市況・データ

分譲マンション火災保険の相場と2026年の選び方

この記事の結論

  • 分譲マンション(M構造)の火災保険は木造戸建てより安く、東京都の目安は地震保険込みで年数万円程度です。
  • 保険料は所在地・築年数・補償範囲・地震保険の有無で大きく変わり、会社間で大きな差が生じることがあります。
  • 加入前に管理組合の保険内容を確認し、専有部分の再調達価額を正しく設定することが最重要です。

分譲マンションを購入したとき、「火災保険はどれくらいかかるの?」「何を基準に選べばいいの?」と迷う方は少なくありません。戸建てとは仕組みが異なり、管理組合の保険との関係や、保険金額の正しい設定方法など、知らないと損をするポイントが多くあります。この記事では、分譲マンションの火災保険の相場を具体的な数字で示しながら、保険料が決まる仕組みと賢い選び方をわかりやすく解説します。購入直後の方はもちろん、更新を控えている方にも役立つ内容です。

分譲マンションの火災保険が戸建てより安い理由

M構造と地域で保険料が決まる(図解)

分譲マンションの火災保険は、一般的に木造戸建てと比べて保険料が安くなりやすい構造になっています。これは「M構造」という区分が関係しています。

損害保険料率算出機構が公表している資料(giroj.or.jp)によると、コンクリート造のマンションなどはM構造(耐火性能を有する共同住宅)に分類され、「リスクが低い・保険料が安い」区分として扱われます。木造住宅は火災が広がりやすいのに対し、鉄筋コンクリート造のマンションは延焼リスクが低いため、保険会社もその分を保険料に反映しているわけです。

ただし、M構造であれば一律に安いというわけではありません。同じ資料では、台風・雪災・水災などの自然災害リスクは地域によって大きく異なるため、保険料率は都道府県別・市区町村別に区分されていることも明示されています。つまり、同じM構造のマンションでも、水害リスクの高い地域に立地していれば保険料は高くなります。所在地は保険料を左右する重要な要素のひとつです。

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保険金額の正しい設定方法を知っておく

保険金額の正しい設定方法を知っておくのイメージ

分譲マンションの火災保険で最も誤解されやすいのが、保険金額の設定です。購入価格をそのまま保険金額にしてしまうと、過大な設定になる可能性があります。

アイオイニッセイ同和損保のFAQ(adcc-faq.aioinissaydowa.co.jp)によると、分譲マンションの購入金額には土地代や販売利益が含まれているため、購入金額をそのまま保険金額に設定することはできません。火災保険の対象となるのは、あくまで専有部分(もしくは専有部分と共用部分の持分)に限られます。

では、どうやって保険金額を決めるのでしょうか。一般的には「その所在地に分譲マンションを再築するための標準的な1平方メートルあたりの単価×専有面積」で再調達価額(新価額)を算出する考え方が使われます。ソニー損保のFAQ(faq.sonysonpo.co.jp)では、一般的にマンションの価額に占める専有部分の割合は約40%と案内されており、購入価格の4割程度を目安に考えるとイメージしやすいでしょう。

また、加入前に必ず確認しておきたいのが管理組合の保険です。日本損害保険協会の相談ガイド(soudanguide.sonpo.or.jp)によると、区分所有マンションでは専有部分は各区分所有者が個別に契約し、共用部分はマンション管理組合が一括して契約する方式が一般的です。東京海上日動のFAQ(faq.tokiomarine-nichido.co.jp)でも、まず管理組合が共用部分を補償する火災保険に加入しているかを確認するよう案内しています。管理組合の保険と個人の保険が重複しないよう、事前の確認が欠かせません。

物件をお持ちの方へいま売るといくらになるか、入力なしで幅まで分かります売る予定がなくても、相場の幅を知っておくと判断が早くなります。当社が把握している同じ条件の成約から、まず幅を出します。連絡先は幅を見てからで結構です。一棟・アパートの見立て →区分マンションの見立て →こちらからお電話をおかけすることはありません。

具体的な保険料の相場はどのくらいか

年間保険料の相場例(地震保険込み)(図解)

実際の保険料がどのくらいになるか、公式サイトのモデルケースをもとに確認してみましょう。

三井住友海上の公式モデルケース(ms-ins.com)では、東京都・M構造・築1年・専有面積80㎡・建物保険金額1,480万円・家財500万円の条件で、年払いは地震保険込みで31,830円、地震保険なしで7,280円という試算が示されています。同じく築1年・60㎡・建物1,110万円・家財500万円の条件では、地震保険込み30,850円・地震保険なし10,890円となっています。また、築20年・70㎡・建物1,300万円・家財500万円のモデルでは、地震保険込み32,400円・地震保険なし10,080円という数字が示されており、築年数が上がっても保険料の水準はさほど変わらないことがわかります。

ソニー損保の公式ページ(sonysonpo.co.jp)では、東京都・M構造・5年契約・免責なしの条件で、必要な補償を選択した場合の5年一括払いは地震保険込み122,064円(年換算約24,413円)、地震保険なし34,834円(年換算約6,967円)と案内されています。全ての補償をセットした場合は5年一括で135,010円となり、補償範囲の選び方で約1.2万円の差が生じることも示されています。

さらに、同じ条件でも保険会社によって保険料は大きく異なります。ドコモスマート保険ナビ(hoken-navi.docomo.ne.jp)の試算では、東京都・M構造・築10年・70㎡・建物保険金額1,000万円の条件で、5年間の建物火災保険料は保険会社によって異なり、複数社を比較することが保険料を抑える最も確実な方法です。

築年数と補償範囲が保険料に与える影響

築年数が上がると保険料はどう変わるのか、気になる方も多いでしょう。一般的には築古になるほど保険料が上がる傾向がありますが、M構造の場合はその影響が比較的小さいとされています。

ただし、築年数が大幅に上がると相場は変わってきます。築古物件の保険料は想定より高くなることを念頭に置いておく必要があります。

補償範囲の選び方も保険料を大きく左右します。価格.com(hoken.kakaku.com)の試算例では、東京都・M構造・建物1,500万円・家財300万円・5年一括の条件で、補償内容の組み合わせによって51,900円から4,140円まで幅があることが示されています。水災補償を外す、免責金額(自己負担額)を設定するといった工夫で保険料を抑えることができます。ただし、水災リスクの高い地域では水災補償を外すと大きなリスクを抱えることになるため、ハザードマップを確認した上で判断することが大切です。

東京海上日動のFAQ(faq.tokiomarine-nichido.co.jp)によると、保険料は所在地・構造・築年数・補償内容・保険金額・免責金額・払込方法・保険期間によって決まります。これらの要素を組み合わせて、自分のリスクと予算に合った設計をすることが重要です。

住宅ローン利用者が知っておくべき継続付保の義務

ローン利用者の継続付保の流れ(図解)

住宅ローンを利用して分譲マンションを購入した場合、火災保険の加入は任意ではなく事実上の義務となるケースがほとんどです。

住宅金融支援機構の公式ページ(jhf.go.jp)によると、融資を利用する際には返済期間中、建物に火災保険を付けることが求められることがあります。また、国土交通省資料によると、掛捨型の火災保険は通常1年更新、積立型は3年・5年・10年等の期間から選択できるとされています。したがって、返済終了までの間に保険期間が終了した場合は、更新手続または新規加入手続が必要となります。つまり、一度加入すれば終わりではなく、ローン完済まで継続的に保険を維持し続ける必要があります。

この点を知らずにいると、保険の更新を忘れて無保険状態になってしまうリスクがあります。保険期間の満了日はカレンダーに登録しておくなど、更新漏れを防ぐ工夫をしておきましょう。また、更新のタイミングは保険内容を見直す絶好の機会でもあります。補償範囲や保険金額が現在の状況に合っているか、他社と比較して保険料が適正かを確認することをおすすめします。

地震保険については、損害保険料率算出機構の資料(giroj.or.jp)によると、火災保険に単独で付けることはできず、保険金額も火災保険金額の30〜50%の範囲内(居住用建物は5,000万円が限度)に制限されています。地震保険は保険料を押し上げる主要因ですが、日本は地震リスクが高い国であるため、加入を検討する価値は十分にあります。

まとめ

分譲マンションの火災保険は、M構造という区分のおかげで木造戸建てより保険料が安くなりやすい一方、所在地・築年数・補償範囲・地震保険の有無によって保険料は大きく変わります。東京都のM構造マンションであれば、地震保険込みで年数万円程度が一つの目安ですが、同じ条件でも保険会社によって大きな差が出ることもあります。

まず管理組合の保険内容を確認し、専有部分の再調達価額を正しく把握した上で、複数の保険会社に見積もりを依頼することが賢い選び方の第一歩です。住宅ローン利用者は保険の継続付保が必要なため、更新のたびに内容を見直す習慣をつけておくと安心です。自分のマンションのリスクに合った補償を選び、長期的に安心できる保険設計を目指しましょう。

参考文献・出典

  • 損害保険料率算出機構「2025年度 火災保険・地震保険の概況」 — https://www.giroj.or.jp/publication/outline_k/k_2025.pdf
  • 損害保険料率算出機構「地震保険基準料率」 — https://www.giroj.or.jp/ratemaking/earthquake/
  • アイオイニッセイ同和損保 FAQ「分譲マンションの保険金額は購入金額で設定するのですか?」 — https://adcc-faq.aioinissaydowa.co.jp/faq/show/49?category_id=8&site_domain=default
  • 日本損害保険協会「マンションに住んでいる場合の火災保険の契約方法」 — https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q053.html
  • 東京海上日動 FAQ「分譲マンションに住んでいる場合、火災保険の申込みはどうしたらよいですか?」 — https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/2684
  • 東京海上日動 FAQ「火災保険の保険料はどのように決まりますか?」 — https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/1922
  • 三井住友海上「マンションのモデルケース・保険料例」 — https://www.ms-ins.com/personal/kasai/gk/example/apartment.html
  • ソニー損保「手頃な保険料|新ネット火災保険」 — https://www.sonysonpo.co.jp/fire/mrt_001.html
  • ソニー損保 FAQ「建物の専有部分とはなんですか」 — https://faq.sonysonpo.co.jp/faq_detail.html?id=4006
  • 住宅金融支援機構「火災保険・地震保険のご案内」 — https://www.jhf.go.jp/hensai/hoken/index.html
  • 国土交通省「住宅の火災保険」 — https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/sumikae/text_3.pdf
  • ドコモスマート保険ナビ「火災保険 マンションの保険料シミュレーション」 — https://hoken-navi.docomo.ne.jp/dmg-ins/fire/easyhikaku/start.jsp
  • 価格.com「マンションの火災保険 比較・相場・シミュレーション」 — https://hoken.kakaku.com/kasai/hikaku/mansion/
詳しいガイド管理費・修繕積立金の重さ火災保険の保険料は会社によって差が大きく、所在地や築年数でも変わることが分かったが、毎月かかる管理費や修繕積立金がどこまで重くなっているかも合わせて見ておくと、保有コストの全体像がつかめる。売却ガイド一覧を見る →

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