この記事の結論
- 日本橋区間の地下化は2035年度に地下ルート完成、2040年度に高架橋撤去完了の予定です。
- 概算事業費は約3,200億円で、国・東京都・首都高速道路株式会社の三者が共同で推進しています。
- 2025年4月から八重洲線の長期通行止めが始まり、工事はPHASE 02へ移行しています。
日本橋の空を覆う首都高速道路が、ついに地下へ移る大プロジェクトが着実に進んでいます。「川の上を走る高速道路」として長年親しまれてきた一方、日本橋の景観を損なうとして撤去を求める声も根強くありました。2026年10月現在、工事はPHASE 02に移行し、完成に向けた本格的な段階に入っています。この記事では、地下化プロジェクトの背景から現在の工事状況、完成後の街の姿まで、初めて聞く方にもわかりやすく解説します。不動産投資や都市開発に関心のある方にとっても、日本橋エリアの将来像を知る上で欠かせない情報です。
なぜ首都高速を地下に移すのか

日本橋川の上空を走る首都高速道路は、開通から60年以上が経過した老朽インフラです。首都高速道路株式会社によると、この区間は1日あたり約10万台の自動車が走行する過酷な使用状況にあり、支承部の疲労き裂やコンクリート床版のひび割れなど多数の損傷が発生しています。単純な修繕だけでは対応しきれない段階に達しており、抜本的な対策が求められていました。
景観の問題も見逃せません。江戸時代から「日本の道路の起点」として知られる日本橋は、国の重要文化財にも指定された歴史的な橋です。しかし高速道路の高架が川の上を覆うことで、橋本来の姿が失われてきました。地下化によって青空が戻り、日本橋川沿いの水辺空間が再生されることへの期待は、地元住民や観光客の間で長年高まっていました。
こうした背景から、国・東京都・首都高速道路株式会社の三者は共同で、日本橋周辺のまちづくりと連携して首都高の地下化に取り組む方針を示しました(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000863.html)。インフラの老朽化対策と景観回復、そして周辺の再開発を一体的に進めるという、複合的な目的を持つプロジェクトです。
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事業の規模と現在の工事状況

このプロジェクトの規模は、数字を見るだけでその大きさが伝わります。対象区間は延長約1.8km、そのうち地下構造は約1.2kmにおよびます(東京都都市整備局 https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/pdf_bunyabetsu_kotsu_butsuryu_pdf_torikumi_10)。そして概算事業費は約3,200億円と見込まれており(東京都都市整備局 https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/pamphlet/pdf/pamphlet_194.pdf)、国家的なプロジェクトであることがわかります。
都市計画の面では、「首都高日本橋地下化検討会」で取りまとめられた計画案をもとに、令和元年に東京都が都市計画を変更しています(東京都都市整備局 https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kotsu_butsuryu/doromou/kosoku/kosoku_nihonbashi)。この変更によって、事業の法的な枠組みが整い、本格的な工事着手への道が開かれました。
2026年10月現在の工事状況については、首都高速道路株式会社の発表によると、2024年3月に出入口撤去工事が完了し、2025年4月5日より八重洲線の長期通行止めが始まり、PHASE 02へ移行しています(首都高速道路株式会社 https://www.shutoko.jp/ss/nihonbashi-tikaka/overview/)。工事は着実に次の段階へと進んでおり、日本橋エリアの変化はすでに始まっています。
完成スケジュールと将来の姿
工事の完成までには、まだ長い年月が必要です。首都高速道路株式会社によると、地下ルートの完成は2035年度、高架橋の撤去工事の完了は2040年度を予定しています(首都高速道路株式会社 https://www.shutoko.jp/ss/nihonbashi-tikaka/overview/)。つまり、日本橋の空が完全に青空を取り戻すのは、2040年代に入ってからということになります。
2035年に地下ルートが開通した後も、既存の高架橋を撤去する工事が続きます。高架橋の撤去には慎重な工程管理が必要であり、完全な景観回復まで約5年の期間が見込まれています。長期にわたるプロジェクトですが、段階的に街の姿が変わっていく過程を、多くの人が見守ることになるでしょう。
完成後の日本橋エリアには、川沿いの水辺空間が生まれ、歩行者が快適に過ごせる環境が整う見通しです。高速道路の騒音や排気ガスから解放された日本橋川沿いは、新たな観光・商業の拠点として生まれ変わることが期待されています。歴史的な橋と近代的な都市空間が共存する、新しい日本橋の姿が少しずつ現実に近づいています。
交通への影響と新京橋連結路の役割
地下化工事に伴い、交通面での対策も並行して進められています。八重洲線の長期通行止めによって、周辺の交通量や渋滞への影響が懸念されますが、その対策として整備されているのが「新京橋連結路」です。
新京橋連結路は、高速都心環状線(築地川区間)と高速八重洲線を結ぶ延長約1.1kmの路線です(首都高速道路株式会社 https://www.shutoko.jp/ss/shinkyobashi-renketsuro/shinkyobashi/overview/)。日本橋区間地下化に伴い交通が集中する江戸橋JCT周辺の渋滞緩和を図るため、現在の大型車通行ルートを補完する役割を担います。中央区の情報によると、令和6年度より首都高速道路株式会社と東京都が共同で事業を進めており、日本橋区間の地下化ルート開通に合わせた令和17年度(2035年度)の完成を目指しているとされています(中央区 https://www.city.chuo.lg.jp/a0034/machizukuri/dourokyouryou/dourojigyou/shutokou/sinkyoubasirenketuro.html)。
地下化工事と新京橋連結路の整備が連動して進むことで、工事中の交通機能を維持しながら、完成後の交通ネットワークも強化される設計になっています。都市インフラの大規模更新において、こうした代替機能の確保は欠かせない視点です。
不動産投資の観点から見た日本橋エリアの将来性
日本橋エリアの地下化プロジェクトは、不動産投資を考える上でも重要な意味を持ちます。大規模なインフラ整備と都市再開発が連動するエリアは、一般的に長期的な資産価値の向上が期待されやすいとされています。ただし、これはあくまで一般論であり、個別の物件や市場環境によって結果は大きく異なります。
2035年の地下ルート完成、2040年の高架橋撤去完了というスケジュールを念頭に置くと、日本橋エリアへの投資は10〜15年以上の長期視点が求められます。工事期間中は騒音や交通規制の影響を受ける可能性もあるため、短期的な収益だけでなく、完成後の街の姿を見据えた判断が重要です。
また、約3,200億円という巨大な公共投資が集中するエリアは、周辺の商業施設や住宅需要にも波及効果をもたらす可能性があります。一方で、工事の長期化や費用の変動リスクも存在するため、最新の事業進捗を継続的に確認しながら判断することが大切です。投資判断に際しては、専門家への相談や公的機関の最新情報の確認を必ず行うようにしてください。
まとめ
日本橋首都高速地下化プロジェクトは、老朽化したインフラの更新と歴史的景観の回復を同時に実現しようとする、日本でも類を見ない大規模事業です。概算事業費約3,200億円、地下ルート完成2035年度、高架橋撤去完了2040年度というスケジュールのもと、2025年4月からはPHASE 02として八重洲線の長期通行止めが始まっています。新京橋連結路の整備も並行して進み、工事中の交通機能の維持にも配慮されています。
日本橋エリアの変化は、すでに始まっています。不動産投資や都市開発に関心のある方は、首都高速道路株式会社や東京都都市整備局の公式サイトで最新の工事進捗を定期的に確認することをおすすめします。長い工事期間を経て生まれ変わる日本橋の姿を、ぜひ長期的な視点で見守ってください。
参考文献・出典
- 首都高速道路株式会社「事業の概要:首都高速道路日本橋区間地下化事業」 — https://www.shutoko.jp/ss/nihonbashi-tikaka/overview/
- 首都高速道路株式会社「未来の日本橋:首都高速道路日本橋区間地下化事業」 — https://www.shutoko.jp/ss/nihonbashi-tikaka/future/
- 東京都都市整備局「日本橋周辺のまちづくりと連携した首都高速道路の地下化」 — https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kotsu_butsuryu/doromou/kosoku/kosoku_nihonbashi
- 国土交通省「報道発表資料:日本橋周辺のまちづくりと連携し、首都高速道路の地下化に向けて取り組みます。」 — https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000863.html
- 東京都都市整備局「いただいたご質問の要旨とそれに対する回答」 — https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/pamphlet/pdf/pamphlet_194.pdf
- 東京都都市整備局「平成31年2月12日 報道発表資料」 — https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/pdf_bunyabetsu_kotsu_butsuryu_pdf_torikumi_10
- 首都高速道路株式会社「事業概要|新京橋連結路」 — https://www.shutoko.jp/ss/shinkyobashi-renketsuro/shinkyobashi/overview/
- 中央区「新京橋連結路の事業」 — https://www.city.chuo.lg.jp/a0034/machizukuri/dourokyouryou/dourojigyou/shutokou/sinkyoubasirenketuro.html