この記事の結論
- 港区の一戸建て売却相場は、町名・面積・駅距離で1億円台から9億円超まで大きく開きます。
- 2026年地価公示では赤坂の住宅地が1㎡あたり711万円と東京圏最高水準を記録しています。
- 「平均価格」だけを信じず、自分の物件と条件が近い成約事例で確かめることが重要です。
港区の一戸建てを売ろうと考えたとき、「いったいいくらで売れるのか」という疑問は誰でも最初に抱くものです。ネットで調べると「億超え」という言葉が並ぶ一方、実際の成約価格は町名や面積によって驚くほど幅があります。相続した実家を売るのか、住み替えのために売るのか、事情はさまざまでも、「損をしたくない」という気持ちは共通しているはずです。この記事では、国土交通省の実取引データや2026年地価公示をもとに、港区の一戸建て売却相場をできるだけ具体的にお伝えします。価格の幅がなぜ生まれるのか、どんな条件が値段を左右するのかも丁寧に解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
まず「自分はどのケースか」を確認する

売却を検討するとき、最初に自分の状況を整理しておくと、次のステップがスムーズになります。大きく分けると、「今すぐ売りたい」「住み替えのタイミングで売りたい」「相続した物件をどうするか迷っている」の3パターンが多いです。
今すぐ売りたい場合は、売り出し価格と売れるまでの期間のバランスが重要になります。港区の一戸建ては買い手が限られる高額物件が多いため、価格設定を誤ると長期間売れ残るリスクがあります。住み替えの場合は、売却と購入のタイミングをどう合わせるかが鍵です。仮住まいが必要になるケースもあるため、資金計画を早めに立てておくと安心です。
相続した物件の場合は、売却前に名義変更(相続登記)が必要です。また、売却益が出た場合は譲渡所得税がかかることがあります。税金の計算は個別の事情によって大きく変わるため、税理士や不動産会社に相談することをおすすめします。
ここまでのまとめ: 売る理由によって優先すべき準備が変わるので、まず自分のケースを確認しましょう。
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港区の一戸建て売却相場は「町名」で大きく変わる

港区の一戸建て相場を一言で表すのは、実はとても難しいことです。国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib.mlit.go.jp)が公開している実取引データを見ると、同じ「港区」でも町名によって成約価格が数億円単位で異なることがわかります。
元麻布エリアの実例を見てみましょう。麻布十番駅の中古マンション相場データから徒歩7分、土地95㎡・建物105㎡・1997年築の木造一戸建てが3億9,000万円で成約しています。同じ元麻布で、土地35㎡・建物60㎡・2018年築の鉄骨造でも2億6,000万円の成約例があります。小さな土地でも2億円を超えるのが元麻布の水準です。
一方、三田エリアでは、麻布十番駅から徒歩8分、土地60㎡・建物90㎡・1999年築の木造一戸建てが1億4,000万円で成約しています。同じ麻布十番駅圏内でも、元麻布と三田では価格が大きく異なることがわかります。南麻布では、麻布十番駅から徒歩10分、土地85㎡・建物270㎡・2004年築の鉄骨造が2億9,000万円で成約した例もあります。
これらはすべて国土交通省の実取引データに基づく事例です。「港区の平均」という数字だけを見ても、自分の物件の価格はわかりません。町名・駅からの距離・土地面積の3つが、価格を決める最大の要素です。
ここまでのまとめ: 港区内でも町名によって1億円以上の差が出るため、エリアごとの実例で確認することが大切です。
地価の水準から見る港区の価格の高さ
国土交通省が公表した令和8年(2026年)地価公示のデータでは、港区の地価水準の高さが数字でも確認できます。東京圏の住宅地で最高価格を記録したのは港区赤坂1丁目で、1㎡あたり711万円という水準です。変動率は20.5%で、前年からさらに大きく上昇しています。
また、港南エリアでは1㎡あたり226万円で、変動率22.2%と東京圏で最大の上昇率を記録しています(令和8年地価公示・国土交通省)。港区全体として地価の上昇が続いており、売却を検討しているオーナーにとっては追い風の状況といえます。
六本木・赤坂・麻布などの高級住宅地では、標準的な画地規模の土地で数億円から10億円超、複合不動産でそれ以上が中心的な価格帯とされています。また、麻布・赤坂・青山の「3A地区」では供給が限定的で価格上昇が続いており、標準的な規模の土地で数億円前後、土地建物の総額で10億円前後以上が中心とされています。
ただし、これらはあくまでも「高級住宅地の標準的な水準」です。実際の売却価格は、接道状況・建物の状態・前面道路の幅など個別の条件で大きく変わります。数字はあくまで目安として参考にしてください。
ここまでのまとめ: 2026年地価公示でも港区の地価上昇は続いており、売り時として注目されています。
面積・築年数・駅距離が価格に与える影響
港区の一戸建て価格は、面積が大きくなるほど高くなる傾向があります。築10年の中古一戸建てを例にとると、面積が大きくなるにつれて価格も上昇する傾向が見られます。面積が2倍になると価格もほぼ2倍に近づく傾向があることがわかります。
築年数については、港区では少し意外な傾向があります。掲載データによると、新築仲介の100㎡あたり平均価格と比較して、築20年以上の物件でも高い水準が出ていることがあります。これは、港区では建物の価値よりも土地の価値が圧倒的に大きいため、築年数よりも立地や土地面積が価格を左右するためと考えられます。
駅距離も重要な要素です。SUUMO掲載の相場データでは、建物140㎡以上の中古一戸建ての中央値として、表参道駅が7億4,800万円、麻布十番駅が6億7,000万円、白金高輪駅が4億1,900万円という水準が示されています(SUUMO)。同じ港区内でも、最寄り駅によって数億円の差が生まれることがわかります。
ここまでのまとめ: 港区では土地の価値が主役なので、築年数より面積・立地・駅距離を重視して相場を見ましょう。
売却前に知っておきたい費用と手続きの基本
一戸建てを売るときは、物件の売却価格だけでなく、手元に残る金額を計算することが大切です。売却にかかる主な費用として、まず仲介手数料があります。仲介手数料とは、不動産会社に売却を依頼したときに支払う報酬のことです。一般的には売却価格の3%+6万円(税別)が上限とされています。たとえば3億円で売れた場合、仲介手数料は約906万円(税別)になります。
次に、売却益が出た場合の税金です。譲渡所得税(売却益にかかる税金)は、所有期間や取得費によって計算が変わります。相続した物件の場合、取得費の計算が複雑になることがあるため、税理士への相談を強くおすすめします。また、住宅ローンが残っている場合は、売却代金でローンを完済する必要があります。残債が売却価格を上回る場合は「オーバーローン」と呼ばれ、別途資金が必要になります。
手続きの流れとしては、まず不動産会社に査定を依頼し、売り出し価格を決めます。その後、買い手が見つかれば売買契約を結び、引き渡しという流れになります。港区の高額物件は買い手が限られるため、売り出しから成約まで数ヶ月かかることも珍しくありません。余裕を持ったスケジュールで動くことが大切です。
ここまでのまとめ: 手取り額を正確に把握するには、仲介手数料・税金・ローン残債を合わせて計算しましょう。
まとめ
港区の一戸建て売却相場は、元麻布・赤坂・南麻布などの高級住宅地では数億円から10億円超、三田・白金台などのエリアでは1〜4億円台と、町名によって大きな幅があります。2026年地価公示でも港区の地価上昇は続いており、売却を検討するには追い風の環境です。しかし、「港区だから高く売れる」と安易に考えるのは禁物です。接道状況・建物の状態・前面道路の幅といった個別の条件が、最終的な成約価格を大きく左右します。まずは国土交通省の不動産情報ライブラリで自分の物件に近い成約事例を調べ、複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが、後悔しない売却への第一歩です。
ご自身の物件がいくらになるかは、実際の成約データと照らし合わせて確かめるのが最も確実な方法です。
参考文献・出典
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ(取引価格・成約価格情報について) — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices/about/
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ(港区・麻布十番駅周辺 戸建て取引価格情報) — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices?from=20242&landType=98®ion=200&route=12200&station=%E9%BA%BB%E5%B8%83%E5%8D%81%E7%95%AA&to=20251&tradeType=4
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ 鑑定評価書 港-2(六本木5-13-1) — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2025/13/2025131030002.html
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ 鑑定評価書 港-14(3A地区) — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2025/13/2025131030014.html
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ 鑑定評価書 港-5(西麻布1-8-19) — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices_/realEstateAppraisalReport/2025/13/2025131030005.html
- 国土交通省 令和8年地価公示の概要 — https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002001353.pdf
- SUUMO 港区(東京都)の中古一戸建て相場 — https://suumo.jp/chukoikkodate/soba/tokyo/sc_minato/
- LIFULL HOME’S 港区の中古一戸建て価格相場 — https://www.homes.co.jp/kodate/chuko/tokyo/minato-city/price/
- 住まいインデックス 港区の中古一戸建て価格相場や推移 — https://lifullhomes-index.jp/info/areas/tokyo-pref/minato-city/sale/kodate/chuko/