「高輪ゲートウェイの工事は、結局いつまで続くの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。2020年に駅が暫定開業して以来、周辺では大規模な再開発が進み、ニュースで名前を見かけるたびに「まだ工事中なの?」と感じる方もいるかもしれません。この記事では、JR東日本や東京都の公式発表をもとに、高輪ゲートウェイ再開発の工事スケジュールをわかりやすく整理します。「まちびらき」と「グランドオープン」の違いから、2030年代まで続くインフラ整備の見通しまで、時系列で丁寧に解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
「駅の開業」と「まちの完成」は別物です
高輪ゲートウェイの工事期間を理解するうえで、まず押さえておきたいのは「駅の開業」と「まちの完成」が別々のタイミングで進んでいるという点です。この2つを混同してしまうと、スケジュールが一気にわかりにくくなります。実際、駅はすでに使えるのに、まちとしての整備はまだ途中という状態が長く続いてきました。
高輪ゲートウェイ駅自体は2020年に暫定開業しており、多くの方がすでに利用しています。一方、駅周辺に広がる大規模複合都市「TAKANAWA GATEWAY CITY(タカナワ ゲートウェイ シティ)」の開発は、駅の開業とは独立したプロジェクトとして段階的に進められてきました。JR東日本の公式説明によると、2025年3月27日には駅前に広がるツインタワー「THE LINKPILLAR 1」が開業し、高輪ゲートウェイ駅も全面開業しています。
JR東日本が手がけるこの再開発は、商業・ホテル・住宅・オフィスなどが一体となった国際交流拠点を目指す巨大プロジェクトです。規模が非常に大きいため、一度にすべてが完成するのではなく、施設ごとに段階的に開業していく方式が採られています。だからこそ「工事はいつまで?」という疑問が生まれやすいわけです。まずは大きな節目を時系列で押さえていきましょう。
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まちびらきは2025年3月、グランドオープンは2026年3月28日
時系列で整理すると、再開発の大きな節目は2つあります。まず2025年3月27日に「まちびらき」が行われ、その後2026年3月28日に「グランドオープン」を迎えるという流れです。この約1年間をかけて、各施設が順次開業していく計画でした。
JR東日本の2024年10月の発表では、2025年3月27日のまちびらきでTHE LINKPILLAR 1の開業と高輪ゲートウェイ駅の全面開業を行い、2026年春にその他の棟を完成させてグランドオープンを迎えると案内されていました。このまちびらきは、街全体が一斉に完成したことを意味するのではなく、開発エリアが正式に街として動き始めたことを宣言するイベントです。商業施設やホテル、住宅棟は、このタイミングを起点として段階的に開業していきました。
そして、JR東日本の2026年2月の最新プレスリリースでは、TAKANAWA GATEWAY CITYが2026年3月28日にグランドオープンすると正式発表されています。同発表では「100年先の心豊かなくらし」の実現に向けて、住む・働く・訪れるすべての人々と共創する国際交流拠点が本格始動すると表現されています。つまり、2025年3月のまちびらきから約1年をかけて施設が順次開業し、2026年3月に集大成を迎えるという流れです。
施工を担った大林組も、もう一方のツインタワー「THE LINKPILLAR 2」の竣工を2026年1月と明記しています。この施設の完成をもって、TAKANAWA GATEWAY CITYはグランドオープンを迎える形となりました。主要施設の工事は、この2026年初頭にかけて仕上げの段階に入っていたことがわかります。
各施設の開業スケジュールはどうなっている?
グランドオープンに向けて、TAKANAWA GATEWAY CITYを構成する各施設は段階的に開業しています。特に注目を集めたのが商業施設で、ルミネが手がける「ニュウマン高輪」は2025年9月12日に本格開業しました。ルミネの発表によると、South・North・LUFTBAUMが同日にオープンし、常設165店舗、開業から約2か月で計177店舗が出そろう、ルミネ史上最大規模の商業施設となっています。
さらに、ニュウマン高輪の一部である「MIMURE」は、当初2026年春の開業予定とされていました。現在のTAKANAWA GATEWAY CITY公式施設情報では、THE LINKPILLAR 2の商業施設として「NEWoMan TAKANAWA MIMURE」が掲載されており、日本の食文化を体感できる場として位置づけられています。ただし、正式な開業日については公式施設ページでも確認できないため、最新情報は公式サイトでチェックすることをおすすめします。
住宅棟である「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」も見どころのひとつです。JR東日本の2024年10月の発表では、この住宅棟の低層階にインターナショナルスクールが2026年8月に開校する予定と案内されていました。教育機能まで備えることで、単なる商業・オフィス集積ではなく、生活基盤の整った国際交流拠点を目指していることがうかがえます。
ここで重要なのは、「グランドオープン=すべての施設が完成」ではないという点です。大規模な複合都市開発では、テナントの入居状況や工事の進捗によって、個々の施設の開業時期が前後することも珍しくありません。TAKANAWA GATEWAY CITYも同様で、2026年3月28日のグランドオープン後も、一部施設の整備や開業が続いていく点は押さえておきましょう。
工事はいつまで?実は2030年代まで続きます
「グランドオープン=工事完了」と考えたくなりますが、実はそうではありません。周辺の再開発や一部街区の整備は、グランドオープン後も長期にわたって続いていきます。ここが「工事はいつまで続くの?」という疑問に対する、最も重要なポイントです。
東京都が2025年11月にまとめた品川駅周辺まちづくりの広域工程表によると、TAKANAWA GATEWAY CITYの1〜4街区の開業は「Phase1(〜2027年度)」に位置づけられています。一方で、品川駅側の再開発や周辺のインフラ整備は、Phase2以降の2028年度から2040年代まで、段階的に進められる計画です。つまり、駅前の主要施設が動き出したあとも、広域では長い年月をかけてまちづくりが続いていくわけです。
特に工事の長期化に関わるのが、TAKANAWA GATEWAY CITYの「5・6街区」です。東京都の同じ資料でも、5・6街区については工程表に反映されておらず、「現在協議中事項の進捗に応じて、別途追記します」とされています。この街区の開発時期が、現時点でも確定していないことを示しています。
5・6街区の整備が難しくなっている背景には、江戸時代末期から明治初期に築かれた鉄道遺構「高輪築堤」の保存問題があります。JR東日本の有識者検討会議の議事録によると、5・6街区の間には環状4号線や区画道路、歩行者用のデッキといった既定のインフラが重なっており、築堤を現地保存するスペースの確保が難しいと説明されています。事業者側は、現地保存案が建物計画の成立性や事業採算性の面で許容範囲を大きく超えており、現時点では改善策がないと整理しています。
この保存方針が固まらない限り、行政との都市計画手続きに進めないため、5・6街区を含む全体の開業にはもうしばらく時間がかかるとされています。有識者会議の説明でも、仮囲い内の開発完了は2030年代に及ぶ見通しで、展示企画も長期を前提に更新していくと述べられています。したがって、高輪ゲートウェイ全体の工事は2030年代まで続くと理解するのが正確です。
なお、高輪築堤そのものについては、まちづくりの過程で出土した遺構の記憶を次の100年に継承する取り組みとして、ギャラリーがすでに開館しています。現地保存・公開は2028年春に予定されていると公式施設情報で案内されており、歴史遺産の整備もまちづくりの一環として位置づけられています。再開発は単なる商業施設の建設にとどまらず、文化的・歴史的な取り組みも含んでいるのです。
プロジェクトの全体像と事業規模
高輪ゲートウェイ再開発の規模感を知ると、なぜこれほど工事期間が長いのかが見えてきます。JR東日本のIR資料によると、主要4施設の延床面積は、THE LINKPILLAR 1が約46万平方メートル、THE LINKPILLAR 2が約20万8千平方メートル、MoN Takanawaが約2万9千平方メートル、TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCEが約14万8千平方メートルとされています。合計で80万平方メートルを超える巨大開発です。
事業費の面でも、JR東日本の公式資料に基づく事業規模は相当な規模とされています。これほどの巨額投資と広大な敷地を伴うプロジェクトだからこそ、施設ごとに段階的に開業する方式が採られ、全体の工事が長期化しているわけです。都市そのものを一からつくり上げる規模だと考えると、10年以上のスパンで整備が続くのも納得できるのではないでしょうか。
不動産投資の観点から見た高輪ゲートウェイエリア
高輪ゲートウェイ再開発に注目しているのは、街を訪れたい方だけではありません。不動産投資の観点からも、このエリアは非常に注目度が高い地域です。大規模な再開発が進むエリアでは、周辺の地価や賃料水準に影響が出ることが一般的とされています。
ポイントは、再開発の「完成後」ではなく「進行中」の段階から市場が動き始めるという点です。TAKANAWA GATEWAY CITYのような国際交流拠点が整備されると、周辺エリアへの企業進出や居住需要の高まりが期待されます。一方で、大規模開発エリアの周辺物件には、工事期間中の騒音や交通規制といったデメリットも存在します。特に前述のとおり2030年代まで工事が続くエリアがあることを踏まえると、投資判断には慎重な現地調査が欠かせません。
また、周辺インフラの整備が2040年代まで段階的に続くことを考えると、エリアの利便性は今後さらに向上していく可能性があります。ただし、不動産投資の判断は個別の物件状況や市場環境によって大きく異なりますので、専門家への相談や最新の市場データの確認を必ず行ってください。再開発エリアへの投資は魅力的に映ることも多いですが、開発スケジュールの変更リスクなども念頭に置いた冷静な判断が求められます。
まとめ
高輪ゲートウェイの工事スケジュールを整理すると、2025年3月27日のまちびらきでTHE LINKPILLAR 1と駅が全面開業し、2026年3月28日にTAKANAWA GATEWAY CITYがグランドオープンを迎えるという流れが大きな節目です。しかし、これで工事のすべてが終わるわけではありません。5・6街区を含む一部エリアや周辺インフラの整備は、2030年代まで段階的に続いていく見通しです。
「駅の全面開業」「まちびらき」「グランドオープン」「5・6街区とインフラ整備」という段階を意識すると、再開発の全体像がつかみやすくなります。訪問や投資を検討している方は、JR東日本やTAKANAWA GATEWAY CITY公式サイト、東京都の公式情報を定期的にチェックして、最新のスケジュールを確認することをおすすめします。大規模開発は計画が変更されることもありますので、一次情報を直接確認する習慣が大切です。高輪ゲートウェイエリアは今まさに変化の真っ只中にあり、その動きを正確に把握することが、訪問計画や投資判断の第一歩となるでしょう。
参考文献・出典
- JR東日本「高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりについて」 — https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220421_ho01.pdf
- JR東日本「TAKANAWA GATEWAY CITY 2025年3月27日いよいよまちびらき」 — https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241030_ho02.pdf
- JR東日本「広域品川圏の共創まちづくり 2026年3月28日本格始動!」 — https://www.jreast.co.jp/press/2025/20260219_ho03.pdf
- JR東日本「2025年3月期第2四半期 決算説明資料」 — https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202409guide3.pdf
- TAKANAWA GATEWAY CITY公式サイト「施設情報」 — https://www.takanawagateway-city.com/facilities/
- ルミネ「ニュウマン高輪 9月12日本格開業」 — https://www.lumine.co.jp/newsrelease/pdf/release_250912.pdf
- 東京都「品川駅周辺まちづくりの目標について」 — https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/2025-12-17-181611-877
- JR東日本「高輪築堤等の価値・あり方に関する有識者検討会議 議事録」 — https://www.jreast.co.jp/takanawachikutei/international/pdf/yusikisya_19_zentai_gijiroku.pdf
- 大林組「TAKANAWA GATEWAY CITY THE LINKPILLAR 2」 — https://www.obayashi.co.jp/works/detail/work_2957.html
一橋大学大学院MBA修了。大手デベロッパー法人部門、買取再販会社を経て現職。区分リノベ再販・都心事業用物件の買取再販を手がけ、業界7年の知見で記事を監修。
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