管理費・修繕積立金

修繕積立金の相場は70㎡で月15,050円

この記事の結論

  • 1都3県の修繕積立金の相場は、専有70㎡で月15,050円です。
  • 同じ70㎡でも建物の築年代によって異なり、新しい建物ほど安い傾向があります。
  • 70㎡で月11,200円を下回るなら、将来の値上げを前提に考えます。

修繕積立金がいくらなら普通なのか、答えから書きます。1都3県の分譲マンション67,811棟を当社で集計すると、専有70㎡あたりの修繕積立金は月15,050円でした。1㎡あたりでは月215円です。ただしこの金額は、築年代でも総戸数でも大きく動きます。同じ70㎡でも、建物の築年代によって異なり、新しい建物ほど安く、古い建物ほど高い傾向があります。この記事では、ご自身のマンションが表のどの行に当てはまるのかを示し、その金額は高いのか安いのか、将来足りなくなる心配はないのかを順に確かめていきます。

次の表は、1都3県の分譲マンション67,811棟の修繕積立金を、築年代別に専有70㎡へ換算して集計したものです(出典: 株式会社青山地所 自社データベース、集計2026年09月時点)。

築年代棟数修繕積立金 1㎡あたり70㎡なら月額
1960年代1,433212円14,800円
1970年代8,175212円14,800円
1980年代14,698218円15,300円
1990年代16,547230円16,100円
2000年代15,981231円16,200円
2010年代8,524181円12,700円
2020年代2,441110円7,700円
築年代別 修繕積立金の実額 (1都3県・専有70㎡で換算)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

表のどの行が、あなたのマンションか

表のどの行が、あなたのマンションかのイメージ

まず、ご自身の建物が完成した年代の行を探してください。たとえば築25年なら2000年代の行で、1㎡あたり月231円、70㎡なら月16,200円が目安になります。築40年前後なら1980年代の行で、1㎡あたり月218円、70㎡で月15,300円です。

専有面積が70㎡でない場合は、1㎡あたりの金額を使います。60㎡なら1㎡あたりの金額に60をかけ、80㎡なら80をかけるだけです。管理費と修繕積立金が一緒に引き落とされている場合は、毎月の明細や管理規約の別表で内訳を確認してください。

表を見て意外に思われるのは、いちばん新しい建物がいちばん安く、古い建物が高いという並びでしょう。新しいほど安いのは、建物が傷んでいないからではありません。理由は次の見出しで説明します。

なお、この集計は1都3県に限った数字です。地方都市の水準や、共用施設が豪華な物件の傾向は、この集計からは分かりません。

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新築が安く、築年数とともに上がる理由

新築が安く、築年数とともに上がる理由のイメージ

修繕積立金とは、十数年に一度の大規模な修繕に備えて、住人全員で毎月ためておくお金です。外壁の塗り替えや屋上の防水、給排水管の交換などに使われます。毎月の金額は、将来かかる工事費を何年かけて集めるかで決まります。

ここで効いてくるのが積立方式の違いです。国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、現在の積立方式は均等積立方式が40.5%、段階増額積立方式が47.1%で、段階的に上げていく方式のほうが多くなっています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001750158.pdf)。段階増額積立方式は、分譲時の月額を低く設定し、年数が経つにつれて引き上げていく仕組みです。

つまり、新しい建物の月額は、これから上がる前提の金額だということです。当社の集計で新しい年代が安く出るのも、この仕組みが背景にあると考えられます。反対に築20年から40年の物件は、すでに何度か引き上げを経た後の金額が出ているわけです。

この点について、国土交通省は2024年6月にガイドラインを改定し、段階増額積立方式の目安として、計画の初期額は均等積立に換算した基準額の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内という考え方を示しています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000204.html)。新築の月額が安すぎないかを見る、ひとつのものさしになります。

総戸数が少ないほど、1戸の負担は重くなります

築年代と並んでもうひとつ効くのが、マンションの総戸数です。次の表は、同じ67,811棟を総戸数別に集計し、修繕積立金と管理費を専有70㎡に換算したものです。

総戸数棟数修繕積立金 月額管理費 月額
30戸未満23,43616,000円17,700円
30〜49戸20,20715,500円15,800円
50〜99戸15,34414,600円13,800円
100〜199戸5,50313,600円11,900円
200戸以上3,17613,000円11,200円
総戸数別 修繕積立金と管理費 (1都3県・専有70㎡で換算)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

30戸未満のマンションは修繕積立金が月16,000円、200戸以上では月13,000円です。管理費も30戸未満が月17,700円、200戸以上が月11,200円と、小規模なほど重くなっています。工事や管理にかかる費用を、少ない戸数で分け合うためです。

実際の調査でも同じ傾向が見られます。階建てや戸数の区分ごとの平均では、20戸以下が1万5569円、201〜300戸が1万1687円と報じられています。小さいマンションが「割高」なのは異常ではなく、構造的なものです。買うときも売るときも、この前提で見てください。

高いか安いかは、2つのものさしで見分けます

ご自身の金額が高いか安いかは、他人の平均と1回比べただけでは決まりません。使えるものさしは2つあります。1つは実勢の分布、もう1つは国の目安です。

1つめの分布で見ると、当社の集計では70㎡換算で月11,200円が下から4分の1、月19,740円が上から4分の1の境目でした。月19,740円を超えていれば高いほうの4分の1に入りますが、機械式駐車場があったり、大規模修繕が近かったりすれば、それが妥当な場合もあります。

2つめの国の目安は、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」です。20階未満で延床面積5,000㎡以上1万㎡未満のマンションなら、目安は1㎡あたり月170〜320円、平均252円とされています。70㎡に換算すると月11,900〜22,400円、平均で約17,640円です(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747009.pdf)。20階以上の建物では1㎡あたり月240〜410円、平均338円で、70㎡なら月16,800〜28,700円が目安です。

参考までに、全国の実勢平均は月/戸当たり13,054円(駐車場使用料等からの充当額を除く)、充当額を含む総額では13,378円でした(国土交通省 令和5年度マンション総合調査)。当社集計の1㎡あたり月215円は、上記の目安の範囲内に収まる水準です。

積立金が足りないマンションを見抜く

高いか安いかより大事なのが、計画に対して足りているかどうかです。月額が安くても、必要額に届いていなければ、いずれ一時金や大幅な値上げになります。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、計画上の積立額に対して現在の積立額が不足しているマンションが36.6%あり、そのうち計画に対して20%を超えて不足しているものが11.7%ありました。また、計画期間25年以上の長期修繕計画に基づいて金額を決めているマンションは59.8%で、残りの約4割はその条件を満たしていません(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000210.html)。払えているかどうかと、足りているかどうかは別の話です。

確認の手順は簡単です。管理会社か管理組合に、長期修繕計画書と直近の収支報告書、総会議事録を見せてもらってください。計画期間が何年か、積立金の残高が計画通りに積み上がっているか、将来の一時金が予定されていないかを見ます。管理計画の認定制度でも、長期修繕計画が30年以上で残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれること、将来の一時金徴収を予定していないことが要件とされており、20階以上では1㎡あたり月240円以上が求められます(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001972610.pdf)。

この数字が当てはまらないケース

表の金額から外れていても、それだけで悪い物件とは言えません。国土交通省も、ガイドラインの目安の範囲に収まっていないからといって直ちに不適切と判断されるわけではないとしています(国土交通省 https://www.mansion-info.mlit.go.jp/qa/mansion-management/repair-renovation/472/)。建物の仕様や設備、立地、工事の単価といった個別事情で変わるからです。

代表的な上振れ要因が機械式駐車場です。国土交通省のガイドラインでは、3段(ピット2段)昇降式の修繕工事費は1台あたり月5,840円とされ、モデルケースでは30台・総専有面積4,900㎡で1㎡あたり約36円の加算になります。その結果、目安は1㎡あたり月206〜356円へ上がります。駐車場のあるマンションが平均より高く見えるのは、この分が乗っているためです。

一方で、当社の集計では駐車場会計を別建てにしているかどうかまでは区別していません。共用施設の内容や管理会社ごとの傾向も集計していないため、分かりません。最終的な判断は、お手元の長期修繕計画書で行ってください。

よくある質問

「いくらから高いと言えますか」という質問には、70㎡換算で月19,740円という数字でお答えします。これを超えると当社集計で上位4分の1です。超えていたら、機械式駐車場の有無と次回の大規模修繕の予定を確認してください。

「新築で安い金額なら安心ですか」については、いいえ、と申し上げます。全国では段階増額積立方式が47.1%を占めます。分譲時の資料で、初期額が均等積立換算の0.6倍以上になっているかを見るのが具体的な確認方法です。

「値上げを提案されたらどうすればよいですか」には、まず長期修繕計画書と積立金残高の2点を請求してください、とお答えします。計画に対して不足しているマンションは36.6%あり、値上げ自体は珍しいことではありません。金額の根拠が計画にあるかどうかが判断の分かれ目です。

「売却価格にどう影響しますか」については、当社の集計では価格との関係を出していないため、分かりません。ただし積立金の残高と長期修繕計画は、買主から必ず確認される項目です。

まとめ

1都3県の修繕積立金の相場は、専有70㎡で月15,050円、1㎡あたり月215円です。築年代によって異なり、新しい建物ほど安いのは将来上げる前提だからです。金額の高安より、長期修繕計画に対して足りているかを先に確かめてください。

ご自身のマンションが今いくらで、周りの同じ築年代と比べてどうなのかは、実際のデータで見るのが早道です。

参考文献・出典

  • 国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747009.pdf
  • 国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ) – https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000210.html
  • 国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001750158.pdf
  • 国土交通省 「長期修繕計画作成ガイドライン」及び「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の改定について – https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000204.html
  • 国土交通省 そもそも、管理計画の認定制度とは? – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001972610.pdf
  • 国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト よくあるご質問 – https://www.mansion-info.mlit.go.jp/qa/mansion-management/repair-renovation/472/
  • SUUMO マンションの修繕積立金の相場は? – https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_money/ms_syuzentsumitatekinsouba/
  • 株式会社青山地所 自社データベース(集計 2026年09月 時点)
詳しいガイド積立金の重さを判断する基準修繕積立金の相場が70m2で月15,050円とわかると、自分の部屋がその水準からどれだけ離れているか、管理費と合わせた重さが気になってくる。積立金の水準から手残りへの影響を確かめられる。売却ガイド一覧を見る →

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