pdf
- 国土交通省「定期建物賃貸借」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000059.html
- 不動産適正取引推進機構「不動産のQ&A(更新料・更新手数料)」 — https://www.retio.or.jp/info/qa/qa12/
- アットホーム「更新料の注意点と契約時に押さえておきたいポイント」 — https://www.athome.co.jp/contents/manual/beginner/contractrenewal/point-of-rent/
- アットホーム「敷引き・更新料などの確認」 — https://www.athome.co.jp/contents/sumikae-kariru/ask/condition/
- アットホーム不動産用語集「更新手数料とは」 — https://www.athome.co.jp/contents/words/term_3257/
- SUUMO「敷金・礼金・管理費とは?賃貸で毎月かかる費用も解説」 — https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_room/jukatsu-955/
- 東急住宅リース・ダイヤモンドメディア「全国の賃貸マンションの更新料共同調査結果」 — https://www.tokyu-housing-lease.co.jp/info/news/pdf/2018091001-details.pdf
- UR賃貸住宅「よくあるご質問」 — https://www.ur-net.go.jp/chintai/faq/
- JKK東京「JKK東京の魅力」 — https://www.to-kousya.or.jp/chintai/shitteru/charm/index.html
- 株式会社Casa「保証サービス」 — https://casa-inc.co.jp/service/user/guarantee/
- 東京海上ミレア少額短期保険「重要事項説明書」 — https://www.tmssi.co.jp/pdf/shinoheya_jyu.pdf
- 日新火災「賃貸住宅入居者向け『お部屋を借りるときの保険』年間保険料3,500円プランを販売開始」 — https://www.nisshinfire.co.jp/news_release/pdf/news231220.pdf