この記事の結論
- 川口市の中古マンション成約相場は、複数の調査機関のデータに基づいて把握する必要があります。
- 築年数と駅距離で価格差が最大5倍以上開くため、自分の物件の条件を先に確認することが重要です。
- 売出価格と成約価格は別物で、相場を正しく把握するには成約ベースのデータを見る必要があります。
川口市のマンションを売ろうと考えたとき、「いくらで売れるのか」が最初の疑問になるはずです。ネットで調べると数字がいくつも出てきて、どれが正しいのか迷ってしまう方も多いでしょう。実は、売出価格と実際に売れた価格(成約価格)は別物で、この違いを知らないまま進めると、査定額を見誤るリスクがあります。この記事では、複数の調査機関の最新データをもとに、川口市のマンション売却相場を駅別・築年別・広さ別に整理します。自分の物件がどのくらいの価格帯に入るのかを、具体的なイメージとともに確認していただける内容です。
売出価格と成約価格、どちらを見るべきか

まず押さえておきたいのは、「相場」と一口に言っても、2種類の数字があるという点です。一方は不動産ポータルサイトに掲載されている売出価格、もう一方は実際に売買が成立した成約価格です。この2つは、同じ物件でも数百万円単位で異なることがあります。
SUUMOが公表している川口市の売却相場は3,480万円ですが、同サービスは「成約価格ではなく、最終掲載時の価格をもとに算出したもの」と明記しています。つまり、売れ残った物件の価格も含まれているため、実態より高めに見える傾向があります。
一方、スムナラが国土交通省の不動産取引価格情報をもとに集計した成約ベースのデータでは、近年の成約データに基づいた平均取引価格が示されています。売却の判断に使うなら、成約ベースの数字を基準にすることが大切です。
ポータルサイトの数字は「このくらいで売りに出されている」という目安にはなります。ただし、実際に手元に入る金額を考えるときは、成約ベースのデータを参照するようにしてください。
ここまでのまとめ: 相場には「売出価格」と「成約価格」の2種類があり、売却計画には成約ベースの数字を使うのが基本です。
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駅ごとに価格はこれだけ違う

川口市には複数の路線と駅があり、どの駅の近くに物件があるかで、相場が1,000万円以上変わることがあります。LIFULL HOME’Sが公開している駅別データ(専有面積70㎡換算)では、川口駅の中古マンション相場データが最も高い水準にあり、川口元郷駅、西川口駅と続き、東川口駅、戸塚安行駅はより低い水準となっています。
川口駅と東川口駅を比べると、同じ70㎡でも大きな価格差があります。これは路線の利便性や周辺の生活環境の違いが価格に反映されているためです。川口駅はJR京浜東北線で東京・上野方面へのアクセスが良く、駅周辺の商業施設も充実しています。埼玉県の地価公示でも、川口駅周辺は「マンション需要が高い地点」として上昇要因に挙げられています。
また、スムナラの成約データをもとにした町名別の相場では、川口駅に近いエリアが高水準である一方、西川口や並木など、同じ川口市内でも大きな差があります。
自分の物件がどのエリアに属するかを確認することが、相場把握の第一歩です。駅名だけでなく、最寄り駅からの徒歩分数も価格に大きく影響します。
ここまでのまとめ: 川口市内でも駅によって相場は1,000万円以上異なり、川口駅周辺が最も高い水準です。
築年数で価格はどう変わるか
築年数は、売却価格に最も大きな影響を与える要素のひとつです。スムナラの成約データによると、築年数が増えるほど平均取引価格は下がる傾向にあります。㎡単価で見ると、築浅と築古の差は実に5倍以上です。
出口設計が集計した資料でも、築年数による㎡単価の差が顕著であり、築0〜10年と築31年以上では大きな価格差があります。築年数が30年を超えると、価格は築浅物件の半分以下になる傾向があります。
ただし、築古でも立地が良ければ価格を維持しやすいケースがあります。たとえば、SUUMOの売却実績例では、川口元郷駅近くの築23年・75㎡の物件が4,400万円台で成約しています。一方、川口駅近くでも築37年・71㎡の物件は2,000万円台にとどまっています。築年数と立地の組み合わせで価格は大きく変わるため、一概に「古いから安い」とは言い切れません。
リフォームや管理状態によっても評価は変わります。ただし、リフォーム費用を全額価格に上乗せできるとは限らないため、売却前のリフォームは慎重に判断することをおすすめします。
ここまでのまとめ: 築年数が増えるほど価格は下がる傾向があり、特に築30年超では大幅な下落が見られます。
駅からの距離が価格に与える影響
駅からの徒歩分数も、売却価格を左右する重要な条件です。スムナラの成約データによると、駅からの距離が遠くなるほど平均取引価格は下がります。
駅近物件と駅遠物件を比べると、㎡単価で2倍以上の差があります。つまり、同じ広さ・同じ築年数の物件でも、駅からの距離だけで数百万円から1,000万円以上の価格差が生じることがあります。これは、駅近物件は買い手が見つかりやすく、競争が起きやすいためです。
埼玉県の地価公示でも、川口市の住宅地では駅徒歩圏の地点が上昇をけん引しており、駅近エリアの地価上昇が顕著です。
駅からの距離は売却後に変えられない条件です。そのため、自分の物件の駅距離を正確に把握したうえで、同条件の成約事例と比較することが、適切な売り出し価格を決める近道になります。
ここまでのまとめ: 駅距離は価格に直結する条件であり、駅近物件と駅遠物件では大きな価格差が生じます。
売却を考えるときに確認しておきたいこと
売却を検討し始めたら、まず自分がどのケースに当てはまるかを整理することが大切です。住み替えで売却するのか、相続した物件を手放すのか、ローンが残っている状態で売るのかによって、進め方や優先順位が変わります。
住み替えの場合は、新居の購入時期と売却時期のタイミング調整が重要です。ローンが残っている場合は、売却価格がローン残高を上回るかどうかを先に確認する必要があります。残高を下回る場合(オーバーローン)は、自己資金で補填するか、金融機関と相談する必要があります。
売却にかかる費用も事前に把握しておきましょう。一般的に、仲介手数料は「売却価格×3%+6万円(税別)」が上限の目安とされています。たとえば3,300万円で売れた場合、仲介手数料は約105万円(税別)になります。このほか、登記費用や引越し費用なども発生します。また、売却益が出た場合は譲渡所得税がかかる場合があります。税金の詳細は、国税庁の公式サイトや税理士にご確認ください。
売却価格の目安は、成約ベースのデータと複数社の査定を組み合わせて判断するのが基本です。1社だけの査定では、高すぎる・低すぎるリスクがあります。複数の不動産会社に査定を依頼し、根拠のある説明をしてくれる会社を選ぶことが、納得のいく売却につながります。
ここまでのまとめ: 売却前には自分の状況の整理、費用の把握、複数社への査定依頼の3つを確認しましょう。
まとめ
川口市のマンション売却相場は、成約ベースのデータに基づいています。駅の違い・築年数・駅からの距離によって価格は大きく変わります。川口駅周辺の築浅・駅近物件は高い水準にありますが、築古・駅遠になると大幅に下がるケースもあります。
相場を調べるときは、売出価格ではなく成約ベースのデータを参照することが重要です。また、ポータルサイトの数字はあくまで目安であり、実際の売却価格は物件の個別条件によって変わります。複数の不動産会社に査定を依頼し、根拠のある説明を受けたうえで、売り出し価格を決めることをおすすめします。
ご自身の物件がいくらになるかは、実際の成約データと照らし合わせて確かめるのが早道です。
参考文献・出典
- 国土交通省 不動産取引価格情報提供制度 — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html
- SUUMO 埼玉県川口市のマンション売却価格相場 — https://suumo.jp/baikyaku/saitama/sc_kawaguchi/top/
- SUUMO 川口市の中古マンション相場 — https://suumo.jp/ms/chuko/soba/saitama/sc_kawaguchi/
- LIFULL HOME’S 埼玉県川口市のマンション売却価格相場・査定経験者データ — https://www.homes.co.jp/satei/mansion/saitama/kawaguchi-city/
- スムナラ 川口市の中古マンション相場データ — https://sumnara.jp/market/saitama/kawaguchi
- 出口設計 川口市の中古マンション相場|成約データで見る築年別の価格 — https://exitsekkei.com/areas/kawaguchi-shi/
- 埼玉県 地価公示 — https://www.pref.saitama.lg.jp/
一橋大学大学院MBA修了。大手デベロッパー法人部門、買取再販会社を経て現職。区分リノベ再販・都心事業用物件の買取再販を手がけ、業界7年の知見で記事を監修。
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