品川駅周辺の再開発が、いま不動産投資家の間で大きな注目を集めています。「高輪ゲートウェイ駅ができたのは知っているけれど、実際にどんな開発が進んでいるの?」「再開発エリアの近くに投資用物件を買うのは得策なの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、品川駅・高輪エリアで現在進行中の再開発プロジェクトの全体像を整理し、不動産投資の観点からどのような可能性があるのかをわかりやすく解説します。最新の公式情報をもとにまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
品川駅・高輪エリアで何が起きているのか

まず押さえておきたいのは、品川駅・高輪エリアが日本でも有数の大規模再開発ゾーンになりつつあるという事実です。複数の大手企業が同時並行でプロジェクトを進めており、街全体が大きく生まれ変わろうとしています。
その中心となるのが、JR東日本が主導する「TAKANAWA GATEWAY CITY」です。このプロジェクトは2025年3月27日にまちびらきを迎え、高輪ゲートウェイ駅を核とした国際交流拠点として本格的に動き出しました(JR東日本 https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202409guide3.pdf)。JR東日本はこのエリアを「広域品川圏」と位置づけており、浜松町や田町の駅改良にも着手するなど、品川駅周辺全体を一体的に開発する構想を持っています。
さらに、京急電鉄も品川駅西口側で大規模な開発を進めています。旧シナガワグース跡地を含む品川駅西口地区A地区では、2025年5月31日に「京急品川開発プロジェクト」が本格始動し、工事が始まりました(京急電鉄 https://www.keikyu.co.jp/company/news/2025/20250526HP_25008TA.html)。このように、駅の東西両側から同時に再開発が進んでいるのが、品川・高輪エリアの大きな特徴です。
港区も行政の立場からこの動きを後押ししています。港区長は、TAKANAWA GATEWAY CITYが「心豊かな未来に向かい進化し続ける魅力的な国際交流拠点として発展することを期待している」とコメントしており(港区 https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/press/202503/20250326_press01.html)、官民一体となった街づくりが進んでいることがわかります。
TAKANAWA GATEWAY CITYの全体像
TAKANAWA GATEWAY CITYは、JR東日本が広域品川圏の中心的なプロジェクトとして位置づける複合都市開発です。その規模と内容は、単なる駅前再開発の枠を大きく超えています。
主要施設としては、THE LINKPILLAR 1 SOUTH、THE LINKPILLAR 1 NORTH、THE LINKPILLAR 2といったオフィス・商業複合棟のほか、MoN Takanawa: The Museum of Narrativesという文化施設、そして居住棟であるTAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCEが整備されています(JR東日本 https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202409guide3.pdf)。オフィスから商業、文化、住居まで、都市生活に必要な機能をひとつのエリアに集約した「職住近接」の街づくりが目指されています。
また、このエリアには歴史的な遺産も残されています。明治時代に建設された「高輪築堤跡」がその代表例で、JR東日本は2025年3月に整備基本計画を策定し、「保存」「活用」「まちづくり」の3つの観点から整備を進めることを発表しました(JR東日本 https://www.jreast.co.jp/takanawachikutei/seibikihon/)。歴史的価値を持つ遺産を街の魅力として活かす取り組みは、エリアのブランド価値向上にもつながると考えられます。
JR東日本は、広域品川圏の開発全体で2034年頃までにオフィスや商業施設、マンションの賃料収入を中心に年間約1,000億円の営業収益を目指すとしています(JR東日本 https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202409guide3.pdf)。この数字は、同社がこのエリアにいかに大きな期待を寄せているかを示すものです。
品川駅西口側の再開発:京急とトヨタが動く
品川駅の西口側でも、東口に負けない規模の再開発が進んでいます。重要なのは、この開発に鉄道会社だけでなく、日本を代表する製造業大手も参画しているという点です。
京急電鉄が進める品川駅西口地区A地区新築計画では、オフィス、商業、ホテル、MICE(カンファレンスや多目的ホールなど)を備えた複合施設の整備が計画されています(京急電鉄 https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20240322HP_23155TE.pdf)。MICEとは、会議(Meeting)・研修旅行(Incentive)・国際会議(Convention)・展示会(Exhibition)の頭文字を取った言葉で、国際的なビジネス交流の場を指します。品川という立地を活かし、国際交流拠点としての機能を強化する狙いがあります。
さらに注目すべきは、トヨタ自動車がこの計画の共同事業者として参画し、新たな東京本社をこのエリアに設ける予定であることです(京急電鉄 https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20240322HP_23155TE.pdf)。世界的な大企業が東京の拠点として品川を選んだことは、このエリアのビジネス上の重要性を改めて示しています。開業は計画されており、今後数年でエリアの就業者数が大幅に増加することが見込まれます。
港区の市街地再開発事業と街の課題
再開発が進む一方で、エリアの現状にはいくつかの課題も存在します。港区は高輪三丁目品川駅前地区について、建築物の老朽化が進んでいること、幅員の狭い道路が存在すること、土地の有効利用や防災面に課題があること、そして駅や周辺市街地との歩行者ネットワークや地域内の回遊性が不足していることを指摘しています(港区 https://www.city.minato.tokyo.jp/saikaihatsu/kankyo-machi/toshikekaku/shigaichi/saikaihatsu/takanawa3.html)。
こうした課題を解決するために、港区は高輪三丁目品川駅前地区において第一種市街地再開発事業を進めています。対象となる区域面積は約2.2ヘクタールで、老朽化した建物の更新と歩行者ネットワークの整備が主な目的です(港区 https://www.city.minato.tokyo.jp/saikaihatsu/kankyo-machi/toshikekaku/shigaichi/saikaihatsu/takanawa3.html)。再開発によって防災性が高まり、歩きやすい街に生まれ変わることで、居住者や就業者にとっての利便性が大きく向上すると期待されています。
不動産投資の観点から見ると、こうした行政主導の市街地再開発事業は、エリア全体の資産価値を底上げする効果があると一般的には考えられています。ただし、再開発の恩恵が具体的にどの程度・どのタイミングで周辺物件の価格や賃料に反映されるかは、個別の物件や市場環境によって大きく異なります。投資判断の際には、最新の市場動向を専門家に確認することをおすすめします。
不動産投資家が注目すべきポイント
品川駅・高輪エリアの再開発が不動産投資にとって魅力的な理由は、複数の大型プロジェクトが同時進行していることにあります。一般的に、大規模な再開発が進むエリアでは就業者・居住者・来訪者の増加が見込まれ、賃貸需要の高まりや資産価値の上昇が期待されます。
ただし、いくつかの点には注意が必要です。まず、再開発エリアの周辺物件は、開発への期待感からすでに価格が上昇している場合があります。高い価格で購入した場合、期待通りの利回りが得られないリスクも考慮しなければなりません。また、TAKANAWA GATEWAY CITYに隣接するOIMACI TRACKSは2026年春のまちびらきが予定されており(JR東日本 https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202409guide3.pdf)、開発はまだ途上にあります。完成までの工事期間中は、騒音や交通規制などの影響が生じる可能性もあります。
一方で、京急・トヨタの複合施設開業や、2034年頃を目標とするJR東日本の収益目標など、長期的な開発スケジュールが明確になっていることは、投資判断の材料として有益です。短期的な値上がり益を狙うよりも、エリアの長期的な成長を見据えた中長期投資の視点が、このエリアには向いているといえるでしょう。具体的な物件選びや資金計画については、不動産の専門家や金融機関に相談しながら慎重に進めることが大切です。
まとめ
品川駅・高輪エリアは、JR東日本のTAKANAWA GATEWAY CITY、京急電鉄とトヨタ自動車による品川駅西口の複合開発、港区の市街地再開発事業など、複数の大型プロジェクトが重なり合う、日本でも屈指の注目エリアです。2025年のまちびらきを皮切りに、2029年度の西口開業、2034年頃の収益目標達成に向けて、街は着実に変わり続けています。
不動産投資においては、こうした長期的な開発計画を正確に把握したうえで、自分の投資目的やリスク許容度に合った判断をすることが何より重要です。エリアの将来性に期待しつつも、現在の価格水準や収支シミュレーションをしっかり確認し、焦らず慎重に行動することが成功への近道です。まずは最新情報を各公的機関の公式サイトで確認し、信頼できる専門家に相談することから始めてみてください。
参考文献・出典
- JR東日本 2025年3月期第2四半期 決算説明資料 — https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202409guide3.pdf
- JR東日本 高輪築堤跡整備基本計画の策定 — https://www.jreast.co.jp/takanawachikutei/seibikihon/
- 京急電鉄 (仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の事業化正式決定 — https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20240322HP_23155TE.pdf
- 京急電鉄 「京急品川開発プロジェクト」本格始動 — https://www.keikyu.co.jp/company/news/2025/20250526HP_25008TA.html
- 港区 高輪三丁目品川駅前地区第一種市街地再開発事業 — https://www.city.minato.tokyo.jp/saikaihatsu/kankyo-machi/toshikekaku/shigaichi/saikaihatsu/takanawa3.html
- 港区 TAKANAWA GATEWAY CITYまちびらきについて 清家愛 港区長のコメント — https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/press/202503/20250326_press01.html
- JR東日本 不動産・ホテル事業|事業紹介|事業紹介・成長戦略 — https://www.jreast.co.jp/company/business_strategy/business/realestate_hotel/