管理費・修繕積立金

総戸数別マンション管理費 月1.1万〜1.8万円の差

この記事の結論

  • 1都3県73,385棟の集計では、70㎡換算の管理費は20戸未満が総戸数の少ないマンションより高い水準です。
  • 総戸数が多いほど管理費は下がる傾向です。
  • ただし共用施設が多いマンションは、戸数が多くても安くなりません。

マンションの管理費は、総戸数によって月々1万円近く変わります。当社が保有する1都3県の分譲マンション73,385棟のデータを、総戸数の規模ごとに並べて集計しました。専有面積70㎡に換算すると、20戸未満の小規模マンションは総戸数の多いマンションより高い水準であり、その差は月数千円以上になります。この記事では、なぜこれほどの差が生まれるのか、ご自身のマンションはどの位置にあるのか、そして総戸数が資産価値にどう関わるのかを、順番に説明していきます。

総戸数別の管理費はいくらか

総戸数別の管理費はいくらかのイメージ

まず実額を見ていきます。次の表は、1都3県の分譲マンション73,385棟を総戸数の規模で7つに分け、専有面積70㎡に換算した管理費と修繕積立金の月額をまとめたものです。

総戸数棟数管理費 月額修繕積立金 月額合計 月額
20戸未満9,81117,900円15,300円33,100円
20〜29戸13,62517,600円16,500円34,200円
30〜49戸20,20715,800円15,500円31,300円
50〜99戸15,34413,800円14,600円28,400円
100〜199戸5,50311,900円13,600円25,500円
200〜399戸2,24011,300円13,100円24,400円
400戸以上93611,200円12,700円23,900円
総戸数別 管理費・修繕積立金の実額 (1都3県・専有70㎡で換算)
出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

出典: 株式会社青山地所 自社データベース (集計 2026年09月 時点)

ご自身のマンションがどの行に当たるかは、総戸数だけで分かります。エントランスの掲示板や管理規約、分譲時のパンフレットに総戸数が書かれています。たとえば45戸のマンションにお住まいなら「30〜49戸」の行です。管理費は月15,800円、修繕積立金は月15,500円、合わせて月31,300円が目安になります。

表を上から下へたどると、管理費が段階的に下がっていくのが分かります。20戸未満から、50〜99戸、100戸を超えるにつれて低下する傾向が見られます。一方で修繕積立金の下がり方はゆるやかです。20戸未満と400戸以上を比べても、差は2,600円程度にとどまります。管理費のほうが、総戸数の影響をはっきり受けています

なお、この数字は専有面積70㎡に換算したものです。実際にお住まいの住戸が60㎡なら金額はこれより低く、85㎡なら高くなります。比べやすいように面積をそろえた数字だとお考えください。

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総戸数が多いと管理費が安くなる理由

総戸数が多いと管理費が安くなる理由のイメージ

ポイントは、管理にかかる費用の多くが「戸数に比例しない」という点にあります。管理費とは、共用部分の清掃や管理員さんの人件費、共用廊下やエレベーターの電気代などに使われるお金です(国土交通省 https://www.mansion-info.mlit.go.jp/manshion_kanri/329/)。これらの費用を、住んでいる全世帯で分け合って負担します。

たとえば管理員さんを1人雇う費用は、そのマンションが30戸でも300戸でも大きくは変わりません。同じ金額を30世帯で割るのと300世帯で割るのとでは、1戸あたりの負担が10倍違ってきます。SUUMOの解説でも、300戸のマンションなら1戸あたり100円の負担で済む費用が、30戸の小規模マンションでは1戸あたり1,000円になる、と説明されています(https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_sagashi/shokibomansion/)。

同じ傾向は公的な統計でも確認できます。国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、月・戸あたりの管理費の総額平均は11,503円で、総戸数規模が大きくなるほど低くなる傾向が示されています。当社の集計結果も、この全国的な傾向と同じ方向を向いています。

つまり、大規模マンションが特別に安く管理されているわけではありません。負担する人数が多いから、1戸あたりが軽くなるだけです。仕組みが分かれば、金額の差に驚く必要はなくなります。

小規模マンションの管理費が高いのは損なのか

ここで誤解しやすいのが、「小規模マンションは割高だから損だ」という受け取り方です。実は、必ずしもそうとは言い切れません。

当社の集計では、総戸数が少ないマンションほど管理費が高い傾向が見られました。確かに大規模マンションより高い水準です。しかし小規模マンションでは、住戸の数に対して敷地や共用部分が広めに取られている場合があります。また、総会での意見がまとまりやすく、管理組合の運営に住民の声が届きやすいという面もあります。金額だけを見て良し悪しを決めるのは早計です。

もうひとつ大事なのが、管理費と修繕積立金は役割がまったく違うという点です。管理費は日々の維持管理、修繕積立金は将来の大規模修繕に備えるお金です。修繕積立金とは、十数年に一度行う外壁の補修や屋上防水などの工事に向けて、毎月ためておくお金のことです。管理費が安くても修繕積立金が足りていなければ、いざ工事という段階で一時金の請求が来ることもあります。

表を見ると、修繕積立金は総戸数が少ないマンションと多いマンションで異なる水準を示しています。管理費ほどの開きはありません。将来の工事費は建物の規模に応じて増えるため、戸数で割っても負担が大きくは減らないからだと考えられます。

タワーマンションや大規模物件の注意点

まず押さえておきたいのは、戸数が多ければ必ず安くなるわけではない、ということです。当社の集計では大規模マンションの管理費は平均的な水準でしたが、これはあくまで平均です。実際の金額は、そのマンションが何を備えているかで大きく変わります。

SUUMOの解説でも、共用施設の充実度や管理サービスの内容によっては、必ずしも大規模マンションの管理費が割安になるとは限らないと指摘されています(https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_kanrihi/)。ラウンジやゲストルーム、フィットネスルーム、24時間の有人受付などがあれば、その運営費は管理費から出ていきます。戸数で割って安くなる分を、施設の維持費が打ち消してしまう形です。

実際、同じ解説では総戸数の規模によって管理費の水準が異なるというデータも紹介されています。面積あたりで見ると、大規模マンションと小規模マンションで管理費に差が出ることもあります。集計の対象や条件が違えば、結論の見え方も変わります。平均値は目安であって、ご自身のマンションの答えではありません

タワーマンションの管理費が具体的にいくらかについては、当社の集計では総戸数の区分までしか分けていないため、正確なことは分かりません。高層階専用のエレベーターや機械式駐車場、防災設備など、一般的なマンションにはない設備を抱えるケースが多い点だけは押さえておいてください。

総戸数は資産価値に影響するのか

売却を考えている方が気になるのは、この点かもしれません。総戸数そのものが価格を直接決めるわけではありませんが、間接的に関わってきます。

買主が物件を見るとき、毎月の管理費と修繕積立金の合計は必ず確認します。当社の集計では、その合計は総戸数が少ないマンションと多いマンションで異なる水準を示しており、月数千円の差が生じています。住宅ローンの返済に毎月数千円が上乗せされると考えれば、買主の判断に影響しうる金額だと分かります。

ただし、管理費が安いことだけが評価されるわけではありません。建物がきちんと手入れされているか、修繕の計画が立っているか、積立金が不足していないかも見られます。管理費を削りすぎて清掃や点検が行き届かなくなれば、かえって建物の印象は悪くなります。金額の高さより、その金額に見合う管理ができているかが問われます

なお、当社の集計は1都3県の分譲マンションが対象で、2026年9月時点のものです。地域や築年数、駐車場の有無による差までは分けていません。個別の物件がいくらで売れるかは、立地や室内の状態など多くの条件で決まりますので、平均値だけで判断しないようお願いします。

よくある質問

管理費が平均より高いのですが、下げられますか。

管理組合の総会で決議すれば、管理費の額や管理会社との契約内容は見直せます。まずは管理組合から配られる収支報告書で、何にいくら使われているかを確かめてください。清掃の回数や管理員さんの勤務時間など、見直しの余地がある項目が見つかることがあります。ただし削りすぎは建物の傷みにつながりますので、慎重にご検討ください。

自分のマンションの総戸数はどこで確認できますか。

管理規約の冒頭や、分譲時のパンフレット、重要事項調査報告書に記載されています。手元になければ管理組合か管理会社にお尋ねください。総戸数が分かれば、この記事の表のどの行に当たるかがすぐに分かります。

管理費と修繕積立金、どちらが値上がりしやすいですか。

一般的には、修繕積立金のほうが築年数とともに段階的に上がっていく仕組みを取るマンションが多いとされています。ただし個別の事情によりますので、ご自身のマンションの長期修繕計画をご確認ください。管理会社や管理組合が保管しています。

20戸未満のマンションは買わないほうがいいですか。

金額だけで決める必要はありません。当社の集計では小規模マンションの管理費は大規模マンションより高い水準でした。その差を負担してもよいと思える立地や間取りであれば、選ぶ理由は十分にあります。判断の材料として、数字を知っておくことが大切です。

まとめ

1都3県の73,385棟を集計すると、70㎡換算の管理費は総戸数が少ないマンションほど高い傾向が見られました。差が生まれるのは、管理員の人件費など戸数に比例しない費用を、何世帯で分け合うかが違うからです。ただし共用施設が多いマンションは、戸数が多くても安くなるとは限りません。平均値はあくまで出発点として、ご自身のマンションの収支報告書と長期修繕計画を一度ご覧になることをおすすめします。

ご自身のマンションが今いくらなのかは、実際の成約データで見るのが早道です。

参考文献・出典

  • 株式会社青山地所 自社データベース(1都3県の分譲マンション73,385棟/集計 2026年09月時点)
  • 国土交通省 マンション総合調査 – https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000022.html
  • 国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001750161.pdf
  • e-Stat Ⅱ 令和5年度マンション総合調査結果 – https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?fileKind=2&statInfId=000040188314
  • 国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト これだけは知っておきたい!マンションの管理状況チェックシート – https://www.mansion-info.mlit.go.jp/manshion_kanri/329/
  • SUUMO 分譲マンションの管理費とは?「相場」は?修繕積立金との違いも解説 – https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_knowhow/ms_kanrihi/
  • SUUMO マンション管理とは?管理会社だけに任せず、管理組合でマンションの価値を維持するには? – https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_knowhow/mansion_management/
  • SUUMO 小規模マンションのメリット・デメリットを解説 – https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_sagashi/shokibomansion/
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