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市街化調整区域で住宅ローンを借りるには?金融機関の選び方を解説

市街化調整区域にある物件を購入したいと考えているのに、「住宅ローンが組めないかもしれない」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。実際、市街化調整区域の物件は一般的な住宅と比べてローン審査のハードルが高くなりやすく、金融機関によっては申し込み自体を断られるケースもあります。この記事では、市街化調整区域とはどのような場所なのかという基礎知識から、住宅ローンを取り扱う金融機関の具体的な条件の違いまでを丁寧に解説します。物件購入を検討している方が、適切な金融機関を選ぶための判断材料として役立てていただければ幸いです。

市街化調整区域とはどのような場所か

市街化調整区域とはどのような場所かのイメージ

まず押さえておきたいのは、市街化調整区域が法律上どのように位置づけられているかという点です。都市計画法では、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分しており、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域として定められています。

国土交通省の説明によると、市街化調整区域では許可できる開発行為の類型が限定されており、開発許可を受けた土地以外では一定の建築行為にも許可が必要とされています(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000046.html)。つまり、市街化区域のように自由に建物を建てたり、建て替えたりできるわけではないのです。

この制約が住宅ローンの審査にも大きく影響します。金融機関が住宅ローンを提供する際、万が一返済が滞った場合に備えて物件を担保として評価します。しかし市街化調整区域の物件は、建て替えや売却が難しいケースがあるため、担保としての価値が低く見積もられやすいのです。専門媒体でも「土地の担保評価が低くなるため、審査が厳しくなる」と指摘されており(LIFULL HOME’S https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00407/)、これが審査通過を難しくする主な理由となっています。

ただし、市街化調整区域の物件すべてが住宅ローンを利用できないわけではありません。開発許可を取得している物件や、条件を満たした建物については、ローンを組める可能性があります。重要なのは、物件の状況と金融機関の方針を事前にしっかり確認することです。

住宅ローンを断る金融機関の実態

住宅ローンを断る金融機関の実態のイメージ

実は、大手ネット銀行の中には市街化調整区域の物件を住宅ローンの対象外と明確に定めているところがあります。代表的な例がPayPay銀行とソニー銀行です。

PayPay銀行は、商品概要説明書において離島・市街化調整区域・都市計画区域外を対象外と明記しています(PayPay銀行 https://www.paypay-bank.co.jp/regulation/agreements88.pdf)。同行のFAQでも「申し込みできない物件」として市街化調整区域が挙げられており(PayPay銀行FAQ https://faq.paypay-bank.co.jp/faq/show/724?site_domain=customer)、申し込み自体が受け付けられません。なお、同行の住宅ローン変動金利の基準金利は、公式サイトで最新の情報をご確認ください。

ソニー銀行も同様に、住宅ローン商品詳細説明書において「市街化調整区域、離島についてはお取扱できません」と明記しています(ソニー銀行 https://sonybank.jp/products/hl/04.html)。同行の基本条件として申込時20歳以上・前年度年収400万円以上・借入期間最長50年などが設定されていますが、そもそも市街化調整区域では申し込みができないため、条件を満たしていても利用できません。

りそな銀行については、市街化調整区域内や都市計画区域外等の一部物件について住宅ローンを取り扱えない場合があるとしており(りそな銀行 https://www.resonabank.co.jp/kojin/jutaku/faq/faq_jutaku_0091.html)、一律に断るわけではないものの、個別の審査次第となります。このように金融機関によって対応が大きく異なるため、事前の確認が欠かせません。

条件付きで対応する金融機関の特徴

一方で、一定の条件を満たせば市街化調整区域の物件でも住宅ローンを利用できる金融機関も存在します。その代表例がSBI新生銀行です。

SBI新生銀行は、市街化調整区域内物件を原則取り扱わないとしながらも、「開発許可を得ていて第三者取得時にも再建築できる場合は申し込み可能」としています(SBI新生銀行FAQ https://faq.sbishinseibank.co.jp/faq_detail.html?id=1564&page=1)。申し込みの際には開発許可証の写しなどの書類提出が求められます。つまり、物件が適切な許可を取得していることを証明できれば、審査の土台に乗れるということです。

同行のパワースマート住宅ローンは、申込年齢20歳以上65歳以下、完済時80歳未満、前年度税込年収300万円以上の正社員・契約社員を基本条件とし、保証料は不要、団信保険料は銀行負担となっています(SBI新生銀行 https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/pdf/p_loan_syousai.pdf)。年収要件が比較的低めに設定されている点は、幅広い方にとって利用しやすい条件といえます。

フラット35についても、市街化調整区域の物件で利用できる可能性があります。住信SBIネット銀行が提供するd NEOBANKのフラット35FAQでは、「建築許可がおりる建物は対象となります」と明記されており、中古購入や借り換えでも建築許可済みであれば対象としています(d NEOBANK https://help.netbk.co.jp/faq_detail.html?id=3994)。フラット35の総返済負担率基準は、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下と定められています(住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html)。フラット35を取り扱う金融機関は全国に多数あり、住宅金融支援機構の取扱金融機関一覧には横浜銀行・静岡銀行・福岡銀行・西日本シティ銀行など多くの地方銀行が掲載されています(住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/kinyukikan/index.html)。

積極的に対応する金融機関の事例

市街化調整区域の物件に対して、より積極的に対応している金融機関もあります。その好例がイオン銀行と水島信用金庫です。

イオン銀行の土地先行住宅ローンは、担保対象地域として市街化調整区域・非線引き区域・準都市計画区域・都市計画区域外も取り扱うと明記しています(イオン銀行 https://www.aeonbank.co.jp/content/dam/abk/products_list/pdf/land_precedence.pdf)。保証料なし・団信保険料は銀行負担という条件も魅力的です。同行の住宅ローン金利(2026年8月1日現在)は、新規変動が物件価格80%以内で1.04%〜、80%超で1.12%〜となっており(イオン銀行 https://www.aeonbank.co.jp/interest/housing-loan/)、ネット銀行水準の競争力ある金利が設定されています。

地域密着型の金融機関として注目したいのが水島信用金庫です。同庫は市街化区域だけでなく「市街化調整区域の条件適合物件」も住宅ローン対象に含めており(水島信用金庫 https://www.shinkin.co.jp/mizushima/01personal/loan/0105)、地域の実情に合わせた柔軟な対応が特徴です。申込時18歳以上70歳未満・完済時80歳以下・融資金額1億円以内・融資期間最長40年以内という条件が設定されています。金利については公式サイトで最新の情報をご確認ください(水島信用金庫金利情報 https://www.shinkin.co.jp/mizushima/07/)。

このように、地方銀行や信用金庫は地域の事情をよく理解しているため、市街化調整区域の物件に対して柔軟に対応できるケースがあります。物件の所在地に近い金融機関に相談することも、有効な選択肢の一つです。

審査を通過するために準備すべきこと

市街化調整区域の物件で住宅ローンを申し込む際には、通常の物件以上に事前準備が重要になります。まず確認すべきは、対象物件が開発許可を取得しているかどうかという点です。

SBI新生銀行の事例でも示されたように、開発許可証の写しは審査において重要な書類となります。物件の売主や不動産会社に許可の有無を確認し、関連書類を早めに取り寄せておくことが大切です。また、第三者が取得した場合でも再建築が可能かどうかという点も、金融機関が担保評価を行う上で重要な判断材料となります。

次に、複数の金融機関に問い合わせることを強くおすすめします。前述のとおり、金融機関によって市街化調整区域への対応は大きく異なります。ネット銀行では断られても、地方銀行や信用金庫では対応してもらえるケースがあるため、一つの金融機関の回答だけで諦めないことが重要です。特に物件の所在地を営業エリアとする地域金融機関は、その土地の事情を熟知しているため、柔軟な対応が期待できます。

さらに、自身の返済能力を示す書類の準備も欠かせません。市街化調整区域の物件は担保評価が低くなりやすい分、申込者の収入や信用情報がより重視される傾向があります。源泉徴収票や確定申告書など、収入を証明する書類を整えておくとともに、他の借り入れを事前に整理しておくことも審査通過の可能性を高めます。

まとめ

市街化調整区域の物件への住宅ローンは、金融機関によって対応が大きく異なります。PayPay銀行やソニー銀行のように申し込み自体を受け付けない金融機関がある一方で、SBI新生銀行のように開発許可があれば対応する金融機関、イオン銀行や水島信用金庫のように積極的に取り扱う金融機関も存在します。重要なのは、一つの金融機関の判断で諦めず、物件の許可状況を確認しながら複数の金融機関に相談することです。フラット35も建築許可済みであれば利用できる可能性があるため、選択肢の一つとして検討してみてください。市街化調整区域の物件購入は確かにハードルが高いですが、適切な準備と情報収集によって道は開けます。ぜひ前向きに取り組んでみてください。

参考文献・出典

  • 国土交通省「都市計画:開発許可制度の概要」 – https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000046.html
  • 住宅金融支援機構「フラット35 ご利用条件」 – https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html
  • 住宅金融支援機構「取扱金融機関一覧」 – https://www.jhf.go.jp/kinyukikan/index.html
  • LIFULL HOME’S「市街化調整区域でも住宅ローンは利用可能?」 – https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00407/
  • d NEOBANK(住信SBIネット銀行)「フラット35 市街化調整区域の物件ですが、利用できますか?」 – https://help.netbk.co.jp/faq_detail.html?id=3994
  • PayPay銀行「申し込みできない物件はありますか。」FAQ – https://faq.paypay-bank.co.jp/faq/show/724?site_domain=customer
  • PayPay銀行「商品概要説明書:住宅ローン」 – https://www.paypay-bank.co.jp/regulation/agreements88.pdf
  • ソニー銀行「住宅ローン商品詳細説明書」 – https://sonybank.jp/products/hl/04.html
  • りそな銀行「取扱いできない物件や地域はありますか?」 – https://www.resonabank.co.jp/kojin/jutaku/faq/faq_jutaku_0091.html
  • SBI新生銀行「市街化調整区域ですが、住宅ローンの申し込みはできるか教えてください。」FAQ – https://faq.sbishinseibank.co.jp/faq_detail.html?id=1564&page=1
  • SBI新生銀行「パワースマート住宅ローン 商品説明書」 – https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/pdf/p_loan_syousai.pdf
  • イオン銀行「住宅ローン金利」 – https://www.aeonbank.co.jp/interest/housing-loan/
  • イオン銀行「土地先行住宅ローン 商品概要説明書」 – https://www.aeonbank.co.jp/content/dam/abk/products_list/pdf/land_precedence.pdf
  • 水島信用金庫「住宅ローン」 – https://www.shinkin.co.jp/mizushima/01personal/loan/0105
  • 水島信用金庫「金利情報」 – https://www.shinkin.co.jp/mizushima/07/

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